震災後、「今わたしにできること」なので、「今わたしがやっていること」「これからやりたいこと」

大震災から3週間が経ち、いろいろと混乱も起こっているが、その中で自分のやれることを淡々とやることが大事だと思う。やれることをやらないのも、やれないことをやろうとして無理するのも、どちらもよろしくないだろう。

一方で、「自分には何もできない」と非力感に陥っても仕方がない。たとえ小さくても、間接的でも、何かやれることはきっとある。

自分の場合はどうなのか、本当に小さなことばかりではあるが、もしかしたら何かの参考になるかもしれないと考え、「わたしが実際にやっていること」「これからやろうと思っていること」を書いてみたいと思う。

2011年4月 4日01:00| 記事内容分類:日本時事ネタ| by 松永英明
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タグ:アンテナショップ, 大震災, 花見|
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なお、「節電」などACのCMなどでも言われていることは特には挙げないことにする。また、以下の記述は都内在住者であることを前提としている。

被災地・被災県の産物を買うこと

これからの日本経済を縮小させないために「経済を回す」ことが重要であるとされている。その一方で、被災県やその周辺地域の産品などが風評被害に遭い、売れ行きが伸びているという状況がある。

そこで、私は「被災地・被災県の産物を買うこと」を積極的に行なっている。もちろん、それは被災地以外の産物に申し訳ない気もしているのだが、考えてみれば放射性物質を恐れて周辺県のものを避ける人の方が多いはずだから、気にすることはないだろうと思う。

たとえば、先日は福島の米「ひとめぼれ」を購入した。スーパーでは店頭から被災地周辺の米が消えたところも多いが、お米屋さんでは気にせず売られているところが多いように思われる。

そもそも、今売られている米は去年の秋に収穫されたもので、しかも都内で売られているということは秋から今まで都内の倉庫にあったということだ。今回の震災で放射性物質に汚染された米が出荷されている可能性はゼロである。それなのに福島などの米が忌避されているとしたら、風評被害も甚だしい。

また、先月末、私は都内のアンテナショップめぐりを行ない、青森(4店舗)・岩手・宮城・福島の各アンテナショップで食品を購入した。そういうわけで、今日のお昼は宮城産のレタスに青森のパストラミ、夕食は岩手のジャジャ麺であった。実際に私が回ったアンテナショップのルートと購入品は、メルマガ記事「No.109:東北被災4県の都内アンテナショップめぐり - ゲニウス・ロキ探索」に記したので興味のある方は参照していただければ幸いだが、別にアンテナショップに限らず、被災地産品を見かけたら重点的に買うということは、応援の気持ちを実際に行動として示す意味があると思う。 青森アンテナショップ アンテナショップ3県 アンテナショップ購入品

そういうわけで、「経済を回そう」+「被災地の経済を支援しよう」=「被災県や周辺の産品を重点的に買う」ということだと考えて、実行している。

募金すること

募金はすでにみんなやっていると思うが、私もできる方法でやるようにしている。

実は地震が発生したとき、私は松戸神社の境内にいた。というのも、当日は「トリプル歌姫ライブ」(alan、hiroko(mihimaru GT)、後藤真希)が松戸・森のホール21で開催予定だったため、少し早めに松戸入りしてメルマガのネタの取材をしていたのだ。

当然ながらライブは中止となり、後日払い戻しとなった。そこで、私はチケット代4800円の全額を「国際NGOワールド・ビジョン・ジャパン」に寄付することとした。ワールド・ビジョンを選んだ理由は、

  • 以前から、世界の子供たちの支援のために、直接的支援だけでなく子供たちのいる環境そのものの改善に取り組むという広い視野で活動していること
  • 今回、「東日本大震災緊急支援募金」として明確に震災を目的とした募金が可能であったこと
  • 早い段階から緊急支援物資を現地に届けている状況がすでに報告されていること
  • 認定NPO法人であること

など、信頼を寄せてよい団体だと考えたことが理由である。もちろん、それ以外の団体でもかまわないのだが、個人的にはワールド・ビジョンに託したいと思ったのだった。

チケット募金

また、3月19・20日に、今田耕司さんの呼びかけにより下北沢の北沢タウンホールで開かれた「よしもとチャリティーフリマライブ」に参加した。私の購入品は今田耕司さんの私物ハット5000円、鈴木おさむさんのゲームソフト(Wii用「戦国無双」ほか3本)1000円。連れがフルーツポンチ村上さんの3DSを購入していた(定価よりかなり安いフリマ設定だったので、その差額を別途寄付していた)。

今田耕司ハット

逆に、自分が何か出品することで募金につながることができないかと考えた末、ブクログのパブーで電子書籍を売って、その収益を寄付しようと思った。だが、パブーでは売り上げの3割が手数料として徴収されるので「印税」は7割になってしまう。それで悩んでいるとツイートしたら、パブーのプロデューサーの吉田健吾さんが直後に「多少想定の形が違うかもしれませんが、作品の売上げ全額を義援金とする仕組みをつくりましたー」とツイートしてくださって、見にいったら理想的な設定が可能になっていた。それがあまりに嬉しくて、1時間で電子本を作って公開した。

全額が日本赤十字への寄付になるので、もしよろしければご購入ください。

なかなか現地へ赴いて直接的な支援ができない場合、「お金」の支援というのは「必要なものを必要なときに買ってもらえる」という意味でも、今後必要になってくると思う。もちろん、自分の手元に現地で役立つものがある場合は、物資による支援も当然よいことだと思う。

これからやりたいこと

まだ桜(染井吉野)は満開ではないし、肌寒いのでまだ実行していないのだが、都知事の自粛要請など無視して花見をやろうと思っている。もちろん、単なる反抗とかではないので、ちゃんと大人の花見を計画する。詳細は石原都知事の「花見自粛」には従うな。ひと工夫して「2011震災を乗り越えよう花見」をやろう![絵文録ことのは]2011/03/31に書いたが、仮設トイレや警察官が少ないことに配慮しつつ、被災県の産物や酒を購入し、犠牲者を追悼し、復興を祈りながら花を見るのであれば、決して自粛すべきではないだろうと思う。

また、今のところ現地の要請とこちらの状況がうまくマッチしていないが、いわき市などへボランティアに行ければと考えている。体力はあまりないので、何らかのお手伝いができれば。

すぐにでも受け入れできるのが、避難所などでペットを飼えないと言われた人のペットを一時預かり(うちの場合はネコ1~2匹可能)。ただ、こちらもマッチングがうまく整っていないようで、今のところは実行に移せていない。

長期的な希望としては、震災・津波等で親や親族を失って身寄りのなくなった子供の里親もしくは養親になれればと思っている。ただし、里親や養親になるにはいろいろと面倒な手続きや審査があるので、そこがネックである。東浩紀氏も私のツイートにこのように答えている。

この災害を機会に養子の習慣も拡がるといいですね。RT @kotono8 あしなが、あるいはワールドヴィジョンがおすすめです。私はできれば災害で親を亡くした子供をひきとれればと思っているのですが、手続きや認定があまりにもややこしくて。(@hazuma

それ以外にもいろいろやれることは長期的に出てくるのだろうと思っている。また、たとえば選挙では「津波は天罰」などと言うような候補に投票しない、というのも一つの決心である。

いちばん大切なこと

一番大切なのは、多くの人が思っているように「困っている人のために、それに比較すれば困っていない自分ができることは何かないだろうか」という気持ちを持ち続けることだと思う。これこそ利他心というものであり、最も貴いものだと思う。その気持ちに対して、偽善だとか売名だとかいう言葉は関係ない。

困っている人に何かできることをしたい、つらい人のつらさを和らげる手助けをしたい、また自分の力でがんばりたい人が自分でやっていけるようにしたい。そういう気持ち、利他心が一番大事なことである。その気持ちがあるならば、たとえ少額の寄付であったとしても貴いものだ。1万円の寄付が、100億円寄付した人の100万分の1の価値しかない、などということは決してない。

むしろ、利他心を背景にして、自分が無理なくできる精一杯のことをやっている、あるいはいろいろ工夫しようと思っているということ自体が大切なことだ。もし今は大したことができなくても、何か役立ちたいという気持ちさえしっかりと持っていれば、いざ何か自分にできることが目の前に飛び込んできたとき、きっと行動に移せるだろう。それが大事なのだ。

もちろん、そういう気持ちがあれば、この混乱に乗じて詐欺や荒稼ぎを狙うような火事場泥棒に成り下がるようなことはありえないだろう。

私のやれたことなどたかが知れたものではあるが、「少しでも役に立ちたい」の気持ちが広がることを望んでいる。

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2011年4月 4日01:00| 記事内容分類:日本時事ネタ| by 松永英明
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