「騙り」と一致するもの

木村剛の「マスメディアへの対抗意識」は時代錯誤。中越地震マスゴミ批判記事を検証する

 「週刊!木村剛」の木村剛氏がこのところマスメディアへの対抗意識を燃やしている。しかし、これは明らかに時代錯誤なものであり、とうてい共感しえないものである。

 その最大の原因は、木村剛氏が「マスメディアVS民衆」という対立構造を図式として有していること。これは一昔前の学生運動の「権力者VS民衆」という構図と何ら変わることのない「自らを弱者と位置づけ、仮想敵との闘争を主目的とする」という時代錯誤な発想としか思えないのである。

 私自身もマスメディア報道を信用しているわけではなく、その被害というものにも遭ったことがある。しかし、「マスメディアVS民衆ブログ」という対立軸を中心に据え、「マスゴミに対するブログ軍団の橋頭堡」(週刊!木村剛:これが新潟県中越地震の真実だ!)というような意識をもっているということ自体が「時代錯誤」と思えてならないのである。

 マスメディアへの対抗意識でブログをやるということは、必然的にマスメディアに寄生、あるいは少なくともマスメディアを常に意識する立場にならざるを得ないということである。つまり、「アンチ・マスメディア」はマスメディアなくして存在し得ない。そして、マスメディアと同じ土俵で「闘い」続けなければならなくなる。

 我々に必要なのは、マスメディアを敵視し、対抗し、張り合うすることではない。ただひたすら淡々と、マスメディアが流そうと流すまいと、自分の見たこと、聞いたこと、知ったこと、感じたことを報じ、そして他の人の情報を検証・取捨選択して、真実に迫ることである。対抗ではなく、ただひたすら淡々と、本当の意味でのジャーナリズムを実践する。それによってのみ、ブログはマスメディアを「凌駕」する存在、あるいはもう一つのメディアとなりえるのである。

 もちろん、「週刊!木村剛」が「マスメディアのあら探しブログ」にとどまりたいのであれば話は別であるが。

 以下、一連の木村剛記事について検証してみたい。

続きを読む: 木村剛の「マスメディアへの対抗意識」は時代錯誤。中越地震マスゴミ批判記事を検証する
1

アーカイブ

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。
過去に書かれたものは月別・カテゴリ別の過去記事ページで見られます。