アルファブロガー2005候補を選んでみた

2005年を振り返るシリーズ【2】

FPN主催で「アルファブロガーを「もっと」探せ-2005」という企画が始まっている。私の推薦する「アルファブロガー」は以下のとおりである。

2005年12月25日18:34| 記事内容分類:ブログ/ウェブログ| by 松永英明
この記事のリンク用URL| ≪ 前の記事 ≫ 次の記事
| コメント(1)
twitterでこの記事をつぶやく (旧:

アルファブロガーの定義をもう一度

 1年前、ネット世論・ネットのトレンドを生み出すアルファブロガー [絵文録ことのは]2004/12/23でもアルファブロガーの「定義」については考えたのだが、もう一度言葉を換えて定義してみよう。事典風に書くならばこんな感じだろうか。

アルファブロガー 11人の人気ブロガーが語る成功するウェブログの秘訣とインターネットのこれからNT2X【アルファブロガー】[alphablogger] ブロガー(→)の中でも特にブログ界での議題設定能力が高い人々。アルファブロガーが取り上げた話題については、他のブロガーたちがこぞって話題とし、関連記事が増殖することとなる。それは独自記事の場合もあれば、すでに一部で話題になりつつある話題の場合もあるが、アルファブロガーが記事化した時点でその話題はいずれもブログ界における旬の話題と化す。弱小ブログを一気に人気サイトに押し上げる「エンジェルブロガー」としての側面も持つ。この点で、必ずしも「人気ブログ」と一致するわけではない。人気ブログの中には、参照数が多くてもブログ界での話題を誘発し続けるという機能を持たないものも多い。一方、アルファブロガーのブログはアクセス数においてトップクラスではなくても、重要な他のブログから参照・言及される率が高く、いわば情報のハブとして、あるいは「ネタもと」として活用される例が多い。アルファブロガーのブログには、「論壇系」すなわち「言いたがり」が多いのも特徴である。関連文献:『アルファブロガー 11人の人気ブロガーが語る成功するウェブログの秘訣とインターネットのこれから』(翔泳社)

 まあ最初のNewsweek記事に準拠すればアルファブロガーの定義はこんな感じになるのだろうと思う。

今年のアルファブロガーを探す

 FPNの質問はちょっとニュアンスが違っていて、微妙にビジネス寄りの質問になっているように思う。ただ、ここではあまりビジネスという枠にとらわれずにリストアップしてみたい。そもそも「同僚」がいないしな(笑)。

(1)職場の同僚に、「仕事やキャリアに役立ちそうなブログを3つだけ教えて欲しい」と頼まれました。あなたはどのブログを薦めますか?

  • ブログ名1と(簡単な理由)
  • ブログ名2と(簡単な理由)
  • ブログ名3と(簡単な理由)

 ブログ名でということなのだが、アルファ「ブロガー」探しという趣旨から、ブロガー名を先に出すことにする。

泉あい @GripBlog ~私がみた事実~

 とにかく自分の足で一次情報に当たって、少なくとも自分が見たこと、聞いたことはこれだ、と自信を持って言えることを伝えたい、という「ジャーナリズム魂」の本質をおさえているのが泉あいさんだ。

 ブログというと、自分の日記以外ではどうしてもニュース報道の感想など二次情報が増えてしまいがちだが、泉さんは報道された話題について実際のところはどうなのか自分の足で確かめに行く。その行動力がすばらしい。そして、自民党のブロガー懇談会にも自薦で割り込んでいったり、民主党のブロガー懇談会を実現させたり、という行動力も、「記者クラブでの記者会見を垂れ流すのが報道」だと勘違いしている「記者」たちとは対極に位置する「ホンマモンのジャーナリスト」だと思う。

 しかし、一方で「空想的ジャーナリスト」や「市民運動型ジャーナリスト」と違って、変な理想主義やイデオロギー的背景がないことも特筆すべきだろう。泉さんは、今までにない新しい報道機関を作りたいという構想を立てているのだが、そこに「市民が記者になる」という表現があり、ちょっとひっかかったので本人に聞いてみた。すると、それはいわゆる「市民団体」などでいう「市民」、つまり「お上」と対抗する「一般市民階級」という意味ではなくて、単に「世の中の人」「ネットを使ってるふつうの人」という程度のことだった。だったら「市民」なんていう色のついた表現はやめてよ、と言ったのだが、「市民」という言葉に色がついていることも知らないという純粋さはかえって新鮮であった。

 もちろん、ネット内で「探偵」や「ポリス」を気取るような「告発系」などとも一線を画しており、ただわからないことを当事者に聴きに行くという淡々としたジャーナリズム魂が最高である。

 というわけで、一次情報に当たるということはブログのみならずいろいろな場面で大事なことだと思っているのだが、その意味で泉さんの行動力そのものがブログ界に影響を与えているし、民主党ブロガー懇談会での「弁当議論」を引き起こすきっかけともなったことを考慮し、やはり「アルファブロガー」と呼ばれるにふさわしいブロガーであると思う。

栗先生 @「俺」のターン and モテゼミ

 Blog of the Yeah!2003のときには「出会い系ヲタの過激な恋愛記」という名称だった「モテゼミ」の栗先生。現在、“「俺」のターン”でブロガーストーキングを展開中である。

 ブロガーストーキングといいながら、主にfinalvent氏@極東ブログ/finalventの日記や、gotanda6=速水健朗氏@犬にかぶらせろ!/[B面]犬にかぶらせろ!といった面々を中心に「いじる」のが“「俺」のターン”の芸風である。まあ「愛ルケ」ネタや、「モテゼミ」系ネタ率も高くなってきているが。一方、モテゼミでもfinalventネタが入るなど、2つのブログ内で境界線がなくなりつつあるのが最近の傾向だ。

 さて、この栗先生だが、単に「ネットナンパ師」と思っていては、この人物の真価を見失うことになる。ブログサービスや、ブログ界の動向、ブロガーたちの振る舞いについて、鋭い視点でチェックを入れているのである。「また古谷/弁当(finalvent)身内ネタかよ」とか「犬株派閥って何だよ」という次元で読んでいると、その奥に隠された指摘の意味がわからなくなる。ネタフル木暮さんを手玉にとり、はてなやドリコムのサービスをこき下ろし、さらには「熊x栗x淳也のないしょ話」というふざけきったコラボレーションブログで「トラックバックを送ってきたはてなユーザーには編集権を与えて勝手にバナーも作って渡してしまう」という企画まで煽動している。ここには、ネタフルの木暮さん、Artifactの加野瀬さん、日日ノ日キの吉田アミさん、元あやしいわーるど管理人しばさんなど錚々たる面々も絡んでいる。

 言うなれば、栗先生はブログ界の裏番長(表番長はやっぱり斬込隊長かと)。ブログ界の有名ブロガーやブログサービス運営者は、栗先生の動向から目を離すわけにはいかないのである。決して出会い系トップブログという枠組みに限定して考えてはいけない。

 仕事やキャリアに生かせるか……うーん、直接的には難しいでしょう。でも、モテゼミは実践に基づいたナンパ指南(言い換えれば女性心理攻略法)だし、「俺」のターンはブロガー攻略法である、となれば、やはり一読の価値はあるかと思う。あと、安藤美姫と蛯原友里と徳澤直子情報もあるし( ´艸`)

めたるまん @やじうまWatch

 去年の記事で「日本のアルファブロガーといえばやじうまWatchのめたるまん」と書いたのだが、選に漏れたので改めて書いておく。

 ここが取り上げると「やじうま効果」とでもいうべき強烈なアクセス集中がみられる。そして、小さなサイトでも一気に知名度が高まってしまう。

 確かにここはコメントもトラックバックもないが、取り上げる話題はブログ界で常に参照されるし、広義のブログ概念(「ウェブロ」)でいえば立派なブログであるため、めたるまん氏をアルファブロガーと呼んでもまったく違和感はないはずだ。

 メールマガジンRadica時代からの「話題ピックアップ能力」はさすがである。

面白いブログ推薦

(2)友達や家族に、「何か『面白いブログ』を教えてくれない?」と言われました。 あなたはどのブログを薦めますか?

お気に入りのカレー屋さん300 by たあぼう

 インドカレーにスープカレー、カレーうどんまで、東京のおいしいお店を300軒以上紹介しているブログ。

 何がすごいかというと、どの店にも実際に自分で行って、写真を撮ってきて、自分の食べた感想を載せていること。つまり、すべてが一次情報。「面白いブログ」というか「いいブログ」の見本といえば、今年はこればかり紹介していたような気がする。だって、何かちょっとしたこだわりとブログを書こうという意気があれば、だれでもこんなふうに面白いブログが作れるんですよ、しかも一次情報で。という好例だからである。

 何となくお会いするチャンスがありそうで会いそびれているのだが、たあぼうさんは「一度会ってみたいブロガー」でもある。

【広告】★文中キーワードによる自動生成アフィリエイトリンク
以下の広告はこの記事内のキーワードをもとに自動的に選ばれた書籍・音楽等へのリンクです。場合によっては本文内容と矛盾するもの、関係なさそうなものが表示されることもあります。
2005年12月25日18:34| 記事内容分類:ブログ/ウェブログ| by 松永英明
この記事のリンク用URL| ≪ 前の記事 ≫ 次の記事
| コメント(1)
twitterでこの記事をつぶやく (旧:

コメント(1)

「お気に入りのカレー屋さん300」のたあぼうです。

遅ればせながら、ご紹介ありがとうございました。一次情報という点をご評価くださったこと、大変嬉しいです。「自ら体験したことをつづろう」と思いつつ、ブログをやってきたからです。

松永さんのご都合がつくようでしたら、こちらはいつでもお目にかかれればと思っています。ごらんの通り、ほぼ毎日都内をふらふらしていますので(笑)

ではでは、今後ともよろしくお願いいたします。

このブログ記事について

このページは、松永英明が2005年12月25日 18:34に書いたブログ記事です。
同じジャンルの記事は、ブログ/ウェブログをご参照ください。

ひとつ前のブログ記事は「電脳卸第二回通販アフィリエイト「天下一武道会」授賞式に行ってきた」です。

次のブログ記事は「渋沢栄一型実業・共栄アフィリエイトと、岩崎弥太郎型スパム、ネット上の決戦」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。
過去に書かれたものは月別・カテゴリ別の過去記事ページで見られます。