ブログ白書――ブログの氷山(ウェブログの3分の2は三日坊主)

※これは、ペルセウス社による調査結果を日本語訳したものです。訳者の感想がこちらにあります

2003年10月 9日14:50| 記事内容分類:05.ウェブログ統計資料| by 松永英明
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白書 ブログの氷山―― 412万のレンタル・ウェブログのうち、大半はほとんど見えずにすぐに捨てられていく

 ペルセウス開発株式会社(Perseus Development Corp.)は、8つの主要なブログ・ホスティング・サービスにある3634のウェブログを調査し、ブログ人口の雛型を作り上げた。この研究に基づき、ペルセウス社では約412万のブログがこれらのサービス上――Blog-City、BlogSpot、Diaryland、LiveJournal、Pitas、TypePad、Weblogger、Xanga――に作られたと推定する。

放置されたブログ

 最も劇的な調査結果は、調査されたブログの66.0%が2カ月間にわたって更新されていない、というものだ。つまり、272万のブログは永久に、または一時的に放置されているということである。どうやら、ブログ・ホスティング・サービスはあまりにも簡単にブログを作れるようにしてしまったため、多くの「タイヤキッカー(おざなりの点検をする人)」たちを、自分たちの始めたブログを続けようという気にさせなくなってしまったのだ。実際、109万のブログは一日だけの冷やかしで、その後の日には投稿が全くなかった。残り163万の捨てられたブログの平均持続期間は、126日(およそ4カ月)だった。驚くことに13万2000のブログが、1年以上続けられた後に捨てられていた(調査された中で最も古い捨てられたブログは、923日間維持されていた)。

 男性は女性よりもブログを捨てやすく、捨てられたブログのうち46.4%は男性が作ったものであり、男性によって作られた稼働中のブログとの比較では40.7%に当たる。放置率は年齢とは関係がなかった。ブログを放置した人たちは、ブログを続けている人たちの投稿記事の58%の長さの記事しか書かないけいこうがある。これは、書くことを楽しむ人たちほどブログを長く続けるということを示している。

 放置率は、どのサービスを使うかによってめざましく変化していた。Pitas、BlogSpot、Diarylandは平均放置率を上回っていた。Xangaは平均的な放置率。LiveJournalは放置率が最低だった(Blog-City、TypePad、Webloggerは比較するには母集団が小さすぎた)。

稼働中のブログ

 ブログはリンク接続で有名である。稼働中のブログのうち80.8%は自分のページでの投稿から少なくとも1つの外部サイトへのリンクをしていたが、これはめったに伝統的ニュースソースへはリンクされていなかった。稼働中のブログのうちわずか9.9%のみが2875の既成ニュースサイトのどれか一つにリンクしている記事を有していた。このため、実際問題として、ブログするとはニュース記事にリンクすることではない、といえる。

 ブログは一般的に考えられているよりもはるかに更新頻度が低かった。稼働中のブログは平均14日ごとに更新されている。レンタルブログのうち10万6579だけが平均して最低週1回更新されている。毎日更新されるのは5万以下である。

 1万3600のブログだけが、一度放置されたあとに再開された。これらのブログは、調査時には最近更新されたものであるが、以前には平均112日ごとに更新されていた。

 稼働中のブロガーの平均的なトップページには8日分の投稿が掲載されている。トップページの大きさは26.4kbだった(画像、ならびにJavaScriptやスタイルシートなどの外部コードを除いて)。

人口統計

 MP3共有とインスタント・メッセージがティーンエージャーから始まったのと同様、ブログの多数派はティーンエージャーが作ったものである。ブログは現在は若者の世界であり、30歳以下の人たちが作ったブログが92.4%である。

年齢幅作成ブログ数割合
10~125万55001.3
13~19212万000051.5
20~29163万000039.6
30~3924万10005.8
40~494万17001.0
50~591万85000.4
60~691万39000.3
合計412万0000100.0

 女性のほうが男性よりもわずかにブログを多く作っており、レンタルブログの56.0%になる。
性別作成ブログ数割合
男性181万000044.0
女性231万000051.5
合計412万0000100.0

予測

 主要サービスによって示された急速な成長率に基づいて、我々は2003年の終わりまでにはレンタルブログは500万を超え、2004年の終わりには1000万を超えると予想する。

 作成ブログ数増加率
200013万57311.3
200195万8182606
2002216万3636126
2003500万7272131
20041028万3687105

 BlogSpot と LiveJournal はこれらのレンタルブログの31%ずつを占める市場の2大先導者である。BlogSpotはさらに急速に成長しているが、その維持率は低い。二つのサイトは活発なユーザーに関して近い時期にも大接戦を続けることになりそうだ。

結論

 「ブログ」というとき、ほとんどの人は最も有名なウェブログのことを考える。それは一日に何度も更新されることもあり、何万という日々の読者を持っていることになっている。こういったブログは、非常に巨大な氷山のほんのわずかな目に見える先端部にすぎない。そして、氷山全体の特徴を示しているわけではない。

 水面下にあるものは、文字どおり何百万というブログであって、それは他人によってほとんど参照されることもない。なぜならそれは10代~20代のブロガー立ちの家族、友人、同級生、同僚についてのことしか書いていないからだ。それは微少な読者 ナノオーディエンスのためのブログといえる。

 微少な読者は、ブログが継続的に増大したことの論理的な結果である。1日に1億人の人たちがブログを常に詠み、彼らが50ずつの他人のブログを読むと想定してみよう。それは、50億の定期購読ということになる。それと同じ日に、2000万の稼働中のブロガーがいたと想定しよう。とすると、ブログごとに250人の読者ということになる(50億÷2000万)。これは伝統的な「1対多」コミュニケーション法よりもはるかに少ない読者数である。そしてこれは平均でしかない。実際には多くのブログは2桁以上の読者を有していない。

 ブログは様々であるが、典型的なブログというのは、10代の女の子が2カ月に1回、友達と同級生に最新情報を与えるために、日常生活で起こったできごとを書いたものだ。それは俗語混じりで非常にうちとけて書かれる(ほとんどが小文字なのに強調のところはすべて大文字で書かれる「unicase」の場合も多い)。だが、インスタント・メッセージの会話ほどうちとけてはいない(それはタイプミスと略語にあふれている)。氷山の下では、「ブログする」というのは社会現象――すなわち、ヤングアダルトのための持続的なメッセージ交換――となっているのである。

 氷山は常に海水に溶けているように、ブログの大多数は動きのない捨てられたウェブページの中に溶け込んでいく。しかし、現時点で、この氷山は非常に迅速に北極海へと向かっており、溶けるよりも多くの体積を増やしている。鍵となるのは、氷山とは見える部分だけではないということであり、それが現在のブログ・コミュニティなのである。

-- Jeffrey Henning
COO(最高業務執行責任者)
ペルセウス開発株式会社


注意

 これはレンタルブログについての数学的モデルであり、以下に若干の警告ならびに仮定が示されている。

・この分析は、レンタルではないブログについてはカバーしていない――自分のサーバー上で自分のツールを使って個人が維持しているブログは含まないということだ。このようなブログは設置には手間がかかり、レンタルサービスを使って作られたブログとは違った特徴を示すだろう。
・レンタルサービスのいくつかは、記事に「プライベート」あるいは「友人だけ」のものというマークをブロガーたちに付けさせ、そのような記事はログインした読者にのみ表示されるようにしている。もちろん、我々の分析ではそのような記事については含めることができない。
放置率は実際には、我々のモデルが予測するよりもはるかに悪い。上記8サイトのうち一つ(Diaryland)は6カ月以上更新されていないすべてのブログを最近削除してしまったからである(多のサイトは残してある)。結果的に、我々はDiarylandの放置率を独自に見積もることができない。これは、作成されたが放置されたサイトの数をおそらく25万ほど低く数えている、ということである。
・ほとんどの人口統計データはLiveJournalとXangaから取られた。これらはユーザー・プロフィールから正式に採集されたものである。他のサービスのブログサイトからも、可能なときには人口統計データがとられた。
2875の既成ニュースサイトは、Googleニュースの情報源からとられた。
・この調査は、95%信頼区間で2.85%有意である。言い換えれば、データの数値の95%は、実際の母集団の2.85%の誤差に収まっているということだ。調査標本誤差(信頼区間に反映される)は、ただ1種類の調査誤差である。
・これは、ブログ・コミュニティについて行なう一連の研究の一つであり、今後、コミュニティについての理解を深める助けとなるとともに、ブログ調査方法論を洗練していくことになろう。

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