硫化水素自殺

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2008年5月25日 (日) 22:37時点における松永英明 (トーク | 投稿記録)による版
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硫化水素自殺は、市販の薬剤を使用して硫化水素を発生させて自殺するもの。2007年ごろから2ちゃんねる等インターネット上で方法が紹介され、その後自殺者が急増したことを受け、マスメディアが大々的に取り上げることでさらに大きな社会問題となった。

なお、硫化水素自殺者がいた場合、救出しようとして二次被害を受ける可能性があるため、現場から速やかに逃げて119通報することが必要である。

※この記事は社会現象としての硫化水素自殺を扱うものであり、自殺を推奨・促進するための者ではありません。また、具体的な方法についての記載は除いています。

硫化水素自殺の概要

酸性物質と金属硫化物を混合すると、有毒な硫化水素が発生して、生命に関わる危険が発生する。なお、酸性物質と硫黄を混合した場合には、硫化水素ではなく、塩素ガスが発生する(塩酸系洗剤容器に書かれている「まぜるな。危険」の表示は、この塩素ガス発生への警告である)。

一部では「一番安楽かつ確実」な自殺方法として紹介されたこともあるが、報道事例を検討すれば、自殺未遂に終わって失敗している例もあることがわかる。未遂の場合、報道されないことも多いと推測されるため、実際の成功率はさらに下がる可能性もある。また、高濃度の硫化水素では心筋梗塞などが起こることもあり、苦しまずに死ねるとは限らない。

楽に死ねる方法など無い!硫化水素自殺の闇 ≫ サプリメントコラム ≫ 知的健康生活マガジン QLife SQUAREより引用

硫化水素は呼吸系に作用し細胞が呼吸できなくする。つまり直接死に至る原因は「窒息死」である。呼吸しようとして肺は動くのに息が出来ない状況を想像すれば、それがどれくらい苦しいか、想像できるだろう。市販の洗剤を混ぜて発生する程度のガスで、首尾よく短時間で即死するくらいの高濃度のガスが発生するとは限らない、数時間はもだえ苦しむ事を覚悟しなければならない。遺体も法医学の専門家によれば、緑色に変色し溺死体のような見るに耐えない姿になる。また万が一死に切れなかった場合、鼻や肺など呼吸器系が損傷し酸素が脳にいかないため、脳に重い後遺症を残すなど、その後の生活も立ち直りが難しくなる。

硫化水素が発生していることがわかった場合、巻き込まれないようにするには、とにかく逃げることが必要である。硫化水素は重いため、できるだけ風上・上方へ逃げることが目安となる。硫化水素ガスは一般に、「卵の腐ったような臭い」がするとされるが、においを感じる前に巻き添えになるケースもある。ガスが無色で空気より重いために拡散しにくく、現場にかけつけた消防隊員が不調を訴えるケースもみられる。総務省消防庁は「現時点では早期の適切な避難が最善」としている。

硫化水素自殺情報の広がり

硫化水素中毒事故

硫化水素中毒事故は以前から発生している。特に清掃や工事中、マンホール内での作業で誤って硫化水素を吸入する事例が多い。

56 57 58 59 60 61 62 63 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16
被災者数 6 7 11 18 19 16 13 7 6 10 2 11 8 12 8 13 5 7 13 7 7 18 2 4
死亡者数 0 3 3 9 5 7 2 3 2 1 1 2 7 2 1 4 0 2 6 6 1 15 0 3
発生件数 4 6 4 7 9 9 7 3 4 5 2 6 3 6 4 8 3 5 6 3 5 7 2 2

2005年12月29日、秋田県湯沢市高松の泥湯温泉「奥山旅館」近くの雪のくぼ地で、宿泊客の家族4人が倒れる事故があった。東京都豊島区西巣鴨2、東京大学理学部助手(47)と妻(42)、小学3年の長男(8)、同1年の二男(6)の4人が倒れており、病院に運ばれたが、妻子はまもなく死亡、意識不明の重体だった助手も亡くなった。

県営駐車場の近くに硫化水素ガスの噴出口があり、その上に雪が積もっていた。噴出口付近はガスの熱で雪が解け、 くぼ地状になっていたが、子供の1人がこのくぼ地に落ちたフライングディスクを取ろうとして落ち、妻ともう1人の子が助けようとして落ちたとみられる。助手と従業員も3人を救助しようとしたが、助手もガスを吸って倒れた。

自殺の発生

市販品を使って硫化水素を発生させる自殺は、2007年3月6日、高松市の自宅アパート浴室で男性(24)が死亡した例が最初のものと思われる。

2007年7月13日、神奈川県秦野市の男子大学生(21)が自宅で硫化水素中毒となり死亡。兄(23)と母(49)も巻き込まれて死亡した。妹(18)が重体。遺書に「家族への不満はない」と記していた。救急隊員や警察官も目などの痛みを訴えた。意図的に硫化水素を発生させて自殺する事例が大きく報道されたのは、この事件がきっかけであったと思われる。

2007年には少なくとも6人が命を落としている。

2ちゃんねるコピペ

2007年には、インターネット上で硫化水素による自殺方法を紹介する内容が掲載されるようになった。

2ちゃんねるの多くのスレッドに、硫化水素自殺の方法を示したコピペが書き込まれるようになったのもこのころである。当初は単純に自殺方法のみが記されていたが、2008年はじめには、「練炭よりも簡単」などと硫化水素自殺を煽る文言が追加されるようになっていた。

練炭自殺に代わる、新しい自殺方法が開発されました。
火を起こす必要はありません。練炭よりも簡単です!

薬屋で簡単に買える2種類の液体の原液を、狭い密閉区間でただ混ぜるだけ!
一酸化炭素より強力な毒性を持つ【硫化水素】が一気に発生します。
★ よく「塩素ガス」と誤解されることがありますが、こちらはもう少し強力な【硫化水素】です。 ★
1000ppm以上の【高濃度硫化水素】を一気に吸えば、一瞬で意識を消失(ノックダウン)できます。
 ※ 「塩素ガス」では「ノックダウン」ができません!

このコピペの後半部分では、硫化水素を発生させるために必要な市販薬剤の名称と必要量などが詳細に書かれているが、ここでは省略する。

ネット上での硫化水素自殺情報では、必要な商品とその分量、目張りをすること、硫化水素発生警告の張り紙をすること、遺書を残すことが勧められている。

某自殺情報ページには以下のような記載があった。

ここで重要なのは、遺書(最近の若者はパソコンの中にテキストファイルで遺書を残すケースが多いようだが、直筆のほうがモアベターだと思われる。)の有無と、内側からの目張りです。これが無いと、警察は「自殺」ではなく「事件(自殺を装った他殺)」だと疑い、遺族や友人などにめんどくせえ思いをさせる羽目になる可能性が非常に高いです。あとは警告の張り紙。これは各自工夫してください。

他の自殺情報ページでは、張り紙のpdfファイルが紹介されている。

このため、特に「張り紙」を残したケースでは、インターネットからの情報に基づいて自殺を決行した可能性が高いと思われる。

マスコミ報道とネット情報規制

2008年3月27日、神戸市北区で27歳の会社員が硫化水素自殺を行ない、家族にも被害を及ぼす事件があった。次男は浴室の換気口に目張りし「有毒ガス発生。開けるな」と張り紙をして、浴室に閉じこもった。次男の部屋に家族あての遺書があった。

この日以降、連日のように「硫化水素自殺」がマスコミ報道されるようになる。報道では「インターネットに硫化水素自殺の方法が書かれている」ということが特に指摘され、ネットの有害情報を問題視する傾向にあったが、実際にはマスコミによって「インターネットで検索すれば硫化水素自殺の方法がわかる」ということを教えられたケースも多いようである。したがって、ネットだけではなく、マスコミ報道の姿勢にも問題があるといえる。

3月末から硫化自殺は一種のブームともいえるほど急増し、中には近隣住民350人が避難するなど大規模な被害をもたらす事例も発生した。その報道がウェルテル効果を生み出した側面は否定できない。4月以降も硫化水素自殺は連日のように報道されている。

その中で、警察などは「楽に死ねる」などの言葉とともに硫化水素による自殺方法を紹介したページを「有害情報」とし、プロバイダー等に削除依頼を求める動きに出ている。現在、多くのページが削除されているが、海外サーバー上の情報などは削除されていない。

中学理科教科書問題

中学理科の複数の教科書において、「物質の化合」の単元で、試験管の中で混ぜ合わせた鉄粉と硫黄の粉を加熱した後、塩酸を加えて硫化水素を発生させ、においをかいでみるという実験をイラスト付きで紹介している。

教科書会社は、イラスト中に記載しているとおり、「換気を十分に」「深く吸い込まない」「発生する気体は有毒」などの注意点をあらためて説明している。何十年も前から載せているスタンダードな実験であり、注意を守れば安全。

考察すべき問題点

硫化水素による自殺数は急増しているものの、現在、日本では毎年約3万人が自殺しており、実際の自殺における方法として硫化水素はわずかな割合にとどまっている。

「楽にきれいに死ねる」という誤情報によって、自殺志願者が硫化水素を選んだ可能性は高いが、硫化水素を防げば自殺が防げるわけではなく、他の手段を選ぶであろうことは容易に推測できる。

したがって、自殺企図そのものを防ぐための努力が必要である。

死にたくなる状況や心境に追い込まれる可能性は、どんな人でも存在している。そして、相談することによって死以外の何らかの方策が見つかることもある。したがって、たとえ死ぬ覚悟が固くても、死にたくなったらとにかく「いのちの電話」などに連絡することが必要である。

事例年表

  • インターネット上での検索で見つかった報道記事に限る。すべての関連事件報道を網羅しているわけではなく、またすべての事件が報道されているわけでもないことに留意。
  • 一部、自殺ではないが、硫化水素関連事故・事件も扱っている。
  • 時刻は、通報・発見された時点でのものである。
2007年3月6日
  • 高松市の男性(24)が自宅アパート浴室で死亡。近くの小中学校で一時校舎の窓を閉めたり、周辺に交通規制が敷かれた。
7月13日
  • 神奈川県秦野市の男子大学生(21)が自宅で硫化水素中毒となり死亡。兄(23)と母(49)も病院に運ばれ、その後ともに死亡した。妹(18)が重体。学生が自殺を図り、意図せず家族を巻き添えにした可能性。遺書に「家族への不満はない」と記していた。救急隊員や警察官も目などの痛みを訴えた。
2008年2月16日
  • 午後4時20分ごろ、埼玉県川越市大仙波のラブホテルから「連絡のとれない部屋から異臭がする」と通報。浴室で男女3人の遺体が見つかった。浴室のドアは中から粘着テープで目張り。3人の身元は、東京都目黒区の東京大学四年生の女性(23)、愛知県知多郡の私立大1年生の男性(19)、埼玉県朝霞市の無職男性(35)。家族の話で3人に接点が見つからないことなどから、自殺サイトで知り合い、集団自殺を図ったとみられている。
2月18日
  • 朝、東京都渋谷区の3階建てアパート。3階に住むアパート所有者の女性は激しい頭痛で目が覚め、異臭に気付いた。応答のない1階の鍵を開け、警察官らと部屋に入ったところ、居間では男性(27)がソファで倒れていた。男性は硫化水素を発生させて自殺を図っていた。男性は一命を取り留めた。確実に死ねるようきっちりと洗剤を計量し、方法はインターネットで調べたという。
2月29日
  • 午前10時ごろ、大阪市港区八幡屋の会社員(53)方で、「異臭がし、家族が有毒ガスを発生させたようだ」と110番通報。国立大学院生の長男(24)の自室入り口に「有毒ガスが発生中。硫化水素。警察を呼べ」と張り紙があり、室内で長男が死亡していた。ガスを吸った祖母(84)と母親(51)が病院搬送されたが軽症。「生きていくことに意欲がなくなった」と遺書。
2月
  • 帯広市内の20代の男性が硫化水素で自殺していた。共同住宅の1室で、プラスチック製の容器内で硫化水素を発生。
3月上旬
  • 沖縄本島中部の住宅密集地で、男性が自殺。近所の住民から消防本部に「硫黄のにおいがする」と通報。男性宅の母屋から約一メートル離れた別棟の浴室のドアに、「有毒ガス発生中」と書かれたA4の紙一枚が張られていた。
3月
  • 岡山市で高校2年の男子生徒(17)が自殺。母親も死亡。
3月27日
  • 午前2時35分ごろ、神戸市北区若葉台2丁目の会社員(64)方から「次男が浴室でガスを発生させ、家族が倒れている」と119番通報。家族4人が病院に搬送されたが、会社員の二男(27)が硫化水素による中毒で死亡、会社員も意識不明の重体。妻(59)と長男(32)も治療を受けているが命に別条はないもよう。次男は浴室の換気口に目張りし「有毒ガス発生。開けるな」と張り紙をして、浴室に閉じこもった。次男の部屋に家族あての遺書があった。
3月28日
  • 午前9時20分ごろ、静岡市葵区平山の林道沿いで、ビニール袋をかぶった女性が倒れているのを通行人が見つけ、110番通報。女性は既に死亡。現場には「毒ガス発生、110番してください」という趣旨を書いた紙があり、女性は袋の中でペットボトルを持った状態。
3月31日
  • 正午すぎ、札幌市中央区北五条西のマンションの無職男性(69)方で、浴室ドアに「硫化水素がある。近寄るな」と書いた紙が張ってあるのを、帰宅した男性が見つけ、119番通報。浴室内で、男性の次男(32)が死亡。浴室のドアや窓が粘着テープで目張りされていた。
4月4日
  • 午前7時10分ごろ、大阪府枚方市招提南町で「2人が倒れている。異臭がする」と119番。この家に住む5人の男女が倒れているのを発見。病院事務員の長女(23)が死亡し、妻(47)が重体。風呂場には目張り。風呂場で物音がしたため、家族が見に行くと長女が倒れており、妻が助けに入った。ほかに病院に運ばれたのは男性(74)と女性(71)ら3人でいずれも意識はある。
  • 【事故】午前8時50分ごろ、山梨県甲州市塩山竹森の「おぎはら塩山農薬工業所玉宮工場」から「作業員2人が倒れ意識がない」と119番。硫化水素が入っていたタンク内で清掃作業をしていた50歳の男性作業員が死亡。59歳の男性作業員は意識不明の重体。
  • 午後7時10分ごろ、京都市北区大北山原谷乾町の男性会社員(24)が自宅マンションの風呂場で倒れているのを、訪ねてきた父親(48)が見つけた。男性は死亡。風呂場が目張りされていた。同日昼ごろ、男性から別居している父親に自殺をほのめかすメールがあり、心配になった父親が訪ねた。
4月5日
  • 未明、東京都八王子市の高尾山で、硫化水素を使って自殺している男性(29)が発見された。
  • 午前11時半ごろ、東京都八王子市の高尾山で、東京都内に住む高校1年の男子生徒(16)がテントの中で死亡。午前8時半ごろ、高尾山で自殺することをほのめかすメールを母親に送信。両親が110番。テントの中で生徒は頭からポリ袋をかぶっていた。近く入学式の予定だった。
4月7日
  • 午後7時ごろ、札幌市の繁華街ススキノにあるマンション「J1すすきのビル」で、ガスのような異臭がすると110番。4階の部屋の浴室で男性が死亡。部屋の扉に「ガス充満危険」と書かれた張り紙。
4月8日
  • 午後5時40分ごろ、滋賀県彦根市芹川町の派遣社員の男性(31)が住むアパートの部屋を訪ねた上司(30)が、浴室のドアに「消防に硫化水素で自殺と連絡してください」と書いた張り紙があるのを見つけ、119番通報。浴室内で男性は死亡。粘着テープで目張りされていた。男性は1人暮らし。数日前から無断欠勤していたため、上司が様子を見に来た。
4月9日
  • 午前6時15分ごろ、大阪府八尾市山本町の会社社長の父親(50)から「娘が浴室で倒れている。異臭がする」と119番通報。無職の長女(18)が服を着たまま倒れており、死亡。浴室ドアには「硫化水素発生。この家に生まれてきて幸せでした。ありがとう」などと手書きの張り紙があった。浴室には目張りがされていた。長女は3月に高校を卒業したばかりで、張り紙には家族に対する感謝の言葉も書かれていたという。
  • 午後11時ごろ、東京都葛飾区亀有の都営住宅「亀有2丁目第8アパート」の一室に住む女性から「硫黄のにおいがする」と119番通報。浴室で、女性の無職の長男(36)が死亡。浴室には目張り。玄関ドアにはチェーンがかけられ、「硫化水素発生中。入るな」と張り紙。
4月10日
  • 10日正午ごろ、京都市右京区梅津南上田町のマンションで、友人からメールで頼まれて郵便受けを見た女性が「部屋で硫化水素が発生しています」と書かれた紙を見つけ、110番。4階の一室の浴室で、住民の女子大生(23)が死亡。遺書があった。
4月11日
  • 午前5時ごろ、名古屋市東区砂田橋の大幸東団地101棟518号室の玄関ドアに「硫化水素が充満しています」などと書かれた紙が張られているのを、新聞配達員が発見。室内で60歳くらいの男性が死亡。独り暮らし。
4月12日
  • 午前6時5分ごろ、大津市黒津の川岸で散歩中の女性(50)がブルーシートの中で男性が倒れているのを見つけ、110番。死亡したのは近所に住む男性(61)。上着のポケットには遺書。
  • 午後4時半ごろ、兵庫県西宮市山口町金仙寺のマンション(3階建て)で、2階に住む男性会社員(26)が自宅の浴室で死亡。自宅から自殺をほのめかすメモ、室内の廊下に「毒ガス発生中」と書かれた張り紙。
  • 午後6時25分ごろ、東京都北区神谷のマンション3階に住む女性(36)が自室で死亡。訪ねてきた母親が発見。
4月13日
  • 午後1時ごろ、岡山県井原市芳井町の民家で、帰宅した母親(44)が浴室内に無職の次男(19)が倒れているのを発見。次男と、浴室前の廊下で倒れていた母親を病院に運んだが、次男は死亡した。母親は意識がある。浴室は粘着テープで目張りされ、脱衣所のドアに「ガス発生中、開けるな」との張り紙。
  • 午後6時半ごろ、大阪市大正区のパート従業員の女性(48)方で、「浴室から異臭がする」と、外出先から帰宅した女性が119番。同居している会社員の長女(18)が浴室内で死亡。遺書が見つかった。
4月14日
  • 午前7時45分ごろ、岡山県笠岡市平成町の笠岡総合スポーツ公園内で、公園の管理人が陸上競技場の外側で大きな袋に入った男性の遺体を発見。男性は鳥取県の弁護士(31)だった。病気で休職中。
4月15日
  • 午後11時15分ごろ、静岡市葵区のアパートの無職女性(34)方を訪れた父親(63)が「娘が倒れており、ガスのにおいがする」と119番。女性は1階浴室で死亡。ガスを吸った父親が頭痛を訴え、病院に搬送された。
4月16日
  • 午前4時ごろ、横浜市南区南吉田町のマンションの浴室で、男性(27)が死亡。同日未明、男性の知人の女性(19)から「自殺をほのめかすメールがあったので、男性宅を確認してほしい」と110番があった。近くに住む女性2人が気分が悪くなり病院に運ばれた。
4月17日
  • 午前1時15分ごろ、北九州市八幡東区中尾の民家の駐車場に止めてあった軽自動車後部座席で、この家に住む男性会社員(37)と女性会社員(36)の夫婦が死亡。女性は発見者の友人に自殺をほのめかす内容のメールを送っていた。車は内側から鍵がかけられていた。
  • 午後5時50分ごろ、愛知県常滑市内のドラッグストアで、男子大学生(18)が自殺を図ろうとして商品を購入。店舗横の屋外トイレ内の個室で混ぜ合わせて硫化水素を発生させ、トイレ近くにいて硫化水素を吸った男性会社員(26)に3日間の傷害を負わせた。硫化水素を発生させた後、放置して逃げている。23日に逮捕され、「インターネットで硫化水素を使った自殺がはやっているのを知り、自殺してみたくなった」「死ぬのが怖くなった。誰かが巻き込まれても構わないと思った」と供述。
  • 午後6時半ごろ、東京都練馬区豊玉北のマンション一室で、トイレで会社員の男性(30)が死亡。帰宅した母親(57)と妹(27)が見つけ、119番。母親と妹も気分が悪くなり搬送された。男性には精神科の通院歴があり、これまでも数回、自殺を図ったことがある。同じマンションの14世帯39人が避難。
  • 【削除】硫化水素を発生させる方法がインターネットの掲示板に多数書き込みされ、自殺を誘発している恐れがあるとして、京都府警は京都府内に事業所を置く23のプロバイダーに書き込みの削除を検討するよう文書で要請した。
4月18日
  • 午前1時半ごろ、東京都豊島区東池袋のマンションで、飲食店アルバイトの女性(22)の部屋を友人が訪ねたところ、玄関に「硫化水素発生中」と書かれた紙が張られていたため119番通報。女性は浴槽で死亡。「死にたい」などと自殺をほのめかす内容のメールを友人に送っていた。心配になった友人が部屋を訪ねた。
4月19日
  • 午前0時45分ごろ、栃木県二宮町堀込の鬼怒さくら公園の駐車場で、栃木県芳賀郡の男性店員(28)が車の中で死亡。遺書があった。発見した真岡署員2人が気分の悪さを訴えて病院で治療を受けた。いずれも軽症。
4月21日
  • 午前8時50分ごろ、名古屋市天白区天白町の民家前の乗用車内で、この家に住むアルバイト女性(24)が死んでいるのを妹(21)が見つけ、母親(51)が119番。車内に「ごめんなさい」などと書かれた遺書とみられる紙。助手席で袋を頭からかぶった状態で死亡していた。ガスを吸って気分が悪くなった妹が病院に運ばれたが、間もなく回復。
4月22日
  • 午前、愛知県阿久比町卯坂坂部のマンション3階で、住人の無職男性(27)が浴室で死亡。近くに住む母親(54)が発見。室内に「硫化水素危険」などと書いた張り紙。
  • 午前10時25分ごろ、豊橋市船町の駐車場に止まった乗用車内で、近くに住む会社員男性(33)がぐったりしていると会社の同僚男性(36)から110番。死亡。
4月23日
  • 午前1時ごろ、館林市内のアパートで住人の男性(20)が硫化水素を浴室で発生させ、近所に住む人から「異臭がする」と通報があり、約2時間にわたり近隣住民が避難。
  • 午後7時40分ごろ、高知県香南市香我美町徳王子の市営住宅「ハピネスかがみ」(5階建て)で「異臭がする」と近所の住民から消防に連絡。14歳の少女が市営住宅の3階の一室で死亡。少女の自宅玄関ドアに「ガス発生中」の張り紙、遺書もあった。救急搬送された人が21人、自ら病院に行った人も68人。母親(38)ら14人が入院、同じ市営住宅の女性(27)が一時意識不明になっていた。女子生徒は中学1年の2学期ごろから不登校の傾向があった。1年の2学期にバレーボール部の練習についていけずに休部、担任教諭との相性、3年時には不登校による出席日数不足や学習面で不安があった。2、3年生への進級時には、「仲の良い生徒と同じクラスにしてほしい」などという相談があった。少女は2年生では、約240日の出席日のうち、約3分の2にあたる約160日を欠席。3年生になってからは、始業式の7日と翌8日は出席していたが、以後は欠席していた。
4月24日
  • 午前11時5分ごろ、滋賀県湖南市岩根中央のビジネスホテル「ホテルサンクレスト甲西」から、「客室から硫黄のようなにおいがする」と119番。鍵のかかった7階の客室の浴室内で、滋賀県在住の30代の男性が死亡。室内には硫化水素による自殺をほのめかす張り紙。従業員9人が気分の悪さを訴えて病院に搬送されたが、いずれも軽症。
  • 午後、大月市の公園駐車場で、市内に住む20代男性が乗用車内で死亡。関係者に自殺をほのめかすような発言をしていた。
  • 【聖火妨害】26日に長野市で行われる北京五輪聖火リレーで、「硫化水素をまく」などとリレーの妨害を予告するメールが市に寄せられていた。24日の鷲沢正一長野市長の定例会見で明らかにされた。同席した市危機管理防災課の職員は、リレーの妨害を予告するメールが同課に10通ほど届いているといい「『硫化水素をまく』とかいろいろな話がある」と説明した。
4月25日
  • 午前6時15分ごろ、茨城県那珂市瓜連の民家脇に止めてあった軽トラック内で、那珂市環境課主幹の男性(33)が死亡しているのを同居の父親が発見、119番通報。男性は運転席に座った状況で死亡。車には鍵がかかっていた。
  • 【たぶん事故】午前10時ごろ、福島県西郷村の医療用器具製造業、オリンパスメディカルシステムズの工場から「異臭がして従業員が目やのどに痛みを訴えている」と119番通報。20~40代の男女17人が同県郡山市の病院に搬送。一部に頭痛や吐き気を訴える人もいたが、いずれも症状は軽い。工場によると、内視鏡の修理部門で硫化水素の発生源となりうる薬剤を使っており、硫化水素が発生した可能性がある。
  • 午前10時ごろ、北区赤羽台3の区立桐ケ丘体育館の敷地内で男性が死亡。「硫化水素発生」と書かれたメモ。埼玉県川口市の男性(51)。
  • 午後1時ごろ、東京都千代田区有楽町の高級ホテル「ザ・ペニンシュラ東京」10階1019号室のデラックススイート(1泊約14万円)で硫化水素が発生、宿泊客の岡山県の男性会社員(47)が死亡。午後0時50分ごろに、10階のフロア担当職員が、卵の腐ったような異臭に気づき、連絡を受けたアシスタントマネジャー(40)が、特に異臭の強い部屋のドアを開けた。室内のいすの上に、ホテルのA4便せんに鉛筆で「硫化水素による自殺のため入室にあたっては注意してください」と横書きで書いてあった。危険を感じたマネジャーはすぐドアを閉め、110番通報。
  • 午後3時25分ごろ、大阪市西区本田のマンションに住む無職男性(28)が浴室で死亡。男性が友人に「今から硫化水素で自殺する」とメール。
  • 午後3時20分ごろ、横浜市栄区飯島町のマンション「ニューシティ本郷台パークヒルズ」D棟で、「硫黄のようなにおいがする」と119番。2階にある一室の浴室で、この部屋に住むトラック運転手の男性(38)が死亡。次男(8)や、のどの痛みを訴えた4階に住む女性(45)と息子(6)の計3人が病院に運ばれた。男性は5人暮らし。他の4人は不在だったが、次男だけが硫化水素発生中に帰宅。浴室ドアには「キケンあけるな!」と書かれた張り紙があり、換気扇などは目張りされていた。150人が避難。
  • 午後4時すぎ、北九州市小倉北区井堀5丁目、北九州交通公園の駐車場で、乗用車の車内で同区の無職男性(46)が死亡。車のドアに「硫化水素発生中」の張り紙。車内に遺書。
  • 午後4時20分ごろ、大阪市西区のマンションの浴室で、この部屋に住む男性(28)が死亡。
  • 午後5時半ごろ、大阪市都島区友渕町のマンション2階の高校教員(52)宅浴室で、妻(54)が倒れ死亡しているのを帰宅した教員が見つけた。テーブルに「私が死んだら葬式は不要」とのメモ、「有毒ガス発生」の張り紙。
  • 午後5時40分ごろ、東京都江東区東砂7のマンションの一室で、男性(29)が浴室内で死亡。
  • 【販売注意】厚生労働省は25日、硫化水素による自殺者が相次いでいる事態を受け、日本薬剤師会、日本チェーンドラッグストア協会など医薬品販売関連の4団体に対し、硫黄を成分に含む入浴剤の販売に注意するよう文書で通知した。通知は、入浴剤について「使用目的が不審な者や、安全な取り扱いに不安があると認められる者には販売を差し控える」「同時に酸性洗剤を購入する者には特に注意する」などとして、事件の未然防止への協力を求めている。
4月26日
  • 午後1時15分ごろ、大分県別府市の男性(52)から「自宅トイレに『警察と消防に連絡して。近寄るな』と張り紙がある」と通報。男性宅(2階建て)の2階トイレの中でパート店員の長女(31)が死亡。長女は24日正午ごろ死亡したらしい。
  • 午後6時ごろ、横浜市青葉区新石川3のマンション「コスモたまプラーザグリーンガーデン」で異臭がすると、住民から警備会社を通じ119番。4階の一室の浴室で高校3年生(17)が死亡。粘着テープで目張り。洗面所のドアにサインペンで「危険 硫化水素発生中(毒ガス)絶対に開けないでください」と書かれた張り紙があるのを、中学3年生の弟(14)が発見、通報。
  • 午後6時20分ごろ、埼玉県越谷市七左町4の病院駐車場で、エンジンをかけた乗用車の運転席で男性がハンドルにもたれてぐったりしているのを、パトロール中の越谷署員が見つけた。死亡していた。東京都文京区の職業不詳の男性(36)
  • 午後9時45分ごろ、福岡県古賀市の男性から「息子が硫化水素で自殺を図っている」と119番。男性宅のトイレで息子(26)が死亡。トイレの入り口には「ガス発生中」という内容の張り紙があり、内側から粘着テープですき間がふさがれていた。
4月27日
  • 正午ごろ、大阪市東淀川区南江口の市営住宅1階の無職男性(38)方で、浴室で男性が死亡。帰宅した長女(10)が見つけた。浴室のドアに目張りはなかったが、排水口はポリ袋をセロハンテープで張ってふさがれていた。妻と長女、長男の3人は外出中だった。
  • 午後1時45分ごろ、大阪府和泉市箕形町のマンションのトイレで、私立大学4年の女性(21)が死亡。トイレには目張りされていた。玄関ドアの内側に「有毒ガス発生中です。自殺です」「許してください」などと書かれた紙。女子大学生は一人暮らし。連絡がないのを心配した家族が部屋を訪ね、異常に気付いた。
  • 午後3時5分ごろ、千葉県松戸市仲井町のワンルームマンション4階の一室の浴槽内で、この部屋に住むアルバイトの男性(24)が死亡。風呂場の入り口ドアに「硫化水素発生中」と記された張り紙があり、粘着テープで目張りされていた。同僚が「24日から出勤してこない」と通報。
4月28日
  • 午前6時半ごろ、岩手県盛岡市玉山区の四十四田ダム近くの公園駐車場で、軽トラック内に男性が倒れているのを山菜採りに来た人が発見。同区の20代前半の男性が死亡。硫化水素による自殺をほのめかす張り紙。
  • 午前8時すぎ、福島県相馬市椎木北原の空き地の乗用車で男性が死んでいるようだと通行人が通報。同市の男性(45)が死亡。運転席近くに「毒ガス注意」のメモ。遺書のようなものあり。
  • 午後2時45分ごろ、札幌市北区あいの里四条の「あいの里めだか公園」公衆トイレから硫黄のようなにおいがすると、近所の人から119番があった。駆け付けた消防隊員らがトイレ内の個室で、頭から袋をかぶり死亡していた女性会社員(22)を発見。北署は硫化水素で自殺を図ったとみて調べている。扉は施錠されていた。
  • 午後8時15分ごろ、島根県斐川町直江町の斐川公園駐車場で、駐車していた乗用車の後部座席に男性が倒れているのを、男性の知人が発見、119番。死亡した男性は県内の20代。
4月29日
  • 午前8時半ごろ、神奈川県横浜市緑区いぶき野の田んぼで男性会社員(55)が死亡。「申し訳ない」などと書かれた家族あての遺書。
  • 午前8時半ごろ、栃木県足利市助戸1のアパート前を通りかかった女性(44)が1階ドアに「硫化水素、ドク、死ぬぞ」と書かれた張り紙を見つけ、連絡を受けたアパートの管理会社が通報。死亡したのはこの部屋に住む無職男性(34)。
  • 午前9時15分ごろ、大阪府寝屋川市萱島信和町のマンション(6階建て)2階の男性会社員(35)が浴室で死亡。訪れた母親(66)から「異臭がする」と110番通報。
  • 午前11時15分ごろ、栃木県足利市助戸のアパート1階の部屋の浴室で、住人の無職男性(34)が死亡。玄関のドアに「硫化水素、ドク、死ぬぞ」と書いた紙。
  • 午前11時20分ごろ、香川県高松市藤塚町2丁目のマンション3階の部屋のトイレで、住人の大学生の男性(20)が死亡。部屋には「硫化水素発生中」と書いた張り紙。約40人が2時間以上避難。
  • 午後3時20分ごろ、宮崎県延岡市萩町にあるマンション6階の部屋で、住人の一人暮らしの女性(22)が浴槽内に倒れ死亡。部屋に遺書。数日前から連絡が取れなくなった友人が管理人に部屋を確認するよう依頼し、室内に入った管理人が浴室のドアに「硫化水素発生中」と記した張り紙があるのを発見、通報した。
  • 午後7時50分ごろ、埼玉県川口市東領家1の住宅兼店舗(家具店)のトイレで、この家に住む経営者の娘(31)が死亡。1階が住宅兼店舗で、2、3階がアパートだった。トイレのドアには赤い文字で「キケン」と書いた紙が張られていた。
4月30日
  • 午前8時15分ごろ、神奈川県平塚市須賀の相模川にかかる湘南大橋のたもとの河川敷に止められた乗用車の中で、横浜市港北区の男性(50)が死亡。ドアがロックされていた。
  • 午後0時すぎ、大阪市住吉区長居西1丁目のマンション6階から「異臭がする」と110番通報。大阪地検の事務官(20)が死亡。無断欠勤を不審に思った上司と義父が訪ねたところ、玄関に「風呂場に入らないで」との張り紙があった。上司(38)は気分が悪くなり病院に運ばれた。
  • 【硫化水素殺人未遂】午後4時50分ごろ、福島県桑折町の民家で、三男(49)が硫化水素を発生させて母親(82)を殺害しようとしたところ、父親(80)が見つけ、100番。三男は逃走したが、約1時間半後に近くの山林に潜んでいるところを署員に発見された。殺人未遂の疑いで逮捕。実際にガスは発生しなかった。「(母親が)死ねばいいと思った」と供述。母親は足が悪く、ここ数年は常に介護が必要な状態だった。5月21日、殺人予備罪で起訴。
  • 【削除】警察庁は「簡単に死ねる」などの表現とともに硫化水素の発生方法を記したインターネット上の書き込みについて、周囲を巻き込んだ傷害や傷害致死事件を誘発するとして「有害情報」に指定。民間団体を通じ、プロバイダーやサイト管理者に削除を要請する。同庁は有害情報に当たるかどうかの基準として、「簡単に作れます」といった製造の誘引や、「簡単・確実に死ねます」など利用を誘引する文言が含まれていることを要件として定め、化学式の記載だけなど学術目的と判断される場合は除外するという。
5月1日
  • 午前1時20分ごろ、北海道小樽市桂岡町の男性(59)から「息子が家で倒れている」と119番。男性宅で倒れている長男(24)と妻(58)を発見、病院に運んだが長男は死亡。350人が避難。
  • 午前4時40分ごろ、東京都江戸川区北小岩の民家で「硫化水素とみられるガスが発生している」と消防に通報があった。2階のベランダで女性(33)が意識不明。女性の夫(34)が夫婦間のトラブルについて近くの交番で署員(31)に相談していたところ、妻から自殺をほのめかす電話があった。夫が署員とともに自宅に向かったところ、異臭がしたため消防に通報。夫や署員、長男(14)も気分が悪くなり病院に搬送されたが、いずれも軽症。
  • 午前5時20分ごろ、郡山市中田町牛縊本郷の県道で、道路左わきに停車していた乗用車の運転席で、須賀川市内に住む私立大1年生の男性(18)が死亡。
  • 午後6時55分ごろ、愛媛県新居浜市坂井町3の駐車場で、止まっていた車を見た男性が、「車の中で2人が身動きしない」と近くの交番に通報。乗用車内で住所不定の無職男性(51)とその母親(76)が死亡。乗用車の窓には「キケン開けるな 硫化水素」と内側から張り紙。
  • 午後7時半ごろ、千葉県松戸市の民家で住人の無職女性(29)が硫化水素による中毒症状で死亡。室内に硫化水素発生を知らせる自筆の張り紙。外出先から帰宅した母親が発見した。
  • 【検索】ヤフーは「硫化水素」「自殺」などのキーワードを使ってネットを検索すると、自殺予防に取り組んでいるサイトを最優先で表示する取り組みを始めた。表示されるのは国立精神・神経センター(東京)内にある「自殺予防総合対策センター」のサイト。「自殺は防ぐことができる」というメッセージとともに、各都道府県の精神保健福祉センターなどの相談窓口を紹介。
5月2日
  • 午前6時40分ごろ、矢板市長井の「県民の森」駐車場に止めた乗用車内で男性が死亡しているのを、山菜採りに訪れた男性が見つけ110番通報。死亡していたのは宇都宮市在住の無職男性(28)。
  • 午後4時45分ごろ、さいたま市南区南浦和1のアパート2階の一室で「異臭がする」と住民から110番通報。うずくまっている20代の女性が死亡。浴室内に液体の入った洗面器。玄関ドアに張り紙があり、「硫化水素発生中 開けないでください」「通報してください。ごめんなさい」と書かれていた。
  • 午後6時35分ごろ、鳥取市吉成のマンション(8階建て)で、帰宅した4階の女性(56)が、室内から腐った卵のような異臭がすると、隣接する消防署に届け出た。浴室の扉に「硫化水素発生中」などと書いた紙があり、中で女性の無職の息子(26)が死亡。
  • 午後9時すぎ、神奈川県川崎市川崎区貝塚のマンションで、帰宅した住人の女性が、浴室に「硫化水素発生中」という張り紙があるのを見つけ110番。女性の友人で、前日から部屋を訪れていた東京都多摩市の女性会社員(20)が浴室で死亡。
  • 午後9時半すぎ、神奈川県横浜市青葉区美しが丘のアパートの1階で、住人の一人暮らしの男性(38)がトイレで倒れて死亡。
  • 北海道千歳市で、山中の軽自動車内で男性が死亡しているのをタクシー運転手が発見。札幌市の男性(19)
5月3日
  • 午前7時40分ごろ、埼玉県新座市馬場4丁目の路上に止まっていた軽乗用車の後部座席で男性が横たわり死亡。新座市で1人暮らしの無職の36歳。
  • 午前11時半ごろ、東京都千代田区神田富山町、ビジネスホテル「オリンピックイン神田」の従業員から「5階の客室で異臭がする」と110番。目張りをした浴室内で20代とみられる男女3人が死亡。
  • 午後1時50分ごろ、三重県名張市新田の会社員の男性(25)が、自宅2階の自室で死亡。帰宅した母親(55)が119番。部屋の扉に「硫化水素発生中」などと書かれた張り紙があり、家族あての遺書らしきものもあった。
5月4日
  • 午前2時45分ごろ、神奈川県藤沢市遠藤の2階建てアパート「サンライズ湘南」の住人から「1週間ぐらい前から隣室で生卵の腐ったようなにおいがする」と110番。2階の部屋の浴室で住人の私立大3年の男子大学生(24)が死んでいるのを発見。浴室のドアに「近寄るな。ガス発生中」などと書かれた張り紙。
  • 【悪質ないたずら】午前5時15分ごろ、さいたま市北区日進町のマンション住民から「異臭がする」と通報。マンション敷地内の植え込みにポリ袋とペットボトル3本が置いてあった。袋から硫化水素が発生していたが、被害はなかった。
  • 午前11時15分ごろ、北海道訓子府町の無職男(30)方を、神奈川県警幸署員らが窃盗容疑で逮捕するため訪れたところ、男は自室で自殺を図り、病院に運ばれたが間もなく死亡。捜査員が玄関で男に同行を求めると、男は「部屋に物を取ってくる」と自室に行った。間もなくして、男の父親が様子を見に行き、部屋で倒れているのを見つけた。
  • 午後8時50分ごろ、群馬県高崎市内の民家で、住人の男性会社員(30)が2階の自室で死亡。父親(60)が見つけ、110番。男性の母親(56)も、卵が腐ったようなにおいに気付き様子を見に行ってガスを吸い込み倒れたが、命に別条はない。
5月5日
  • 午前0時50分ごろ、福井県越前町梅浦の越前海岸近くの駐車場に止めてあった車の中で、男女2人が死んでいるのを捜していた家族が見つけて110番。京都府内の男性(27)と福岡県内の女性(21)。男性が自殺をほのめかすメモ。
  • 午前9時ごろ、福岡県前原市瑞梅寺の県道に止められた乗用車の運転席で、同市の無職の男性(38)が死亡。車内に「毒ガス発生 扉を開くな」と書かれた紙。死後数日たっている。
  • 午後4時45分ごろ、福岡市東区の市営住宅(8階建て)5階の一室で、アルバイト男性(20)が倒れているのを帰宅した母親(53)が見つけた。男性は頭からビニール袋をかぶった状態で死亡。室内のパソコンに遺書めいた記載があった。室内には硫化水素ガスを発生させたことを記した紙が張られていた。
5月6日
  • 午前5時半ごろ、長野市浅川東条の道路脇に止めた軽乗用車の運転席に男性が倒れていると、近所の住民から110番通報。近くの無職男性(40)が死亡。車の窓には3カ所に「硫化水素が充満中。開けるとあなたも死にます」と手書きした張り紙があった。
  • 午前7時ごろ、兵庫県西宮市山口町の路上に停車中の乗用車内で、35歳くらいの男性と40歳くらいの女性2人が死んでいるのを近くの男性が見つけた。
  • 午前7時40分ごろ、神奈川県横須賀市西浦賀5丁目の路上に止められた乗用車内で、20代ぐらいの男性が死亡。窓に「ガス発生中」と書かれた張り紙。
  • 午前8時ごろ、兵庫県西宮市越水社家郷山の路上で35歳くらいの男性がワンボックスカーの中で死んでいるのを近くの男性が見つけた。運転席の窓ガラスには「硫化水素発生中。危険。警察を呼べ」と書いた紙が張られていた。
  • 午前9時20分ごろ、大阪府高槻市桜ヶ丘北町の民家で、自営業の父親(52)が、2階の自室で死んでいる府立高3年の長男(17)を発見、110番。
  • 午前9時半ごろ、広島市西区己斐本町1の民家の浴室で一人暮らしの男性(26)が死亡。同市安芸区の母親(65)が発見し、通報。玄関の中に「ガス発生中」と書かれた段ボール紙。
  • 午前9時50分ごろ、和歌山県田辺市本宮町皆地の市道で、通りがかりの人から「車に『ガス発生中』と書かれた張り紙がある」と110番通報。死亡していたのは同市内に住む男性(32)。
  • 正午ごろ、佐賀県唐津市鎮西町名護屋の実家で、帰省していた住所不定、飲食店店員の女(29)が次男(5つ)を押し入れに入れ、硫化水素を発生させて一緒に死のうとした。直後に犯行を思いとどまって次男を屋外に連れ出し、2人とも無事だった。「硫化水素を発生させ、息子と死のうとしたが死にきれなかった」と唐津署に通報。部屋の扉には「毒ガス発生中」などと書いた張り紙。11日、女は殺人未遂の疑いで逮捕。硫化水素による自殺未遂に殺人未遂を適用した逮捕は全国で初めて。
  • 午後1時50分ごろ、兵庫県加古川市平荘町の民家浴室で、住民の無職男性(41)が死亡。訪ねてきた親戚の男性が発見。「6日朝から卵の腐ったようなにおいがした」と話す住民もいた。
  • 午後3時20分ごろ、滋賀県高島市今津町杉山の市道脇の空き地に止めてあった乗用車の中で、男性3人と女性1人が倒れているのをパトロール中の高島署員が発見。全員死亡。兵庫県明石市の無職男性(33)、東大阪市の無職男性(27)、滋賀県栗東市の女性会社員(33)、大阪府豊中市の男性会社員(31)。車は5日午前、JR京都駅前で借りられたレンタカーだった。
  • 午後3時20分ごろ、滋賀県彦根市内の民家の浴室で、男性会社員(18)が死亡しているのを、父親(45)が発見。男性は浴槽内に倒れていた。遺書のようなメモが残されていた。
  • 午後10時ごろ、埼玉県川口市戸塚東4の男性(59)から、「自宅のトイレに『硫化水素燃焼中危険』と張り紙があり、卵の腐ったようなにおいがする」と119番。トイレ内で長男(33)が死亡。トイレは中から粘着テープで目張り。
5月7日
  • 午前11時ごろ、長崎市淵町のNTT社員寮の一室で、男性が死亡。この部屋に住む20代の社員とみられる。自殺をほのめかす言葉を記した張り紙もあった。同日朝に出社しなかったため、上司が部屋を訪ねて発見した。
  • 午前11時半ごろ、船橋市夏見台4の7階建てマンション(60室)の住民から、「卵の腐ったようなにおいがする」と119番通報。6階の一室の浴室内でこの部屋に住む男性(39)が倒れていた。病院に運ばれたが、命に別条はない。浴室ドアに「入るな」と書かれた張り紙。硫化水素は検出されなかった。
  • 【硫化水素強盗】午後1時10分ごろ、大阪市中央区難波千日前の雑居ビル5階の消費者金融「アイフル南海難波東口支店」に男が押し入り、液体入りのポリ袋を見せて「硫化水素や。現金を出せ」と男性店員を脅迫、現金約7万7000円を奪って逃げた。ビルのエレベーター内で男が逃げる際に放置したポリ袋が見つかり、中から硫化水素が検出された。南署は強盗事件として男の行方を追っている。客はおらず、店員計3人にけがはなかった。犯人は30~50歳、身長160~170センチで縦じまの白いシャツ姿。黒いショルダーバッグを持っていた。
  • 午後7時半ごろ、福岡市南区花畑の民家に帰宅した住人の女性(43)から「風呂場で卵の腐ったようなにおいがする」と110番。浴室内で女性の次女(20)が死亡。浴室ドアに「毒ガス発生中」と紙が張られ、遺書も見つかった。
  • 午後8時35分ごろ、岐阜市下鵜飼の民家から「卵のくさったようなにおいがして娘が倒れている」と119番通報。民家2階トイレの中で、この家の住人で同市内の県立高校3年の女子生徒(17)が死亡。階段には遺書とみられる文書も見つかった。
  • 午後11時ごろ、神奈川県横浜市港北区菊名6のマンション「白樺ハイツ」1階で「ガスのようなにおいがする」と男性住民から連絡を受けたガス会社が119番。1階の男性会社員(22)方浴室で、会社員の遺体を発見。浴室のドアは内側からガムテープで目張りされ「毒ガスが残っている恐れがあるので、警察、消防を呼んでください」との張り紙。
5月8日
  • 午前7時10分ごろ、山鹿市熊入町のカルチャースポーツセンターの駐車場に「硫化水素ガス発生中開けないでください」と書かれた紙の張ってある軽ワゴン車が停まっていると110番。運転席の山鹿市の女性(33)が死亡。
  • 午前9時45分ごろ、甲府市高畑1のドラッグストア駐車場で、甲斐市内に住む同店の男性店長(38)が乗用車内で死亡。女性店員が見つけ119番。
  • 午後1時半ごろ、射水市広上の会社員男性方で、「硫黄のような臭いがして、中に人が倒れている」と付近住民から119番通報。2階寝室で男性の妻(37)と長男(11カ月)が倒れていた。妻は約1時間後に死亡、長男は意識不明の重体。
  • 午後4時15分ごろ、札幌市手稲区のコンビニ店員から「公園にある身体障害者用トイレで卵が腐ったようなにおいがする」と110番通報があった。トイレで20代とみられる男性の遺体。近くにいた中学校の男子生徒3人が目やのどに痛みを訴えて病院に運ばれたが、いずれも軽症。ドアに「毒ガス発生、扉を開くな」と書かれた張り紙。
  • 午後7時10分ごろ、相模原市相武台1丁目のマンション「メゾン・ド・ロシェ」1階の居室浴室内で、居住者とみられる職業不詳男性(29)が死亡。浴室ドアに「硫化水素発生中」と書かれた紙が張られ、内側から目張りがされていた。死後数日経過。男性は一人暮らしで、海外に住む家族が同日、「数日間連絡が取れない」と通報した。
  • 【強盗】午後4時35分ごろ、和歌山市1番丁、ゆうちょ銀行和歌山支店で、男が窓口の女性職員に刃物を突き付け「金を出せ」と脅した。「硫化水素を持っている」とも話したが実際は持っていなかった。男はすぐ職員に取り押さえられ、駆けつけた警察官に銃刀法違反の現行犯で逮捕された。客と職員約20人にけがはなかった。住所不定、無職(43)。
  • 【削除】インターネット上に書き込まれた硫化水素の発生方法について、全国の警察などが「有害情報」と判断した計76件をプロバイダーに削除要請し、うち計56件が削除されたことが8日、警察庁のまとめで分かった。警視庁や神奈川、茨城両県警など全国の12の警察本部が計49件についてプロバイダーに削除を依頼、うち計29件が削除された。また警察庁に委託された民間団体「インターネット・ホットラインセンター」が、一般からの情報提供を基に削除を要請した27件はすべてが削除された。ただし、同じ情報について同時に削除を依頼し、件数が重複している可能性もある。
5月9日
  • 【殺人未遂】午前4時20分ごろ、兵庫県南あわじ市(淡路島)の南あわじ署榎列駐在所で、入り口付近の床に卵の腐ったような異臭を放つ液体がまかれているのを、駐在する男性署員(36)が見つけた。署員と家族の計4人が2階で寝ていたが、被害はなかった。同署は何者かが床に液体をまいて逃げ、硫化水素を発生させようとしたとみて、殺人未遂事件として捜査している。
  • 正午、長野県喬木村伊久間の公園駐車場で、通行人から「2、3日前から駐車したままの乗用車内に人が倒れている」と通報。後部座席に倒れていた喬木村の男性会社員(21)が死亡。3日前から所在が分からず家族から捜索願が出されていた。
  • 午後0時半ごろ、滋賀県大津市今堅田3丁目、道の駅「びわ湖大橋米プラザ」の駐車場で、車の後部座席で男性が死亡。男性は40歳くらいで死後2週間くらい。
  • 午後7時20分ごろ、長崎市かき道の会社員男性から「自宅のトイレに息子が入っており、硫黄のにおいがする」と110番。無職の息子(27)が死亡。自宅からは遺書が見つかった。
  • 午後11時50分ごろ、富士河口湖町富士ケ嶺の国道139号沿いにあるチェーン脱着場で、静岡市内に住む会社員男性(35)が、乗用車内で死亡。
  • 【販売自粛】9日の理事会で全国組織「日本チェーンドラッグストア協会」(本部・横浜市港北区)は硫黄成分を含む入浴剤などの販売自粛を決め、加盟約190社に通知した。売り場からの撤去を要請。客から強く求められた場合、「購入理由を尋ねる」などの方法で安全性確保に努めるよう求めている。酸性洗剤についても、大量購入者に対しては「販売自粛も含めた対応」を求めた。
5月10日
  • 午前5時15分ごろ、松本市蟻ケ崎の市営アルプス公園の駐車場で、同市に住む無職の女性(32)が軽乗用車内で死亡。車の窓には「猛毒ガス発生危険」「毒ガス発生、扉を開くな」「硫化水素を発生しています。危険なので、警察や消防に連絡してください」などの張り紙。車内に父母や友人にあてた遺書。遺体の状況などから、女性が9日の夜ごろに自殺を図った可能性が高い。
  • 午前9時40分ごろ、岐阜市交人の伊自良川右岸河川敷で、「硫化水素発生中」と書かれた紙2枚が窓ガラスに張られた軽乗用車の助手席で、大垣市の無職男性(32)が死亡。車内から遺書。
  • 午前11時40分ごろ、福島県三春町西方向山の「さくら湖自然観察園」駐車場で、郡山市在住の会社員の男性(33)が乗用車内で運転席を倒して横向きに倒れているのを会社の同僚男性が発見、119番通報。すでに死亡していた。2日前から男性と連絡が取れなくなったため同僚が捜していたという。
  • 午後10時半すぎ、佐賀県小城市三日月町の日吉神社境内で、家出人捜索願の出ていた同市内の無職女性(23)の軽乗用車が停止。車を追跡していた同県警小城署員が近づいたところ、女性が車内でペットボトルの液体を混ぜるようなしぐさをしたため、同署員が窓ガラスを割って女性を救出した。
5月11日
  • 午後2時15分ごろ、東京都中央区八丁堀のビジネスホテル「ホテルサードニクス東京」から「異臭がする」と110番。5階の客室で40代とみられる男性が死亡。発見した支配人(35)ら従業員の男性2人が気分が悪くなって病院に運ばれた。
  • 午後4時10分ごろ、北区上賀茂西後藤町の民家で、異臭が発生しているのに住人の男性(54)が気づいて119番通報。アルバイトの長男(28)が2階自室で硫化水素を発生させて死亡。男性と、直前に電話で自殺をほのめかされた友人(22)、隣家に住む家族5人の計7人が気分が悪くなって病院に運ばれたが軽症。男性はプラスチックケースに硫化水素を発生させ、頭を突っ込んで死んでいた。
5月12日
  • 午前3時ごろ、津市芸濃町河内の錫杖湖付近の林道で津市の男性会社員(43)が軽乗用車内で死亡。軽乗用車の周囲には「ガス発生中」の張り紙。男性会社員は錫杖湖付近での自殺をほのめかすようなメッセージをパソコンに残して外出し、家族が11日夜に捜索願を出していた。
  • 午前4時前、鹿児島市武3のアパート室内で、30歳代男性の硫化水素による自殺未遂があったが、意識はある。
  • 午前9時ごろ、神戸市須磨区白川の路上で、全身が半透明の袋に入った男性が死亡。
  • 午前9時10分ごろ、群馬県富岡市白岩の廃業した日帰り温泉施設「湯楽とみおか」の駐車場に止まっていた乗用車の中で、男性3人が死亡しているのを通行人の女性が発見し、110番。前と後部ガラスに「毒ガス発生中!開けるな」と書いた張り紙。群馬県富岡市の会社員の男性(24)、高知県の男性(33)、兵庫県のアルバイトの少年(19)。車は群馬ナンバーで、富岡市の会社員のもの。富岡市の男性宅から家族などにあてた遺書が発見された。
  • 午後2時50分ごろ、鹿児島市城山町のマンションで「息子が硫化水素で動けなくなった」と110番通報。20歳代の男性が室内で倒れており、病院に搬送したが、意識はある。
5月14日
  • 午前0時10分ごろ、沼田市白岩町の市道脇の電話ボックスで、市内のアルバイトの男性(18)が死亡。ボックスのガラスには「毒ガス発生中」などと書いた張り紙。
  • 午後6時5分ごろ、千葉県船橋市本郷町のラブホテル「サンホワイト」の従業員から「卵が腐ったようなにおいがする」と船橋署に通報。2階の部屋の浴室で男性2人が死亡。30~40歳くらい。客室のドアに「硫化水素が充満中」との張り紙があった。女性従業員1人が頭痛を訴えて病院へ搬送。
  • 午後7時25分ごろ、益田市飯浦町の市道のり面のえん堤内で、女性がビニール袋で体を包み、死亡。京都府内の37歳。
  • 午後9時半ごろ、福岡県岡垣町波津の県道に停車した軽乗用車から異臭がすると通行人が110番。男性が死亡。窓ガラスに「毒ガス、開けるな」と書かれた張り紙。
  • 午後10時20分ごろ、栃木県日光市、JR今市駅北東約300メートルの国道119号線(通称・日光街道)上で、会社員の女性(24)が車内で硫化水素自殺を図り、重体。会社員の父親(53)が自宅内に長女の遺書を発見、すぐに携帯電話のGPS機能を駆使し、長女の携帯電話の位置情報を割り出した。自ら捜索して長女の車を国道上で発見。硫化水素が発生する中、長女を車から引きずり出して助け、一命を取り留めた。車は、対向車線側の路肩付近まではみだして停まっていた。父親が発見する直前まで車が動いていたとみられ、長女は運転しながら硫化水素を発生させ、その状態で一時運転していた可能性もある。
5月15日
  • 午前5時半ごろ、新潟市西区大学南2の大学南第一公園で、「男性が倒れている」と散歩中の通行人から110番通報。同区在住の20代男性が死亡。頭部をビニール袋で覆い、首の部分にガムテープを張って密閉していた。
  • 午前10時35分ごろ、岡山市奉還町1のビジネスホテル「東横イン岡山駅西口右」から、「11階の部屋に宿泊していた男女が出てこず、付近から異臭がする」と110番通報。浴室で男女が死亡。岡山市の無職男性(22)と千葉県成田市の無職女性(24)。室内には、ホテルにあてて「迷惑をかけてすみません」と書かれたメモ用紙。
  • 午後4時50分ごろ、宮城県栗原市若柳の民家の敷地に止まっていた乗用車の後部座席で、宮城県登米市に住む無職男性(30)が死亡。母親(59)が見つけた。
  • 午後7時20分ごろ、仙台市太白区西中田6丁目の西中田市営住宅(5階建て)で、3階の部屋に住む男性(23)が風呂場で死亡。母親(58)が見つけ、119番した。
5月17日
  • 午前7時45分ごろ、静岡県磐田市下万能の市道に駐車中の乗用車に「有毒ガス注意」という張り紙。同市内の無職女性(43)が死亡
  • 午前7時50分ごろ、熊本県菊池市隈府の60代の父親から「息子が自殺した」と119番。自宅1階のトイレで無職の男性(21)が死亡、2階に「硫化水素発生中」とのメモ。トイレのドアは粘着テープで目張りされていた。
  • 【威力業務妨害】午前11時半前ごろ、宝達志水町役場に「あすの小学校の運動会を中止しなければ、硫化水素をばらまくぞ」と20代から30代の男の声で脅迫電話。町の教育委員会は、運動会を予定していた相見、押水第一、宝達の小学校3校と開催について協議した結果、男が学校を特定していないことなどを考慮し、予定通り開催。
  • 午後5時ごろ、福井県大野市長野の林道に止めた乗用車の中で男性の遺体。愛知県名古屋市内の会社員(23)。窓に「硫化水素発生中」などと書かれた紙。
5月19日
  • 午前3時5分ごろ、仙台市泉区の医師男性から「息子が自宅のトイレで硫化水素を発生させ、自殺した」と119番通報。市立中3年の男子生徒(14)が心肺停止状態、病院搬送されたが死亡。トイレの入り口に「毒ガス発生中」という意味の張り紙。
  • 【威力業務妨害】午前8時10分ごろ、愛知県豊田市教育委員会に男の声で「(市立)衣丘小学校の学校田に硫化水素をまくぞ。もうまいたかもしれない」と電話があった。同校は同日午前に予定していた5年生の田植えを中止。威力業務妨害容疑で調べている。市教委によると、男は電話で「付近住民」と言い、「田植えをやめろと言っているのに(学校が)聞かない」と不満を述べたという。
  • 午前10時ごろ、静岡市駿河区大谷のアパートに住むフリーターの男性(27)から「同居人が自殺をしようとしている」と110番通報。アパート1階の部屋に住む大学生の男性(22)が、トイレ内のバケツで硫化水素を発生させたところ。署員はすぐに大学生とフリーターを保護し、市内の病院に運んだ。2人とも無事。
  • 午後6時20分ごろ、福岡県北九州市八幡西区東川頭町の民家風呂場で高3男子生徒(17)が風呂場で死亡。風呂場入り口や玄関などに「毒ガス発生中」と書かれた張り紙。
  • 午後7時45分ごろ、東京都新宿区歌舞伎町2のラブホテル「イマージュ」の従業員から「506号室から卵の腐ったようなにおいがする」と110番。浴室に若い男女が倒れているのを消防隊員が見つけ病院に搬送したが、約1時間半後に死亡。男性は30歳ぐらい、女性は20歳ぐらい。浴室の扉には「開けるな危険。硫化水素発生中」との張り紙。
5月20日
  • 午前2時15分ごろ、北海道岩見沢市7条東11丁目の市道で、運転席側ドアの窓に「毒ガス発生」と書かれた張り紙のある軽自動車をパトロール中の岩見沢署員が見つけた。近くに住む無職男性(32)が死亡。車内に「間違いなく自殺です。殺されたわけではありません」と書かれた遺書。
  • 午前8時5分ごろ、滋賀県栗東市荒張の林道に止めた乗用車の運転席で、草津市の無職男性(22)が死亡。男性はうつ状態で通院中。午前0時ごろ外出。同1時ごろ携帯電話で母親に「死にたい」と連絡。
  • 午前10時ごろ、益田市美都町の国道191号脇駐車場で、内側から目張りをした軽乗用車が駐車。車内で男性が死亡
  • 正午ごろ、神戸市兵庫区西多聞通2のマンションで、2階に住む会社員の女性(25)が浴室で死亡
  • 20日午後1時50分ごろ、洞爺湖町旭町の民家の浴室で長男(21)が死亡。浴室は内側から粘着テープで目張りされ、「キケン」などと記された張り紙を見て父親が中に入ったが、意識はなかった。
5月21日
  • 午後0時50分ごろ、北海道札幌市白石区の民家2階で、無職男性(49)が病院に運ばれたが間もなく死亡。遺書のようなメモ書き。同日午前、自殺をほのめかすメールを男性から受け取った友人が110番。男性は今年3月ごろにも硫化水素自殺を図ったことがある。
  • 午後8時20分ごろ、兵庫県神戸市東灘区住吉山手5のマンションで、住人男性(39)と同市灘区の母(65)が死亡
  • 午後10時ごろ、山梨県丹波山村鴨沢の村道に止めた乗用車内で、東京都内に住む男性(34)が死亡
5月22日
  • 午前8時半ごろ、山梨県富士河口湖町精進の青木ケ原樹海内に止めた乗用車内の後部座席で、長野県内に住む男性(25)が死亡。ダッシュボードに「硫化水素発生中 開けるな」と書かれたメモ。
5月23日
  • 午前6時40分ごろ、神奈川県横浜市神奈川区六角橋の神奈川大工学部23号館8階の研究室で、同大大学院博士前期課程2年生の男性(24)が倒れているのを警備員が発見。男性は病院に搬送されたが死亡が確認された。研究室に実験用で常備されていた硫化水素ガスのボンベを使い自殺を図ったとみられる。「将来の希望も持てない。すべてから解放されたい」という遺書が見つかった。
  • 午前11時半ごろ、奈良県宇陀市菟田野区上芳野の介護ヘルパーの女性(38)方で、停車中の軽乗用車の運転席で女性が死亡
  • 午後5時20分ごろ、長崎県諫早市長田町の本明川河川敷で、同市に住む県立高校の男性教諭(44)が車内で死亡。この教諭は数日前から出勤せず、行方を捜していた同僚が車を発見した。
  • 【統計】硫化水素による自殺が2カ月間で151件発生、143人が死亡していたことが22日、総務省消防庁のまとめでわかった。3月27日から5月21日までに死亡したのは男性114人、女性は29人。最多は20代の51人、次いで30代の33人だった。巻き添えで死亡した人は含まれていない。負傷者は188人に上った。
5月24日
  • 午後2時50分ごろ、中山町長崎の最上川河川敷で、「車の中で男性が倒れている」と通報。男性は助手席で死亡。男性は県外の40代。
5月25日
  • 午前3時45分ごろ、富山市五福のマンションの6階に住む21歳の男子大学生が風呂場で死亡。訪ねてきた知り合いの女子学生が発見。死後数日経っている。部屋からは遺書らしいものが見つかっている。

石原慎太郎都知事の記者会見

4月25日
――昨今、硫化水素による自殺が騒動になることが多いが、どう思うか
「硫化水素って死にやすいんですか?」
――高濃度になれば
「におうんでしょう? 卵の腐ったような。私はよくわかりませんな。なんでそういうものを選ぶのか。この間もNHKで言っていたけれどもね、とにかく自殺をさせないようなことを対処させなきゃいけないと言っていたけれども、そんなもの行政でできるの? ああいう空々しいことを言わない方がいいよ。メディアがね」