《松永英明のゲニウス・ロキ探索――「場所の記憶」「都市の歴史」を歩く、考える 》はまぐまぐで発行されているメールマガジンです。

No.109:東北被災4県の都内アンテナショップめぐり

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当メルマガでは、昨年6月に2回にわたって「都内アンテナショップめぐり」
の記事を配信しました。

No.085:東京都内の都道府県「アンテナショップ」巡り(前編)2010年06月07日
No.086:東京都内の都道府県「アンテナショップ」巡り(後編)2010年06月14日

東京都内には都道府県の「アンテナショップ」が多数出店されています。
アンテナショップとは、もともと製品紹介や、消費者の反応を見るために
作られるショップのことで、どうやら和製英語のようです。

東京都内、特に日本橋・京橋・銀座・有楽町・新橋一帯のエリアには、都
道府県が出店しているアンテナショップが集中しています。これは地元の
観光ガイドや特産品紹介のみならず、企業誘致などのアピールを行なって
いるところもあります。

去年5月のアンテナショップめぐりでは、2日間で都道府県アンテナショッ
プ37軒(34都道府県)、総合的アンテナショップ5軒(うち1軒は営業時間
終了後)を回ることができました。このときのルールとしては、「同一都
道府県のショップが複数出店されているときには、必ずしも回らなくてよ
い」ということにしていました。その結果、長崎を除いて都内にアンテナ
ショップが展開されている都道府県はすべて網羅できたのでした。

さて、今回の東日本大震災では、東北の太平洋側沿岸を中心として大きな
被害が出ました。経済を回すことが大切だとも言われていますが、被災地
の産品を積極的に購入することができれば現地の収入を支えることにもな
り、一石二鳥とも考えられます。

そこで今回、特に被害の大きかった青森・岩手・宮城・福島のアンテナシ
ョップを、重複をいとわずにできるだけまわる計画を立てました。

◎アンテナショップリスト

今回、該当するアンテナショップは以下のとおりです。このうち、◎は前
回も訪れたところ、○は初訪問、△は今回訪問を断念したところです。

【青森県】
○飯田橋:あおもり北彩館東京店(千代田区富士見2丁目3-11)
◎新富町:青森県特産品センター(中央区新富1-3-9)
○戸越銀座:JA全農あおもり(品川区平塚2-14-8)
○亀戸:青森物産ショップむつ下北(江東区亀戸3丁目60-17)

【岩手県】
◎東銀座:いわて銀河ショップ(中央区銀座5-15-1)

【宮城県】
◎池袋東口:宮城ふるさとプラザ(豊島区東池袋1-2-2)

【福島県】
◎八重洲:福島県八重洲観光交流館(中央区八重洲2-6-21)
△葛西:アンテナショップふくしま市場(江戸川区東葛西9-3-3
  イトーヨーカドー葛西店内)

葛西はちょっと遠くなるために断念しました。
一方、アンテナショップ密集地は日本橋~有楽町・銀座~新橋のエリアな
ので、飯田橋や戸越銀座は前回未踏に終わりましたが、今回はこちらを含
めることとしました。また、ツイッターで亀戸に新しいアンテナショップ
(むつ下北)ができたという情報も得ていたので、それもルートに入れる
ことにしました。

これ以外のアンテナショップもルート上にある場合は立ち寄るというのが
今回の計画です。

なお、茨城・千葉も被害は大きいのですが、都内にアンテナショップを出
していないのでこのリストからは漏れています。

また、日本海側の東北二県ショップは今回は見送りとしました(前回立ち
寄っています)。

◎おいしい山形プラザ(中央区銀座一丁目5-10)
◎秋田ふるさと館(千代田区有楽町2-10-1東京交通会館1F)

今回のコースはこんなルートとしました。

飯田橋→(JR総武線)→亀戸
→(JR総武線→浅草橋駅→浅草線→宝町駅)→新富町
→(徒歩)→築地・東銀座・銀座・八重洲
→(東京駅→JR山手線→五反田→東急池上線)→戸越銀座
→(東急池上線→五反田→JR山手線)→池袋

池袋起点にすると、池袋→(有楽町線)→飯田橋と一本で行けて無駄がな
いのですが、こちらの出発地が渋谷か新宿経由であること、池袋の宮城シ
ョップは何度も行っているので時間切れの際は断念することを想定して最
後になりました。

写真はこちら
http://f.hatena.ne.jp/GeniusLoci/No109/
カメラの設定が失敗していたようで、全体にピントが甘くなってしまいま
した。参考程度にご覧ください(携帯で撮った方がマシな感じでしたので、
その写真も加えてあります)。

青森北彩館

○飯田橋:あおもり北彩館東京店

最初は飯田橋のあおもり北彩館です。飯田橋駅の西口(神楽坂の方)から
早稲田通り沿いに歩いてすぐ。こちらには青森県の特産品が一通り揃って
います。ここは品揃えも悪くありません。

購入品:ぐるっと八戸味めぐり むしりたら(八戸市・味の海翁堂)

続いて飯田橋からJR総武線に乗って亀戸駅まで一直線に向かいます。

青森むつ下北

○亀戸:青森物産ショップむつ下北

亀戸周辺を歩くのは初めてです。亀戸駅北口へ向かいます。ショップは亀
戸香取神社参道の商店街の中にあるというので、駅に置かれていた亀戸周
辺マップで神社を目指して歩きます。

駅から5分少々で、亀戸香取・勝運(かちうん)商店街の入り口に着きます。
江東区で「レトロ商店街」としてアピールしているようで、なかなかおし
ゃれな感じのお店が多く見られます。その一角に「むつ下北」がありました。

実はこのお店は震災翌日の3月12日オープン。そのため、来る予定だった
取材なども軒並みキャンセルになったようです。店主の方からいろいろお
話をうかがいました。店主はもともと下北半島出身でしたが、東京生活も
長く、下北半島の物産を紹介したいということでアンテナショップを開店
することにしたそうです。つまり、このお店は個人によるお店で、行政が
絡んでいる他のアンテナショップとはちょっと毛色が違うようです。また、
都道府県単位でなく、県内の一部地域を扱う店舗としては初めてではない
かとのこと。

いろいろアンテナショップをめぐって研究されているようで、こぢんまり
としたお店ですが商品のセレクションもバランスよく感じました。下北の
ひばもプッシュされていたり、これから楽しみです。

ただ、震災で物流が滞っており、前日やっと入荷したものもあるという話
でした。

購入品:
直火焼りんごカレー・ルー(弘前市・岩木屋)
ほたて煎餅(むつ市・八戸屋)

神社の参道なので、突き当たりが亀戸香取神社です。亀戸の名前の由来に
なった「亀が井戸」が復元されており、まさにここが亀戸の中心というこ
とになるようです。

そこから5分ばかり歩いて亀戸天神社へ。ここは東京十社の一つにも入って
います。東京十社ではそれぞれ小さな絵馬を販売しており、それを全部集
めて貼ると大きな絵馬になる仕組みがあるのですが、これで4つめの絵馬が
揃いました。

亀戸天満宮からはスカイツリーがよく見えます。スカイツリーと赤い橋、
古い神社の組み合わせが見られるという意味では、極めてよいロケーショ
ンだと思われます。
池にはかなり多くの亀がいました。その横に一羽の鳥が。アオサギのよう
ですが、絵柄的にはちょうど「鶴と亀」っぽい雰囲気でめでたい様子です。

さて、ゲニウス・ロキっぽい神社をめぐって、亀戸駅に戻ります。

青森新富町

◎新富町:青森県特産品センター

亀戸からJR総武線で浅草橋駅へ。そこで地下鉄浅草線で宝町へ向かいます。
新富町の青森県特産品センターは前回も行きましたが、他のショップから
一つ離れて建っており、しかも最寄り駅が宝町・八丁堀・新富町と、いず
れの駅からも少しずつ離れています。

宝町から高速をくぐって新富町一丁目交差点の角へ向かうと、小さなスー
パーのような特産品センターがあります。こちらのお店では、商品ごとに
青森県のどのあたりの産品かを小さな地図にマークで教えてくれるので、
非常に参考になります。アンテナショップでは、その県の地図を用意する
こと、商品がそのどこからきたのかがわかりやすくすることは大事なこと
だと思います。

今回は震災復興支援ということで主に太平洋側のものを選びました。

購入品:
紫蘇梅漬(※八助梅=杏)(八戸市南郷区・島守農産加工グループ)
テレビでも紹介されたもののようです。
http://www.kenminkan.com/user/scripts/p_product.php?product_id=49
杏の梅漬け | 秘密のケンミン館

☆築地・東銀座

さて、ここからもう一度浅草線に戻って戸越駅まで行けば4軒目の戸越銀
座の青森ショップに行けるのですが、他の県のアンテナショップがありま
すので少し回っていくことにします。

徒歩で築地の方向へ。ちょっとした散歩という感じです。
築地の場外市場に長崎ショップと高知ショップがあります。こちらは前回
完全に見逃し、その後別の機会に訪れたときには時間が遅くて閉店してい
たという、なかなか出会えないアンテナショップです。

今回は長崎ショップはやはり閉まっており、高知ショップがかろうじて開
いていましたが、片付けが始まっているようでした。やはり築地は朝に来
るべきでしょう。

築地から東銀座に向かいます。途中のナチュラルローソンの中に信州ショ
ップがあります。そこからさらに進んで、すでに取り壊された歌舞伎座の
向かいが、アンテナショップの中でも極めて充実度の高い、いわて銀河シ
ョップです。

いわて銀河プラザ

◎東銀座:いわて銀河プラザ(中央区銀座5-15-1)

前回のアンテナショップめぐりでの個人的ランキングでは、沖縄わしたシ
ョップと一位・二位を争うほどの充実度を見せているいわて銀河ショップ。
ところが、今回は店内の棚ががらんとしてしまっています。入荷が滞って
いるようなのです。

三陸名産いちご煮(ウニとアワビのお吸い物)の缶詰などはありましたが、
これも一度売り切れたら次に届くのはいつになるでしょうか……。

購入品:
ウニとアワビのお吸い物三陸名産いちご煮(洋野町種市・宏八屋)
いわて盛岡発 じゃじゃ麺(奥州市胆沢区・小山製麺)

☆東銀座から銀座へ

いわて銀座プラザから少し行くと、私のすきな「ぐんまちゃん」が待って
います。群馬県アンテナショップ「ぐんまちゃん家(ち)」は、改装して
広くなっていました。

さらに銀座・有楽町方面へと向かいます。ソニービルのPLAZA GINZAの角を
南に行くと、熊本県アンテナショップ「銀座熊本館」の向こうに、めざま
しテレビの全国物産ショップ「めざマルシェ」があります。前回来たとき
には13階建てのビルまるまる使った47都道府県総合物産アンテナショップ
になっていたのですが、現在は4階のみに縮小、しかも節電のため1階・2階
のみの営業となっていました。以前はてっとりばやく都道府県物産を手に
入れるならここが一番お手軽だったのですが、品揃えも少なく、ちょっと
寂しい状況になってしまっていました。

さて、有楽町には多数のアンテナショップがあります(秋田県の「秋田ふ
るさと館」もその一つ)。しかし、今回は先を急いで北上します。

間もなく見えてくるのが、私の評価ではアンテナショップ最高峰の沖縄
「銀座わしたショップ」です。立ち寄ると時間を過ごしてしまいそうなの
で、表のシーサーに挨拶だけして終わりにします。
その隣に新しくできた店が、高知の「まるごと高知」です(2010年8月21日
オープン)。ここもなかなかよいお店で、築地のコウチ・マーケットと吉
祥寺の高知屋に続く店舗として非常に力が入っています。地下の「とさ蔵」
もお酒や工芸品などが揃っていい感じでした。

福島八重洲

◎八重洲:福島県八重洲観光交流館(中央区八重洲2-6-21)

そこからさらに東京駅に向かって行くと、八重洲ブックセンターの手前に
福島県のアンテナショップがあります。看板が「ほっとするふくしま」に
なっていました(ちょくちょく変わっているような気もします)。以前店
頭にいた赤ベコの姿が見当たらないのですが、震災前から修理に出ていて、
今も元気だそうです。

さて、震災もさることながら原発の被害も大きい福島ですが、できれば福
島産の食品を買って応援したいなと思いました。しかし、なかなか浜通り
(福島県の沿岸地方)の産品がありません。全体にかなり品薄とはいえ、
会津や郡山などの産品はけっこうあるのですが……。

購入品:
いわき名物 長久保のしそ巻(いわき市・長久保食品)
鮫川 達者の味噌(鮫川村産大豆「ふくいぶき」100%使用)(製造者=鮫川村)

ちなみに、先日、福島産の米を買いました。収穫は去年の秋で、都内にず
っと保管されていたのだから、たとえ原発から数キロ以内で収穫されたも
のだとしても放射性物質を気にしなくていいのは当然です。しかし、買い
控えが多いのも事実。

買えるうちに福島米を使った味噌を買っておこうと思ったのでした。

さて、ここからは東京駅へ。八重洲口の高速バスターミナルを通って気づ
いたのですが、いわき駅までは高速バスが復旧していたのですね。

東京駅から山手線で五反田駅へ。五反田あたりはあまりなじみがないので、
東急池上線の五反田駅ホームが地上4階にあることに少し驚きました。池上
線ホームからJRホームを見下ろすとなかなか壮観です。

青森戸越銀座

○戸越銀座:JA全農あおもり アグリショップ東京店(品川区平塚2-14-8)

以前から来たいと思っていた「戸越銀座」初上陸です。「○○銀座」と名
が付く第一号商店街で、これは震災後に銀座のがれきで低地を埋め立てた
ことに由来します。足下の銀座の名残に思いを寄せつつ、JA全農あおもり
アグリショップ東京店へと向かいます。

こちらはずらりと並んだリンゴが4個400円(1個120円)と壮観。青森も入
荷が減っているとはいえ、岩手・宮城・福島に比べればまだ品揃えが復旧
している方だと思われます。

購入品:
豚トロスモーク(パストラミ)(田舎館村・青森畜産公社)

パストラミというのはそのまま食べられるらしく、パンやレタスで挟んで
食べると美味しいらしいです。

最後の池袋はさすがに体力的に無理かと思いましたが、山手線で座れたの
でそのまま向かいます。

宮城池袋

◎池袋東口:宮城ふるさとプラザ(豊島区東池袋1-2-2)

池袋東口の宮城ふるさとプラザはこれまで何度か行ったことがありますが、
棚ががらがらになってしまっていました。ずんだ餅があれば買おうと思っ
ていたのに、全然なくて断念。

ちなみに、節電と在庫薄のために、営業時間が18時までとなっていました。
今の時期にアンテナショップに行かれる方は、できるだけ早い時間に行か
れることをおすすめします。

購入品:
手造り銘品 しそ巻くるみ揚(大崎市鳴子温泉・狩野食品)
仙台麩(あぶら麩)(登米市・山形屋商店)
カラフルリーフレタス(宮城県産)

というわけで、ここで今回のアンテナショップめぐりは終了となりました。
葛西にはまた改めて行きたいと思います。

青森産品
岩手産品
宮城産品
福島産品

◎行程を振り返って

東北産品を積極的に購入することが現地の復興の役に立つことは間違いな
いと思います。アンテナショップ以外でも東北の品物を買っていきたいと
思います。

また、今回アンテナショップを回って、これらのお店が「東京に地元の商
品や観光情報を紹介する」という機能だけではなく、もっと広い意味で、
東京と各都道府県を「つなぐ」役割を持っていると感じました。入荷がと
どこおって品薄であるという事実一つを見ても、現地とのつながりが深く
感じられます。

◎推奨ルート

実際にアンテナショップを回りたいという場合、以下の点にご留意くださ
い。

・青森県ショップは4店舗ありますが、品揃えはやはりかぶっているもの
がけっこうありました。4店舗すべてを回ろうと無理をせず、別の県のシ
ョップを回るように考えた方がよいと思われます。

・今の時期、節電や在庫の関係で営業時間が短縮されています。5時くら
いまでに全部回れるように余裕をもってルートを決めるのがよいと思われ
ます。

・東北6県すべてをまわる最短ルートは、

池袋(宮城)→(有楽町線)→飯田橋(青森)→(東西線)
→(日本橋駅乗換)→(都営浅草線)→東銀座(岩手)
→(徒歩)→銀座一丁目(山形)→(徒歩)
→有楽町東京交通会館(秋田)→(徒歩)→八重洲(福島)

となると思われます(徒歩少なめを考慮し、アンテナショップ密集地の
銀座・有楽町近辺を中心としました)。
山形・秋田を省略する場合は、いわて銀河プラザから銀座駅まで歩き、
メトロ銀座線で一駅の京橋駅下車が楽です。

思ったよりも意外と歩きますので、無理のないように計画を立ててくだ
さいね。もちろん、健脚の方はその限りではありません。

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■がんばろう!福島フェア!!
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八重洲ブックセンター隣の福島アンテナショップで、4月2日・3日(土日)
に「がんばろう!福島フェア!!」をやるとのことです。
販売品目は、いちご・アスパラガス・きゅうり・しいたけ・たらの芽。
売上金は福島県内被災者のための義援金として、福島県災害対策本部へ寄
付されます。


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