Amazonアソシエイトの紹介料率システム変更にともなう戦略の変化

 2007年の第一四半期から、Amazonアソシエイトのパフォーマンスプランにおける紹介料率が変更となった。

  • 発送済み商品点数に応じて決定される基本紹介料のみを採用
  • プレミアム紹介料(商品紹介ページへの直接リンクの場合の追加紹介料)は終了
  • プレミアム紹介料をなくし、基本紹介料を底上げ
  • 基本紹介料は3%からスタート
  • 最高で7%の基本紹介料

というのがおおよそのポイントである。しかし、以下のような変更もあった。

  • 紹介料のお支払いを四半期毎から、各月払いに変更
  • 紹介料率は、各月の発送済み紹介商品点数によって決定

 さて、この変更で、アフィリエイターはどのような戦略変更が必要になるだろうか。

2007年1月28日22:00| 記事内容分類:ウェブマーケティング| by 松永英明
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パフォーマンスプラン変更の影響

今四半期の場合、基本紹介料率が5%なんですけど、プレミア紹介料率があるおかげで、5%と、5+2=7%のものが混在していて、計算(紹介料÷売上)してみると全体としては5.5%の料率になってます。これをそのまま新パフォーマンスプランで試算すると、ものの見事に5.5%のところに合致するようになってるのであります。

個別商品リンクの比率が異常に高い、などの異常なアソシエイターでない限り、恐らくどのレベルのアソシエイターからも文句の出にくい改定です。

 ということで、実際に計算してみた。

 前四半期のうちの売り上げは122点。実際の料率を平均すると4.32%(紹介料÷総売上)。現四半期では四半期合計で122点売れば4.25%になるので、紹介料が下がることになるヽ(`Д´)ノ

 ちなみに、四半期で101点~300点を売り上げた場合、2006年第4四半期での料率は3.75(ただし個別商品リンクだと2%加算)。したがって、3.75(1-χ)+5.75χ=4.32の方程式を解いて、χ(全体に占める個別商品リンクでの売り上げ)=28.5%という数字が出てくる。すなわち、うちの個別商品リンク比率は28.5%、約3割足らず。

 では、この臨界点はどこか。2006年第4四半期の基本料率をa、2007年第1四半期の料率をb、全体の売り上げに占める個別商品リンクの比率をx%として、前四半期と現四半期の料率が同じになるxを求めると、x=(b-a)/2という単純な公式が得られるので、エクセルで一気に計算すると以下の通り(碧き流星さんの換算表を流用)。

点数06#407#1個別率
1~1013100%
11~303.253-12.5%
31~903.253.7525%
91~1003.254.2550%
101~3003.754.2525%
301~6004.5525%
601~130055.525%
1301~15005.55.50%
1501~37005.56.2537.5%
3701~45005.756.2525%
4501~74005.756.537.5%
7401~2100066.525%
21001~6750%

 個別商品リンクで売れている点数が「個別率」より少なければ新体系の方が料率アップ、それより大きければ新体系の方がダウンということになる。うちのように28%という微妙な直間比の場合はややこしいことになるわけだ。

 なお、紹介料率は、月末の時点の総売上数に応じてすべての商品に適用される。したがって、1冊目から30冊目までは3%、31冊目から90冊目までは3.75%……というわけではない。最終的に月に300冊売れればすべてが5%になる。「月の後半になるほど高い商品が売れた方がお得」というわけではない。

直接リンクと間接リンク

 今まではref=nosimをつけて直接リンクにし、紹介料率をアップさせる小技があった。一方でnosimをつけずに多数の商品が紹介されるページに飛ばし、売り上げ点数を伸ばして料率を上げようという考え方もあった。しかし、直接リンクのメリットがなくなった今、対策は大きく変わろうとしている。Amazonさんとしては、とにかく「販売点数」を稼ぐように持って行ってほしいのだろうか。

 今までは、一冊あたりの紹介料率を上げるために、できる限り直接リンクを重視していた人も多いと思う。つまり、ターゲットとなる商品を選んでピンポイントに誘導して購入を促すという方法だ。しかし、今後はそれがまったく役に立たない。となれば、類似商品が多数表示されるページに誘導し、とにかく関係あろうとなかろうと「数を売る」ことが主要戦略となりえる。

 また、今までであれば、マーケットプレイスで中古本が1円で売られているような本を紹介するのは気が乗らない場合もあっただろう。たとえば中古本19円のものが売れても、プレミアム紹介料5%であれば結局紹介料は0円。それが何十冊売れても……というわけで、単価の高い本への直接リンクでプレミアム紹介料を重視する人も多かったのではないか。

 しかし、プレミアム紹介料がなくなった以上、紹介料率をアップするにはひたすら「売れた商品の点数」を増やした方が効率がいいということになる。つまり、1円本だろうと何だろうと、たくさん買ってくれれば、全体に紹介料率が底上げされる。そうなると、とにかく何でもいいから、安くていいから、まずは点数を伸ばしたい、ということにもなろう。

 従来の戦略は、高い商品へのピンポイント直接リンクが有効。これからは、安い商品・関連商品を多数紹介してあるページへ誘導してとにかく点数を稼ぐのが有効。そんな違いが出てくるような気がする。

それでも直接リンクは使いたい

 うちの場合は……リンクをたどって何かいろいろ紹介されて、本来ほしかったもの以外に目移りしてもらってかまわない場合がある。たとえば、このブログで各記事の最後に入れてある「キーワードによる自動の商品紹介」では、別に関係がありそうなものなら何でもいいわけで、直接リンクである必要はない。

 一方で、本文中で特定の商品にリンクする場合は、そこで買ってくださいねという意図以上に、その商品の詳細情報が書かれたページへリンクしている、という意味合いもある。つまり、ピンポイントで商品の詳細を見てほしいという目的が大きい。それなのに、関連商品などの表示されるページへ入ってワンクッション置かれてしまうと、つらい。だから、そういう場合はやはり直接リンクを利用し続けると思う。料率の問題ではなく、見せたい内容の問題である。

 関連。

(この記事は、1/3にインフォーマルで書いた草稿を修正・追記したものです)

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