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トリビアの語源は「3つの道」

今日の雑学:triviaの語源の逆遠近法的解釈の試み(0x0a by SUZUKI, S. V)で「トリビア(trivia)」の語源についてのちょっとした調査が載っていたので、ネットでもう少し調べてみた。どうやら、「トリビア=無駄知識」という意味にたどり着くまでには2つの経路があったようである。


2004年6月28日10:07|記事内容分類:ことば|by 松永英明
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以下に英語ページでの調査結果を翻訳して引用しておくが、おおざっぱにまとめると以下のとおりである。

  • 語源はtrivium(単数)「三つの道」→「三叉路」を意味する。古代ローマの三叉路には俗人のたまり場があった。複数がtrivia。また、trivilisという形容詞は「ありふれた/通俗的な」という意味を持つ。
  • 1432年、"arte trivialle"として初出(「3道の技芸」、trivialleの原形はtrivial)。これは中世大学の自由七科(基礎教養科目)のうち、初歩的な三科目(文法・修辞学・論理学)を指す形容詞。残り四つは「四つの道(quadrivium)」と呼ばれるので、それとの対比で単に「三つの道(trivium)」と呼ばれたのかもしれない。しかし、初学者向けということで軽蔑感が込められていったらしい。これが一つ目のルート。
  • 1589年、trivialがtrivilisと同じ意味(つまり「ありふれた」)という意味で初めて使われた。その後、「重要性がほとんどない」という意味で使われるようになった。ローマでのtriviumの意味に回帰していったわけだ。これが二つ目のルート。
  • 1590年、シェークスピアは「ヘンリー6世」でtrivialという形容詞を使っている。
  • 1902年、triviaというタイトルの本が出て、名詞として使われるようになった。
  • 1975年にはtriviataという名詞も生み出された。

というわけで、この結論に至るまでの、いろいろな資料からの引用翻訳は以下のとおり。

Online Etymology Dictionary

trivia
1902年、L.P.Smithの本のタイトルとして普及した。ラテン語trivia(triviumの複数形)「3つの道が合流する場所、ありふれたもの」から。
trivial
15世紀初め"of the trivium"は中世ラテン語trivialisから。これはtrivium「自由七科の最初の三科」から。この語はラテン語で、「三つの道の合流するところ」すなわちtri-「3つ」+via「道路」。「平凡な」(1589)とか「取るに足りない」(1593)という意味は、ラテン語trivialis「平凡な、通俗の」から来ている。この単語はもともと「交差点の」だった。
trivium
1804年、中世ラテン語「文法、修辞学、論理学」という中世の自由七科の最初の三つから。これは算術、幾何、天文、音楽より重要度が劣るとされていた。ラテン語trivium「三つの道路が合流するところ」から。

Etymologically Speaking...

Trivia
triviaという単語の起源は、ラテン語の「交差点(辻)」に由来する。tri-+viaは「三つの道」を意味する。これは、古代において、ローマ(あるいはその他のイタリアの地域)の三本の道の交差点には、付随的な情報が掲載された広告塔(キオスク)のようなものがあったからだ。あなたはそれに興味を持つかもしれないし、持たないかもしれない。それはちょっとした「トリビア(つまらないこと)」だったからだ。

The American HeritageR Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.

trivia 1
複数形名詞:(単数・複数の動詞とともに使われる)重要ではない、本質的ではないもの。つまらないもの。
語源
ラテンの「trivia」、trivium「交差点」の中性複数形(trivialの影響を受けている)。trivium参照。

trivia 2. The American HeritageR Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.

trivia 2
名詞:triviumの複数形。

The American HeritageR Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.

trivial
形容詞:

  1. 重要性や価値がほとんどない。
  2. 通常の、ありふれた。
  3. trivia に関する。
  4. 生物学。1つの種に特定される、特定の。
  5. 数学。a.すべての変数がゼロに等しい方程式の解法に関する。b.最も単純な可能な問題の。自明な。
語源
中英語trivialle、「triviumの」(中世ラテン語trivilisから、これはtriviumに由来)と、ラテン語trivilis「ふつうの」(trivium「交差点」から)。
同義語
trivial, trifling, paltry, petty, picayune。これらの形容詞はすべて些細で重要でないことに当てはまる。trivialとtriflingは、あまりにも些細であって、まるでありふれたもの、平凡なものを言う。「わたしは、すべてのキリスト教徒が……基本的な条項に同意し、その違いは些細なものである(trivial)であると考えます」(サミュエル・ジョンソン)。「わたしの国の女性教育が重要視されず(trifling)狭いものであることを残念に思います」(アビゲイル・アダムス)。paltryは、必要とされていないもの、軽蔑を呼ぶものを示す。「彼は……その賞は姓名を犠牲にするにはあまりにも取るに足りないものだと考えたのです」(ジョン・ロスロップ・モトリー)。pettyはマイナーあるいは重要性や規模において二次的なものについて述べることができる。「我々の騎士は小規模の(petty)企業に制限されている」(ウォルター・スコット卿)。picayuneであるものは、無視してよいほどの価値や重要性しか持たない。「法律のつまらない(picayune)違反」。
単語の歴史
trivialという単語は、現在ふつうに使われているのとは非常に違った意味で中英語に入ってきた。1432~50年の作品で"arte trivialle"として言及されている。これはtriviumを構成する三つの自由科をほのめかすもので、具体的には中世の大学で教えられていた自由七科のうち最初の三科目、つまり文法、修辞学、論理学のことである。trivialの歴史は、ラテン語の単語triviumにさかのぼる。これは接頭辞tri-「3つの」とvia「道路」から成っている。このため、triviumは「三つの道路が合流するところ、特に公共のたまり場として使われるところ」を意味した。このような場所は通俗的であるため、「あいつの行儀は貧民街で培われた」というような感じで表現するときの「貧民街」のような軽蔑的な意味が単語に込められることになった。ラテン語の形容詞trivilisは、triviumに由来し、「街角にふさわしい、ありふれた、通俗の」という意味となった。trivialが英語で最初にtrivilisと同じ意味で記録されたのは、1589のことである。そのすぐ後、trivialはわたしたちに最もなじみ深い意味「重要性がほとんどない」として記録されている。そして今や、文法、修辞学、論理学よりもさらに重要でないことについて用いられるようになっているのである。

The American HeritageR Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.

trivium
名詞:語形変化:複数形はtrivia。文法、修辞学、論理学という中世の学校での自由七科のうちの低い部門。
語源
中世ラテン語。ラテン語の「交差点」から。tri-+via。

Word for Word Archive

Ted Merasty
TRIVIAという単語が何に由来するかわかりますか?
Terry O'Connor
triviaは、ラテン語のtrivium「三叉路」に由来します。これはもともとtri-「3」とvia「道路」です。しかし、「小さい」とか「些細な」という意味を持つようになったのは、中世の学者が文法・論理学・修辞学という三科目を表わすのにtriviumを使ってからでした。これらは算術・天文・幾何・音楽(quadrivium「四科」)よりも重要でないとみなされており、triviumは今のような含意を持つようになったのです。

Wordorigins.org: Letter T

Trivia

重要でないこと、無用の知識がなぜトリビアと言われるのか。その答えは、中世の教育システムにさかのぼる。

自由七科は二つの研究コースに分けられていた。上級レベルはquadrivium(ラテン語「4つの道」)で、これは数学的な科目である算術、幾何、天文、音楽から構成されていた。下級レベルは文法、修辞学、論理学から成っており、triviumとして知られていた。

それで、初級学生はtrivialと呼ばれていたのである。16世紀の終わりまでに、この形容詞は重要でないことを指すようになっていた。シェークスピアはこの言葉を現代の意味で使った最初の人であり、『ヘンリー六世』第二部に登場する。その現代的な意味での名詞triviaが使われたのは1902年にさかのぼる。

Take Our Word For It Issue 101

Gareth Yates より:

単語の起源をよく知りたいと思っていて、あなたのサイトを発見しました。triviaの語源が、「四科」も含むギリシアの教育システムの時代にさかのぼると言うことをラジオDJが言ってるのを聞いたために、関心を持つようになりました。あなたのサイトの多くが「トリビア」であると思います。triviaが実際にどのように使われてきたか、どのようにして発展してきたかがわかればおもしろいでしょう。この素晴らしい仕事を続けてくださいね。あなたは何千人も教育していますし、それはほとんどの人たちが教わる機会のなかったことです。

まあ、「あなたのサイトの多くが「トリビア(つまらないもの)」である」というのにはちょっと困ってしまう。我々は、毎週知らせている豆記事情報を「事実」と言ってほしいのだ。でも、最後の指摘があったもんで帳消しになってる。何とも思ってないよ(うひひ)。

triviaという単語は実際にはtrivialからの逆成語である。これは15世紀初めにラテン語から英語に借用されたが、16世紀終わりまでは現在の意味で使われていなかった。

ラテン語のtrivium「交差点」(文字通りには「三つの道」)の所有格形 trivialisから英語に入ってきた。それは、俗人があたりまえの(それゆえに些細な)会話をして通り過ぎる三叉路のたまり場、つまり今の「街角」のような意味だと言われてきた。「ありふれている」という意味は「ちょっとした」や「重要ではない」という意味に発展し、それが今日の意味の出所である。名詞triviaは19世紀の終わりに登場した。

しかし、「交差点」理論は広まっているが、それは真実ではないかもしれない。英語で最初のtrivialという語の使用(1432)は、交差点やゴシップについて何も述べていない。それは完全に違うtriviumの形容詞形なのだ……。

さて、ギリシア語で「4」を意味するのはtetraなので、そのDJはかなり見当外れだ。しかし、中世英語ではquadriviumというのがあり、これはラテン語由来で、自由科目の上位四科目、つまり算術、天文学、幾何学、音楽を指していた。それより低い三つがtrivium、つまり文法、論理学、修辞学だった。これらは知識の「3つの道」だった。

ところで、これらの単語の一部となっているtri-という印欧語族の語幹は、*trei-「3」であり、これはたいていの印欧語の「3(three)」に最もよく見られるものだ。-viaという部分は語根 *wegh-「行く、車で輸送する」に由来している。これは先週のスポットライトのテーマだった。

The Word Spy - triviata

triviata
(トリヴィアタ)名詞。些細なもの。些細な事実の集積。
注:
この単語はtrivia(1902)の延長で、errataやdesiderataと同じような複数形に基づいているように思われる。これは、1975年、Timothy Fullertonによって出版された"Triviata: A Compendium of Useless Information"(トリヴィアタ――無用の情報概論)という本のタイトルに最初に登場した。
その後10年ほどのあいだは、ジュセッペ・ヴェルディのオペラ"La Traviata"の誤植としてメディアに何度も登場した。1985年7月、「ニューヨーク・タイムズ」は、ある一座がTriviataと呼ばれるLa Traviataの「10分のもじり作品」を演じたことを報じた。
1989年、セントルイス・ポストディスパッチ紙は「La Triviata」というタイトルの不定期連載記事を掲載し、ここにはトリビアっぽいことが載っている。(この新聞は今も「La Triviata」記事を掲載し続けている。同様に、ロサンゼルスタイムスは、「L.A. Triviata」というタイトルで掲載している)そのすぐ後、同紙はtriviata単独で使用し(以下の最初の引用を参照)、その単語はそれ以来ずっと使われるようになっている。
最初の引用
国家的に組織されたラジオショーの司会ブルース・モローによろしく。この人は今日午後6時、チェビーのところで、1960年代の英国音楽の侵攻についての記念品コレクションを埋めるんだ。このコレクションが8×10フィートのタイムカプセルに収められる場所を提供されるそうだ。明日のロードショーは、メリー・オールド・イングランドでの今回のカプセル埋葬儀式に聴衆が参加するように誘っている。そのカプセルは、ビートルズのジョン・レノンがコンサートで何度か着ていたスーツ、ローリング・ストーンズのチャーリー・ワッツのシャツ、アニマルズのギター、その他のtriviataが収められる。
――ジェリー・バーガー「Wacker rammer's on city's wish list」セントルイス・ポストディスパッチ、1989年8月28日



2004年6月28日10:07|記事内容分類:ことば|by 松永英明
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コメントとトラックバック

[No.1] 投稿者:りーと[2004年7月11日 05:05]

あまり重要視されてませんが、Triviaは月神Dianaの事であるほうが重要だったようです。
三叉路にほこらを置く、社を置く事になっていたようです。3は月の女神の三面を表し、密接な関連があるとされます(文化人類学の本のどれかに書かれていました)。
三叉路にある=ありがたみがないは、近現代的発想のようです。ご興味がありましたら、ロバート・グレーブスの「ギリシャ神話」をお読み下さい。変わったギリシャ神話解説です。

[No.2] 投稿者:あいぼん[2004年10月 1日 17:53]

いいですね

[No.3] トラックバック:「Trivia」(Audio-Visual Trivia for Movi...)[2004年10月 5日 17:29]

このブログの題名は「Audio-Visual Trivia for Movie & Music」 その「Trivia」とはラテン語からの「trivium」の複数で「つまらないもの」の意味だそうですヨ。……[全文を読む]

[No.4] 投稿者:Yama[2004年10月27日 15:54]

はじめまして。ここまで詳しくはないですが、ある英語の語源辞典でトリビアの語源を調べて、自分のサイトでも紹介しています(http://www5f.biglobe.ne.jp/~trustwords/k/k068-trivia.htm )。「トリビア」だけでなくて、良く聞くカタカナ語を取り上げています。どうぞよろしく。

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