「鴨川ホルモー」と「少年メリケンサック」を観てきた

日曜日に久々の休みであったので、映画をはしごして観てきた。

「鴨川ホルモー」@新宿ピカデリー:★★★★★。京都にいたころを懐かしく思い出した。

「少年メリケンサック」@銀座シネパトス:★★★★。宮崎あおいをはじめとして芸達者揃い。

以下、詳細。

2009年4月20日01:22| 記事内容分類:映画| by 松永英明
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京大生の「変」を映像化したアホ映画「鴨川ホルモー」

新宿ピカデリーにて。ちなみに、新宿ピカデリーで映画を観るのは二回目(前回は「ヤッターマン」を観た)。サイトでオンライン予約をして、並ばずに座席指定でチケットを取れるのは非常に便利。

万城目学の作品はまだ読んだことがない。「鹿男あをによし」はドラマも見ていない。つまり、万城目作品に接するのは初である。だから、原作にどのくらい忠実かといった観点ではレビューできない。

というわけで、純粋に映画の感想である。元京大生(中退だが)としては、もう出てくる光景のすべてが懐かしく(最近変わったところは知らないが)、そしてもう笑い続けるしかなかった。

何と言っても最高だったのは、「あの」京大吉田寮(作中では「百万遍寮」)のカオスっぷりが記憶そのままだったこと。つうか、結局あのまま建て替えを阻止し続けてるのか。偉い。京大吉田寮を知らない人のために言うと、吉田寮は映画にあったそのまんま(あるいはそれ以上)の場所です。吉田寮は京大構内にあって、吉田寮生はドテラ着たまま授業に出たりする。

もう一つ感動したのは、百万遍の石垣が生き残っていたこと。石垣の撤去が話題になったことがあったが、その後の動向を追っていなかったので、映画でそのまんまの石垣が見られてちょっと嬉しかった。

鴨川とか近衛通の桜とか鴨川デルタとか、もう京都で学生時代を送った人間なら「ああ、アレ、アレ!」と懐かしく思うことは間違いないと思う。これで「鴨川等差数列」が映し出されていたら涙するところであった(※鴨川等差数列……春先になると、鴨川の河原にアベックが座る。この間隔が見事に等間隔であるため、俗に「鴨川等差数列」と呼ばれていた。アベックが増えてくると、この間隔が少しずつ狭まるのだが、等間隔の法則は見事に保たれていたのである)。

京産大・立命・龍谷と京大で四神相応とか、何を考えているのかというアホな設定だが、立命がちょっと北西にずれているのに目をつぶれば納得できる配置だし、なんで同志社がないねん、とツッコミそうになってすぐ「ああ、あそこはキリスト教やったしな」と思い出してニヤリとできる。まあ根本的なことを言えば1000年前には大学とかないやろ、ということになるのだが、その辺はまあいいだろう。

京大生の生態もきちんと描かれている。「東大に行ってもよかったけど、あえて京大の学風にあこがれてこっちに来た」とか言う奴、ホンマにおったおった(多くの場合はイヤミではなく、むしろ官僚的な学風を嫌うという主張になるのだが)。主人公の安倍は「イカ京(いかにも京大生というダサい風)」をしっかり演じていた。映画サイズなので仕方ないが、これでもう少し大学間の学風の違いが出ていたらおもしろかっただろう(京女やダム女の女子大生からすると、つきあうのは格好いい同志社、だけど結婚とか考えるならダサくても将来性の京大生、みたいな感覚とか)。

何はともあれ、そういう「京大生を中心とした京都の大学生の生態」を描いた映画としての見方が一つで、その点では満点だろう。そして、ドタバタコメディとしても、アホをまじめにやってるという点ですばらしい。祇園さんとか平安神宮とかの前で何やってるねん。清水寺とか、そういう絵で使うところやないやろ。極めつけは吉田神社だ。神社もよくロケを許したな。もう何というか、京大生にとって最高のほめ言葉である「変」を体現した映画である。鶴光出してくるとか、反則やろ。

式神とかの陰陽道的要素についても、特に設定上の問題もなく、オニたちがかわいく見えてくるのが楽しかった。それにしても「安倍」と「芦屋」が不倶戴天の仲となるのは予測できただろうに。

一点苦情を言うなら(ネタバレを防ぐためにぼかして言うが)「眼鏡を外してコンタクトにする方がきれいになれる」という価値観だけは認められない(眼鏡っ娘好きとしては)。それ以外はもう何というか絶賛する以外にない楽しい映画であった。

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ホルモー六景
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舞台でもやるようだが、興味がわいた。また、他の本も読んでみようと思う。

一番パンクしてたのは宮崎あおい「少年メリケンサック」

さて、新宿ピカデリーから丸ノ内線に乗って銀座へ。東銀座の名古屋風トンカツ屋で腹一杯食った後、銀座シネパトスで「少年メリケンサック」延長上映を見に行く。もう上映終了かと思っていたら、こちらではぎりぎりやっていたので、駆け込みで見に行った次第だ。

パンフが売り切れということで残念。

こちらは宮藤官九郎脚本・監督ということで、まずハズレはないと期待していた。何しろ昼ドラ「吾輩は主婦である」ですっかりやられてから、この人はすごいと思っている。話のひねり方に癖があって、それがなかなかツボにはまる。

役者陣も役者揃いである。佐藤浩市とキム兄というだけでも偉いが、田口トモロヲの役がおいしすぎる(あのどんでん返しにクドカン節を感じた)。ちょい役で遠藤ミチロウとか、ずるい。

しかし、極めつけはなんといっても宮崎あおいの演技力である。化け物的な演技力で、甘ったるく甘えてみたり、熱血少女になってみたり、とことんまでどうしようもない「少年メリケンサック」のオッサン連中とやりあっていく。くじけ続けながらも、瞬間的に超ポジティブになったり、また泣き濡れたり、一方でギターを叩き折ったり、とらえどころのない役柄を生き生きと演じていて、それがまた自然につながっていく。宮崎あおいはすごいよ。

そして、映画的には結局、一番パンクしてたのは宮崎あおいじゃないか、という印象が残るのであった。パンクなんてわかんないし大嫌いと最後まで言っていたが、その皮肉な展開こそ、くんくの目論見だったのだろうと独り合点している。

いつものクドカン節がちょっと鼻につくところもあるが、それはもう楽しめたので★4.5くらい(比較してしまうことになるが、「鴨川ホルモー」の方は癖のないまっすぐなアホだったので、その分気楽に楽しめたという点でポイントがやや高くなったのである)。

ちなみに、今回のクドカンのこだわりの街は「高円寺」であった。あと、何度も蹴飛ばされる花屋の車のナンバープレートが「87-83」(はなやさん)だった。ほかにもいろいろ仕込んでたんだろうな。

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それにしても「ニューヨークマラソン」の空耳はどう考えても反則。

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