エキサイト・コネタ「コス茶」は誤読。ニューヨークタイムスに紹介された秋葉原メイドカフェ記事を全訳

 5月1日、ニューヨークタイムスで、秋葉原のメイドカフェが3店舗紹介されていた。これについて、18日付エキサイトニュース「Excite Bit コネタ」コーナーで「秋葉原の「コス茶」に行きたいアメリカ人オタク」という記事があった(情報元:RinRin王国 2005/05/18)。

5月1日付けのニューヨークタイムス(excite翻訳)に、秋葉原で話題のカフェが紹介された。そこでは、フレンチメイドのコスチュームに身を包む、まるでアニメの世界から出て来たようなウェイトレス達が、食事を運んで来てくれて、食べさせてもくれるという。その名もコスプレ喫茶「コス茶」(一般的にこう呼ぶらしい)。

 これはCos-Cha(コスチャ)という店の名前を「コス茶」とした上、普通名詞と勘違いしているようだ。大体、自動翻訳に頼りすぎるのがいけないのだが、とりあえず、実際にはどのように紹介されていたのか気になったので、全訳してみた。とはいえ、台湾から来たbutさんと一緒にCos-Chaに一回行ったことがあるだけのメイド喫茶素人なので誤訳もありえる。指摘をお待ちしてます。

2005年5月19日15:10| 記事内容分類:オタク文化| by 松永英明
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東京:マンガの妄想が現実に

 マンガ世代のゲイシャだ。皿のような形の目、豊かな黒髪、メイド服ののりの効いた白いエプロンの前で上品に手を握りしめている。ここ数年ずっと、日本のマンガ読者、アニメ視聴者、アダルトマンガの人気投票の結果では、フレンチ・メイドが妄想スタイルのナンバーワンであった。

 現代日本のすさまじい空想世界におけるこの「定番」は、アニメ・マンガ・ビデオゲームから生まれたわけだが、それが今や現実のものとなった。電機街として有名な東京・秋葉原地域のはずれでは、この日本式フレンチ・メイドの現実版がコンピューターゲームのスクリーンから躍り出て、点在する新しい喫茶店やレストランにやってきた。

「おかえりなさいませ、ご主人さま!」

と挨拶するのは「ひよこ家」のウェートレスだ。日本の「オタク」(コンピューターゲーム熱狂者)が抵抗できなくなるような従順さと女性らしさという魅力を振りまいている。

「ひよこ家」(03-5812-5909)とは「ひよこの家」という意味だが、カワイイ界の最高峰に君臨する。約8.40ドル(880円)程度の値段で、このレストランは各種ランチセットを提供している。カレーライス、カルボナーラスパゲッティ、アンチョビピザ、玉子丼などだ。しかし、本当の呼び物は、白いレースを載せたおかっぱ髪に黒いパフ・スリーブのフレンチメイド・ウェートレスである。

 壁にはフレンチメイドのスケッチが掛けられている。棚の上には、梅酒のボトルがあって、大きな目のフレンチメイドが「今宵のお相手に私などいかがでしょうか?」とおねだりするラベルが貼ってある。

 昭和通りタカオカビル1Fの「ひよこ家」では、秋葉原の他のフレンチメイドカフェと同様、お触り禁止でセクシャルな緊張度は決定的に低い。しかし、このレストランでは、ウェートレスの写真を撮影して感謝状のスクラップブックに思いを綴るよう、お客様(大半は男性)に勧めている。典型的な書き込みとして、ある男性はこう書いている。

「店長さんの新しい髪型が大好き。ここで飲み始めることにするよ」

 デンバーの古生物学者カーク・ジョンソンは、「ひよこ家」でのランチ後、春の日差しの中に出てきてから「かわいくて、無邪気で、素敵だね」と言った。その妻で家具デザイナーのチェイス・デフォレストはそれに同意して「マンガの登場人物が現実になるっていう考えは好きだわ」と語った。

 フレンチメイドのファンは、中央通りのドンキビル5階の「@ほぉ~むcafe」(03-5298-3823)に行ってもいい。そこでは、約4.75ドル(500円)で来訪者が3分間フレンチメイドとカードゲームできる――カフェの経営者Mihaによれば、そのメイドは着飾ることの好きな地元のアニメアーチストなのだそうだ。

 ドレスアップの幻想はリビングスタイルの別館「@ほぉ~むCafe LIVING」ではさらにきわまる。そこでは、9.50ドル(1000円)で、ウエートレスがラックに掛かっている衣装の中からどれかを着てくれる。白雪姫、プリンセス、女子高校生、OL、サンタ・エルフなどだ。そうそう、約9.50ドル(1000円)で、ソファーにくつろいでいる主に男性のお客様にはランチも出てくる。スープ、サラダにライスかバーガー、玉子丼などだ。

 日本語では、この新しいジャンルはコスプレ(cos-play)と呼ばれる。コスチューム・プレイの略である。次はCos-Cha(コスチャ)に行ってみよう。PCトラストの上、イサミヤビル2F(03-3253-4560)のこの店に、とある土曜日の午後に行ったところ、木製の学校机と黒板まで揃った「教室」で10人ほどの若い男性が飲み物を飲んでいた(よく飲んでいたのは……レモンティー3.80ドル(400円))。黒板にはチョークで、ウェートレスを「エンジェルさん」と呼ぶように書かれていた。

 コスチャでは、19ドル(2000円)というすさまじい高値の「エンジェル御膳」(ドリンク付きランチ)があると黒板に書かれていた。あるテーブルの物静かな黒衣の若者二人のお客さんがエンジェルスペシャルを注文した。しかし、あるエンジェルが給仕を始めると、近くのテーブルには失礼な爆笑がわきおこった。ある若者は「俺たちはオタクを見に来たんだけどさ、多すぎるよ」とわめく。

 それでもエンジェルはみじんも狼狽する気配がない。スプーンいっぱいのシチューを軽く吹いて、注文者に「ご主人さま、熱すぎますか?」とささやいたのだった。

訳者感想

 エキサイト記事では「しかしニューヨークタイムスって、こんなのばっかり紹介してて、 実はオタクの記者多いのではないの? やたら詳しいのもあやしい」と書かれているのだが、それほど「詳しい」というほどではない。実際に取材すればわかる範囲のことしか書かれていないと思う。このNYT記者ブルック氏は、デンバーの夫婦と一緒に「ひよこ家」でランチを食べ、それから「@ほぉ~むcafe」へ行って店長さんに取材をし、そして最後に「Cos-Cha」で客を観察していたのだろうと思われる。

 なお、エキサイト記事にトラックバックしていたブログの中で、「コス茶」をあっさり信じ込んでいる人がいたり(LostTechnology: ☆ へぇ、「コス茶」って略すのか)、ニューヨークタイムス記事のexcite翻訳を読んで「翻訳ソフトを使ったとおぼしいこの記事」と書いている人がいたり(わけわかんないよ。-赤い新月がのぼるとき)するのが興味深い。エキサイト記事も含めて、原典チェックというプロセスを経ることなく曖昧な情報が事実として伝えられていく伝言ゲームの実例である。

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2005年5月19日15:10| 記事内容分類:オタク文化| by 松永英明
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コメント(2)

初めまして。記事を書いたチン・ぺーぺーです。
誤訳のご指摘ありがとうございました。
私の友人周辺では、コスプレ喫茶をコス茶と呼んでいたので、ついそのまま一般名詞のように紹介してしまいました。
原典がある以上それは間違いであると思います。
大変申し訳なく思います。
今後ともよろしくお願いいたします。
チン

ご指摘、TB、ありがとうございます。
実は、ものすごく英語が苦手で、つい、訳されているものがあると「明らかにおかしい」と思いつつそれを使ってしまいます。(むしろ、誤訳のオカシサに目がいってしまうのですが。)
こうした記事の日本語訳があればとても助かります。次から、もう少し努力してみます。
今後ともよろしくお願いします。

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