結核文士の治療記(8)最後の戦い

8月に入ってもまだ入院しているとは思わなかった。8月には、いつまで入院していなければならないのか、という思いでかなりストレスを感じることも多かったのである。しかし、ついに退院の日がやってきた。

2006年9月12日11:37| 記事内容分類:闘病記| by 松永英明
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ポータブルDVDプレーヤー

 8月2日、少し外出して仕事の話をする。

 8月3日、MRIの結果は良好。

 この日、ポータブルDVDプレーヤーを購入しようと考えた。家に帰ればPCがあるが、DVD見ながら作業すると重いので、退院しても使う。ということで、これからも使いでがあるので購入を決意した。

 条件は、液晶付きでリージョンフリー、PALも見られること。そこで狙っていたのが、EVER GREENのEGD600。ところが、楽天で調べると、それとは別に、実売3万円前後の新製品が特価約21000円。もちろんリージョンフリー。画面も7インチあれば悪くない。というわけで、この商品GREEN HOUSE GH-PDV720-TVを購入した。

 すぐに製品が届いた。説明書には「NTSCのみ」「リージョン2かオールのみ」とあるのだが、店の説明では「PALも確認済」「リージョンフリー」となっていた。裏設定らしい。日本市場のみをターゲットとしているプレイヤーだと見られない中国版PAL形式DVDなどで試してみたが、ちゃんと使えたのでホッとした。なかなかモノはいい。テレビを持っていない上、部屋は狭いので、これくらいがちょうどいい感じだ。

 8月6日に一時帰宅し、家でCDやDVDを適当にかき集めてから新宿ルミネの新星堂で少し購入した。

 古今東西をカバーするセレクション。支離滅裂ともいう。レジのお姉さんが「来週ミッチーの新しいアルバムがでますが予約なさいますか?」って、「家庭内デート」を買ったのはミッチーファンだからと違うねん! それにしても「家庭内デート」の振り付けは難しい!

 DVDチェックのつもりが、思わず「ツインズ・エフェクト2」をフルで見てしまった(香港版)。ジャッキー・チェン(成龍)と息子のジェイシー(房祖明)の初共演映画。でも主役はツインズ。ジリアンかっこよくて可愛い! ワイヤーアクションかっこいい!

気分が沈んだり

 8月7日、とりあえず、傷口に防水シート貼ってシャワー浴びてもいいことになった。

 しかし、翌日、どういうわけか気持ちがダウン。異常なくらい悲観的になる。とりあえず五月天(メイデイ)のアルバム「知足」で緩和してみるが、かなり上昇してもまだダウン中。楽しい「恋愛ING」という曲を聴いても沈んでいるのだから、よほどである。

 橋本龍太郎氏の国葬で空砲がうるさかった。

 8月8日、不思議な色の夕焼け。写真を撮ってみた。左端は靖国神社の鳥居。

purple-sky.jpg

 8月9日。気分はほぼ回復。低気圧のせいだったのか?

 買ったまま長いこと見ていなかった香港映画DVD「公主復仇記(Beyond our Ken)」を見た。広東語はまったくわからんので中国語音声+字幕で。全部はわからんが雰囲気で見る。ツインズのジリアンが主役だが、見始めて目を見開いてしまった。ジリアンが……ジリアンが……メガネかけてる! もっと早く見るんだった。

 「吾輩」が終わってから、平日は本当にテレビを見ていなかった。決まって見るのは、毎週、土曜日の夕方だけである。9時消灯なので、それ以降は見ようと思わなかったのもあるが。

 5時半:ウルトラマンメビウス。なんか懐かしいネタが多い。眼鏡娘コノミ隊員が最高。

 6時:ミュージックフェア21。

 6時半:竹山先生。最後にPUFFYが出てくるのもいいが、眼鏡白衣ソニン先生が女の子たちにかわいいメイクをしてあげるコーナーがナイス。かわいくなった女の子にマジで萌えてる眼鏡ソニン萌えヽ(´ー`)ノ

 週にこれだけである。本当にテレビはほとんどなくていいと思った。

再手術

 8月10日、傷口をきちんと縫い直すために、手術室を使った。全身麻酔ではなく、局部麻酔だが、いろいろと準備をして、結構本格的な手術気分だ。

 前回と違って、今回は最初から最後まで意識がある。麻酔の注射が一番痛いというのは、いつもの話。

 一度縫った傷口を切り開き、固くなった傷口の表面を少し削る。そして、再縫合。麻酔の効いていない部分が結構あって、かなり痛いときがあった。奥の方から表面に向かって膿の流れ出る道筋ができていたらしく、そこもふさいで、さらに切開したところをきちんと縫い直した。

 終了後、抗生剤と痛み止めの点滴。抗生剤は朝晩しばらく続くことになる。手術当日は縫ったところがジンジンと痛んだ。背中のガーゼも、かなり小さくなっていたのに、また大きくなった。シャワーもまた禁止。何だか後退したような気分である。よくなるための一時的後退だとはわかっているのだが、どうしても気分が沈みがちである。

 アンジェラ(安又琪)、五月天(メイデイ)、S.H.E.、ツインズ、Amei(張恵妹)、川村かおりをローテーションでかけて気分を盛り上げようとした。

 12日にはドレーンが取れたが、当分は外出もダメ。13日の東京湾花火も、音だけ聞いた。

 写真は8月14日の武道館の空。入道雲の輝く白、青空の群青色。夏だなあ。どこにも行けない夏。いけないルージュマジック。千鳥が淵は今日も蝉時雨のロッカーたちがミーンミンミンとミの音程で歌う。

blue-sky.jpg

靖国

 8月15日。6時前からサヨクがデモやってるわ、そこへウヨクがきて「非国民は帰れ」とかBGMつきでわめいてるわ、6時をすぎたらヘリがバンバンだわ、うるせえよ! 首相が来るころにはその喧噪も最高潮に達した。

 昼前に、ウヨクがマイクを使って警察と喧嘩していた。「名前を名乗れ、手帳を見せろ」って。今日は武道館に陛下が来臨なさるというのにがなりたてやがって、まったく不敬極まりない売国奴非国民どもだ。

 ちなみに俺は、新選組や奥羽越列藩同盟や西郷隆盛をまつらずに売国奴東条をまつっている靖国は嫌い。薩長テロリスト藩閥政府大っ嫌い。何でウヨクのいう古きよき日本がかならず明治時代なんだ? 江戸幕府復興とか、豊臣に帰れとか、足利幕府の日本がいいとか、国風といえば平安でしょとか、国のまほろば飛鳥精神に戻れとかいうウヨクはいない。だからウヨク嫌い。

 サヨクは唯物論で何でも人のせいにするからやっぱり嫌い。

8月にネットで買った本

8月にネットで買ったCD

 Blind Guardianのアルバム"A Night at the Opera"がかっこよすぎる。ヘビーローテーションで聴いてると血がたぎる! キーボード叩く指がドラムのリズムにあわせて疾走する! 大学の時に、大阪のアメリカ村でメタル風の服とかブーツとかそろえたときのことを思い出してしまった! 今入院してなかったら原宿か渋谷に行ってそれっぽい服を買いに行ってしまうんじゃないかと思うくらいの勢い。やばいやばい。

淡々と過ぎる日々

 8月20日、久々の外出。とにかく頭が重いので、真っ先に美容室に行った。以前から前はよく通ってた店だが、思い切って入ってみる。明るくていい感じの店だ。担当の人がロック好きだそうで、盛り上がる。なんかしきりに「さわやかな感じですよね」とか「メガネしてないほうがかっこいい」とか営業トークされまくって照れる。言われ慣れないことを言わないでほしい。

 前に買ってたけどまだ未開封だった田中美保ちゃんのDVD「Miho COLLECTION LUCKY」を持ってきて、病院で見た。かわいすぎる。俺が女の子だったら絶対美保カジ真似してる。

Miho COLLECTION LUCKY

 8月24日、色々とやっていることはあるが、あまりの退屈さにぶちぎれそうになる。そろそろ限界? 傷の方は順調だが、前回もここから悪化したというのが頭をよぎる。しかし、膿は出なくなった。下手な期待は裏切られたときにつらいと思って、あまり期待しすぎないようにする。

 8月25日に見た夢。広大な教室のある塾、全体に茶色系の空間。社会の先生がいなくなったので急遽代わりに教えてほしいといわれる。仕方ないので教壇に立つが、何の準備もないので、とりあえず問題集をやらせてみる。解答させつつ自分でも解いてみるが、結構手応えのある問題だ。解いていて気付いたが、最初のページからやるように指示していたつもりが、実は7ページから解くように指示してしまっていて、その前にも問題があった。いまさら変更できないのでそのままにし、生徒たちの間を巡回する。中学生くらいか。つらそうな生徒がいたので、これはどこまでわかっててどこが習得できていないかを調べるためなのだから、今できなくてもかまわない、と言って安心させる。やがて解答時間も終わり、黒板に向かって解説を始めるところで目が覚めた。

 8月26日、夜勤担当の看護婦さんが「今日はうるさいかも」と武道館を見ながら言う。

「今日は武道館で何が?」

「24時間テレビのメイン会場なのよ」

「げー(;´Д`)うぜー」

 で、しょこたん☆ぶろぐ見てたら、しょこたんが出ることがわかった。しょこたんがすぐ近くに来る!ギザ!と手のひらを返して喜んでいた。単純すぎる。翌日朝のしょこたんのドキュメンタリーはよくできてた。しょこたんも泣いてた。病床の中川勝彦の姿が身につまされた。

 というわけで、入院中はmixiとしょこたん☆ぶろぐとAmazon.co.jpと楽天市場ばかり携帯で見ている状況だった。しょこたん☆ぶろぐを見てると楽しくて元気が出てくるのだ。しょこたん天才。

退院へ向けて

 8月27日、ふと、この翻訳が完成しないと退院できないのではないかと思う。いや、翻訳が完成するように缶詰にするような何かの力が働いているんではないかと思ったのだ。そして8月30日の昼前に、一通りの翻訳が完成した。細かいところはまだまだ修正しなければならないし、調べたいところもあるが、一応最後まで訳を完成した。

 すると、夕方に先生が見てくれて、保護ガーゼも不要、シャワーもOKになったのだ。さらに、4日のMRIで悪くなっていなければ、退院・通院にするとのこと。訳ができたとたんに、この急展開。話ができすぎだ!

 8月31日、退院が近いが外出。

→自宅。文学フリマ参加OKの郵便が来ていた。

→杉並区保健所で結核の申請延長の届け。これがあったので、退院間近なのに外出したのだ。色々病状などを聴かれる。担当の保健士さんが優しくて明るい感じの人だったのでホッとする。

→荻窪駅北口ブックオフ。サディスティック・ミカ・バンドの「天晴」と、スーパー・ユーロビート VOL.100を購入。

→JRで市ケ谷駅へ。駅前の文教堂で購入したのは『百鬼夜行抄 (1)』、『色の秘密―最新色彩学入門』、『信長は謀略で殺されたのか―本能寺の変・謀略説を嗤う』、『日本史の一級史料

→徒歩。途中の喫茶店でストロベリージュースを飲んでたら地震。

→病院

 9月1日は病院の創立記念日で外来などは休み。続く土日も病院に動きはない。

 4日の月曜日が勝負だ。朝から採血、そして夕方にMRIである。造影剤の点滴をするため、担当の先生が途中で来てくれた。その時点ですでに「いい感じですね」と言ってもらったので、かなり安心である。

 その夜、先生が来てくれて、退院できると聞いた。血液検査も、MRIもよし、傷口もよし。もちろん、前のことがあるので本当に大丈夫かという不安はどうしてもついて回るのだが、4か月あまりの入院生活にいよいよ終わりを告げる。

 帰ったらやることが山積みだ。まずは電気を開通させて、冷蔵庫の掃除だな。

 ……2006年の入院の記録はここに終わる。前半は病状との、後半はむしろ退屈との闘いだった。

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2006年9月12日11:37| 記事内容分類:闘病記| by 松永英明
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ハリセンボン箕輪はるかさんが肺結核に感染しており、しばらく入院・休養することが報じられた。 わたし自身が結核によって入院加療を行なった経験からすると、病気... 続きを読む

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はじめまして。
なかなか更新がなかったのでちょっと気になってました。
入院生活たいへんでしたね。
退院おめでとうございます。
ご活躍を期待してます。

起き抜けに子供達のメール確認。ふと、H.R..なる名検索。にこにこ、ゴソゴソは、こんな暮らしだったのかと。2枚の写真、私には撮れなかった世界。懐かしく拝見。お元気ですか?Hさんの世界は理解を超えてるけど、時々、覗きますわ。お元気を!

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