サブディレクトリとサブドメインの使い分けについての実験

 新年にあたって、女子十二楽坊資料館のURLを変更した。といっても、トップページ以下、ドメインを変更したわけではない。各コーナーをそれぞれサブドメインに割り当てていたのだが、すべてトップページの下のサブディレクトリに変更したのだ。

 要はSEO的な話なのだが、サブドメインを乱立させるのもよくないな、と思った次第。

2006年1月 2日17:58| 記事内容分類:ウェブデザイン| by 松永英明
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変更の次第

 トップページは変わらないのだが、それぞれのコーナーを以下のように変更した。

 つまり、すべて「サブドメイン」にしてあったものを、「サブディレクトリ」に移したのである(旧来のでも一応アクセスは可能にしてある)。

もともとなぜサブドメインを使ったのか

 理由はあまりたいしたことではない。微妙にURLが短い。それだけのことである。

 しかし、その影響は大きかった。

変更の理由

 googleなどの検索エンジンでは、サブドメインはそれぞれ「別のサイト」として認識される。このブログではmain.jpというロリポップ内のレンタルドメインを使っていて、サブドメインとしてwww.kotono8.comとなっているわけだが、これは他のmain.jpサイト、たとえばデポログ / DEPOLOGさん(depo.main.jp)とは「別のサイト」として認識されている。

 そして、別のサイトであるから、外部からリンクされた「被リンク数」の集計や、その結果としてのページランクも、また別々に計算されているようなのである。

 内容がまったく違うなら独立したURLでいいと思う(し、その方が効果的な場合もあるだろう)が、女子十二楽坊資料館内をいくつにも分割したのは非常にまずかった。要するに、サブドメインで分割した結果、外部からの被リンクも分割され、ページランクも分割されてしまったのである。

 最悪なのは、トップページが非常に弱いことである。www.twelve-girls-band.infoは、yahoo!からリンクされているというメリットはあるものの、内容はこの1ページしかない。あとは全部サブドメインページへ飛ばしている。google的には空っぽの表紙ページであって、検索結果でこれをどう扱うかというのは難しい。

 逆に掲示板の内容はかなり上位でヒットしたりする。実際には資料集やニュースの方でもっと適切な内容があるにもかかわらず。

 となれば、これらのサイト内容はすべて一つのドメインにまとめた方がかしこそうだ、とようやく気づいたのが去年の後半のことだった。もともと外部からの参照の少ない「小型サイト」なのに、それをさらに分けてしまって、いっそう戦力を分散させてしまったのだった。

サブディレクトリのメリット・デメリット

 サブディレクトリに納められたコンテンツは、すべて同じサイトのコンテンツとして認識される。

 たとえばhttp://www.kotono8.com/weblog/は「はじめてのウェブログ」サイトの表紙なのだが、URL的には独立ページには見えない。このブログの今月の記事はhttp://www.kotono8.com/2005/01/に入っているわけだが、それとまったく同列に扱われるわけである。

 その結果、このブログ「絵文録ことのは」は強力なランク押し上げ効果を得ている。というのは、「はじめてのウェブログ」内で最も人気のあるページ「3分でわかるトラックバック」が現在約1500のトラックバックを集めているわけだが、これがすべて「絵文録ことのは」で集めたトラックバック数に含まれているのである(底上げともいう。笑)。まあ、実際にサイトとしてはそれだけ集めているわけだからウソというわけじゃないが。

 テクノラティでも被リンク数ランキングで女王眞鍋かをり陛下と肩を並べていたり、googleのページランクでも高い数値をもらったりしているのは、実際にはブログ本体よりもこの「3分でわかるトラックバック」のおかげだったりする。

 なんてことを全部ばらす必要はないのだが。

 で、これは逆に言えば、「はじめてのウェブログ」があまり独立サイトとして見てもらえないというデメリットも持っている。

 はてなダイアリーはhttp://d.hatena.ne.jp/userid/というURLになっており、ユーザーのダイアリーのページランクは比較的上がりやすい一方、個々のダイアリーを切り分けて検索するには向いていない。

サブドメインのメリット・デメリット

 サブドメインを使うメリットは、何よりも、独立したサイトとして認識されやすいことだろう。これは別にgoogleなどの検索エンジンに限ったことではなく、人の目にもそう見える。

 http://china-girls-pops.kotono8.com/(華流♪がーるず)は「独立サイト」だが、このURLがhttp://www.kotono8.com/china-girls-pops/であったならば、何となくこれはサイト内のワンコーナーにしか見えない。そして、実際にそのように集計されてしまう。

 スパム的な人だと、サブドメインを1000ぐらい作って、すべてを相互リンクさせることで「外部リンクの数」を増やし、ページランクを上げようというワザを使うことがある。確かにこれは「別サイト」と認識されるという前提があって成り立つ考え方である。こういうのを「リンクファーム」と言ったりするらしい。

 ところが、このタイプのスパムについては、一気に急激にリンク数が増えること、そして同じサイト群同士で(つまり内輪で)相互リンクしているだけということから、googleさんにはあっという間にスパム認定されてしまうのである。

 そういうわけで、「サブドメインに分けておけば、相互リンクでページランク的に有利かな」と考えたとしても、それは甘い。むしろ、外部からのリンクが分散するデメリットの方が大きくなってくるだろう。

 結局、サブドメインの濫用はマイナス、という結果に終わりそうだ。もちろん、明らかに別のサイトとして見せたいという場合は有効に使えばいい(例えば、レコード会社が個々のアーティストのページをそれぞれサブドメインにするのは効果的だろう)。

 ところで、サブドメインはアドレスを短くする効果がある。そのため、入力を少しでも減らしたい携帯用アドレスは、サブドメインを使うことを推奨したい(検索上も別々として扱って問題ないだろうし)。そういうわけで、「豆乳組」のモバイル版はhttp://m.tonyu.net/にしてある(モバイルのm)。

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サブディレクトリに変更すると、グーグルでは検索結果に一つのドメインから二ページしか表示しないので訪問者が減る可能性があるんじゃないでしょうか?

軒並みランキング下位で検索経由のアクセスをまるで見込めないよりはいいと思います。分けても上位表示される場合は分けた方が効果的ということもあるかもしれませんが。
また、表示ページ数が少ない場合、必要なページはきちんと検索されているはずなので、あとはサイト内の動線をきちんと作れているかどうかの方が問題になってくると思います。たとえば、うちのブログでフォトンベルト関係記事はかなりありますが、そのうち二つのいずれかが表示されればすべての記事をたどれます。

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