@記号(アットマーク)の様々な名称

前回に続いてアットマーク(@)の名称について。A Natural History of the @ Sign: Part Oneには世界中の「@」の呼び方についての情報がまとめられています。これを五十音順に並べ替えて訳してみました。

※この記事は2004年のものです。最新の情報はアットマーク - 閾ペディアことのはを参照ください。

2004年9月13日22:15| 記事内容分類:言葉| by 松永英明
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 「@」記号は……英語圏じゅうの食糧雑貨屋と会計士が、料金または単価を示すために使ってきた。たとえば「10 gal @ $3.95/gal」(1ガロンあたり3ドル95セントで10ガロン)など。これは、電子メールアドレスでユーザー名とドメイン名の区切りとして事実上使われている。

 「単価」という意味から、「特定の(電子的な)場所」を意味するように変化したのは、英語話者にとっては自然なことであったが、他の言語圏では、「at」も「@」も電子メールが導入されるまでは存在しなかったのだ。

 実際、英語と同じようなアルファベットを使わない国々(日本、中国、ロシアを含む旧ソ連、アラビア語諸国、などなど)のインターネットユーザーも数多いが、そこではインターネットで広範に使われるようになるまで@マークはキーボードにもなかったのである。

 その結果、いくつかの言語では@は単に「at」と呼ばれるが、非常に面白い多種多様なあだ名がこの小さな記号につけられるようになった。大部分はこの文字の形に基づいているが、抽象的なものもある。独自の呼び方のものもあれば、他の言語から借りてきたものもある。古代の言葉を流用しているものもあれば、「まだ発展途上」のものもある。(スリランカでのインターネットユーザは、@を何と呼ぶか決定しようとしている)。様々な風変わりな名前が同時に登場している国もあれば、政府当局が勝手に「公式」な用語を選んだと非難されている国もある。

 比喩は、動物(カタツムリ、長虫、子犬、馬)から身体の一部(象の鼻、猿の尾、猫の足、豚の耳)、食べ物(ロールモップ・ニシン、シュトルーデル、シナモンロール、プレッツェル)に及ぶ。この記事は世界中の@の多くの名前を例示するものである。

アフリカーンス語[南アフリカ]
アフリカーンス語は南アフリカのオランダ人移住者の子孫が話す。アフリカーンス語では、@を「aapstert=サルの尾」と呼び始めたが、これはまた、馬鹿なミスをした人たちへの愛情表現でもある。アフリカーンスは非常にオランダ語に似ているが、そこでは@は「apestaart」とも呼ばれ、その意味はもちろん「サルの尾」で猿の尾という意味であることに注目。
アラブ語
アラブ語の様々な方言は、もちろんアラビア文字で書かれるが、英語・フランス語その他のヨーロッパ語とは非常に異なった文字である。@記号はアラビア語キーボードにはまったく存在せず、英語・アラビア語2カ国語コンピューター/ワープロのキーボードにある。なので、@がアラビア語で使われるのは唯一電子メールアドレスのみである。キーボード上にそんな記号があることにさえ気づかない人も多く、名称もついていない。アラブ語の電子メール送信者は、@を「at」と呼んだり、英語の「at」をアラビア語に訳した「fi」と呼んだりしている。しかし、ある人は「othon=耳」と呼んでいる。また別の人は単純に「a」とだけ呼んでいる。
イタリア語
イタリア人は@を「chiocciola(キアチョラ=カタツムリ)」と呼び、ときには「a comerciale(商売のa)」と呼ぶ。
インドネシア語
インドネシア語で、@は名前を持っていない。電子メールアドレスを言うときは、[uh=アー]と発音される。「ユーザー名・アー・会社名・ドット・コム」みたいに。
英語
英語話者の中には@を「commercial-a(商売のa)」とか「commercial-at(商売のat)」と呼ぶ。また、以下のような呼び方も聞かれる。
「mercantile symbol(商売記号)」
「commercial symbol(商売記号)」
「scroll」「scroll-a」(渦巻き)
「arobase」
「each」(各)
「about」(アバウト)
「vortex」(渦)
「whorl」(螺旋)
「whirlpool」(渦巻き)
「cyclone」(サイクロン)
「snail」(カタツムリ)
「schnable」
「cabbage」(キャベツ)
オランダ語
オランダ語話者の想像力は、この小さな記号のための名前を産み出すために時間を費やしまくったようである。もともとの名前は「een a met een slinger」(振動付きのa)であったが、「apestaart」(サルの尻尾)、「apestaartje」(小猿の尻尾)とか、「slingeraap」(揺れているサル)と呼ばれるようになった。
他にも名前がある。
「a-krol」または「a-krul」(曲がったa)
「slinger-atje」(小さな揺れたa)
「apeklootje」(小さなサルのキンタマ)
オランダではほとんどすべての人が英語も話し、ますます多くの人々がオンラインに参加するようになっているので、英語の呼び方がじわじわと認識されるようになってきた。
カタロニア語[カタロニア(スペイン)]
たいていの人が「arrova」と呼んでいる(「rr」は巻き舌で、「v」は非常に柔らかい英語の「b」のように発音する)。スペイン語では、同じ記号と名前が重さの単位を示すのに使われている(1アロバ=およそ25USポンド、11kg)。多くのスペイン語同様、これはアラビア語起源である。
韓国語
多くの韓国人がそれを「dalphaengi(カタツムリ)」と呼んでいる。
広東語[香港]
最近まで大英帝国植民地であった香港におけるコンピューターやエレクトロニクス関連の名前は、英語のネイティブ・スピーカーに強い影響を受けている。香港では、ほとんどの人が英国や合衆国と同じように「the at sign」と呼んでいる。
ギリシア語
現代ギリシア語では、「sto」という表現が使われている。これは英語の用語「a」の直訳である。
セルビア語
セルビア語ではいろいろな用語が使われる。「Majmun(サル)」がいくつかの語根となっている。この言葉はトルコ語からの借用語で、「majmun(サル)」「majmunski rep(サルの尻尾)」「majmunsko-a(サルのa)」「ludo-a(狂った a)」「et(a)」は英語からの改造だ。
スウェーデン語
スウェーデンのメール送信者は、最も多くの@の呼び名を持っている。「Svenska Spreknemnden(スウェーデン語委員会)」による公式用語としては「snabel-a(鼻のa、つまりゾウの鼻のついたa)」が推奨されており、これが最も一般的である。かつてこの委員会はもっとまじめな呼称「at-tecken(at記号)」を導入しようとしたが、それはまるで流行しなかった。
もう一つ、スウェーデン語でよく聞かれる想像力豊かな名前としては「kanelbulle(シナモンロールの一種)」がある。
他の候補:「apsvans(サルの尻尾)」「elefantora(ゾウの耳)」「kattfot(ネコの足)」「kattsvans(ネコの尻尾)」「kringla(プレッツェル)」
スペイン語
スペイン語では「arroba」と呼ばれる。この記号は同名の重さの単位を示すのに使われている(1アロバ=およそ25USポンド、11kg)。多くのスペイン語同様、これはアラビア語起源である。
スロヴァキア語(スロヴァキア共和国)
スロヴァキア語ではチェコ語同様、 @は「zavinac」(「ザーヴィナハ」と発音)である。その意味は「ロールモップ」すなわちいたニシンでピクルスやタマネギを巻いてマリネにしたオードブルのことである。
スロヴェニア語
スロヴェニア語においては「afna」である。おそらくこれはドイツ語からの借用語で、その用語の中でも「affenshwanz(サルの尻尾)」からとられたのだろう。スロヴェニア語における類似の単語「afna」は、「着飾りすぎ、メーキャップしすぎる女性」という意味である。
タイ語
タイ語には@の公式の名前がないが、「ai tua yiukyuiu(ちょろちょろ動く虫のような生き物)」と呼ぶ人もいる。
チェコ語(チェコ共和国)
チェコ語で@は「zavinac」(「ザーヴィナハ」と発音)である。その意味は「ロールモップ」すなわちいたニシンでピクルスやタマネギを巻いてマリネにしたオードブルのことである。おそらくその形は、壷の中に詰め込まれたニシンの形を示している!
中国語(台湾)
台湾の北京語で、@は「xiao lao shu(小老鼠=小さなネズミ)」とか「lao shu hao(老鼠號=ネズミ記号)」と呼ばれている。また「at-hao(at號=at記号)」とか「lao shu hao(老鼠號=ネズミ記号)」とも呼ばれている。
デンマーク語
デンマーク語では「alfa-tegn」(アルファ記号)とも「snabel」(ゾウの鼻)とも呼ばれる。アルファ記号という方が正式な用法だが、電子メールアドレスを言うときはゾウの鼻の方がよく使われる。@記号は「grisehale」(ブタの尾)とも呼ばれることがある。
ドイツ語
ドイツ語で@はよく「Affenschwanz(アフェンツヴァンツ=サルの尻尾)」とか「Klammeraffe(クラメラフェ=ぶら下がったサル)」と呼ばれる。これは動物学上の分類において、クモザルなどの南米のサルを呼ぶ名称でもある。「Ohr(オール=耳)」と呼ぶ人もいる。
トルコ語
トルコのメール送信者はたいてい@を「kulak(耳)」あるいは「Ohr(ドイツ語の耳)」と呼ぶ。@を「at」と呼ぶことを提案している人もいる。これは音は同じだが、トルコ語では「馬」という意味になる。
日本語
日本語は外国語から単語を取り入れるが、通常それは日本語の発音になっている。(例えば、英語の「baseball」は「ベースボール」となる) 日本の経理とコンピューターの関係者は、通常@を「atto maaku(アットマーク="at" mark)」と呼んでいる。
ノルウェー語
ノルウェー語で@は「grisehale(ブタの尻尾)」とか「kro/llalfa(曲がったアルファ)」と呼ばれている。しかし、学会では英語の「at」が広く使われている。
(ネット)ハック
古い(1960年代のメインフレームベースの)コンピューターゲーム「ハック」は、現在「ネットハック(NetHack)」となっているが、これはASCII文字を使って様々な「ダンジョン&ドラゴン」型の生物を示すのに使われた。例えば、大文字の「K」はコボルドを表わす。ゲームのとおりに、@を人間を示すためにオンラインで使う人たちがいる。
ハンガリー語
ハンガリー人は電子メールのことをあまり高く評価していない。@記号を「kukac(クーコッツ=長虫/ウジ虫)」と呼ぶことにしたからだ。
フィンランド語
@のためのフィンランド語の単語の多くはネコ関連である。フィンランド語は見た目の形で記号を命名するのではなく、どのように聞こえるかで命名したのである。「kissanhnta(ネコの尻尾)」に加えて、「miau」「miumau」「miuku」はすべてフィンランドにおける「miau merkki」(にゃあマーク)である。フィンランドでの他の呼び名としては、「apinanhanta(サルの尻尾)」とか「hiirenhanta(ネズミの尻尾)」がある。「コンピューター人」たちの中には、英語の「at」を使う人もいる。
FORTH
コンピュータープログラミング言語FORTHで、@は「取ってくる」を意味する。
フランス語
フランス語で@ は「arobase」と呼ばれる。おそらくはスペイン語の「arroba(アロバ)」に由来するが、この単語には他の意味がない。これはこの記号のためだけの名前なのである。それはまた「un a commercial(商売のa )」、「a enroule(グルグル巻きのa)」と呼ばれることもあるし、「escargot(エスカルゴ)」とか「petit escargot(小さいエスカルゴ)」と呼ばれることもある。
フリジア語(フリースランド、フリジア語島)
このゲルマン系言語は、北海のオランダ、ドイツ、デンマークの沖にあるフリジア諸島で話されている。フリジア語で@は「aapke(小さなサル)」とか「apesturtsje(小さなサルの尻尾)」と呼ばれる。
ヘブライ語
ヘブライ語では「shablul」または「shablool」(カタツムリ)、あるいは「shtrudl」(シュトルーデル、つまり練り粉菓子)である。どちらの場合も、何か巻いているものである。
ポーランド語
ポーランドではメール送信者はたいてい@を「malpa(サル)」と呼ぶ。
他の用語:「kotek(小さなネコ)」「ucho s'wini(ブタの耳)」。
ポルトガル語
ポルトガル語ではスペイン語と同様「arroba」と呼ばれる。この記号は同名の重さの単位を示すのに使われている(1アロバ=およそ25USポンド、11kg)。多くのスペイン語同様、これはアラビア語起源である。
リトアニア語
リトアニア語での@の「公式」名は「商売のet」だが、たいていの人は「電子メール記号」(をリトアニア語で言ったもの)と呼んでいる。リトアニア人の電子メールユーザーの中には、@と&を混同して「ir」(そして)と呼ぶ人もいる。
ルーマニア語
ルーマニア語で@は「la」と呼ばれる。これは英語の「at」の直訳である。
ロシア語
ロシア語で@の「公式の」呼び名は「kommercheskoe(商売のa)」であるが、通常は「sobachka(子犬、ワンちゃん)」と呼ばれる。
他の用語:「obezjana[サル]」「pljushka(ロシアの粉菓子)」
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細かいようですが、「(ネット)ハック」 の項の「ダンジョン&ドラゴン」は「ダンジョンズ&ドラゴンズ」ですね。ゲームの商標名ですので。
http://www.hobbyjapan.co.jp/dd/
ただし、このゲームを原作にした映画の邦題は「ダンジョン&ドラゴン」です。
ここを間違えると俺のようなTRPGオタが怒り出します。笑い。

修正しましたъ( ゚ー^)

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