「ネットビジネス立ち上げモデル」を日本語訳してみた

ネットサービスをビジネスとして立ち上げるとき、どのようなことを考えなければいけないか。

ネットビジネスに必要な要素をまとめた一枚の図が良い感じ - IDEA*IDEA ~ 百式管理人のライフハックブログ ~で紹介されていたページの図が非常に参考になる。

というわけで、この図ならびに元サイトのコメントを日本語訳してみた。

ネットビジネスを立ち上げるときに必要なもの一覧

※クリックすると原寸大の画像が表示されます。

2009年6月22日17:36| 記事内容分類:ウェブマーケティング| by 松永英明
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Mapping Out Your Web Startup

原文はこちら→Jude Gomila: Mapping Out Your Web Startup。筆者はJude Gomila氏。Heyzap.comというFlashゲーム総合データベースサイトの共同創設者でもある。

ゴミラ氏は、ウェブサービスビジネスを立ち上げる際に考えなければならないことをマッピング図解した。ただし、これがすべての事例で当てはまるということではなく、またすべての項目を網羅しているわけでもない、と述べている。特に「コスト(経費)」面についてはこのマップに含まれていない。ウェブサービス(特にウェブサイト、アプリケーション、インフラ等)に限定されたものであることにも注意。

しかし、ウェブサービスを事業として展開しようと考えるのであれば、このマップは非常に参考になるだろう。というわけで、以下、原著者による解説の翻訳に、訳者のコメントを添えてみた。

※誤訳とか、こう訳した方がいいという指摘がありましたら、罵倒ではなく淡々と指摘いただければ幸いです。

ウェブでの立ち上げをマッピングしてみよう

前置き

特に企業家にとって、立ち上げ計画は面白い。サイトの要素すべてをマップに落とし込むと、お互いの関連、新しいチャンス、戦略、最適化が見えるようになってくる。大きなホワイトボード上でやってみることをおすすめする。

デーブ・マクレアーの約1年前のこの記事(Master of 500 Hats: Startup Metrics 101: a Product & Marketing Workshop (@ Web 2.0 Expo SF 2008))をもとに、バイラルエンジン(クチコミの仕組み)の観点を拡張し、収入のオプション、リテンション方法、顧客獲得戦略を付け加えてみた。Heyzap.comの共同創設者であるImmad Akhundはこのモデルに助言をくれた。ありがとう。James Smithもありがとう。

モデル

このモデルはシステムを見る唯一の方法だなどということはない。定義や視点によって境界線は動くし、お互いの関連も動きうる。さらにいえば、このモデルの要素は完全なリストではない。

焦点

注意すべき重要ポイントは、このモデルのそれぞれのセクションの中に、選択しうる多くのオプションが存在しているということである。たとえば、SEO戦略は、ある特定のキーワードエリアにおいては有効ではないだろう。そうなれば、そこで勝ちに行こうとしたり、SEMをやろうとしたりしても、そのようなサイトではROI(投資回収率)は見込めないということになる。それぞれの戦略は時と場所を選ぶ。少しから初めて、確実なものにしていくべきだ。製品によっては、別のエリアに努力を集中すべきである。

(訳注:たとえば、日本のSEO業者の中には、単に検索順位を上げることのみを考えているような低レベルなものも存在する。しかし、実際にはSEOは何のために何を目的として行なうかを考えなければならない。そうすれば、SEOは顧客獲得の一方法にすぎないことがわかるだろう。そして、SEO以外の方法も模索することとなるだろう。SEOがいけないのではなく(もちろん必要なことである)、SEOだけにとらわれてはならないということである。ではほかにどんな技法があるのか。それを考えるために、このマップは役に立ちそうだ)

獲得の仕組み

サイトにユーザーを集めなければならない。これは古典的な方法である。ここには、異なった方法が多くあり、探るべき経路が多くある。自分の資源を効率的に使うのはどの方法なのか、心にとめておかねばならない。そのすべてを選ぶことはできないし、そんなことをすべきでもない。開始時期には、特定の実を結ぶ戦略が必要となるだろう。それは、原文サイトの将来の投稿記事でチェックすべし。

中核となる製品

ユーザーは双方向の何かを利用することになる。これはウェブサイト、アプリケーション(あるいはウィジェット)、インフラに焦点を合わせることになる。これらの要素の組み合わせの場合もある。境界線は非常にあいまいだが、この中核となる製品は、クチコミの仕組みと収入の仕組みの間に置くことができる。

(※訳注:このマッピングでは、ウェブサービスとしての事業に集中している。だが、実際には販売する商品やサービスそのものが事業の主体であって、ウェブサイトやアプリやインフラはその販売のツールにすぎないという場合も多いだろうと思われる。つまり、ウェブビジネスというよりは、実社会の商品・サービスをネットでも売る、という場合には、このモデルを修正する必要があるだろう。その場合、これは「中核となる製品」ではなく、「ネット上での主な販売システム」ということになるかもしれない。いずれにしても、販売する製品・サービスの品質が最も重要であることは言うまでもない。)

クチコミの仕組み

ユーザー獲得のプロセスを大いに進めたいことだろう。それにはクチコミの仕組みが必要だ。これを方法と経路に分けてみた。方法は、クチコミを伝えるための特定の原動力となるものである。経路は、その方法を実行するための特定の経路である。すべての方法と経路が対応しているわけではないことに注意。方法の背後には、特定の動機づけと、それに対応する刺激があるのだが、それには立ち入らない。これは包括的なリストではない。

リテンション(引き留め)方法このセクションは簡潔にしてある。ユーザーがシステムに入ってきたら、その人たちが継続してやってくるよう引き留めたいことだろう。

(※リテンションとは、継続的に顧客を引き留めること。リピーター、ファンをいかにつなぎとめるかという観点である。新規顧客を獲得すること、その新規顧客をリピーターに変えていくことの両方の視点が必要だ。)

収入の仕組み

この中には二つの大きなグループがある。売買方法と、売買対象である。売買方法は、売買対象を売買する方法である。売買対象は、実際に売買するモノをあらわすものである。たとえば、Amazon EC2の取引方法はユーティリティーモデルであり、帯域幅/記憶容量を取引する。eBayは、手数料ベース(papal)の市場であって、それは主に実物の商品を売買する(一部は仮想のこともある)が、プロアカウントにアップグレードするための会費モデルも有している。ウィキペディアは、寄付である。Competeは、データにアクセスするためにフリーミアムを有しているが、データライセンスもある。pogo.comはコンテンツにアクセスするのに会費が必要だ。Google AdWords / AdSenseは、一種のユーティリティーモデルである。Oracleはライセンスである。現金化のための戦略を組み合わせて積み重ねることもできる。

(※訳注:フリーミアムとは、基本サービスは無料で提供し、上級機能などを有料として提供する仕組みである。普通は無料だがプレミアムのあるmixiなどもこの一例として挙げられよう。)

じょうご

それぞれのエリアにはそれぞれのじょうごがある。そこをつたって、ユーザーは特定のプロセスに沿って進まなければならない。たとえば、Amazonで何かを購入するというポイントにいるユーザーは、最終段階に至るまでに5つの画面を通らねばならない。そして、このプロセスの過程でユーザーが失われる。すべてのじょうごのセクションは、それぞれに特定の複雑な仕組みがあり、関連するゲーム理論を有している。じょうごを最適化するのは重要なことだ。

お互いの関連

ある意味、すべてのものはお互いに結びつけられている。特筆に値する特殊な結びつきとは、特定の製品において、クチコミの仕組みが収入に影響し、また、クチコミの仕組みがリテンション(引き留め)の仕組みに影響を与えることがあるという事実である。リテンション・モデルも、収入の仕組みに影響を与える。

マップ化されなかったもの

これと同時にコストの仕組みもある。これは収入の仕組み、獲得の仕組み、リテンション方法、ときにはクチコミの仕組みによっても影響を与えられるので、コストもモデル化することを忘れてはならない。

(※訳注:これは、どのようなビジネスを展開するかが決定した後の段階で、では具体的にどのように集客・収入獲得につなげるか、という話である。実際にはその前の段階で、セグメンテーションとターゲティング(どのような顧客層を対象にするのか)に基づいたプランの策定が必要だ。特にプログラマー的な発想で作られたウェブサービスに多いように思うのだが、「どういうサイト/サービス」であるかは明確なのに、いざ「どういうユーザー層が使うのか」ということが明確にされていない場合がけっこうあるように思われる。)

要約

忘れないでほしいが、これは一つの状況におけるモデルと見解にすぎない。自分の製品についての構造を作り、新しい戦略やアイデアを生み出す助けとしてほしい。幸運を祈る。

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