照沼ファリーザ写真展トークイベントレポート:アンビバレントの同居する写真の魅力

fareeza銀座のヴァニラ画廊にて2010年9月6日~18日の日程で、照沼ファリーザ写真展「食欲と性欲」が開かれている。照沼ファリーザはAV女優としては大沢佑香=晶エリーの名前でも知られているが、写真家としても活躍中。今回はセルフポートレートを中心とした作品が画廊に所狭しと飾られている。

11日に同画廊にて特別トークイベントが開かれた(司会:雨宮まみ)。照沼ファリーザという人の作品にはいろいろな「対立するもの」が同居している。単に「AV女優が撮った写真」に終わらない深さを感じた。

2010年9月12日17:53| 記事内容分類:創作・芸術| by 松永英明
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照沼ファリーザ

詳しくはこちらのページ参照。

今回展示された写真の一部は「写真 〜食欲と性欲〜」にも掲載されている(裸のセルフポートレート写真もあるのでそういうのが苦手な人は見ないでください)。

トークイベント

トークイベントは予約なし・先着順ということで、17時開演のところ16:30ごろ現場に到着。すでに行列は4階から1階まで階段を埋めていた。

開場自体も少し遅れる。椅子は40席くらい、その後ろで立ち見となった。全部で観客は60~70人前後だっただろうか。女性の割合も多かった(熱心なファンも多いようだ)。

イベント自体は結局40分遅れでスタート。というのも、照沼ファリーザの乗ったタクシーがあまり道に詳しくない人だったらしく、銀座に入れずにものすごく遠回りしたためらしい。涙を浮かべての登場となったが、その後は雨宮さんの誘導もあって充実した話が聞けた。

以下、開場で簡単にメモした内容をざっくり載せておく。あまりまとまってはいない。

照沼ファリーザの写真の撮り方

セルフポートレートも含め、自分一人で撮影している。重さ15キロの資材をかついで自然公園の奥に走っていき、誰もいないのを確認してバッと服を脱いで写真を撮ったり。

木に乗る写真などもあるが、すべて一人で撮っている。最近は慣れてきていて、このカメラならここからこれくらいまで写ってるな、というようなことが大体わかるようになってきた。

撮る写真は事前に大体の絵を描いて、そのイメージを再現する形で撮影するが、できあがった写真は事前に想定したイメージと大体合っている。あらかじめ考えているとおりのことが多い。小道具も自分で作り込んでいる。

バナナの写真)おしりのバナナは痛かった(笑)

巨大なカエルが頭に乗ってる写真など。これは友達の写真家からアマガエルを借りて撮影しに行った。すると、スタジオ前でカエルが跳びだしてきた。そこで、なかなかいいカエルだったので、拾った方の大きなカエルの方を使った。このカエルがなかなか役者で、頭に貼り付いている写真では目線もカエル自身がちゃんと向けていた。もう一つ、そのカエルがひっくり返っている写真があるが、そのカエルが自分でいきなりひっくり返って「撮って」という感じで動かなくなったので、それを撮影した。このカエルは、アマガエルを借りた写真家に二匹で返した。

虫などがひっついている写真もあるが、虫は苦手じゃない、というわけじゃないらしい。

アンビバレント

かわいい、子供っぽい部分と、大人っぽいところが両方自分の中にある。

子供のころには、エッチなこととか怖いという気持ちがあった。その気持ちは今もある。一方、大人っぽいもの(こわいもの)にもあこがれる部分がある。性的なものは怖いと思いながらあこがれる。この両極端でアンバランスな感じが共存している。「かわいい」と「かっこいい・こわい」の両方が一緒に存在している。それを違う自分として見ている部分もある。

普段はすごく潔癖。だから、撮影のときに虫とか気持ち悪いものに対して、かえって表情が大きくなる。わざわざオーバーにやってるのではなくて、自然とそうなる。

写真を部屋に飾るなら「かわいい」だけでもいいのだが、「きもちいい」と思ってもらうために作ったのではないから、こういう作品になる。

論理的に考えるのが苦手。直感的に表現している。題名はつけない。題名とかつけると壊されそう。自分の中のイメージが「これは何でしょう?」というような謎掛け的になるのは困る。とりあえずみてもらえたらいい。

(雨宮さんから「セルフポートレイト的な嫌らしさがない」と言われて)客観視しないとだめだと思っている。離れたところから見ている。単にエッチ好きな人がAVやっても違うように、「見てもらうために」撮らなければならない。

そのためには、じぶんのかわいさもブスな部分も両方知らないと演出できない。でないと、イタい感じになっちゃう。自分を使って威張るのは美しくない。表現も演出も好き。おねえさんぽい部分も、子供っぽい部分も出したい。魅力も悪いところも含めて知ってる人が一番魅力を引き出せると思う。

好きな色が変わってきた。今まではピンク色が好きだったが、最近、水色とかすっきりした色が好きになってきた。

小さいころから「せつなげなもの」「はかなげなもの」が好きだったが、それはAVやってから自分がそういうのが好きだということを確信した。かわいそうなかわいさ。かわいさ=弱さ。かわいいものをより引き立てることになる。たとえばAVなら、黒人によって、よりロリ感が引き立つとか。

影響を受けた写真家や美術家などは特にいない。よく知らない。

写真の感想

写真の中には、かわいらしい配色のものがあり、蜷川実花的な雰囲気も感じた。それを全部自分で小道具まで作り、自分や身の回りのものを被写体にして撮っているわけだ。一方、ちょっと暗い雰囲気のものもある。

トークの中でも出てきたとおり、いろいろな矛盾するもの、対立するものが共存しているのが彼女の写真の特徴だと思う。「子供っぽい」と「大人っぽい」、「かわいい(かわいそう)」と「かっこいい(こわい)」。

それだけではなく、「撮られる・観られる自分」と「撮る・観る自分」が完全に意識されている。観られる自分だけだと単に自己アピールだし、観る自分だけだと被写体自身が魅力を発揮できない。その両方が存在しているのが、彼女の写真の最大の魅力ではないだろうか。

なお、『WONDER LAND 食欲と性欲』として発売予定だが、価格も発売時期も未定(一応年内の模様)。装丁などでまだ発売が決められない状況らしい。会場で予約するとサインを入れてもらえるとのことなので、その場で予約しておいた。

写真展は18日土曜日まで。照沼ファリーザ本人も時々顔を出しているようである。もう一度ゆっくり見に行きたい。

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2010年9月12日17:53| 記事内容分類:創作・芸術| by 松永英明
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コメント(1)

 まるでご意見番のようなブログですね。
ちゃんと主張が通っていて気持良い。
これからも頑張って下さいね。

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