第十五回文学フリマ【エ-39】『近代日本医学界抗争史』の危険な中身など #bunfree

どっち派!?近代日本医学界抗争史2012年11月18日(日)に東京流通センター(第二展示場)で開催される第十五回文学フリマにて、書き下ろし冊子『近代日本医学界抗争史』を頒布します。現役医師のほとんどが知らない、近代日本医学界の対立構造に関する初の通史。

このほか、小説など寄稿しています。

2012年11月16日01:09| 記事内容分類:創作・芸術, 告知(出版物など)| by 松永英明
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スペース情報

  • 開催日 2012年11月18日(日)
  • 時間 開場11:00~終了17:00
  • 会場 TRC東京流通センター第二展示場E/Fホール(モノレール...流通センター駅 駅前すぐ、バス...流通センター前下車(JR大森駅 東口5・7・9番乗場から12分、京浜急行 平和島駅から5分))

文フリ公式の案内→文学フリマ - 会場アクセス


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「ことのは( @kotono8 )」は2階【エ-39】、つまり2階の一番突き当たりの方向になります。休憩所が目の前にあります。

第十五回文学フリマ2階地図

お隣の【エ-40】奇刊クリルタイと今回も合体配置となります。レジも共通です。どちらかの本を一冊以上購入すると、ことのは特製ビニール袋とクリルタイ既刊一冊(またはバッジ)が無料でついてきます。

『近代日本医学界抗争史』

どっち派!?近代日本医学界抗争史

表紙には吉川にちのさんのイラストをレイアウトしています。100ページ、1000円。

目次

  1. 佐倉順天堂とポンペを中心とした主要登場人物伝
  2. イギリス医学vsドイツ医学(第一ラウンド)――ウィリアム・ウィリスの都落ち
  3. 東京帝国大学医科大学と京都帝国大学
    1. 病院(森林太郎(森鴎外)/現代語訳=松永英明)
  4. 和漢方医絶滅計画
  5. 漢方医断末魔の叫び――浅井国幹『告墓文』全文訳
    1. いわゆる和漢方医(森鴎外/現代語訳=松永英明)
  6. 長谷川泰と済生学舎廃校騒動
    1. 日本医育論(抄)(森鴎外/現代語訳=松永英明)
  7. 脚気論争――高木兼寛と北里柴三郎vs森鴎外
    1. 日本兵食論大意(森鴎外/現代語訳=松永英明)
    2. 非日本食論ハ将ニ其根拠ヲ失ハントス(森鴎外演説/現代語訳=松永英明)
  8. 医師会大騒動――文部省東大派と内務省私学派の最終決戦
  9. 大学令による大学の改変

はじめに

 近代日本――明治維新後の日本医学界は、抗争の歴史であるといっても過言ではない。だが、その歴史は断片的にはまとめられているものの、その「通史」とでもいうべき資料はほとんど存在しないのが実情である。

 そこで、わたしは、現役の医師でもその全貌を知らないという近代日本医学界抗争史をまとめることにした。それは、敵同士が呉越同舟の闘いを繰り広げることもあり、親友同士が敵味方に分かれ、それでも友情を保つこともあり、あるいは東大・文部省派に追い詰められた私学派が立場を越えて協力し合う、いわば水滸伝的な状況もあった。だが、ここまで泥沼の対立があったことは、非常に残念な歴史であると言わざるをえない。

 こうしてまとめてみることで、現代の医学界にもつながる問題点なども浮かび上がってきたように思われる。

 なお、本書には五編の森鴎外の著作を現代語訳して掲載した。森鴎外は文部省・東大赤門派の代表として、激しく敵対者と戦い続けたという側面もある。そして、これをまとめていく上で、どうしても鴎外には共感しにくい場面が非常に多かった。いや、むしろ鴎外の敵への共感を強めるところもあった。したがって、ここに現代語訳して引用した鴎外の文章は、わたしにとっては「こんなことを言っている」という立場での紹介であり、決してそれに賛同するものではないということを改めて書いておかねばなるまい。

 だが、だからといっても文部省・東大赤門派に敵対する者を絶賛しているかといえば、それも違う。それは本文を読んでいただければご理解いただけるものと確信している。

 医とは苦しむ人を救うためのものであってほしいという願いを込めつつ、この小史をまとめた。

 急ぎ作成した冊子のため、誤りも多々あると思われるが、その際はぜひ暖かくご教示いただければ幸いである。

森鴎外の現代語訳五編

本冊子では森鴎外の医療関係の論文や演説を五編、現代語訳して収録している。これらの論説は、本書では極めて批判的な文脈で取り上げられている。

  • 病院(森林太郎(森鴎外)/現代語訳=松永英明)
  • いわゆる和漢方医(森鴎外/現代語訳=松永英明)
  • 日本医育論(抄)(森鴎外/現代語訳=松永英明)
  • 日本兵食論大意(森鴎外/現代語訳=松永英明)
  • 非日本食論ハ将ニ其根拠ヲ失ハントス(森鴎外/現代語訳=松永英明)

詳細はこちらもご覧ください。→どっち派!?近代日本医学界抗争史 - みんなの文学フリマ情報

オリジナルビニール袋

隣の「奇刊クリルタイ」と共通レジで何かお買い上げの方に、ことのはオリジナルビニール袋と奇刊クリルタイ3.0を無料進呈します(先着順)

文学フリマ ビニール袋

寄稿1:【イ-28】『Phantasmagoria』

phantasmagoria.jpg

【イ-28】近江舞子さんの企画『Phantasmagoria』は"FUCK THE BORDER LINE"がテーマ。好きな作家へのトリビュート作品を集めたアンソロジー。近江舞子が「太宰治」を、森田紗英子が「浅田次郎」を、松永英明が「泉鏡花」を、泉由良が「江國香織」をカバーする。詳細→『Phantasmagoria』 - EMILY――私が寄稿した「天空樹堀」は1万5000字ほど、原稿用紙で40枚ほどの短編。

  • 「天空樹堀(てんくうじゅのほり)」Tribute to 泉鏡花――特に天守物語、海神別荘、夜叉ヶ池

 黄色い衣装に身を包んだ若いバスガイドの女性が、水色に見える小旗を掲げて、住宅街とも商店街ともつかぬ、車の行き交う二車線道路の歩道を進んで橋のたもとへ近づき、それまでうつむき加減だったものを急に振り返って後続の旅行者たちに声を掛ける。

「こちらの横断歩道を渡ったところの橋でございます、ここが有名な、……」

 言いさしたところで声を切って、少し立ち止まった。ガイドは若いが着いてくる客はほとんどが退職後の年代で、どうしても歩みの速さが違うのはやむを得ぬ。それを見て取ったのが、すぐ後ろを参加者の中で一人歩いていたやや細身の三十代半ばと見える男で、ガイドの少し手前で止まって同じように振り返って笑みをこぼした。

「ガイドさんは若いから、爺さん婆さん連中が着いて来られません。」

「あら、そういうこと言うもんじゃありませんよ……皆さん、無理しないでどうぞ。お好きなペースでお越しくださいまし」

「そんな暢気なことを言っていると、あの年代の人たちはどこまでも寄り道しかねませんよ。」

 と男は肩から下げた安めの一眼レフの紐を掛け直し、大きな声で、

「皆さん、寄り道しているとタワーが雲に隠れてしまいますよ、ほら、そこはまだ名所じゃない。」

 それをガイドが遮って、……

寄稿2:【エ-40】『クリルタイ7.0』

クリルタイ7.0【エ-40】お隣の奇刊クリルタイの『クリルタイ7.0』に、少子化時代の子育てに関する小論を寄稿しました。→詳細:chikumaonline : 奇刊クリルタイ7.0頒布のお知らせ

  • 「矛盾の子育て~少子化時代に矛盾を突きつけられる出産・子育てについてわたしが思う二、三の事柄~」

 少子化が問題視されるようになって久しい。

 しかし、女性の出産に関して、十代後半から二十代前半では妊娠しても堕胎か貧困家庭の二択を迫られ、二十代半ば以降は未婚でも既婚でも仕事があるために子育てに専念できないので(または子育てするほどの経済的余裕がないので)子供を作ることができず、やっと余裕のできてきた三十代に入ると今度は「卵子の老化」だの「高齢出産」だのと言われる年代になってしまって不妊に悩む人も少なくない……というのが、二〇一二年現在の「ちょっとおかしな」八方ふさがりの実態ではないだろうか。これで子供が増えるわけがない。

 一方で、「電車の中でベビーカーを畳まない母親へのバッシング」があったり、「親学」と称する一派が「発達障害は親の育て方が原因」という疑似科学的な非難を行なっていたり(虐待は発達障害の原因となるが、発達障害の原因はむしろ先天的なものなども大きい)、「保育園に預けて仕事をするのは愛情がない証拠」などと言われたり、あるいは母乳推奨が行きすぎて母乳の出づらい母親が精神的に追い詰められたりするなど、「理想的」とされる「完璧」な子育て方法を社会が強要する状況も根強い。

 ツイッターでわたしがフォローしている人が、こうつぶやいた。

「保育園に入れることが悪いとは思わんようにはなってきたが、保育園に預けて働いてる人には子育てしましたって言って欲しくないところはある」

 普段は理性的な発言が多い人だったので驚いた。そこでわたしはこう返した。

「「保育園に預けるのは育児放棄した悪い親だ」みたいな見方がなくならないと「だったら子供なんか産まない方がいい」みたいな人が続出するのも当たり前だと思ってます」

 正面からの反論のつもりだったが、こんな返答が返ってきた。

「それもちょっと思うんですよね。感情的な部分として。子供が欲しい、でも生活できない、のなら生まなくてもいいんじゃないの?って」

 保育園に預ける、すなわち「二十四時間三百六十五日フルタイムの子育て」をしていなければ子育てとは認めたくないという感情を、普段は理性的なツイートをする人でも抱いてしまっているのである。保育園を「育児放棄」的なものととらえる見方の根強さに驚いた。少子高齢化が問題となっている中、なぜこんな子育てのハードルを上げる発言が、「子育てに無理解な男性」どころか、当の女性の中からも出てしまうのか。

 今回は、こういった矛盾した状況にある現代日本の出産・子育て状況についての考えをざっとまとめてみたい。

寄稿3:【オ-26】『Kulturtrieb-G』Vol.4

学習院大学表象文化研究会『Kulturtrieb-G』 Vol.4 特集「旧ゼロ年代」に寄稿しました。詳細→KTG04 - みんなの文学フリマ情報ktg04

  • 「オウム真理教について考えるいくつかの事柄」

寄稿4:【A-08, A-22, B-45, B-48, C-38, D-15, ウ-06】『非公式ガイド)』

『文学フリマ非公式ガイドブック小説ガイド(第2版)』で二冊、自分の趣味に合った本を紹介しました。

  • 唐橋史『黒南風の八幡』(史文庫~ふひとふみくら~)【F-25】
  • 春秋梅菊『夜来香 中国短編小説集一』(龍の髭)【F-27】


委託販売:『団地少女』

団地少女

【イ-61,62】「ふぇにどら!!」の新刊『団地少女』を当ブースでも委託販売いたします。700円。詳細→phenyldruger(フェニルドラッガー) 第十五回文学フリマとCOMITIA102情報ーっ!!

ちなみにこれは東方の前回新刊『ゲニウス・ロキの歩き方』つながりです。Amazon.co.jp: ゲニウス・ロキの歩き方: 松永 英明, 幸田 露伴, ことのは編集室, 吉川 にちの: 本

ゲニウス

というわけでよろしくお願いいたします。

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2012年11月16日01:09| 記事内容分類:創作・芸術, 告知(出版物など)| by 松永英明
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