「ツイッター」と一致するもの
「災害ユートピア」と「震災ナショナリズム」
「災害時にも沈着冷静で礼儀正しい日本人」――それは実は、全世界の被災地で普遍的に見られる現象だった。
6月12日の文学フリマに合わせて作った個人誌『東日本大震災でわたしも考えた』では、ブログに掲載した記事をさらに拡張・加筆修正を加えただけでなく、いくつかの書き下ろしも入っている。その一つが『「災害ユートピア」と「震災ナショナリズム』」という文章である。
ここでは、その前半部分をそのまま掲載する(一部囲み記事や図版は省略)。
第十二回文学フリマ・スタンプラリー(無料/非公式)のご案内 #bunfree
2011年6月12日の日曜日に大田区産業プラザPiOにて開催される文学フリマで、スタンプラリーを実施することになりました。
その詳細についてご説明します。ぜひふるってご参加ください。
「被曝」という言葉の誤用があまりにも自然に広まっている
「被曝(放射線にさらされること)」と「被爆(原水爆の被害を受けること)」が同音異義語だという知識は震災後広まったが、一方で「被曝」という言葉の誤用があまりにも自然に広まってしまっているようである。
被曝とは「人体に悪影響を及ぼす可能性のある物質に曝されること」である。したがって、放射線の量が多かろうと微量だろうと、とにかく放射線を浴びたら「被曝」である。ところが、どうやら「健康被害の出るような量(あるいは基準値以上の量)の放射線を浴びること」を「被曝」と考える誤用が広まっているようなのである。
最初にその実例を見たのはmixiで「子どもたちは0.3mSv/yでも被曝すると信じている人」という表現だった。いや、0.0001mSv/yでも被曝は被曝なのである。
石原慎太郎支持者の都内分布を地図化してみた
私は常々公言しているとおり、石原慎太郎4選で心から失望した人間である。今まで一度も石原に投じたことはなく、常に石原の対立候補に投じてきた。今回の都知事選では、石原は最初に消去したものの、東国原・ワタミとも消去の対象となり、結果として石原を下ろす結果にならなかったのが悔やまれる。
もっとも、石原支持は特に年齢が高くなるにつれて「盤石」の域に達していることも実感していた。
この都知事選について、遅ればせながら「石原支持」声なき声の260万票を読み解く - 話の栞というブログ記事があることを知った。ここでは「各自治体ごとの石原票をそれぞれの総投票者数で割った数字」が一覧にされている。そこで、その数字を実際に地図で色分けしてみた。
「地震兵器」説の徹底分析と致命的欠陥、陰謀論の本当の危険
現在、陰謀論ジャーナリストのベンジャミン・フルフォード氏やリチャード・コシミズ氏などが「東日本大震災は地震兵器によって起こされた」という説を唱えており、完全に心酔した元広島県議会議員がツイッターで強く主張するなどの状況となっている。
確かに、小規模であれば人工的に地震を起こせることは事実であるが、今回の大震災を地震兵器によるものと見なすことはできない。そのことはすでに山本弘氏の詳細な検証もあるが、ここで地震兵器説そのものの問題点を指摘しておきたい。
第十二回文学フリマ非公式スタンプラリー企画案
2011年6月12日に開催される文学フリマにて、スタンプラリー企画を実施したいと考えています。文学フリマ事務局とは関係ない独自の企画です。
ご賛同いただける場合はメールにてご連絡ください。詳細は以下のとおり。
震災後のデマ80件を分類整理して見えてきたパニック時の社会心理
ツイッターの「東北関東大震災に関するデマまとめ」(jishin_dema)」さんが中心となって、主にツイッター上を流れるデマ情報とそれに対する分析の収集・告知が精力的に行なわれており、多くの人が情報提供や検証に加わっている。震災発生直後から1週間程度がデマのピークではあったが、現在も新たなデマは生まれつつあり、また過去に否定されたデマが生き続けているものもある。
そのツイートをもとに@omiya_fctokyoさんがTogetter - 「「東北関東大震災に関するデマまとめ」のまとめ」を作成され、わたしも気がついたら編集に参加している。
今回、この「デマまとめのまとめ」をもとに、震災発生後約1カ月間のデマ80件をピックアップ、パターン別にまとめてみた。
※この記事は震災後1か月足らずの時点でのまとめです。同年6月に発行した冊子『東日本大震災でわたしも考えた』では震災後のデマ100件の分類整理を行なっていますのでぜひこちらもご参照ください。
「報道表現能力検定」開始!記者クラブ解体後の記者会見参加資格に採用【4/1】
現在、マスメディアやネットメディアの「質」が問われる一方、フリーランスやネットメディアの記者会見参加などが課題となっている状況があります。そんな中、「報道表現能力検定協会」が結成され、「報道表現能力検定試験」を実施、その合格級数に応じて記者会見の参加資格が決定されるという画期的な試みが始まります。
たとえば「今回の官房長官記者会見には、報道表現能力検定準一級以上の合格者が参加できます」「東電記者会見は同二級以上」「広く開かれた記者会見なので四級以上なら可」などと指定することで、会見に参加する記者の「質」を主催側がコントロールし、一方で記者の側も所属にかかわらず実力によって参加できるというメリットが生じます。
この報道表現能力検定の詳細を以下、公開します。
大震災復興への気分を変えるために「災異改元」はいかが?
ツイッターの私のTLで「災異改元をしてはどうか」という声がちらほら上がっていた。「災異改元」とは、天変地異、疫病、兵乱などの災害が起こったときに、その影響を除くために改元するものである。もちろん、現在は一世一元の制となっているので天皇の代替わり以外に改元されることはないということになっているが、歴史上、災異改元は非常に多い。
元号そのものに対する賛成・反対はさておき、元号というのが日本人の意識に与える影響は非常に大きいように思われる。また、今回の大震災がこれからの時代を大きく変えるのではないかと予感している人も多い。
歴史的には一世一元ということになってからわずか150年ばかりのことでもあるし、思い切って災異改元してみるのも、人々の気分が変わって「日本復興」の一助になるかもしれないと思う。
福島・双葉病院「患者置き去り」報道の悪意。医師・看護師は患者を見捨てたりしていなかった(追記あり)
福島県大熊町の「双葉病院」で、医師・看護師が患者を見捨てて逃げていた、という報道がなされていたが、実際には現場の状況は大きく異なることがわかった。これは、病院関係者の家族によるツイートもあり、また後発の報道でも(見出しは悪意あるものの)内容的には「患者を置き去りにして職員だけが逃げた」というような悪評を完全に否定するものとなっている。
現地での直接取材はかなわないが、当事者のツイートなどを「Togetter - 「福島・双葉病院「患者置き去り」報道に関する情報」」にもまとめてみた。若い人なので表現が至らないところもあるようだが、その趣旨を酌んで以下、簡潔に状況をまとめてみたい。
少なくともマスメディアは名誉回復を全力で行なうべきだと思う。
※最終更新2011/3/20