「交渉人(談判専家)」が見事に男性を救出。飛び降り自殺ショー3題【重慶】

 映画「交渉人 真下正義」が上映中だが、中国・重慶では昨日3件の飛び降り自殺未遂事件があり、交渉人(中国語で「談判専家」)が自殺を思いとどまらせたという報道があった。中国の交渉人の手際を写真入りで紹介する。出所は「重慶商報」。

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現場では救出に手を尽くす。多くの野次馬が見物。記者・鍾志兵が撮影(クリックで画像拡大)

2005年5月28日14:36| 記事内容分類:中国時事ネタ| by 松永英明
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江蘇省の若い男性が、「解放碑」の百貨店屋上から飛び降り自殺をほのめかし、“談判専家(交渉人)”が2時間で傷心の男を救う

 昨日午後、恋愛もお金も失ってしまったという江蘇省の男性が、解放碑(※重慶の繁華街)にある「美美時代百貨」マーケット七階屋上に登って、飛び降り自殺をすると叫んだ。公安・消防の「談判専家(交渉人)」が二時間の説得と救助努力をし、この男性は最終的には屋上から降りた。1000人あまりの野次馬群衆は「談判専家」の素晴らしい手際にやんやの歓声を上げた。

 昨日午後3時、解放碑の美美時代百貨の警備員が一階を巡廻していたところ、突然、七階の屋上曲がり角のところに、一人の若い男性が座って今にも落ちそうになっているのを発見した! 彼らはすぐにこの男性と交渉したが、男性は飛び降りると言った。すぐに解放碑の路上には多くの野次馬が集まってきた。

 3時10分ごろ、110巡査と解放碑派出所人民警察が現場に急行した。人民警察の楊溢は、そのときのことを思い出して語った。

「そのとき、飛び降り自殺をしようという男性は七階の角に座っており、口の中では何度も繰り返して「おれは恋愛もお金もみんな失った。死なせてくれ」と言っていました」

 楊はこの男性の左側で引き留める準備をしたが、男性はすぐに飛び降りようとする姿勢をとった。人民警察の曽其禄が男性の右側にそっと近づくと、その男性は大声で叫んだ。

「来たら飛び降りるぞ!」

 曽は断念しなければならなかった。

 3時20分、練兵場口の消防1中隊戦士がすぐに美美時代百貨の階下にかけつけ、安全空気マットを置いた。階下の安全空気マットを見て、飛び降りようとした男性はまた「難度の高い」動作を始めた。

 飛び降り自殺者の情緒はどんどん不安定になり、人民警察たちはすぐに「談判グループ」を結成して男性と対話することにした。彼らは男性と心を開いた話を始めた。若い男性は沈長路という名前で、江蘇省塩城の人だということがわかった。沈は、彼女といっしょに二カ月前に重慶に仕事を探しに来たが、仕事は見つからず、お金もなくなり、20日ほど前に彼女は交通事故で流産した。昨日午後、沈に突然自殺という考えが浮かんだ。その日は百貨店は改装中だったので、警備員は沈が改装作業員だと思い、沈は簡単に七階に上ることができたのだ。

 その気持ちを静めるために、楊溢はタバコを一本、沈に渡した。そして「お腹が空いてないか」と尋ねると、小さくうなずいた。人民警察たちは直ちにパンとミネラルウォーターを持ってきて、沈の空腹や喉の渇きをいやした。パンを一口食べてから、沈はついに「死にたくない」と言い、それから屋上を降りた。野次馬からはたちまち拍手が巻き起こった。この時にはすでに午後5時になっていた。その後、記者は解放碑派出所で調書を取り終わったばかりの沈長路に会うことができた。沈は、自分は今彼女に会いたいと言った。

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説得

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屋上から降りる

関連ニュース1:2女性・1男性が飛び降り自殺、百人の野次馬が飛び降りを励ます

 本紙報道(記者:肖宇・葉川・実習生張璐)

 二人の女性と男性一人が同時にビル7階ベランダに登って「飛び降りショー」を演じた。足をベランダの外に投げ出して三時間、数千人の野次馬が集まった。あまりに長い時間動かないので、多くの野次馬がなんと「飛べ、さっさと飛べ」と飛び降り自殺者を励ました。このドラマチックな物語は、昨日午後、長寿区長寿路上で演じられた。幸い、飛び降り自殺者は最後には派出所の人民警察に救出された。

 目撃者の李さんによれば、昨日午後2時ごろ、一人の中年男性と二人の中年女性が長寿路の糖酒公司7階の2つの隣り合ったベランダに登った。三人はそろって足をベランダの外に投げ出し、二人の女性はそれぞれベランダのセメントの手すりの上に新聞紙を敷いて、左手で頭を抱えて新聞紙の上に伏せていた。3人の姿勢が固まると、後ろに戻る様子もなく、かといって飛び降りる気配もなく、ただ見た人たちをハラハラさせるものであった。

 間もなく、3人の不思議な挙動は多くの野次馬を引きつけ、30分後には現場に数千人の野次馬が集まった。同時に110人民警察が現場に駆けつけ、救援を組織した。

 李さんによれば、開始後すぐ、下の群衆は飛び降り自殺者の感情を高ぶらせるのを恐れて、あえて声を出さず、静かに見守っていた。1時間くらい経って三人が動こうとしないので、何人かの青年が上を見上げて、「飛べ、さっさと飛べ」と叫んだ。3人はそれでも反応をしないので、追随する人がだんだん多くなり、群衆の中には、「さっさと飛べ、がんばれ」という声も大きくなった。記者が見たところ、大声で叫んだ人は最も多いときで100人に上っていた。ある野次馬は「ややもすれば、飛び降りショーをずっと見ていると感覚が麻痺するね」と言っていた。

 警察が救助作業を進める間にも、野次馬の中では、「飛べ、さっさと飛べ」という声がひっきりなしに起こっていた。二時間の説得後、人民警察と消防官兵はついに三人を救出した。事情を知っている人によれば、この3人が飛び降り自殺しようとした原因は結婚問題のこじれだ。長寿警察は記者が取材することを拒絶した。

関連ニュース2:たばこを使って消防が巧みに飛び降り自殺男性を救う

  • 本社報道(見習い記者・紀文伶、記者・栄含含)

 昨日明け方、一人の精神異常の男性が上清寺パシフィックプラザ(太平洋広場)ビル32階屋上に登り、飛び降りるぞと威嚇した。

 昨日の明け方6時ごろ、パシフィックプラザビル当直人・陳さんが屋上電気室を開けたとき、30歳前後のよく知らない男性が屋上の縁にいて飛び降りると言っていたので、陳さんはすぐに警察に通報した。2時間近く対峙した後、消防官兵が人民警察からタバコを借りて男性に渡す機会を作った。そこで猛烈にぶつかって男性を救出することに成功し、迅速に相手を安全な場所に落ち着かせた。その後、この男性は上清寺派出所に連れて行かれた。

編集後記

 「ややもすれば飛び降りショーを見ていると感覚が麻痺してくるよ」というある野次馬の話で思う。彼らはどうして飛び降りを選ぶのか? 自分の問題を解決するのに別の方法をとらないのはなぜだろうか? 今日、3本の飛び降り自殺ショーの原稿を編集整理して、わたしたちは飛び降り自殺の真偽を判断する方法はないが、一つだけ言えることがあると思う。どの「ショー」も、政府の多大な人力・物資を消耗するということだ。「飛び降り自殺者」たちには、生命をかけず、「退一歩,海闊天空」(一歩退けば、視界が開け、物事は好転する)ということに気付いてほしい。

以上、出所:重慶商報

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どうでもいいこと - 交渉人がんばる (2005年5月28日 19:48)

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