本気で稼ぐための「アフィリエイト」の真実とノウハウ【書評+α】

あびるやすみつさん(AbiStudio.com)から『本気で稼ぐための「アフィリエイト」の真実とノウハウ』を献本いただいた。情報商材や「確実に儲かる」セミナーなどを一刀両断しており、小気味よい。アフィリエイトに関わるすべての関係者必読の辛口アフィリエイトバイブルといえる。極めて良書だ。文句なしの★★★★★でおすすめしたい。

2010年6月15日01:04| 記事内容分類:ウェブマーケティング| by 松永英明
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この本は、情報商材などのブラック・アフィリエイトをぶった斬っている。良心系アフィリエイターの復権のための必読書といえよう。

各章ごとの感想

以下、本書の内容に絡めて私自身の普段考えていることなどを書いている。ただ、あびるさんと基本路線は同じだと思う。つまり、悪質アフィリエイトを排除して、アフィリエイトの世界を正常化すべきという、あびるさんの思いには強く共感する。だからこそ、本書を強くお薦めする。

プロローグ

アフィリエイトで儲かっている人はごく一部という現実の数字が示されている。痛快だ。うちはほとんどアフィリ収入はない方であるが、それでも上位3割には入っているらしい。

そもそも、アフィリエイトというのは「儲かる」というようなものではないし、儲けようと思ったら本格的に仕事としてやるしかない。片手間にやって生計が立てられるようなものではない。カリスマアフィリエイター「主婦でも月収三十万円」の藍玉さんは超良心的アフィリエイトの見本のような人だが、主婦としての空き時間を徹底的に使ってサイト作りをしていたのだから、それが仕事のようなものだったと思う。

だから、「一日五分の作業で自動的に収入が」「自動的に儲かるブログを量産」なんていうようなことを言っているアフィリエイト講師がいたら、100%偽物と考えてよい。

1章「アフィリエイトの周りでカモる人たち」

情報商材や「確実に儲かる」セミナーなどを一刀両断。小気味よい。

情報商材について、私は100%否定はしない。その中に有益なものだとか、良心的なものがあることも知っているからだ。しかし、「有益な情報商材」や「良心的な情報商材」は今すぐにでも「情報商材」というスタイルをかなぐり捨てるべきだと強く思う。

本書でも指摘されているが、「情報商材」という言い方は売り手の側から見た呼称である。ビタミン剤を「栄養商材」と言ったり、フィットネス商品を「健康商材」と言ったり、経理ソフトを「ビジネス商材」と言ったりしたら、絶対に売れるわけがない。買い手のことよりも売り手のことしか考えていないのが見え見えだからだ。ところが、「情報商材」という言葉がまかり通っている。この一事だけでも異常だと考えるべきだろう。

かつて当ブログでも「情報商材の文化がわかる!たった1ページの記述で情報商材界の思考がガッツリわかる簡単な方法のまとめ![絵文録ことのは]2006/11/26」という記事を書いたが、このようなスタイルの情報商材売り込みページ(「セールスレター」と呼ぶ)を使っている情報商材やセミナー売り込みは後を絶たない。

セールスレターページの内容は、正当な商取引とは言えない要素に充ち満ちていると思う。たとえば、「内容を伏せ字にして読みたいと思わせる」というテクニックが駆使されるが、普通の本なら目次(すなわち内容の概要すべて)を公開しても、それで価値が落ちるわけではなく、もう少し詳しく読みたいと思うことだろう。しかし、情報商材では、その伏せ字数文字分の価値しかない。

私は先日、実際にある情報商材の内容を確かめるために、騙され覚悟で一つ購入してみた。「月に100万円稼ぐ堅実型即金ビジネス」とあり、ネットでの作業ではなく、「○○に登録し指示を待つ。報酬の受け取り」だけの作業だというのである。あまりにもありえない話なので、一体どんなビジネスなのか、「違法性なし、完全合法ビジネス!」といううたい文句は本当かどうか、確かめてみようと思ったのだ。

その内容は「AV男優になれ」というものだった。なれるかボケ。はっきりいってこれはほとんど詐欺に近いレベルである。「AV男優になれば月100万稼げるかも!その具体的なテクニックアドバイス」とでもタイトルに書いていればまだしも、である。

正確な商品説明をせず、「何についての商品かを知りたかったら買いなさい」というのは、決して正当な商行為ではないと思う。

また、「この情報はこんなに価値がある。頑張ればこんなに儲かる。その情報をわずかこれだけで!さらに期間限定で値引きしてたったこれだけで!」という謳い文句、それでいて情報料が数千円から数万円、場合によっては数十万円という売り方は、不当に高い価格を示して安く見せかけるという行為であって、これもまた正当な商行為ではないだろう。電子出版の登場で「本」の価格が暴落しかねない状況にあるのに、「情報商材」だけは高騰しているのである。これを異常と言わずして何というか。

ちょっと熱い感じで語ってしまったが、そういった情報商材や「アフィリエイトでこうすれば儲かりますよ」セミナー商法について真っ正面からぶった切っているこの章だけでも読む価値はある。

2章「悪事をはたらく広告主」、3章「深刻なASPの問題」

この本はむやみやたらに敵を作ろうとしているわけではない。しかし、この章では楽天さえも槍玉に挙がっている。落ち着いた口調で淡々と指摘されているところに好感が持てる。

あびるさんは、この本の印税収入をすべて、本の宣伝につぎ込むと約束している。つまり、アフィリエイト業界の正常化のための啓蒙のためにこの本を書き、その利益もすべてアフィリエイト業界正常化のために活かそうというのだ。

4章「悪事をはたらくアフィリエイター」

アフィリエイトの広告主、ASP(サービス提供者)、そしてアフィリエイターの側、すべてに問題行為を行なう者がいる。それは無知や意識不足による「悪意なき問題行為」の場合もあるが、「個人情報悪用アフィリエイター」の事例には驚いた。この章までがアフィリエイト業界が現在抱える問題点をえぐり出した部分である。

アフィリエイトというのは「商品を紹介することへの報酬」である。逆にいえば、アフィリエイター自身は商行為そのものにタッチしなくてもよいということである。そこに「無責任」あるいは「稼ぐためなら何でもやっていい」という勘違いが生れる余地があるといえる。

5章「アフィリエイトで稼ぐための基本思考」6章「ブログで稼ぐための考え方」7章「集客のノウハウ」

前半のインパクトに比べれば、実際に稼ぐための考え方を記した後半のインパクトは正直、弱く感じられるかもしれない。しかし、稼ぎ方は自分で考えろ、そのためのヒントはここに載せておくけれど、各自が自分で見つける以外にアフィリエイトで稼ぐ方法はない、と言い切っている本書は、実は最高の良書なのである。

私自身も片手間ながらアフィリエイトを導入しているが、「価格分岐点」というような興味深いキーワードをいくつか見つけることができた。アフィリエイトで稼ぐ方法とは、決して「ブログの量産」だの「一日五分の作業で云々」だのといった暴力的かつ怠惰な態度からは生まれるはずもないのだ。

8章「アフィリエイトで使えるプログラミング・テクニック」

アフィリエイトで稼ぐなら、自分でプログラミングを覚えなさい、そのための知識としてはこういうものが必要だよ、ということを述べている章。安直なアフィリエイターなら「何も教えてくれてないのと同じだ」と思うかもしれないが、実はそうではない。

無意味なブログを量産するツールや、違法すれすれの技術を駆使するような暇があれば、ユーザーの役に立つ優良サイト・ツールを開発することこそが、本当に信頼を獲得し、そして収入もついてくるものだ、ということは、あびるさん自身が証明していることである。最近だと、ツイッターアイコンメーカーなどもあびるさんが開発している。

私もプログラミングを勉強しかけながらあまり進んでいないのだが、マッシュアップサイトを作るくらいの技術を学ぼうともせずにアフィリエイトで食っていこうと思うこと自体が不遜だというのは確かだと思う。

付章

「アフィリエイトのよくある相談25本ノック」「アフィリエイトの未来を語る座談会」「ASPは諸問題をどう捉えているのか?」「広告主のカモられ方」。実直そのものの「アフィリエイト界の正義漢」笠井北斗さんも本書に協力していることもあり、アフィリエイトの実態をずばずば斬りまくっている。

もちろん、その「斬る」というのは、アフィリエイトを叩きつぶすためのものではない。アフィリエイト業界が正常なものであってほしいという思いは痛いほど伝わってくる。

「アフィリエイトのよくある相談25本ノック」から、私が一番笑った(しかし本質を突いている)回答を引用してみたい。

質問13 できるだけ早く収入を得たいのですが、どう行動するのがベストでしょうか?

笠井 アフィリエイトはやめて、バイトされることを強くおすすめします。アフィリエイト収入はすぐに多額の収入につながるものではありません。実際に成果が発生しても、そのお金が振り込まれるのは2~3ヶ月も先になります。すぐにでも収入が欲しいのなら、日払いのバイトの方がよっぽど確実です。

あびる 儲かっているサイトを買ってください。そんなお金を用意できないのなら、勉強しながらバイトするのが近道です。知恵がなければ収入は得られません。

本当にそのとおりである。

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補記:ホリエモンアフィリエイトの実態

前回の記事「「堀江貴文ビジネスマスターシークレット」が情報商材アフィリエイターに高額オファー[絵文録ことのは]2010/06/10」で書いたとおり、堀江氏のDVD教材が情報商材系アフィリエイターに対して高額報酬で宣伝させている。

ホリエモンアフィリエイト10日間の無料動画登録数は重複を除いて合計5万件以上あったという。無料登録だけで500円の紹介料が支払われるので、DVD販売が始まる前の現時点ですでに2500万円の報酬が用意されているということになる。もちろん広告料として考えればそれは高すぎないのかもしれないが、前回書いたとおり、その広告費はDVD教材もしくはセミナー等の料金に含まれているはずである。

ちなみに、この10日間のアフィリエイトのトップは情報商材界の著名人KK氏で、約6000件(=300万円)の登録を導き出した。2位が約2000件(=100万円)、3位・4位が約1800件足らずと続く。ただし、ここでも「稼いでいるのはごくわずか」というロングテールの法則は生きているようで、1000件以上の登録を得たのは9位まで、20位になると500件を切っている。上位10人の獲得した登録者数は1万6565件で、実に全体の3分の1を上位10人だけで稼いでいるということになる。

もちろん、堀江氏のセミナーにはそれだけの価値があると考えるのであれば、それは問題ないと思う。しかし、情報商材系アフィリエイターに宣伝させ、高額報酬で顧客を集めるという手法に、私は正直言って危惧を抱いている。

ちなみに、無料で提供された4回分の動画を私自身もすべて閲覧した(flvファイルだったので保存もしてある)。しかし、私の考えとはまったく相容れない発言が多い。特に、堀江氏がビジネスを「金を儲けるための手段」(自分の夢である宇宙旅行を実現するために必要な金を生み出すための装置)としてしか見ていないことは、私が受け入れられない部分である。それは、氏の『「希望」論』にも書かれている思想と一貫している。動画では、「金のかからない売れない音楽家やダンサーを使って儲かる店を作る」というような例が挙げられている。その店をいかに育てるか、売れない音楽家やダンサーをいかに売れっ子にするか、といった発想は微塵もない。いや、売れて金がかかるようになったら、クビにして安い素人を呼んでくるだろう。自分の手がけた仕事への愛着や誇りもなければ、その仕事に関わることができる喜びもない。末永く行く末を見守るという発想もない。単に金を生むかどうか。「仕事に飽きたら、さっさとやめればいい」とも堀江氏は言う。そんな堀江氏のビジネス論に、私は興味を持てない。

それはともかく、堀江氏もしくはその動画を使ったビジネスが、巨額の金をもって情報商材アフィリエイターに資金を流し込むことは、決してアフィリエイト(あるいは電子出版の世界)にとってよいことではないと確信している。

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2010年6月15日01:04| 記事内容分類:ウェブマーケティング| by 松永英明
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