【絵文録ことのは.】HOME|過去ログ表紙 > [時事・国際] > 「知能指数が高い州は大統領選で民主党ケリーに投票」データの嘘を徹底解明
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「DynamiteTV【海外ボツ!News】:知能指数と政治の関係」で紹介されたことがきっかけになって、日本でも「平均知能指数と大統領選挙の結果を照らし合わせた表」(出典はここ→IQ and Politics)が出回り、「ブッシュに投票する共和党は頭が悪い」という印象を裏付けるものとなっている。
しかし、この情報は嘘だ。「Richstyles!: 米大統領選の投票者とIQの相関はデマ情報」で鋭く指摘されている。
先日、木村剛氏が中越地震でのマスコミの振る舞いについての「噂」情報を、検証することなく「真実」としてブログに書いた騒動があったが(木村剛の「マスメディアへの対抗意識」は時代錯誤。中越地震マスゴミ批判記事を検証する参照のこと)、今回のブログ界でのデマ流布と共通するのは「自説を強化する情報は検証することなく、真実・事実として広めてしまう」傾向があるということだ。木村剛氏にとって、中越地震被災地でのマスコミの傍若無人な振る舞いを描いた情報は「おいしい」ものだったし、「ブッシュに投票するなんて頭悪いんじゃないの?」と思っている人(まあ、私もそう思ってるんだが)は「民主党に投票した州はIQが高い」という表を見ると「やっぱり」と思ってしまう。
そこで「ちょっと待てよ」と思えるかどうかが「メディアリテラシー」を発揮できるかどうかの境目だ。特に自分にとって都合のいい情報、おいしい情報のときほど疑ってかかる必要がある(都合の悪い情報、嫌な情報ならどうしたってあら探ししたくなるものだからね)。
今回は、Richstyles!さんで紹介されていた「検証サイト」のブログ情報を全訳してみることとする。
非常に大量のデータであるが、じっくり読んでいただきたい……というところで最初に警告しておく。読めばわかるとおり、この著者Steve Sailer氏は明らかに共和党支持的論調でこの検証を行なっている。つまり「間違ってたじゃん!」とこの情報を真実として流すならば、今度は共和党のプロパガンダの片棒を担ぐことになってしまうわけだ。さあ、あなたのメディアリテラシーはいかが?
数百というブログと、有名な英国のエコノミスト紙さえもが、州別知能指数という悪ふざけにだまされた。もし本当の話が知りたいなら、以下をお読みください。この資料はブログ形式で整理したものであり(まあ整理されてないって言いたければ言ってもいいけど)、おおざっぱに上から新しい順に並んでます。
州ごと・国ごとの知性を示す本当の表はもっと下にあるよ。おもしろいものが。
[更新2004/11/4。ところで、もしこの話題に興味があるなら、おそらく2004年10月のジョン・ケリーとジョージ・W・ブッシュの知能指数比較の僕の大スクープ記事にも興味があると思う。IQに似た軍人適性検査の点数で示したものだ。そのオリジナル記事はここ。大統領IQ問題全体についての歴史的展望についてのフォローアップ記事はここ。僕の研究に対するあらゆる種類の反応を読むことができる。そこには、僕の10月のブログ記事過去ログの中のこの記事について、トム・ブロウコウがジョン・ケリーに尋ねたインタビューもある。(無関係なものも混じったたくさんのよい資料を見たければ、僕のブログ記事をざっと下まで読んでみてね) そして、ケリーがブッシュよりも点数が悪かったかもしれない理由についてオフレコでトム・ブロウコウに話したことは、ここで読める。
最後に、知能指数と新しい2004年選挙についての資料は、www.iSteve.comのブログに追加するつもり。だから定期的にチェックしてね。]
知能検査に精通した人たちは、このでっち上げデータの正当性をばかにして、コネチカット州の平均知能指数が113でユタ州が87だというのを挙げたけれど、それがなぜかということを理解するには、知能検査がどのように採点されるかを理解することが重要だ。これは平均が100に設定され、標準偏差は15となっている。これは、ユタ州の平均的な人は、コネチカット州の平均的な人よりも標準偏差が1と11/15だけ低いということを意味している。ExcelのNormdist(正規分布)関数を使えば、これを簡単にパーセンテージに置き換えることができる。このでっち上げデータは、ユタ州の住民の平均的知性の持ち主(100人換算で50番目)は、コネチカット州では下から4番目にしかならないということを意味している。コネチカット州の平均的知性の持ち主(100人換算で50番目)がユタ州に引っ越したら、その人は突然、下から96番目になってしまう。まあ、おかしいよね。
対照的に、こっちは現実の知能指数順の州リストと投票の関係を示したまじめなもの。方法論はおそらく完璧じゃないけれど、こっちの結果の方はでっち上げよりもずっと信用できる。これらのおおざっぱな州平均数値は94から104までの間に収まっている。(ところで、ここで赤い州の大半がリストの下にあるのは、その州の民主党の平均知能指数も低いからだ)
少しさかのぼって、もともとのでっち上げ野郎がこの州別知能指数表を作ったかを考えてみると、おそらく、ほとんどすべての頭のいい州はゴアに投票したという奴にさかのぼる。
そいつがやったことは、州別の平均収入をとって、それから知能指数をそこに当てはめたのだろうと思う。これなら、そいつが補った数字に見たところ信頼性を与えることになる。というのも、間違いなく、知能指数と収入には一定の相関性があるからだ。僕はグラフ上にそいつのデータをプロットした。それは、直線を本物に見えるようにちょっとだけいじったものだった。本当のデータにあるような顕著なアウトライアーがない。さらに、州別知能指数平均値の幅が大きすぎる。ミシシッピ州の85からコネチカット州の113まで。本当の範囲なら90から105くらいまでだといっていい。

また、収入データから知能指数を偽造したそいつの方法では、広くて人口の少ない共和党州の知能指数が過小評価されることになる。なぜなら、人口密度が低いから、生活費が安くて済むからだ。90台前半と80台というひどい数字が、ほとんどすべて白人州のグレイトプレインズとグレイトベースンの諸州に当てはめられたのは、そこでは東西両海岸の地域よりも低い収入で高い生活水準を享受できるからだ。実際には、これらの州は教育進度全国評価テスト(National Assessment of Educational Progress test)では最も高い点数を取っているのである。しかし、そこでは物価が低いので、収入は比較的低くなっている。
最後に、こいつの主張は白人の住民については多少正確かもしれない――おそらく、ゴアに投票した人と知能指数の高さについては相関性があるだろう――しかし、それは白人についてのみだ。(反対に、知能指数の高い黒人のヒスパニックは共和党に投票している。たとえば、2002年中間選挙について、ローパーセンターが2003年に発売した出口調査データを買ったのだけど、そこでは大卒のヒスパニックの55%が共和党議員に投票したが、高校中退のヒスパニックでは27%だけだった。同様に、大卒黒人の16%が共和党議員に投票したが、高校中退の黒人ではわずか2%だった) もちろん、ゴアの支持者の4分の1以上は黒人とヒスパニックだった。
しかし、この嘘データを自由主義者の多くが信じてしまったのは、非白人について考えていないがゆえにじゃないか。彼らは保守的な白人より優れていることを示す方法ばかり考えているんだ!
嘘データを広げた人たちの中には、データの出典をThe Testing Agencyとしていた。僕はこのデータについて、その機関のチーフ心理学者であるウェンディー・ロードに尋ねてみた。彼女は電子メールで返事をくれた
スティーブ様
これの原資料を見つけようと思いましたが、だめでした。(レイバンス)テストを提供してわたしたちを補完してくれているOPPとも連絡をとってみました。同じように何も知りませんでした。これはでっち上げまたは不充分な研究だと思います――代表させるのに十分大きなサンプル数を集めるのは、極めて高価につくでしょう。
少なくとも大きな州では、代表的なデータが使えるかもしれません――軍は陸軍資格検査(『ベル曲線』でも使われたもの)を有効にするために、全国を代表する1万人以上の民間人のサンプルを集めています。大きな州や地域では、代表的な点数を手に入れることができます。しかし、州ごとのデータというのは見ませんでした。もし何か知っているなら(合法的な情報源から!)メールしてください。
州別知能指数のでっち上げは崩壊――僕の圧力によって、American Dissembler(アメリカの偽善者)(おっとごめん、American Assemblerブログ(アメリカの集積者)だった)は、「知能指数の高い州は民主党に投票」という見出しを自由主義ウェブサイトに広めることになった州別知能指数表の記事を変えることとなった。今(日曜日の早朝)、その最新のやり口は、その表を冗談として笑ってすまそうとするもので、前に言ってたこととだいぶ違う。
「この表を攻撃する人もいます。
「ユーモアのセンスのない人もいます。これらの統計値が本物だとしても、英語で述べたとおり、この表には証拠がなく、これはジョークだと考えているということをはっきりさせておきます。“まわりくどい”表現をしたこの二週間はうっとおしいものでした。まあちょっとした軽率さについては我慢してくださると思いますが」
僕はどちらかといえば、この初期の都市伝説をあっという間にしぼませてしまったのが残念だったりする。知能指数と民主党についての話題の嘘については、知性において共和党員よりも優れていることを証明する方法としてのバンドワゴン(先陣効果)を広めようとした熱心さがはっきりと証明している。しかし、10年ほど前、『ベル曲線』の出版以来、知能検査は意味がなく、人種差別的で、悪魔の化身と非難されてきた。
とにかく、作り事については以下にたくさん書いてある。これは知性についての数多くの正しい情報を、州ごと・国ごとに示したものだ。
自由主義ブログ王国(liberal blogdom)のあいだに広まっている州別知能指数表は、レイバンス上級進歩型知能指数マトリクス検査(Ravens Advanced Progressive IQ Matrices test)によるものだといわれている。精神測定学者クリス・ブランドはこう言った。「ジョン・レイヴンは、その州別データについては何もしらないよ」
この件は終わったね。
青い州は赤い州よりも賢いという科学的証明を見ると優越感に浸れるので、数々の自由主義ブログがこれを公開してる。これは、2年前、ジミー・カーターが超越的な知能指数175だったのにジョージ・H・W・ブッシュは知能指数98しかなく(実際には、ブッシュ父は2年半エール大学のファイベータカッパに入って卒業した)、ビル・クリントンの知能指数はアイザック・ニュートン並の182で、ジョージ・W・ブッシュは91だというローウェンシュタイン研究所のでっちあげそっくりである。
自由主義者が、共和党員は劣っているということを証明するとき以外は知能検査を悪魔の申し子として非難しているのは皮肉なことだ。2000年に僕はこう書いた。「ずばり言って、最も影響力を持った思索家は、知能指数については個人的な深い矛盾を露呈することとなる。典型的な白人自由主義知識人は、黒い自尊心を守るために知能指数の議論を検閲するよう望むと主張するが、ときどき示す凶暴な反応は、自分自身が危険であるということを明らかにしてしまう。そういう人は、普通の白人より自分が優れていると考える理由が二つある。(a)人類は平等だという信念を自分はいつも表明しているが、他の人はそうではない。(b)自分は知能指数が高いが、他の人はそうではない。」
州別知能指数データの出典は、僕がわかった限りでは、2002年11月のMensa(知能指数上位者限定社交組織)ディスカッション・グループに表を投稿した「ロヴェルト・カルヴァート(Rovert Calvert)」なる人物だ。懐疑的なMensaの参加者がこう指摘している。
さらに驚くべきことは、知能指数と収入の相関性です――Excellを使うと、相関係数0.92となり、この種のデータでは極めて高いものとなります。その分布図は教科書にあるような直線となります。知能指数1ポイントごとに年収400ドルとなるわけです。その回帰曲線を計算する必要はありません。グラフから結果は一目瞭然です。もし事情をよく知らなければ、収入と知能指数は相関するという理論を裏付けるためにこのデータはでっち上げられたのだと思っていたことでしょう。しかし、明らかに動機は違っているように思われます(民主党員が共和党員より頭がいいことを証明するために)
「カルヴァート」は、知能指数はレイヴンス上級プログレッシヴ・マトリクス試験からのものだと主張するが、このテストは経営職のような知能指数の高い人のためのものである。これではなく、標準プログレッシヴ・マトリクスの方が、このような広い地域の平均的な人について求めるにはふさわしい。
「カルヴァート」の数値は明らかに嘘だ。例えば、ユタ州はアメリカで二番目に低く、知能指数平均は87となっている。しかし、教育進度全国評価学力検査では、読解、算数、理科についての子供の国家標準試験の点数がわかるが、ユタ州は(知能指数113という)コネチカット州と僅差しかなく、例外は書き取りがユタ州では非常に悪いということだけである。そして、ユタ州は、(109とされている)ニューヨーク州にいくつかの科目で勝っているのだ。
教育と政党投票について、2000年にはU字型のパターンがあり、ゴアは学歴の最も高い層と低い層から支持されていた。
これは1万3000人の有権者に対する出口調査によるものだ。
学歴がない人を1としてこのデータに1から5の重み付けをしたならば、二人の候補者はほぼ同じとなり、ブッシュはゴアに3.29対3.28の僅差で勝つことになる。これは、ブッシュとゴアへの投票者は「大学」(3.0)と「大卒」(4.0)の間にいることを意味している。
二つほど警告。第一に、人々は学歴をごまかしている。投票者の18%が大学院卒なんてことはありそうにない。第二に、大学院卒のゴアの票の大部分は学校教師によるものだが、教育学の修士・博士は、他の大学院の修士・博士と同等とは言えない。
2002年下院選挙について、大幅に遅れて2003年に発表されたVNS出口調査データによれば、「共和党は大学院学位を持つという人たちの間で、数十年ぶりに勝利した。大学あるいは大学院の女性の多数も獲得している」
http://www.iSteve.com/04NovA.htm#votesmart
ケリー支援者が自分たちはブッシュ支援者よりも知能指数が高いと証明して自分たちをなぐさめようとしているので、去る5月の州別知能指数のでっち上げが再びホットな話題となりつつあり、それによって今日は数千アクセスがあったよ。しかし2004年はどうなの?
おそらく、この質問についての本当のデータを手に入れる最も簡単で確実な方法は、出口調査データの教育レベル統計を見ることだ。僕が言ったように、火曜日の独占的出口調査の正確さについては批判的だけど、手に入るものとしては悪くないだろう。では、学歴に1~5段階のスケールを当てはめてみよう。
2000年に、ブッシュへの投票者は平均3.29という高い教育レベルを有しており、対するゴア投票者は3.28だった。(3.29というのは、ブッシュ投票者の平均が大学と大卒のあいだの29%あたりのところにあるという意味)。ゴアは高校中退と大学院に支持され、ブッシュは中間で支持されていた。
2002年中間選挙で、共和党下院議員候補支持者は学歴ある投票者を集め、3.37となり、民主党下院議員投票者は3.1だった。共和党下院議員候補は、58~40の幅で大学卒業者を取り込み、大学院でも多数を勝ち取ったりした。(大学院カテゴリーの民主党投票者には教育学部出身の公立学校の教師で水増しされていることに注意)しかし2004年にはブッシュはちょっとスケールダウンし、投票者学歴平均は3.24で、ケリーは3.32だった。ブッシュは2004年に高校中退を多くひきつけ、その49%を獲得したが、2000年にはわずか35%だった。
この差は下院議員投票者の間ではさらに小さく、民主党支持者平均3.31に対して共和党は3.28だった。(これは、共和党下院議員に投票したがブッシュには投票しなかった少数の学歴ある人々が存在したということになる)。総合的にいえば、これは大きな違いではない。
神童ブロガーマシュー・イグレシアスは州別知能指数を示す表へとリンクし、民主党は知能指数の高い州で勝利したと述べた。
僕はその大学生に、どこでデータを入手したのかと尋ねると、こういう返事が来た。
この統計値はRichard LynnとTatu Vanhanenの本『諸国の知能指数と資産(IQ and the Wealth of Nations)』からです。こちらを参照してください:http://allconsuming.net/item.cgi?isbn=027597510X
Daily Kosのような自由主義ブログ界隈にこの表が広まっていることがわかる。例えば、American Assemblerではこう主張している。
「この表は、Ravens Advanced Progressive Matricesによる州別知能指数平均である(出典:諸国の知能指数と資産)」
これと同じクレジットは他のサイトにもそのまま書かれている。
まあ、それはでっち上げなんでね。
僕は『諸国の知能指数と資産』を持ってる。注意深く読んでみた。で、この本の長いレビューを書いた。http://www.vdare.com/sailer/wealth_of_nations.htm タイトルが示すように、これは諸国の知能指数平均についてであって、各州のじゃない。州ごとの知能指数については何も書かれていない。
また、この分野に通じている人なら誰でも、すぐにそのデータの嘘に気付くだろう。コネチカット州の数値113はあまりにも高すぎ。これは、コネチカット州がもし全員ユダヤ人だったらそうかもしれないけどね。そんなことないし。ユタ州の87ってのは冗談だね。
だれかがリンとヴァンハネンの本のアイデアを使って、年収の表から数値を組み立てたのだろう(知能指数との相関性が高すぎるのはこのため)。その目的は、明らかに、民主党員を上位にするためであった。
このでっち上げについて面白いのは、今世紀に発売された本の中でも重要な『諸国の知能指数と資産』という本については、どんな自由主義者でもおそらく初めて聞いただろうってこと。
Daily Kosなどの自由主義サイトで出回っているニセの「州別知能指数」でっち上げデータと対照的に、ケン・ヒルシュは最近の公的な教育進度全国評価の得点と2000年の選挙結果とを表にした。明らかに、八年生(中学2年生)は投票できない。しかし、ユタ州の平均的知能指数の持ち主はコネチカット州では下位4%でしかないというような主張とは相容れない。ある程度知能指数と関連する本当の正確なデータを見れば、大きな違いはなく、リストの上から下まで赤い州と青い州が入り交じっていることがわかる。
公立学校八年生の数学の教育進度全国評価(2003)の得点順に並べ替え
公立学校八年生の読解力の教育進度全国評価(2003)の得点順に並べ替え
ゴア州はブッシュ州よりも0コンマ数ポイント高かったが、本質的には相違がない。
情報源:アメリカ合衆国教育省 教育統計全国センター 教育進度全国評価
ところで、このページは、SATとACTの点数から平均知能指数を見積るという誠実な試みをしている。その方法論は非の打ち所がないというものではないけれど、この書き手の結果は信じがたいものとは思えない。その見積もり範囲は、ミシシッピ州とサウスカロライナ州の94から、ニューハンプシャー州の104となっている。もしもっといい方法があるなら、その著者にメールしてね。
データを見て気付いたかもしれないが、上位の州は大体において傾向として……まあ北部州なんだよね(傾向だけね)。ダニエル・パトリック・モイニハンの死亡記事で、ジョージ・ウィルは控え目にこう書いた。
「上院のシーシュポスであるモイニハンは、不都合なデータという巨大な岩を山の上に押し上げようとしていた。相関性と因果関係を区別するよう訓練された社会学者であり、ウィットに富んだモイニハンは気まぐれに、アメリカの学校のレベルの決定的な要素としてカナダとの国境に近い方が高いと言った。トゲのある言葉で語られた冗談はこんなふうでした。高い知性を生み出すのは、生徒一人あたりの出費の高さではなく、二親の揃った家庭のパーセンテージと関連している。そのため、生徒のテストの得点を改善したい州はカナダに向かって移動すべきだとモイニハンは地理的な相関性を適当に語ったのである」
そのとおり、ジョージとダニエル! 一夫一婦主義で賢くしてくれるホッケーをやるべきだってことだな。
とにかく、この婉曲表現を切り落とせば、州におけるテストの点と、非ヒスパニック白人の人口比率の相関係数は、
社会科学では相関係数0.2が「低い」、0.4が「中位」、0.6が「高い」とみなされる。
A. ある程度は。
知能指数でっち上げデータと逆に、ブッシュ州とゴア州には学歴上の大きな違いがないことを僕は示した。しかし、州ごとに白人がどれだけ賢いかを見る指標として、2003年教育進度達成全国評価の白人八年生の点数を見るなら、ゴアは最高位の得点を取った5つの州を獲得している。しかし、次に高い18州の白人はゴアを選ばず、その効果は大きなものとならなかった。でっち上げ州別知能指数表よりはずっと小さなものだ。
しかし、なぜこんなに多くの白人民主党員がこのでっち上げにだまされたのかを説明する助けとなる。白人自由主義者は「民主党員は共和党員より頭がいい」と言うけれど、それは本当は「白人の民主党員は白人の共和党員より頭がいい」ってことなんだ。アパルトヘイト的な白人のみの考えだ、というのは本当の民主党員であるマイノリティーについては考えていない。少数派の民主党員は白人民主党の精神的優越を実現するための道具にすぎない。
(テクニカルノート:僕は実際の得点を知らない。熟練度つまり上に記したパーセンテージしか知らない。しかし、それはかなり平均点に近いはずだ。だから、これを絶対的なものとして受け取らないでほしい。これはただ一般的な傾向を示しているだけだ)
読み取りと数学の熟練度――白人投票者中のブッシュ%-ゴア%
少しだけコメント:マサチューセッツの白人の学生は素晴らしい成果を上げた。これは17世紀のピューリタンにさかのぼる。ニュージャージーは旧式のステレオタイプよりも優れている。ミネソタの白人はユダヤ人抜きでも州の得点を押し上げた。コロラドはブッシュに賛成投票をした最高得点の州だった。これは、学士号を有する成人の率の高さではマサチューセッツ州に次いで第2位だ。バージニア州とノースカロライナ州は南部州ではよく得点した。実のところ、バージニア州の白人は、メリーランド州の白人より得点が高い。これが面白いのは、D.Cの中間層右派はヴァージニアに移り、中間層左派はメリーランド州に移っているからだ。
カリフォルニア州の白人は国家平均より低かった。これは一世紀にわたって脳を使いすぎてきたことのかわいそうな結果だ(例えばリチャード・ファインマン)。カリフォルニアの公共教育の質については大いに物言いをつける必要がある。ロードアイランドの白人はマサチューセッツ州とコネチカット州という隣州よりはるかに悪いが、なぜかはわからない。ハワイの白人はものすごく得点した。しかし、ウェストバージニアの白人(国家平均よりもブッシュへの投票率が少ない)は表の最下位の方にある。
ワシントンD.C.は最もリベラルな白人を擁するが(67%がゴア、20%がブッシュ、12%がネイダー)、白人自由主義者のほとんどが子供をD.C.の公立学校に入れていないので、NAEPでは統計学的に信頼できる白人学生を集めることができなかった。
(全人種による州ごとの数学と読み取りの表はここで)
5月からの悪名高い「民主踏襲の方が知能指数が高い」というでっち上げを覚えていることだろう。まあ、ユタ大学人類学部ヘンリー・ハーペンディング教授による全国規模の知能指数サンプルが最も近いものかもしれない。36万6000人の9年生~12年生の成績データベースだ。不幸にも、それは44年も前のものである。それにもかかわらず、2003年のNAEP八年生達成度テストの得点と相関性がある(これが2003年の得点)。見たとおり、1960年にさかのぼる子供の知能指数リストでトップ10の賢い州は、2000年にはブッシュとゴアは5対5だった。そこで、僕のもともとの結論に戻る。赤い州と青い州は平均知能指数がだいたい同じで、共和党投票者と民主党投票者も同じだってこと。
若干の警告:これらの知能指数は、36万6000人の高校生の全国平均を100とし、標準偏差を15にしてある。しかし、これはこの巨大なデータベースの上っ面しか見ていないと言うことを念頭に置き、すべてを割り引いて受け取るようにしてほしい。
アラスカ、ワシントンDC、サウスカロライナには適切なサンプル母集団がない。また、結果がノースダコタとあまりにも異なっていたため、サウスダコタを除外した。(サウスカロライナとサウスダコタの両州では何か混乱があったのではないかと思う――もう少し調べてみるけど)
ハーペンディングは、白人だけのデータを見て(不幸にも多くの場合は人種の記録を有していない)、最も賢い白人(白人自由主義者は白人保守主義者より賢いと思ってるんじゃないかと思う)は、(降順で)……コネチカット、モンタナ、ネバダ(嘘だろ!)、アイダホ、イリノイ、メリーランド、マサチューセッツ、ミネソタ、ミズーリ、ニューハンプシャー、ニュージャージー、ニューヨーク、オレゴン、バージニア。最もばかな白人は(降順で)……ジョージア、ルイジアナ、ミシシッピ、ノースカロライナ、アーカンソー、テネシー、ウェストバージニア、ケンタッキー。これらすべての州は2000年にブッシュに投票した。しかし、エアコンと身分差別システム廃止のために南部の白人のテストの点は良かったんじゃないかと思う。特にノースカロライナで。比較のための2003年のNAEP公立学校八年生達成度テストはここ。
賢い州は2000年に圧倒的にゴアに投票したと主張するためのデータ表を作り上げたうそつき「ロバート・カルヴァート」は、リチャード・リン(アルスター大学の心理学名誉教授)とタトゥ・ヴァンハネン(ヘルシンキ&タンペレ大学政治学名誉教授、興味深いことにフィンランド首相の父)の著書『諸国の知能指数と資産』という2002年発行の魅力的で重要な書籍にインスピレーションを受けたという。タイトルが示すとおり、その本は州ではなく、諸国についてのものだ。よく主張されているような州別の知能指数データはない。
しかし、81カ国の平均知能指数リストという魅力的な表がある。これは科学雑誌に掲載されたものが多い168の国家的知能指数研究に基づいている。リンとヴァンハネンは一人あたりGDPと知能指数の関係を調べ、相関係数が0.73であることを発見した。
以下にその表を再掲するが、因果関係の矢印がどちらを向いているか、すなわち知能指数が高いとGDPが高いのか、それともその逆なのか、という重要な警告と議論については、僕のレビューを読んでほしい。僕は最近、リンとヴァンハネンの議論を裏付ける国連報告について書いた。ここには、第三世界が貧困に打ち勝つために僕たちができる最善のこととは、ヨウ素や鉄などの稀少元素の欠如によって引き起された第三世界の知能指数の低下を防ぐために手伝うことだとされている。国連はこうまとめている。「外部の専門家集団は、ビタミンやミネラルの欠如、あるいはそれが個人や国家にとってどういう意味があるかということについて、そのスケールと重大さに気付いていない。それは何億という成長期の意識に障害をもたらし、国家の知能指数を下げると言うことだ……そして、これは国家エネルギー、知識人、生産性、成長を大規模に損なうのである」
下の図を見るときには、小さな違いには意味がないと思ってほしい。リンとヴァンハネンの方法論は仮定においては大胆なものなので、5ポイントくらいの違いはあてにならない。また、個々の国の得点にもあまり信頼性をおけない。しかし、北東アジア5か国(中国人の住む台湾とシンガポールも北東アジアに入れる)において非常に高い値となっている、というような地域パターンは、非常に重要だ。
この表で「適正GDP」は、一人あたり所得が、その国の平均知能指数だけによって決まるとしたら期待される数値だ。例えば、香港は最高の平均知能指数を有している(107。一方、米国は98)。これは、81カ国の単純な回帰モデルに基づいて作られたもので、一人あたりGDPとして1万9817ドルということになる。これは、実際のGDPの2万0763ドルに非常に近い。
一方、中国は知能指数平均が100で、アメリカより2ポイント高い。これは一人あたりGDPが1万6183ドルとなるよう計算される。しかし、実際には一人あたりGDPは3105ドルにすぎない(おそらくこれはいろいろな問題の中でも、何十年にも及ぶ毛沢東主義の狂気によるものだ)。中国人労働者の高い潜在能力と低賃金の巨大なギャップは、何千億ドルという海外資本がこの国に投資されていることの説明となる。
もし海外株式に投資するなら、知能指数と資産の多い国のものを買うことだ。現在のところ経済的にあまり力がないとしても、高い潜在能力の労働力を擁している国を見つけることができる。それはウォーレン・ブフェットの価値投資に似ている――中国とポーランドの政府が、他の知能指数の高い国と同じくらい繁栄するだろうと想定してもよさそうだ。
おそろしいことに、アメリカは過大評価されているようである。もちろん、欧州諸国よりも長く働くことによって埋め合わせている。しかし長期的な未来においては、北東アジアの賢明さと働きぶりに比べると、明るい未来は見えない。
僕のwww.VDARE.comの記事「リンとヴァンハネンの『諸国の知能指数と資産』のブラックボックスを開く」から。
『諸国の知能指数と資産』のキモは追補編1にある。そこには、184の研究のすべてが記されている。
リンとヴァンハネンの81カ国平均知能指数まとめリストはウェブでも見ることができる。(リンのウェブサイト上のリストはここ。それから、ここには、べつのまとめリストがある。世界知能指数、sq.4mg、Griffe、Nuenke)
残念ながら、ウェブ上のあらゆるものがこれまで、リンとヴァンハネンの結果をブラックボックスのように思わせてきた。これは二つの悪い結果をもたらした。
- 第一に、ウェブ上の数は不可解であるために、ちゃんと考えることなしに見つけたものを否定したいような人にとっては、あっさり忘れ去られてしまう。
- 第二に(そして反対に)、このまとめ表にあるすべての概算をあまりにも軽々しく信じてしまう人たちもいる。
実際に追補編1を研究して、リンとヴァンハネンが扱わなければならなかった方法論的な障害を理解しているならば、「リンとヴァンハネンは、スウェーデンの知能指数がノルウェーより高いことを示した」なんてことを言えるわけがない。もちろん、そこではスウェーデンは100、ノルウェーは98と概算されている。しかし、追補編1で見ればわかる事実とは、あまりにも多くのノイズ情報があるがゆえに、そのような微妙な区別は信頼できないということだ。
そのブラックボックスの中身をわかりやすくするために、僕はリンとヴァンハネンがそれぞれの知能指数研究で使った情報のすべてを示す表を作った――それは、すでに示した国別表だけではないのである。
これは、未来の研究者にとって非常に有益だと思われる。
懐疑論者でも、これがいかにしっかりしたもので、一貫しているかということに驚く可能性が高い。
僕の記事の残りはここ。
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[No.1] トラックバック:「米大統領選の投票者とIQの相関はデマ情報」(Richstyles!)[2004年11月12日 12:46]
日本のブログでも一人歩きしだした「アメリカ大統領選とIQの関係」ははっきり言って何の根拠もないデマです。もちろんこれは検索しても簡単に出てこないし、かなりの語学力が求めら...……[全文を読む][No.2] トラックバック:「ブログに関する勝手な考察」(Richstyles!)[2004年11月12日 12:47]
自分も時代に流されてブログを始めたが個人的にはいいことばかりで暫く続けたいと思っている。しかし、ブログをやるといいことばかりじゃなくて欠点も見えてくる。 色々とブログを...……[全文を読む][No.3] 投稿者:Lica[2005年6月17日 14:38]
久々にすっげえおもしろいものを見せていただきました。とりあえずありがとう。
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