日中外相会談報道の温度差――日本は「反日デモに謝罪なし」、中国は「町村外相が反省とおわび表明、中国人の安全確保を」

 17日の日中外相会談について、日本と中国ではかなり報道内容が違っているようである。どちらも偏っているというのか、まあ日本側にはそのズレを指摘する報道もあるわけだが。

 この件について、日中の報道の違いを比較してみたいと思う。

2005年4月18日16:02| 記事内容分類:メディアリテラシー, 中国時事ネタ, 政治学| by 松永英明
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 以下、日本報道はGoogle News、中国報道は「百度新聞」での検索結果である。

日本の報道

全般に「デモ被害に抗議したが謝罪してもらえなかった」を強調

日中間の報道の温度差についての報道

中国の報道

 中国の報道内容の全文日本語訳は、中華人民共和国駐日本国大使館のサイトで読める。

 新華社が配信したこの報道内容が中国のネット上のニュースサイトに転載されているわけだが――中国ではこういう感じで同じニュースがあちこちのニュースサイトに転載されるのが常である。転載する場合は、転載した記事に賛同するということを暗に表明することになる――単なる転載が大半。タイトルやリード文に独自の文章を入れたものは少ない。

そのままの記事

「まず正確な歴史認識が必要」

 見出しやリード文で「歴史認識」について言及したサイトがいくつかある。この中には町村外相が「日本が中国を侵略したことについてあらためて深い反省とおわびを表明」と強調したものがある。

「まず駐日機関と在日中国人の安全を確保せよ」

 ここを強調すると逆ギレみたいになると思うのだが、中国人の安全確保を強調するものもみられる。

その他

おまけ

 上記でもわかるとおり、「中国各紙、町村外相が謝ったと報道」という日経の記事は、ミスリード気味。

18日付の中国各紙は、前日の日中外相会談について「町村(信孝外相)は日本が中国を侵略した歴史について、改めて深刻な反省とおわびを表明」(大衆紙・新京報)といった見出しをつけて報じた。

 中国各紙というと一斉にそのように報道されたような印象を与えるが、実際には見出しに入れたものは数紙にとどまる。共同通信や毎日では見出しとは言っていないので正確。

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