中華ブロガー「ステンレス・スチール・マウス」劉荻たん釈放される

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1週間近く経ってしまったがあまり取り上げている人がいないので。
台灣部落格の「中國釋放三名blogger之後」(2003-12-05)という記事で知ったのだが、「中国の政府を批判していた部落客(ブロガー)が3名釈放された」という。その一人はかなり有名な女子大生ブロガー「ステンレス・スチール・マウス」こと劉荻さんらしい。この件についてはまるで知らなかったので、ワシントン・ポストの記事の翻訳と、あとググルさん経由でわかったことをメモしておく。詳しい方はコメント・トラックバックでご教示ください。

2003年12月 6日23:23| 記事内容分類:ブログ/ウェブログ, 中国ネット事情, 中国時事ネタ| by 松永英明
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フィリップ・P・パン記者
「ワシントン・ポスト」海外部
2003年12月1日月曜日

 北京、11月30日――中国は、1年前に政府を批判した容疑で拘留された北京の大学生を含む3人のネットワーカーを釈放した。彼らの反乱罪による逮捕は国際的な関心を集めている。香港の人権団体「香港人權民運信息中心(香港人権民主運動情報センター)」が日曜日に報告を行なった。

 ネットワーク上で「不鏽鋼老鼠(不銹鋼老鼠、ステンレス・スチール・マウス)」の筆名で知られる北京師範大学心理学系の女子学生、劉荻(リウ・ティ/Liu Di、23歳)と、二人のネットワーカーが金曜日の午後に釈放された、とグループは報告している。同日、同様に告発された4人目のネットワーカーであるチアン・リーチュン(Jiang Lijun)が危害国家反乱罪で有罪判決を受け、4年間の禁固刑となった、と弁護士が述べている。
 劉の父親であるリウ・チンフア(Liu Qinghua)は電話で、娘は保釈金を払って釈放されたが、ジャーナリストには話をしないよう命じられた、と言った。人権民主主義情報センターの廬四清(フランク・ルー/Frank Lu)は、2人目のネットワーカーの呉一然(ウー・イーラン/Wu Yiran、34歳)と電話で話し、友人を通じて3人目の李毅斌(リー・イーピン(Li Yibin、29歳)の釈放を確認した、と述べた。
 この釈放は、ドイツのゲルハルト・シュレーダー首相の中国訪問の数日前、温家宝(ウェン・チアパオ/Wen Jiabao)首相の初の訪米の1週間前に当たる。中国は米欧首脳との会談の前後に、人権に関する批判を避けるため、重要な政治犯を釈放することが多い。
 去年11月7日の逮捕前、劉は人気の高いウェブサイトを公開しており、中国の政権党である共産党の偽善についての風刺記事で有名だった。ある記事で、彼女は路上で「本当の共産主義者」のようにマルクス主義文学を売るよう提案した。また別の記事で、彼女は中国の抑圧的な公安法が国家の安全を脅かすと論じた。
 1989年天安門広場事件に関する記事をインターネットで伝えて2000年に逮捕され、反乱罪で5年の禁固刑を宣告されたビジネスマンのフアン・チー(Huang Qi)の解放を促す記事も、彼女は書いていた。
 「ステンレス・スチール・マウス」の逮捕報道はサイバースペースじゅうにすぐに広がった。中国内外のインターネット・ユーザーは、彼女の釈放運動に積極的に参加していた。
 10月、警察は劉のために署名を集めたトゥ・タオピン(Du Daobin、39歳)を逮捕し、反逆罪で告訴した。署名を集めたもう一人の人物・羅長福(ルオ・チャンフー/Luo Changfu)は、今月以前に3年の禁固刑を宣告されている。すべて合わせると、中国は、10月中旬以降に13人のインターネット・エッセイストの訴えを裁いたり、有罪判決を下したり、拒否したりした。
 検察官は、劉を起訴すべきか否かを12月半ばまでに決定するであろうと語った、とその父親が述べている。彼女は罪を認めたのかどうかについて尋ねると、父親は答えた。「娘は、やるべきでないことをいくつかやった。しかし、それが犯罪を構成するかどうか、今のところ起訴されていないのだから言うことはできない……。もし何の罪によっても起訴されなかったら、どうして有罪とか無罪とかいうことができるでしょうか?」



劉荻
・ネット名「不鏽鋼老鼠(不銹鋼老鼠、ステンレス・スチール・マウス)」
・西暦1980年10月9日、内蒙古生まれ。出生時は早産で体重が1650グラム。
・元北京師範大学4年生(2002年11月7日逮捕時)
・北京市泰城監獄で拘留されていた。
・劉萩逮捕後、中国のネットワーカーは抗議を込めて自分のハンドルの前に「不銹鋼」の3文字をつけるのがはやった。
・祖母の劉衡(81歳)はもと人民日報社の記者で、文革の時には「右派」とみなされていた。劉荻が逮捕された後、釈放の請願を出していた。
・劉荻らが早期に釈放され、拘留中の扱いも悪くなかったのは、胡錦濤主席がこの事件に関心を持っていたからだ、という話もある。
劉荻の作品集(台湾でよく取り上げられていたようだ)

・台灣部落格によれば、劉荻たんのネット名はSF作家ハリー・ハリソンの作品にちなむという。『ステンレス・スチール・ラット』シリーズ全5巻はサンリオSF文庫(絶版)。復刊ドットコムの本書情報によると、

 何十世紀も未来、人類は銀河系の各惑星と連合を築き、様々の制度を確立してユートピアともよびうる社会を実現していた。こうしたステンレス鋼でびっちり閉ざされた社会の隙間をぬって暗躍する鼠小僧ともいうべきステンレス・スチール・ラットが絶えてしまったわけではない。〈するりのジム〉ことディグリッツもそうした一人だった。だが、さすがのジムも、こうした犯罪者を捕らえる〈特殊部隊〉の手を逃れることはできなかった。〈特殊部隊〉はステンレス・スチール・ラットを捕らえて部員に加え、造々強力になっていった。こうしてジムも部員となってまれに見る兇悪な女性殺人者アンジェリナを追うことになり、愛憎の迷路に踏み込んでいくことになる。ハードボイルド・アクションSFの第一人者ハリイ・ハリスンが贈る冒険活劇のヴァイタリティいっぱいのシリーズ開幕!
ということだが、ぴったりすぎ……

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2003年12月 6日23:23| 記事内容分類:ブログ/ウェブログ, 中国ネット事情, 中国時事ネタ| by 松永英明
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