二〇〇七年十月十七日

波の中には雪 [土佐日記]

 十六日、風波止まねば、なほ同じ所に泊れり。ただ「海に波なくしていつしか御崎といふ所渡らん」とのみなん思ふ。風波、とにに止むべくもあらず。ある人の、この波立つを見て詠める歌、

 「霜だにも置かぬ方ぞといふなれど
  波の中には雪ぞ降りける」

 さて舟に乗りし日より今日までに二十日余り五日になりにけり。

 十六日、風波がやまないので、やはり同じ所に泊まりました。ただ「海に波がなくなって、いつか(室戸)御崎というところを通り過ぎたい」とだけ思います。風波はすぐにやみそうにはありません。ある人が、この波が立つのを見て詠んだ歌は、

 「霜さえも下りない地方というけれど
  波の中には雪が降ってるように見えるぞ」

 さて、舟に乗った日から今日まで、二十五日にもなってしまってます。

●室津:高知県室戸市の室津港

by 紀貫之&松永英明 二〇〇七年十月十七日
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[No.1] 投稿者:[2006年3月16日 17:15]comment

「霜だにも置かぬ方ぞといふなれど
  波の中には雪ぞ降りける」←室戸だったら
現代でさえ雪降るんじゃないの?

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