ブログ用語集(政治的)&ブログ容器説

はじめてのウェブログ [weblog FAQ]に「ブログ用語集(政治的)」をアップしました。政治や思想や世界情勢を扱った日本では少数派ですが、そもそもブログという言葉が(英米で)ブレイクしたのは9・11事件とその後のウォーブログ(戦争ブログ)という、極めて「政治的」な話題と密接な繋がりがあります。その余波でブログツールが日本のネットコミュニティに押し寄せてきた、というわけですが……。今回訳したのは、イギリスの自由主義的ブログとして有名なSamizdata.orgのWeblog glossary(ブログ用語集)。1年ほど前のデータですがご参考まで。

ところで、先日のメタメタブログ論とか、この「はじめてのウェブログ」とか、一体何をやりたいのかというと……

2003年10月26日13:07| 記事内容分類:ブログ/ウェブログ| by 松永英明
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 一言で言うと「ブログという言葉についてできあがりつつあるイメージの解体」なのかな。専門用語で「脱構築」というのかもしれませんが、デリダとか全然興味持てないので突っ込まれても反応できません。というか現代思想とか哲学とか苦手だ。なんか専門用語多すぎて。――という話はおいといて。

 要するに、ブログってのは、表現形態にしろ、システムやツールにしろ、「入れ物」「器」でしかないわけですよ。器に何を入れるか、あるいは同じものを入れてもどのようにアレンジするかはそれぞれの勝手なわけです。ましてや、ブログツールについての議論なんてのは、その器の作り方の話であって、ブログで表現されたものそのものからはずいぶんかけ離れてしまっている。ブログなんだからこうやれ、なんてのはもっと馬鹿げている。同じ語るなら、トラックバックがあるからすごい、じゃなくて、トラックバックはこういう風に使えばすごくなるな、というような議論に持っていってほしい。

 yomoyomoさんからのメールに「ウェブログは飽くまでフォーマットを指すものであり、特定のツールやサービスではない」という一節がありまして(無断引用すみません)、これは至言。ブログを論ずるときには一行目に必ずこの一文を入れておけ、と言いたいくらい。

 最近のワープロソフトには文書を簡単に整形できるテンプレートがついてますね。ウェブログツールとかいうからややこしいけど、ツールに関しては「新規更新を目立たせるウェブページを作るためのワープロ(機能多数)」とでも言い換えてみたらわかりやすいんじゃないですかね。それで作成されたウェブログは、もちろん、定型で作られたページだから見かけは似たようなものになるだろうけど、そこで何を書くかは人それぞれだし、その価値なんてのはまさに定型フォームとは別次元の話です。

 自分は、ネタはたくさん持っています。いくつかは実際に出版社に持ち込み、企画が進行していたりもします。ネット関連はむしろ少なく、歴史ものとかビジネスものが多いんですが、それは「紙媒体で出版するのに適している」ような内容・フォーマット・デザイン・書式・文体のネタということになります。
 また、ウェブページや掲示板には、それにふさわしいネタを流します。紙ではできない(=出版社へ持ち込む企画にならない)ことだって多いんです。「はじめてのウェブログ」も、そのまま本にしたってつまらないのは目に見えてるでしょ?
 そして、ウェブログというフォーマットについて「ああ、これは書き飛ばしやメモ書きのできる便利な書式だな」と感じたので、そのようなネタをここで放出しているわけです(この認識は別にウェブログを軽んじているのではなく、一次情報発信や個人ジャーナリズムがやりやすい、というニュアンスも含んでいることはご理解いただきたい)。

 だから、自分にとっては、ブログツールは非常に便利だし(一度構築すれば、あとはコンテンツに専念できる)、それを使って発信するならこれだな、というネタもあるから使っている、ということです。「はてなダイアリー」でも別に良かったんですが、デザインのカスタマイズの限界があること、また自前ブログと併用するだけの意味がいまのところないので、使ってない。理由というのはその程度です。これは「はてな」にぴったりだ、「はてな」でやるのが一番効果的だ、と思ったらためらわず「はてな」に参入します。

 その一方で、「ブログ」というものについて、日本のインターネットコミュニティで固まりつつあるイメージと、自分が英語・中国語サイトで読んできたブログのイメージにずれがあったことは書いておかないといけないでしょう。そして、別に米英の定義が正しいとか日本のが正しいとか日記と違うか違わないかとかはどうでもよくて、「つまんない認識の仕方が多いな」と思ったのは事実。

 だから、s0s_bl0gの「meta-x」(October 25, 2003)にあるように

ツールではなく、コンテンツでもなく、それを使っている人でもなく、それがモヤモヤと作り出している社会みたいなものを捉えないと先に進まないぞ
というあたりは共感するものがありますし、blog::TIAOの「ブログを語るのではなくコンテンツを語ろう」(2003年09月08日)というほうが、メタメタブログ論議なんてやってるより、はるかに有意義だと思っています。Clipper's Memorize No Future.の「Weblogを考える」(2003年10月25日)における「Weblogはインフラであって、情報ではない」という言葉も、自分と同じようなことを考えているように思います。

 で、「はじめてのウェブログ」は、「英米中あたりのウェブログの認識」を「日本のツール中心のウェブログの認識」にぶつけてみたくて作ってみた、というのがホンネだったりします。それから、今作成中の「女子十二楽坊」ファンサイト(今月中に公開できるといいな)は、 MovableTypeを使いながら、ごくごく普通のサイトを作ってみるということをしています。つまり、「ブログツールを使って作るサイトがブログ」などという馬鹿げた認識への強烈な一打ということで。それから、これも作りかけの「土佐ブログ」も、普通のブログじゃないものを作ってみたかったということに尽きます。うまくいけば「メディアはメッセージ」の実例になるかもしれませんけどね。

 その辺の作業が終われば、このブログでのメタブログ議論も終わると思います。

 今回公開した「ブログ用語集」によると、ブログ界には大きく分けて3つのジャンルがあるといいます。
・日誌ブログ(日記系)
・専門ブログ
・知ったかブログ(時事批評ブログ)
 まあ1つのブログの中でもこの3つの要素をそれぞれ備えているでしょうが、日本のブログ界の最大の問題は、「専門ブログ」的な記事がほとんど「IT/ウェブ技術」分野に偏っていることではないかと思います。それは、「ネット技術の高い人でないとMTとか設置できない」ということから、ブロガーの母集団がハッカー(notクラッカー)に偏っているという現状から来るのではないか、とも思いますが、もう少し「社会派ブログ」「人文科学系ブログ」が増えるといいなあ、とも思っています(でも、時事ニュースといいつつ、ニュースにリンクして一行コメント、というのばかりでは質の低下をもたらしますけどね)。社会派的/人文系の志向を持つブロガーの皆さん、がんばろー。

 と、こんなところで、ウェブログ@ことのはのスタンスみたいなのは表明できたかと思います。今日はおしまい。

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2003年10月26日13:07| 記事内容分類:ブログ/ウェブログ| by 松永英明
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コメント(3)

Clipper'sのnishiです。面白いエントリをうちのWeblogにトラバって頂いてありがとうございます。
Weblog議論は尽きませんね。

俺は最近とみに思うのはこの状況をギャグにする人が殆どいないってことだ。みんな真面目なんだもん。それじゃよその人にはつまんないよ。もっとさぁエンタテイメントに徹する人がいてもいいと常々思っているんだが。
このつまんない状況も含めたネタ文章(別に文章じゃなくても良いけど)もしくはつまらなくない陰謀論を書く人はいつになったら出てきますか?俺はやんないけど(笑)。

がんばってみます(笑)>某所の人

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