ニュータイプ専用?オスプレイをガンダムと比べてみる

米軍の精兵パイロットでも操縦ミスで墜落させてしまう頻度が他の機体に比べて極めて高いことで有名な輸送機V-22オスプレイが21日、岩国で試験飛行を開始した。さらに28日以降に普天間に配備される可能性が高いと報じられている。

オスプレイというのはどういう機体かと思っていろいろ調べていたら、1/144サイズの模型があることがわかり、先日オークションで落札していた。1/144サイズといえばガンプラのメジャーなタイプ(HGUC、RG)で採用されている大きさである。もちろん、うちにも素組した程度ではあるが組み立てたガンプラがある。

ということは、この模型を二つ並べて、お台場で見た1/1ガンダムを思い出せば、オスプレイのスケールが大体わかるはずだ。というわけで、いろいろ画像を作ってみた。

オスプレイ&ガンダム

2012年9月27日20:32| 記事内容分類:作ってみた, 日本時事ネタ| by 松永英明
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1/144サイズのオスプレイ

もともと食玩として販売されていたもののようだが、すでに絶版となっているF-toysの「ヘリボーンコレクション3……全八種類+?」のうち、V-22オスプレイ・アメリカ海兵隊仕様をオークションで手に入れた。側面のプレゼントの締め切りからすると2007年の商品と思われる。そこに封入された解説文(文:桜川吾郎)から一部引用しよう。

ヘリボーンコレクション3

「ボーイング・ベルV-22は、主翼両端に搭載したエンジンごとローター(プロペラ)の回転面を動かして、垂直離着陸と水平飛行を行うチルトローター方式を採用したVTOL(垂直離着陸)機。最大24名の兵士を乗せ、時速500kmで3,000km以上飛行し、滑走路以外の場所に垂直離着陸可能な飛行機とヘリコプターの長所を兼ね備えた輸送機である」

ちなみに、今回配備されることになる海兵隊仕様は型番がMV-22である。

「チルトローター方式は、主翼ごと動かすチルトウイング方式とともに比較的早い時期から実験機が作られ、VTOL機としては有望な方式とされていたが、ホバリング時に安定を保つのが難しく、コンピューターによる制御が可能になった現在やっと実用化に漕ぎ着けようとしている」

mv22水平

モデルでもプロペラ部分が可動となっており、その様子をイメージできる。水平飛行時にはプロペラが水平、離着陸のときにはヘリコプターのようにプロペラが上向きになる。

mv22斜め mv22上 mv22斜め後ろ

五年前の解説文でも「安定を保つのが難しい」と指摘されているが、現在もその事故率の高さが普天間基地配備における最大の問題点とされている状況である。その事故の原因を米軍では機体の問題ではなく人為的ミスなどによるものと結論づけているものの、「オスプレイ制御コンピューター操縦指示従わず 墜落恐れも - 琉球新報」(2012年8月19日)の記事にあるように「操縦ミスで失った制御を取り戻そうと操作しても、低速飛行時はフライトコンピューター(操縦制御装置)が操縦士の指示に従わず、そのまま墜落する可能性が高い」という報道もある。

いずれにせよ、機体そのものに特に欠陥がないかもしれないが、米軍の熟練した精兵でも操縦に手こずるほど、操縦の難しい機体であるということは否定できまい。これを乗りこなせる兵士がいないとは当然思わないが、いわばニュータイプ専用機ということになるのではないか。

ガンダムと並べてみる

さて、1/144 MV-22オスプレイを「1/144 HGUC RX-78-2ガンダム」のプラモデルと並べてみる。とりあえず素組してスミ入れするくらいで満足する人間なので、組み方には目をつぶっていただければ幸いである。

mv22とガンダム

このガンダムは、わたしが2009年7月13日にお台場で撮影した1/1ガンダムの写真をイメージしてポーズをつけてある。

お台場ガンダム2009

さて、この画像を二つ重ねて、大体サイズが合うように揃えてみる。そして、背景を切り抜いてみた。

osprey-gundam1.jpg

オスプレイ&ガンダム

つまり、オスプレイはおおよそこれくらいの大きさである(ガンダムと同じく台座に乗っていると思っていただきたい)。

ついでに他のガンプラと並べてみる

RX-78-2ガンダムとザク、グフの戦場に紛れ込んだオスプレイ。「CH-46とは違うのだよ、CH-46とは!」 ザクⅡとグフとガンダムとオスプレイ

オスプレイとRB-79ボール二連装機関砲バージョン(※オスプレイは宇宙空間には行けません)。 オスプレイとボール

ニュータイプ用モビルスーツ・ジオングとガンダムの熾烈な闘いの間を抜けていくボールとオスプレイ。 オスプレイとジオング

ジオン軍技術士官「80%? 冗談じゃありません。現状でジオングの性能は100%出せます」
シャア「脚はついていない」
技術士官「あんなの飾りです。偉い人にはそれがわからんのですよ」
シャア「使い方はさっきの説明で分かるが……サイコミュな? 私に使えるか?」
技術士官「大佐のニュータイプ能力は未知数です。……保証できるわけありません」
シャア「はっきり言う。気に入らんな」
技術士官「どうも……気休めかもしれませんが、大佐なら上手くやれますよ」
シャア「ありがとう、信じよう」

ラストシューティング・オスプレイ

アムロ「まだだ! たかがメインカメラをやられただけだ!」

アムロやシャア並みのニュータイプであれば、どんな状況下にあっても不安定な機体を墜落させずに飛行できるのかもしれない。ただ、ニュータイプ専用機にオールドタイプを乗せてはいけないとは思う。

オスプレイについて思うこと

オスプレイについて、配備に反対する人たちの意見は「基地に隣接して民家が建ち並ぶ普天間基地において、離着陸時に最も墜落の危険が大きいオスプレイを配備するのは反対」というものである。また、「そういうものを配備することで辺野古への基地移転を進めようという考えだ」という批判もあるようだ。

一方、オスプレイ配備反対に反対する人たちは、「中国への抑止力として必要」というのが主張の要点となる。戦闘行動範囲ではオスプレイは一回の空中給油で台湾全域や上海、釜山も含めた地域をカバーする距離を飛べる。

この時点で賛成派・反対派の重視するポイントがまったくズレていることに気づく。一方は安全性における問題を述べ、一方は国防上の必要性を主張している。「国防上必要だろうが民間人を危険にさらしかねない(つまり、国防といいながら国民の犠牲を求めている)」というのがこの問題のややこしいところである。こういう場合、「安全だ」と言い張っても説得できるわけがない。根本的な安全対策による結果を出すしかないだろう。

ちなみに、ネット上のごく一部では「オスプレイに反対するのは、中国・韓国への驚異となるオスプレイを排除したがっている工作員」というような陰謀論も見られるが、そのように安易に決めつけた妄想的陰謀論に走るのではなく、もっと議論の本質を見据える必要があるだろう。

オスプレイが受け入れられる方法は一つ。ニュータイプ専用機ではなく、安全性の認められる量産型に進化させることである。

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