ガードレール金属片 謎を「解明」してみせる人たち

 日本全国で「ガードレールに謎の金属片」という話題がマスコミを通じて盛り上げられているが、結局のところは「接触した車体の一部がはぎ取られて残ったもの」ということになりそうだ。しかし、中には「犯人」のプロファイルをやってのける「犯罪心理学者」もいる。そういうコメントなどをネットのニュース検索で洗い出してみた。テレビの発言なんかも集められたら面白いんだろうけれども。

 以下、google ニュースで「金属片」を検索した結果の600件余りのニュース記事、ならびにはてなブックマークで「金属片」を検索した結果から関連するものをまとめた。

2005年6月 5日13:26| 記事内容分類:日本時事ネタ| by 松永英明
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「はっきり言って何やねんという感じ」

 いろいろ読んだ中で、このコメントが一番しっくり来た(笑)

ガードレール金属片:県内でも600カ所以上見つかる /奈良(毎日新聞0604)

県警交通指導課の阪井一朗次席は「はっきり言って何やねんという感じ。いたずらとしたら悪質。道路交通法に抵触するか検討も必要」と話した。

推理合戦

 ネットでの説といいつつ、そんなこと言われてるのか?という「説」が報道されているような感じ。確かに2ちゃんねるとかでは何でも言われてるだろうけど……。というより、「ネットの噂」と言ったら何でもありと思ってないか?

ガードレール金属片/作為偶然深まる謎(朝日新聞マイタウン福島0604)

 作為か、事故による偶然か。専門家の見方も分かれる。インターネットでは、違法に設置された「捨て看板」を止めるための金具説や、カルト宗教団体によるものとする説など、憶測も飛び交っている。

 ちなみに、ネットの一部で「捨て看板留め具」説の図解として流れている写真は、実は捏造なので注意。

謎の金属片は全国1万7000件超(日刊スポーツ九州0604)

 ◆車接触事故説 車がガードレールに接触し、側面が三角形状にはがれ、継ぎ目やボルト部分に刺さったとの説。最も有力で、埼玉県警行田署はこの日、先月3日、同県吹上町で起きた乗用車の自損事故で、長さ約17センチの細長い三角形状の金属片が、ガードレールに残っていたことを明かした。また福岡県警も、同県久山町のガードレールで同日見つかった三角形の金属片は「車体が接触し、一部がちぎれたとみられる」と発表した。

 ガードレール工業(愛知県)でも「通常のガードレールは、順行している車が左側面をこすっても、継ぎ目部分に引っ掛からないように重ね合わされている。逆行してきた車が右側面をこすり、一部の破片がレールの継ぎ目に挟まれたままになった可能性は考えられる」と話している。

 ◆いたずら説 都内や神奈川県では、金属片を意図的に差し込んだような形跡のものもある。ただ当初報じられた、何者かがネットであおったとの説については3日夕現在、その種のサイトや書き込みは確認できず、否定的な声が強い。

 ◆捨て看板説 金融業者などの「捨て看板」の残存部との情報も流れた。ただ埼玉県の看板業者は「捨て看板は針金で巻くことはあるが、金属片を使うような手間がかかる設置はしないし、聞いたことがない」と否定的だ。

 ◆デリネーター説 ライトなどに当たって光る、視線誘導標(反射板)の残存部との見方も出ている。ただ、都内のメーカーは「レールの車道側につける時も、今は車にぶつからない程度の高さになっている。デリネーターではないと思う」。

 ◆ミステリー現象説 超常現象誌編集部では「この種のミステリー現象はちょっと聞いたことない」。

 このほか、ガードレール設置工事業者が部品を外し忘れたなどの説もあるが「この種の金属片は作業で使わないし、部品でもない」(都内のメーカー)。

 「超常現象誌編集部」の回答に味がある。

Rubber Brain Blog | ガードレールに金属片

なんか新聞とかニュース見てると夜な夜なガードレールに金属片を挟み込むカルト集団がいて欲しいと思ってるみたいで、「帝都物語」の加藤みたいな奴が闇に紛れて金属片を挟んでいてもらわないとオレらマスコミは気が済まないってかんじ。何かの陰謀を切望してるかんじ(韻を踏んでみました)。

 加藤で吹いた(´ー`)y-~~

 でもまさにそういう感じ。商業メディアが「事実」よりも「絵になる」「話題になる」を求めるというのが今回の件でも如実に表われていると思う。

犯罪心理学者、見事な推理!?

 で、こういう「事件」があると、マスコミによく登場する「心理学者」とかがしたり顔でコメントをし始めるわけである。こんなことやるのはこういう奴に違いないってわけで。それがどれだけ「当たってきた」かは知らないが、とりあえず、今回の件について、新聞検索で出てきた分だけまとめておく。ついでにその人たちの著書へのリンクも。

深まる謎 ガードレール金属片 誰が何のために…(河北新報0602)

 犯罪心理に詳しい尚絅学院大の水田恵三教授(心理学)は「単独犯なら社会に怒りや不満を持った者が行った可能性がある。複数犯ならネットや口コミを介して愉快犯的に広がったことが考えられる」と分析している。

 というより単独犯ならこの行動力はすごすぎる。まあ記者に聞かれて答えただけなんだろうが、このコメントなら誰でも言えそうだ。

「接触説」有力も残る疑問 ナゾの金属片なぜ大量発見(中日新聞0604)

 森武夫・専修大名誉教授は「ある地域で始まったものが口頭やインターネットなどの媒体を通じて『こうすれば、こういうことになる』というような扇動的な情報になり、全国に広がったのでは」と推測する。

 一方、「ネットであんなことを呼びかけて賛同する人がいるのか」と疑問を呈するのは聖学院大非常勤講師で精神科医の作田明さん。「社会的に不安な気持ちを持っている閉鎖的な団体などが、自分たちの力を示すためにやったのでは」とみる。「世間を騒がすためには被害は大きい方がいい。人を傷つけるのを狙っているのは明らかだ」

 森先生のコメントについて。こういうメディアで「推測」を発言する前に、実際にネットでの呼びかけとかその徴候があったのかどうかなどを調べてからものを言うべきではないだろうか。作田先生については下で。

金属片:全都道府県4200カ所で見つかる けが人4人に(毎日新聞0603)

 精神科医で犯罪心理学者の作田明・聖学院大講師は、見つかった金属片にさびて古いものが多いとの報道から「最近になって急に増えたとは思えない。愉快犯、模倣犯が広めた可能性は低い」とみる。

 作田講師は「人を傷つけて全国的な騒ぎにし、社会に不安を与えようと考えているグループが組織的に行っているのではないか」と推測。「こういう事態が起こると予言したうえで、『予言が的中した』とアピールしようとした可能性もある」として、閉鎖的で反社会的なグループによる犯行の可能性を指摘する。

 作田先生はイマジネーション豊かだなあ。というか、どういう予言なんだろう。「ガードレールに金属片がつくぞ!」って予言じゃないだろうし。「尖った三角の金属 苔むし、錆びて、若者を切り裂く すべての土地で気付かれて列島は騒然 その前後、二本足の動物が人類の尊厳を脅かす」なんて予言詩をノストラダムスが残していたとも聞かないしな。

いたずら、捨て看板説も(産経新聞0604)

 東洋大の岩井弘融名誉教授(犯罪心理学)は「確信犯だとしたら、人を傷つけ、世間を騒がせたいのだろう」と推測する。

 インターネットの掲示板では、「路上の捨て看板を設置する際に使われた留め金の残骸ではないか」「ガードレールに取り付けられた古いタイプの衝突防止用反射体が車の接触などによって露出、変形したのでは」などの推理が展開されている。

 ほかにも、社会に不安を与え、その反応を分析する反社会的組織の犯行説もある。

 「確信犯」という言葉、本来は「道徳的、宗教的、政治的な確信に基づいて、違法な行為をむしろ正しいと信じてなされる犯罪」であって、「悪いと思いつつやる犯罪」は誤用なのだが、まあそれはいいか。

ガードレール金属片ナゾ解けた?!…全国で2万カ所(夕刊フジ0604)

 漫画家のやくみつるさんも「悪意のあるものととらえている。街の落書きの字体が伝播する現象を重ね合わせてみてしまった。路上駐車をさせまいとやったのかと考えたが、場所と数の多さでその考えは頓挫した」と首をひねる。

 これはおまけ(笑)。漫画家が何を言おうとネタということで済むしな。

まあ事故車の一部というのが妥当だろうと思うのだが

 で、「事故車の一部」という説については、明確な証拠があがってきている。そうじゃなくて「明らかに人為的」とされた例についても、やっぱり車という可能性は高いようだ。

金属片、事故車の一部? 三角形「傷跡」発見 福島・板金店(河北新報0604)

福島市内の自動車板金店から、ガードレールと衝突し、車体の鉄板が三角形にはぎ取られた事故車が見つかった。車体の傷口は鋭くとがっており、各地で見つかった金属片の特徴と一致する。福島県警もこうした事故例を把握しており、金属片の多くは、事故の痕跡との見方を強めている。

 福島県警交通部の幹部は、ガードレールに車体の鉄板が引っかかった事故現場を見たことがあると説明した上で、「全国で見つかった金属片の中に、故意に設置されたものがある可能性は否定しないが、(金属片は)自動車事故による車体の一部と考えるのが自然だ」と指摘する。

 さらに、この幹部は「ガードレールの継ぎ目やボルトのすき間は狭いが、車がガードレールにぶつかった衝撃ですき間が広がる。はぎ取られた金属片が付くのは不思議な現象ではない」と言う。

県内54市町村、852枚に 金属片(岩手日報0604)

 計25カ所で確認された陸前高田市の松田恒雄市建設部長は「昔はガードレールに当て逃げされた時、逃げた車の方向を示す『矢印』として知られたらしい」と話す。

事故車のドアちぎれる 金属片、衝突跡とピタリ 行田署が立証(埼玉新聞0604)

 行田署によると、金属片が見つかったのは北足立郡吹上町大芦の県道。先月三日午前三時ごろ、行田市の運転手男性(43)が緩い左カーブでセンターラインをオーバーし、対向車線のガードレールに衝突した。

 この際、右前部の運転席ドアがガードレールの継ぎ目に挟まり、根元から約十七センチがはがれたという。

金属片、県内も多い接触跡 事故車と完全一致 菊川(静岡新聞0604)

 菊川署の調べでは、菊川市内で起きた交通事故で残った金属片は2つ。共に二等辺三角形で、ガードレールの継ぎ目に縦に並ぶように突き刺さっていた。金属片と事故車の車体の欠落部分が完全に一致したことなどから交通事故による遺留品と断定した。金属片は継ぎ目のボルトを緩めないと取り除けないほど固く押し込まれていて、全国で見つかっている金属片と共通の特徴を示していたという。

金属片、「衝突事故説」裏付ける証言(TBS0604)

 この男性は、先月初めに宮城県名取市内の県道で、前の車を追い越そうとして道路の右側にあるガードレールに衝突しました。 この時にガードレールの継ぎ目に車のボディーの一部が挟まり、ペンチでこれを抜き取ったということです。

 「速度は50キロくらいだった。ガードレールの継ぎ目の角が取れていない。そのくらいの速度でも、ぶつかるとはがれてしまう」(衝突事故を起こした男性会社員)

 というわけで、ガードレールにこすって、何かイヤーな音がして、帰ってから見てみたら車体が一部三角形に削れてしまっていた、と言うような事例は案外多いんじゃないかと。いちいち自損事故とか報告しない例がたくさんあって、その名残が全国で万単位にのぼったというのがことの真相だろう。

 接触自損事故には気をつけましょうヽ(´ー`)ノ

いや、これこそが真相だ!

 納得できるものがあれば随時リンク追加します(笑)

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2005年6月 5日13:26| 記事内容分類:日本時事ネタ| by 松永英明
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コメント(2)

笑わせていただき、ありがとうございました。
ところで、ガードレールなんて世界中にいくらもあるものと思いますが、フランスとかイタリアとかアメリカとか(偏見で「事故の多そうな国」を並べてみました)での事例ってないんでしょうかしら。metal chip triangleあたりで検索してみましたがそのへんが私の限界でした。

いつもお世話になっております。
ネットランナー編集部の福井と申します。

「ネットランナー」は、ソフトバンク パブリッシングが発行する、ディープにインターネットを楽しむための月刊誌です。

この度、編集長交代により、雑誌の方針が変更になり、掲載サイトについては、
管理人様に許諾をいただくという形になりました。

さて、弊誌8月号の「LOWーREZ」で、貴サイトをぜひご紹介させて
頂きたいと考えております。
つきましては、以下の点においてご確認させていただきたく存じます。
お忙しいところ大変恐縮ですが、メールにてお返事いただければ幸いです。

1.ネットランナーへの貴サイト掲載の可否
2.掲載誌の要・不要
3.ご住所とお宛名(掲載誌送付希望される場合のみ)
  ※ 頂いたご住所は見本誌送付以外の目的には使用いたしません。
4.そのほか、サイト名・URLの指定などの注意事項
 
こちらからの一方的な依頼で期限を設けるのは大変心苦しいのですが、
雑誌制作の都合上【6月24日(木)】までにお返事をいただけませんでしょうか。

どうぞよろしくお願いいたします。

ただ、諸事情により、掲載を見送らざるを得なくなったり、欄外紹介などのように
貴サイトの扱いが小さくなってしまうことがございます。
こちらからの依頼なのに大変恐縮ですが、あらかじめご了承くださいませ。
そのほか、不明な点などございましたら、私までご連絡ください。

ソフトバンク パブリッシング株式会社
ネットランナー編集部
福井和男
〒107-0052 東京都港区赤坂4-13-13 4F
E-mail kafukui@pub.softbank.co.jp

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