政党はネットやブログを活かせるか?――前原誠司代表と「民主党 ブロガーと前原代表との懇談会」レポート2

 10/31の民主党とのブロガー懇談会の中で、ブログやインターネットを民主党はどう活用すべきなのか、という話が出た。この部分については、「tracker's burrow:民主党ブロガー懇談会:ネットと政治に関して-先端vsド素人」に先行してしっかりとまとめられている(もちろん[R30]: 民主党ブロガー懇談会速記録にも概要は含まれている)。

 こちらでは、ブログ・インターネットと政党の戦略に関する内容の部分を、音声データから起こしてみたい。参加者自身に訂正していただきたい部分もあるが、現場の雰囲気はかなり伝わるのではないかと思う。

 そして、私自身の興味としては、このやりとりの中で「ブログとは何なのか」「ブログはどう使うべきなのか」という、ブログのメディア特性が浮き彫りになってきたように思われた。今回は、ブログ・ネット戦略関連の内容にしぼってまとめてみよう。

2005年11月 4日08:20| 記事内容分類:ウェブ社会, ブログ/ウェブログ, 政治学| by 松永英明
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 政党はブログをどう使うか、という問題について、口火を切ったのはFPNの徳力さんだった。

政党はネット、ブログをどう使うか

徳力】全然違う話になっちゃうんですけど。私はどちらかというとあまり一つ一つの政治のテーマには興味がなくて、もともとブログもビジネス系の話ばかり書いているんで、今日聞きたいことは一つなんですけど。

 自民党と民主党が戦うにおいて、前回の選挙ではこういう形になっちゃいましたけれども、一つの手段としてネットをいかに使うかという議論があると思うんですね。実は私、個人的にはあまり役に立たないんじゃないかと思ってる方なんですけど、ただ、いわゆる電波において小泉さんのパフォーマンスで、自民党とアンチ自民党、反自民党の勢力という形でテレビの放送枠がとられてしまった場合に、民主党の取り扱いというのは野党の何分の一になっちゃうじゃないですか。

 その過程で、たとえば韓国なんかの場合には、本当かどうか知りませんけれども、オーマイニュースなんかを使って政権交代を図られたという形になっていて、そういう成功事例が……本当にそれが成功事例だったかどうか私にはわからないんですけど、そういうものがあったにも関わらず、今回の選挙で、民主党さんのネットを通じてのアプローチというのはやっぱり、非常に少なかったんじゃないかなという印象がありまして。

 まあ、さっきおっしゃっていましたけど、やっぱり自民党が先にブロガーの懇談会をやって、選挙のときには民主党がカウンターを打てなかった。今回も結局、泉さんがセッティングしたという形になってしまっているのは、ちょっと個人的には残念だなというところがあります。

 そのへんはまあ、民主党がどういう政権を目指すのかっていうので、このネットを通じたアプローチをとるのかどうかという問題もあるとは思うんですけど、今後どうされるのかなあっていうのを。

 ちょっと余談になりますけど、先日、起業家の堀さんが中心になってYESプロジェクトという「選挙に行こう」というのをされたときに、鈴木議員が来られて、いろいろ世耕さんと……(前原代表に電話が入って離席)……この間のYESプロジェクトの対談では、鈴木議員もいろいろいいことをおっしゃっていますけれども、その割には手が出なかったというのは……。

選挙ごとに新しい戦略

【大塚議員】代表が戻る前に経緯を説明しますと、私自身は一昨年の衆議院選挙、去年の参議院選挙からずっと裏方である部分を担当しながらやってきたわけですが、皆さんがどう見ているかは知らないですけれども、その一昨年の衆議院選挙、去年の参議院選挙は、たとえば衆議院選挙の時にはうちはブログへのアプローチはなかったと思います。そのころはまだ普及していませんでしたから。ただ、インターネット上で映像を提供するということにはまずチャレンジをしたわけです。

 それから、言ってみれば、どういうふうに差別化をするかというですね、政党として、まあちょっと前までの選挙では考えられない、つまり「党としてのアイデンティティ」というものが必要だということが行われ、その延長線上に去年もあって、その結果ではないんですが、選挙自体は民主党が票を伸ばすとか、参議院選挙もうちの方が議席が多かったですよね。

 で、いろいろ話を聞いていますと、我々も当然自民党の方と交流がありますから話を聞いていますと、自民党の皆さん、これはちょっとこれはまずいなと思い始めて、それから、それはうちの主張、たとえば、官から民へ、民でできることは民に、小さな政府っていうのはもともとうちが言っていたキャッチフレーズばっかりなんで、だからそういう手法の面と、主張の面と、両方でやはり、いわばキャッチアップしないとまずいんじゃないかという競争原理が向こうに働いて、今回はそれを受けていろいろ打ってきた手が、うちがやってきたことを凌駕してしまったという形なんですね。

 だから、完全に遅れているという部分ももちろんあると思うんですけど、ここ数年の選挙で、常に前回の反省に基づいて、お互いが新しい戦術を検討するという時代に入ってきているということだと思うんですよ。

 だから、皆さんはご自身がブロガーだから、ブロガー対策という面で言うと、うちが完全に遅れを取ったということで、そういうご指摘をいただければ大変ありがたいことで、参考にしたいんですけれど、それがこの後、じゃあ、たとえば次の総選挙、3年半後に世の中どうなっているか我々も想像つきませんし、ただ、政治理論的に申し上げると、中位投票者の理論というのがありまして、小選挙区二大政党だと、主張的には必ず保守中道によってくる、というのは理論的帰結、論理的帰結ですから、その中でどういう風に差別化をしていくかというのは、戦術の差という部分も出てきます。

 もちろんその中道といってもですね、ゴルフやっている方はわかると思いますが、ゴルフでいうとティーショットを打った瞬間は同じ方向に飛んでいると思っても、玉が落ちるころには、ずいぶん落ち場所で違うんで、保守中道で主張が似てきているとは言っても、その微妙な差というのが日本の十年後、二十年後に大きな差をもたらすとは思いますけどね。

 というわけで代表の間をつなぎましたが(笑)

前原代表「ネット対策は重要」

【前原代表】ネット対策がまったく欠けていたというのはその通りだとおもいますし、じゃあ重要か重要でないと考えてるのかといえば、きわめて私は重要だと思っています。ですから、また皆さん方のお話を伺ってですね、どういう対応ってのが、っていうことはしっかりやっていかなければならないし、我々のアピールの大事なツールだと思っております。

民主党はネットへの情報提供ができていない

ヤメ蚊】ちょっといいですか。先ほど言ったように、民主党案が憲法改正のポイントについて、非常に細かく検討されていますよね。それがまったく、一般にはアクセスできない状況なんですよね。やっぱり、どんどんどんどんネットアクセスが、ブロガーだけじゃなくて……情報提供というのが……

BigBang】おそらくですね、今日、必死になって探したんですね、民主党案、いわゆる○○の議論に対する公のものがあるかと。まあ、ないんですね、入手できるところには。で、それはおそらく、どうして置かれていないのか、誰も見に来ないと思ってらっしゃるのか、たまたまなのかわからないですけれども、それ相当のドキュメントというものはもってきますし、おそらく今日のメンバーも探してると思うんですよね。入手できない。意外と自民党のものは入手できてしまったりするんですね。そのドキュメントの戦略っていうのかなあ、ぶつけ合いっていうところで。

「ブログやってる」=「新しい」というイメージに成功した自民党

【BigBang】もう一点。ブロガー対策っていうんですけれども、別に自分はブロガーじゃないですからね。ブロガーっていう人種でもないし、一人の人間で、たまたま機会を得てここに来てるだけで、ブログで飯食ってるわけでも何でもないんですね。

 で、ブロガーに対してのアプローチで、じゃあ実際、得票率どれくらい取れるかというと、微々たるもんだと思うんです。正直な話。だから、ブロガー対策やったから自民党が勝ったわけではない。

 ただ、わかっていただきたいのは、象徴みたいなもんですね。天皇制みたいなもんで。ブログっていうのは象徴として受け取られてしまうと、すごい票が動くわけですね。やっぱり。よくわからない人まで、「ああ、ブログっていう新しいものまで自民党はやってるんだな」と、知らないくせにね、知らないくせに、新しいというイメージがそこでぶつけられて、そういうのがすごく怖いことだと思うんですよね。

【徳力】だからうまく自民党さんだけが新しいことに挑戦したみたいなように。そこは民主党さん先にやってほしかったなあと思いますね。

【BigBang】じゃあおまえブログって知ってるかというと、その人は知らない。なんか新しいことやってるんでしょ、というので入れちゃうっていう、ブロガー以外の票の動きっての方が恐ろしいことなんで、ブログなんてたいしたことない、たいしたことないんだけれども、というその先のところみたいなのがね。

未完成でも出した方がいい

小飼】それは短期的なもので、長期的にはもっと恐ろしい事態が進行しています。要は、ネットに出てないものっていうのは、存在してないのと同じという状況になりつつあるんです。ですから、こういったものは完成していなくていいんです。書きかけでいいんです。

 だから、ブログの一番の特徴っていうのは、完成してない意見をそのままポーンと出してしまっていいんです。まだ終わっていない議論をそのまま出してもいいんです。それで検索にひっかからないということは、民主党は何もしていないというふうに判断されるんです。

【松永】PDFでなくてもいいんですよね。PDFで見やすくしていなくても。

【小飼】ベタテキストが一番いい。

【松永】とにかくデータが即見れて、コピーペーストしてここに貼れるということになれば、逆に増殖していくわけですね。

【前原代表】それが既成事実として出回ってしまいませんか。その途中経過が。

【松永】途中経過だと、この時点のものっていうものは、それは出てくるんです。あとで改正されたら、新しいものはこれだよっていうのが出しやすいのもブログの特徴なんです。

【小飼】そしたらそれは違う、と続けざまに言うんですよ。すぐ反応するっていうのがすごい大事なんですよ。巧遅より拙速なんですよ。

 あと、今、自民党よりも民主党よりも大事になりつつあるのが、検索エンジンなんですよ。実は。実はこの二つ足したよりも世界としては大きくなりつつあるんです。

完成品のホームページ、未完成の生の姿を出すブログ

【BigBang】完成されたからあげていこうっていうのは、ホームページの時代ですね。はっきり言えば。やっぱり3~4年前なんです。今、ブログというのはプロセス。

 前原代表なんてのは絶対ブログやっていただきたいなと思うんですけれども、そういう逡巡しているとか検討しているとかいう生の姿を出していった方が絶対に共感得られるんですね。協議して協議してってこういう風に決まりました、って今頃出てきたのか、もう自民党出してるよ、っていうことを繰り返していったら、ああ、やっぱり後手だね、後手だね、後手だね、となると思うんですよね。

 ああ、なんだ、こんなことまで出してくるのかと。皆さんご存じ「はてな」という会社があります。インターネットで。最近、伸びてきている会社で、京都(出身)の会社です。ここは社内会議を全部出してるんです、ブログに。今まで出したことのないようなことを出してるわけですね。こういう会議をしていると。それで共感を集めてるわけですね。

 そのプロセスを公開していただくということは、勇気がいると思うけれども、共感を得られるもとになると思います。

【前原代表】なるほどね。

【松永】だから、結論だけ出すってなると、もうなかなか出せないわけですね。ところが、今検討してます、今検討してます、ここはもめてます、とか、それが出ることによって逆に安心するっていうことがあるんです。

【前原代表】今、ブログとホームページの違いを教えていただいたような気がしますけどね。

ブログは個性が見えてくる

】ブログの方がパーソナリティ性がすごく出るので、その人のホームページで単純に掲示板だったら、その書いた人のパーソナリティがあまり見えてこないんですけど、ブログはその個性の豊かさみたいなのが表現できるので、今まだどの代表とか党首の方もまだブログを書いてらっしゃらないですよね。福島さん書いてらっしゃいましたっけ。

Aa】菅直人さんが今日の一言みたいな感じで毎日更新されてたんじゃないですか。

【泉】だから前原さんも現時点で出せば。

【前原代表】ブログじゃなくて、ホームページで……

【Aa】日記のように……

【松本議員】今日の一言をやれる労力があればできるということ。

【泉】そうですね。

ブログは双方向

【小飼】あと、もう一つブログとホームページと違うのは、ホームページは基本的にいいっぱなしなんですよ。ユーザーのフィードバックは直には見えません。

 ブログの場合、いいのも悪いのも、ユーザーのフィードバックというのは、書いた人も知らないうちにつくんです。だから、この点は気をつけなければいけないんです。だからこそ、一番民主的なツールではないかというふうに思ってるんですけれども。他方ではこわいですよ。自分の知らない間に、自分の発言のコメントで発言が180度変わっちゃったりしますけれども。

【BigBang】今頃、この瞬間にもボロクソにかかれてますよね(笑)

マスメディアに対する不信感

【大塚】今の件に関して質問していいですか、逆に。皆さんの感想を聞かせていただきたいのは、その、ホームページの時代のように完成したものをアップするということよりも、途中経過も含めていろいろ出した方が好感度を得られるというのは、それはそのツールとしてね、ブログというものが技術的に普及してきたということ以外に、有権者の皆さんの感性が何かこう時代とともに変化しているという部分があるんですかねえ。皆さんなりの意見をお聞きしたいんですが。

【Aa】ネットをやっている人間としての感じとしては、マスメディアというものに対する不信感ていうの、けっこうあるんですよね。だから、つまり、マスメディアが情報を切り貼りしている、動かしている。だから結構みんな……そうですね、たとえば記者会見をなさいますよね。でも、それは記事になる段階でマスメディアは切り貼りしますよね。でも、ネットの人間はたいてい全文を知りたがります。で、わりとそれを全文ちゃんと読む人がけっこういます。

 たとえば、小泉首相の会見なんかはたぶん官邸ホームページで毎回全文出てますけれども、そういうのをちゃんと見に行く人が多いですし、その上で議論というのが進んでいきます。

 だから、やはり民主党さんも、もし記者会見なさったら、民主党さん側でそれを全部文字に起こして、それをホームページに載せてほしい。その方が絶対に誤解がなく……

【前原代表】それは今やってませんか?……でも全文じゃないかもしれませんね。(要約だけかも……という話)

(※泉さんがここで野党記者クラブをオープンにしてほしいという話を挟む)

【泉】さっきの話に戻ると、やはりそのインターネットっていうのは、そのときの即効性があるので、その都度その都度更新していくことで、ユーザーも、ああ民主党は仕事が速いなっていう印象がかなりあるし、随時更新されると、インターネットユーザーの目もそこに釘付けになるわけですよ、おもしろいなっていうことで。

ブログはリアクションし続けなければならない

【前原代表】小飼さん、一つ質問していいですか。

 先ほど、一方通行じゃなくて、双方向だということで、プラス面もあればマイナス面もあり、いったことが逆になる話もあると。たとえば、私どもが、まあ私でもいいんですけれども、ブログに載せたことについていろいろ議論してもらうと。で、それに、でも我々がまたリアクションしなければ……リアクションし続けなければいけなくなるじゃないですか。

【小飼】そのとおりです!

【前原代表】そうでしょ(笑)

【小飼】だから、立ち止まらないというのか、すぐに反応を返すっていうのはものすごく重要なんです。だから完成している必要はないです。中途半端でもいいんです。極論してしまうと、間違ってて、明日には180度違うっていうふうにしてもいいんです。「ごめん、俺が間違えてた」でいいんです。その一言で逆に許してくれるんですね。

【前原代表】そこに対するレスポンスをしておかなければならないということですね。

【小飼】そうです。

政治家はブログをそのまま使わない方がいい

安曇】ブログをそのまま使う必要はないんです。そういう政治家のためのブログに似たシステムを作ればいいんです。だからそのまんま使っちゃったら、もうとんでもないことになりますから。杉村大蔵くんのブログなんか、とんでもないことになってます(一同笑)。

 だから、政治家がねえ、そのまま使っちゃいけないです。それのためのやつをね。

【BigBang】それも含めて技術だと思うんですね。結局、今おっしゃったことはよくわかるんですけれども、やっぱりスルーの技術と、レスポンスの技術っていうのは、ちょっとリアルタイムと、ブログ、ネットワークで違うところがあると思うんですよね。でも、こうやって今、我々にレスポンスしていただいたのと同じように、基本的にはレスポンスすべきだし、やっている。ただ、スルーも必要だね、という、技術ですよね。マネージメントの技術だと思うんですよね、ネットで発信していく。それはやっぱり、ある程度の期間を研究してやっていかないと、なかなか、じゃあインターネット解禁されてポンとやろうと思ってもできないと思うんで、今からですね。

インターネット選挙解禁について

【前原代表】今おっしゃったように技術ということで、何か頭の中で政治家なり政党がこういうブログを持つべきだというご意見ありますか。

【安曇】ええ、というか、私はいまそれを仕事にしてまして(笑)。で、それを作ってやってるんですが。で、いいですかね、私はレジメ作ってきたんで、いま回してもらって、ざっと話してしまいますけども、非常に関心の高いことで公選法の改正について、インターネット解禁すべきだという意見があったんですよね。

(以下、安曇信太郎の「イヤならやめろ!」 - 公選法改正ワーキングチームの提案-民主党ブロガー懇談会にご本人の記録がありますので参照のこと。その部分省略します)

ガウディのように中途半端を見せるべし

【安曇】さっきお話がありましたけれども、決まってからすべてを出すというのではなく、プロセスを出していくことが必要になると思うんですよね。

 で、いきなりもう結論にいってしまいますけれども、今は朝日新聞の世論調査ではだいたい今回の選挙では4%くらいがインターネットを使われたかなという結果が出ていますけれども、公選法が改正されて、立候補者がすべてホームページを持って選挙活動をやるようになると、この比率がかなり上がると思うんですよ。

 それを見越して、民主党として戦略的にやっていかなくてはいけないので、今はほとんど見えないんですよね。そのためのチームを作って、そのチームには有識者とかネットワーカーを引き入れて、自民党の上を行く提案をしていく必要があるんじゃないかと。

【小飼】さっき(前原代表が)ガウディのたとえをされていましたよね。ガウディのもう一つの特徴って、まだ未完成のものを半端で見せているわけじゃないですか、観光客に。それをやってほしいんですよ。完成するまで立ち入り禁止っていうふうにされてしまうと、そりゃあ、じゃあ途中でもいいから自民党案見れるじゃん、ということになってしまうわけですね。ぜひ、ガウディ方式で。

シンクタンクの人材を確保できていない

【松本議員】一つは、率直に申し上げて、今まではそういうことが必要だという感性を持った人にドンとやらせることをどちらが先にやったかというと、今回はご存じのように自民党が先にやったということですね。そこは代表になられて変えていこうということで。

 あとはどれだけ持たせるべきものを持たせることができるかという、資源をどうするのかという話になってくるかと思います。先ほど、シンクタンクの話も出てましたけども、どこまで申し上げていいのかわかりませんけれども、この人にしてもらったらいいなあというのはどこも同じなのだなあ、ということを、実はシンクタンクでは痛切に感じることがあって、我々がしてほしいなあと思う方が実は我々でない側で始まったということが実はあったりして、今、うちも要の人を確定させなければいけないなと思ってるというか、いなくなっちゃったので、もう一回確定させなければいけないなと思ってるという状況ですので、それはいただいた話をふまえて、ぜひやっていきたいと思います。

直接発信の方がテレビより安全

【徳力】たぶん、一つ渡らなくちゃいけない川がありまして、たぶんそれが、先ほどの双方向の話なんですよ。今、たぶん、皆さんはテレビとかを通じて発信されているので、テレビが発信してくれれば安心だと思って、たぶんそっちの方が安全だと思ってるんですけど、自分で直接発信した方が実は安全なはずなんですよね。

 たぶん、テレビで前原代表の発言の一部だけ切り取られて、放送されて、視聴者からめちゃめちゃ反響が来ていても、こっちは知らないからたぶんわからないので、こわくなかったっていう話で。ネットでは直接解決してしまうんで、それはそれで怖いんですけど、反応がわかった方がたぶん、次の手が打てるじゃないですか。たぶん……

【松本議員】そこはたぶん、切り取られる怖さとか、直接発信できたらしたいと、むしろ思ってますから……直接発信までのパワーが今までは……

【徳力】そこは怖いんですよね。……

【小飼】実は、わたしも、だから……

【松本議員】今までは直接発信できるツールが、20年前のテレビ以上に発信できるツールがあまりなかったということですね。

【小飼】ただ、実は私もブログを書き始めたのは、テレビに出るようになったからなんですよ。テレビというのは切り取られますよね。切り取られたことに対してきちんと申し開きができる場がないわけなんです。だから、ずっと、一応サイトはもってたんですけど、ちゃんと書き始めたのは、例のライブドア騒動があったころからです。だから、私、ブロガーとしてはずいぶん奥手なんです、実は。その点からいくと。

【??】小飼さんよくしゃべるから、だいたい途中でブチッと切られるんじゃないですか(一同笑)

民主党はリソース的にハンデがある

【ヤメ蚊】民主党の体制的にどうなんですか、ネットの。ホームページとか、どういう人員、少なくとも人数何人ぐらいでね、予算でやってるのかとか、チェックしてるのかとか、少なくとも誰がやるかということなんですけれども、そこにまず人材当てて、何ができるのかというのは下からあがってくるわけだから、そこを充実させるっていうことが一つできることですね。

【松本議員】やりたいところですけれども、正直言って、一にもならないくらいですよ。全体でも数十人しかいないわけですよね、スタッフが。その中でどれだけ当てることができるかということが。

【大塚議員】これはその問題にお答えするには理解していただかなきゃいけないことがありましてね―― 一瞬脱線しますけれど、すぐに戻りますからね――今、中国共産党が何を研究しているかというと、自民党を研究しているんです。つまり、どうやったら長期間、民主主義、あるいは資本主義経済のもとで一党独裁を続けられるかということで、日本にヒアリングいっぱいかけてるんです。というくらいに、中国から見ても不思議なこの国の政権を変えようと、我々はチャレンジしてるわけですね。

 それがどのぐらい大変かというと、リソースに差があってですね、自民党本部のあそこは国有地なんですよ。国有地。国有地に安いビルを建てて、ものすごい安いお金でずっと借り続けてて、実はあの社民党の、昔の社会党の本部も同じ構造なんですけれども、これはそういう形で55年体制を維持してきたわけですね。

 ところが、我々、今雑居ビルで高いですよ、借りていると。たとえばそういうこと一つとってもすごいリソースの差があるわけですよね。そうすると、お金も含めたリソースの差があると、当然、戦術を打つときの、いわば兵糧にも差があってですね、極端なことをいうと、あちらはたとえば、じゃあわかりましたと、ブログで即応体制を決めましょうといえば、カネで雇えば人はそろえられるわけですね。

 我々はそれを、そのハンディを背負いながら、どうやってそこを乗り越えるかということを、本当に今、苦労しながらやっているというのが実情です。

インターネットには資源がちゃんとある

【泉】でも、インターネット上にはものを言っているユーザーがいっぱいいますから、そこを探っていけば。

【安曇】私は2年前ですね、glocomという、国際大学で出している政策空間というところに、インターネット関係で、選挙運動の時にホームページを全部標準化して立候補者を並べろと言う主張をしてですね、去年はブログの使い方を間違えると政治家は危ないよということを書いたりしたんですけれども、ものとしては私、いま生活者ネットワークとおつきあいがありまして、民主党さんとも非常につきあいがあるんですけれども、彼女たちは今、東京都内に50人以上の議員抱えていますけれども、全員がそのシステムを入れて、ホームページを持ってるんです。それを自分で更新しているんですね。

 そういう発信ツールというものは、やればあるんですよ。それがただわからない、見ないだけで、それぞれが勝手にやってるものだから、バラバラバラバラになってしまう。

 これは、公選法が改正されて解禁になったときに確実に差が出るものですから、候補者本人、議員本人の情報発信を考えていく必要がある。

【松本議員】我々も、限られた資源をどのくらい思い切って本当にどっちに振り向けるかということを決めるために、機構改革を含めてやろうとしているわけで……

Intermission

 このあと、前回記事「民主党は、ある程度の大きさの政府を目指す――前原誠司代表と「民主党 ブロガーと前原代表との懇談会」レポート [絵文録ことのは]2005/11/01」の内容へと続く。その後、前原代表退席。

 松本政調会長と大塚議員が残って、今後をどうするのかということが少し話し合われる。

 以下、雑談風の話の中から、ブログ、インターネット関係の話を断片的にピックアップ。この懇談会の進め方以外の内容で。

シンクタンクの研究テーマ

【大塚議員】さっき、シンクタンクの話がありましたけどね、うちもシンクタンク立ち上げることは決まってますし、場所もだいたい決まったんですが、シンクタンクの一つのテーマとしてもね、インターネットと政治の関係だとか、インターネットを使った政治広報活動をやることによって、どれだけ民意があがるかということ自体、自分は研究テーマだと思うんで……

アンテナ

【小飼】……ここに参加している人以外にも、事実上参加できるのが、ブログのいいところなんです。……私は泉あいさんのアンテナだと思ってますし、泉さんを通して10人のアンテナが来て、たぶん一人一人が1000人から5000人くらいの読者を抱えてるわけです……

ブロガーが選んだメンバー

【Aa】人の集め方としてはですね、今回、泉さんのところで自民党の懇談会と民主党の懇談会が並んだけれども、コメントは圧倒的に民主党の方が多かったじゃないですか。

【泉】お弁当(笑)

【Aa】まあ、でも注目はたぶん、民主党の方に来たと思うんですよ。それはなぜかというと、参加する人選をブロガー側が出したというところが大きかったと思うんですよ。

【泉】その重要性、わかってらっしゃいました?(大塚議員に)

【大塚議員】わかってるわかってる(笑)

【泉】大丈夫かなと思って、私(笑)。すごいあっさりOKしてもらったけど、と思って。

【大塚議員】それはわかってるけど、でも、泉さんからそう言われて、いやあ今回はちょっとこちらでやらせてください、といおうものなら大変でしょ、だって(笑)

【泉】なんでですか(笑)

【松永】だから、今回は泉さんの選択になったのが、今回の最高のポイントだと思うんですよ。で、帰った後、10人、絶対みんな違う観点でみんな書いて、それで一つのミーティングの内容がわかるという。さらに、そこにいろんな意見が来たりするわけですよね。

【泉】アクセス数でいったらものすごい方たちなので、これ持ち帰って書いてもらうと、うわーっと広がると思うんですけど。

民主党もネットの力も、小さいうちに始めるべきだ

【Aa】民主党さんがあまり余力がないということをたくさんおっしゃっていましたけど、そういうのを逆手にとる方法もあると思うんですよね。たとえば、自民党さんがたとえばこういう懇談会をやるといって公募をかけたら、すごい参加者が殺到すると思うんですよね。たぶん、裁ききれない。だからその辺もあって自民党さんは公募という形をとっておられないと思うんですけれども。

 民主党さんは、たとえば代表が出てくればさすがに殺到すると思うんですけれども、地元の議員さんが何人か集まってやりますから、ブロガーの方で興味がある方は来ませんかということをホームページに載せて公募してみる。そういうのはやっぱり、なんて言うんですか、メジャーじゃないからこそできることっていうのもあると思います。

 だから、私は自民党さんにもそういうことをやってほしいんですけど、地元の有名じゃない議員さんでいいですから、やってほしいと思いますけどね。

 あと、ちょっと話戻りますけど、ネット上であるスルーの技術だとか、レスポンスの技術という話が出ましたけど、そういうのは絶対やってみないと身に付かないことっていうのがありますから、ネットの力が小さい今のうちにやるべきだと思うんですよ。

【小飼】大きくなるつーのははずしようがないですからね。

【Aa】大きくなってからはじめていては、失敗したときの傷が大きくなりますから、今ならまだ……

【泉】選挙前にやってもだめですよ、今からやらないと(笑)

【Aa】……責任はとれませんが、大丈夫だと思うので(笑)

全文と要約

【Aa】とにかく、会見の全文公開をぜひやっていただきたい。お願いします。

【松本議員】はい。代表のはしてるっていってたけど……

【大塚議員】いや、全文はやってない……

【松本議員】要約じゃないのかなあ……

【大塚議員】まあ、ちょっと確認してみます。

【松本議員】全文に近いくらい起こしてたような……

【Aa】要約はなんか信用されませんよ。

【大塚議員】でも全文かもしれませんよ。ひょっとしたら。ちょっと調べ直してみます。

【松本議員】だって、要約は僕らも信用してないじゃない。議事録要旨じゃだめだと、議事録そのまま出せと、政府の会議で。それは言われる通りだ。

まとめ

 まず言っておくと、今回の参加者の中でも意見や立場の違いは見られる。また、細かいことを言えばつっこみどころもあるだろう。

 たとえば、言うまでもなくブログもホームページの一種なのだが、ここでの趣旨は、時代・運用法の違いを、数年前のホームページ、今のブログという形で対比させている。

 また、日記だってブログといえるわけだが、コメント欄やトラックバックを有し、コミュニケーション機能が強化された「狭義のブログ」ではない、ということで、細かいところには目をつぶって読み取っていただければ、話の本質がつかまえやすいのではないかと思う。

 ただ、参加者全員に共通しているのは「民主党はインターネットでの情報発信を活用できていない」という現状認識であろう。

 民主党側としては「ブログ化・ネット戦略につぎ込むリソースが足りない」との認識のようだが、少なくとも私の考えでは、ブログを導入することは大幅なコストダウンと、極めて高いコストパフォーマンスを実現することになり、いわば「貧者のための兵器」として有効なのではないか、ということだ。カネがあるなら、テレビでコマーシャルを打ちまくった方がはるかに効果が高いのは自明の理(サイトのアクセスは、テレビで放送されたキーワードに大きく左右される)。しかし、カネがなければ、更新にカネのかからないブログを導入した方が、インパクトある情報発信が可能になるはずである。

 コミュニケーションについても、全部に答える必要はない。アイドル系ブログのように「コメント欄は閉鎖、トラックバックだけ受付」にしておいて、あとは重要なものにだけ反応すればいい。ただ、そこに寄せられたトラックバックで、「世論」はずっと見えやすくなるはずだ。そして、どのようなカウンター情報が必要なのかも見えてくる。

 前回のまとめでも書いたが、今、ネットでは、民主党のマニフェストの文面を根拠に「民主党は沖縄の主権を中国に売り渡そうとする売国政党」といった宣伝をする人たちが存在している。そして、「だから投票しない」と発言しているブログも少なくない。だが、その本意は何なのか、民主党からの説明は今のところ聞けていない。というよりも、そんな宣伝がなされていること自体に気づいていないのではないだろうか。

 今はまだネットの影響力は小さい。選挙にもネットは影響力がないという考え方もある。あるいは、ネット内で人気の本がアマゾンでランキングトップになっても、リアル書店での売り上げランキングにはまったく上ってこないといった例もある。しかし、ネットが影響力を強めつつあることもまた事実。

 果たして民主党は(あるいはその他のすべての政党も含めて)ネットやブログのメディア特性を把握し、そして有効なプロパガンダ装置として使うことができるのであろうか。現時点では未だ「未知数」としか言いようがないのだが。

 ……余談。この懇談会の発言をデータ化してみて思ったけど、皆さんキャラが立ってますね(笑)。

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2005年11月 4日08:20| 記事内容分類:ウェブ社会, ブログ/ウェブログ, 政治学| by 松永英明
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コメント(3)

トラックバックありがとうございます。
お返しをしようとしたのですが、エラーになってしまいましたのでコメントで失礼いたします。
「民主党ブロガー懇談会:雑感」というエントリーも入れましたので、ご覧いただければ幸いです。
http://www.janjanblog.jp/user/vjt/azumi/1531.html

突然ですが、トラックバックのご挨拶です。
 勝手ではありますが、「政治家/新聞」つながりで、TBを張らせて頂きたいと思います。お気に召さない場合は、たいへんお手数ですが、削除をお願いいたします。よろしければ、お近くへおいでの節は、どうぞ拙宅へもお立ち寄り下さい。

最後まできちんと読ませていただきました。
とても興味を持ちました。
今私は卒業論文で選挙について
書いています。
もしよろしければこのように
きちんと自分の考えを持っていらっしゃる方に
アンケートに答えていただきたいのですが、
よろしいでしょうか。
お手数ですが、よろしければご協力
お願いいたします☆

↓アンケートです。

http://www.supreme.co.jp/cfm/ask3/preview.cfm?nID=530334511&P=1113533812

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このページは、松永英明が2005年11月 4日 08:20に書いたブログ記事です。
同じジャンルの記事は、ウェブ社会ブログ/ウェブログ政治学をご参照ください。

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