Googleの新しい順位決定方法のすべて。SEO関係者必読、グーグル特許出願文書全訳2

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2005年7月 1日08:25| 記事内容分類:ウェブマーケティング| by 松永英明
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履歴データの模式

[0034]文書取得日時

[0035]この発明の原則に沿った実装では、文書の取得日時はその文書に結びつけられたスコアを生成(または変更)するために使われてもよい。用語「日時」はここでは包括的に使われており、時間と日時の測定が含まれてもよい。以下に述べるとおり、文書の取得を決定するために使える技法はいくつかある。これらの技法の中には、ある文書に関連するスコアを改善しようとする第三者によって影響を受けることがある、という意味で「偏っている」ものがある。偏っていない技法もある。これらの技法、これらの技法の組み合わせ、その他の技法は、文書の取得日時を決定するために使ってもよい。

[0036]実装の一つにおいては、文書の取得日時は検索エンジン125が最初にその文書を見つけた日時、あるいは索引をつけた日時によって決定されてもよい。検索エンジン125は、クロール、「外部」の情報源から検索エンジン125への文書(またはその概要/抽出)の提出、クロールや提出の組み合わせに基づいた索引付け技法、その他の方法によって文書を発見してもよい。あるいは、文書の取得日時は検索エンジンが最初にその文書へのリンクを発見した日時で決定されてもよい。

[0037]別の実装では、文書が登録されているドメインが文書の取得日時の指定として用いられてもよい。また別の実装では、ニュース記事、ニューズグループ、メーリングリスト、あるいはこれらの文書の組み合わせなど、別の文書で最初に言及された最初の日時を、この文書の取得日時を推定するために使ってもよい。さらに別の実装では、少なくともある閾値以上のページ数からなる文書が含む日時を、その文書の取得日時として利用してもよい。あるいはまた別の実装では、文書の取得日時は文書を置いているサーバーによって文書に関係づけられたタイムスタンプと等しくなってもよい。特に個々に言及されないテクニックやその組み合わせによって、文書の取得日時を決定あるいは推定してもよい。

[0038]検索エンジン125は、文書を採点するために文書の取得日時を使ってもよい。たとえば、かなり最近の取得日時を有する文書は、他の文書からのリンク(すなわちバックリンク)を大量には得ていないだろうと想定されてもよい。ある文書のリンク数・被リンク数に基づいて採点する既存の「リンクに基づく採点技法」では、この新しい文書は大量のリンク(バックリンク)を抱えている古い文書よりもスコアが下になってもよい。しかし、文書の取得日時が考慮されるなら、文書のスコアは文書の取得日時に基づいて(肯定的にも否定的にも)修正してもよい。

[0039]10のバックリンクで参照されていて、取得日時が昨日という文書の例を考えてみよう。この文書は、100のバックリンクから参照されていて取得日時が10年前という文書よりもスコアが高くなってもよい。なぜなら、新しい文書は古い文書よりもリンクの伸び率が大きいからである。バックリンクの数が急激な成長率を示す場合は、検索エンジン125が文書採点のために使う要因となりえるものだが、それは検索エンジン125をスパムしようとしているという徴候かもしれない。したがって、この状況では、検索エンジン125は実際にはスパム効果を除くために文書のスコアを下げてもよい。

[0040]こうして、この発明の原則に沿った実装では、検索エンジン125は、ある文書へのリンクが作られる率(つまり、取得日時から、あるいはその期間内の一定の範囲で作られたリンクの数に基づいて、一定期間内の平均数)を決定するために文書の取得日時を使ってもよい。この率は、文書を採点するのに使ってもよい。たとえば、よくリンクされる文書には重きが置かれる。

[0041]ある実装では、検索エンジン125は文書のリンクに基づくスコアを以下のように変更してもよい。

H=L/log(F+2)

[0042]ここでHは履歴に基づいて調整されたリンクスコア、Lは、文書のリンク・被リンク数に基づいてスコアを割り当てる既存のリンク採点技法(つまり合衆国特許番号6,285,999に記された採点技法)によって使ってその文書に与えられたリンクスコア、Fはその文書に結びつけられた取得日時(あるいはその中の一定期間)から計算された経過時間であってもよい。

[0043]クエリーによっては、古い文書の方が新しい文書より好まれてもよい。とすると、検索結果セットの平均年齢からの差に基づいて文書のスコアを調整するのが有益であってもよい。言い換えれば、検索エンジン125は、検索結果セットのそれぞれの文書の年齢を決定し(取得日時を使って)、文書の平均年齢を算出し、その文書の年齢と平均年齢の差に基づいてその文書のスコアを(肯定的にも否定的にも)修正してもよい。

[0044]要するに、検索エンジン125は、少なくとも部分的には、文書の取得日時に関係する情報に基づいて文書に結びつけられたスコアを生成(あるいは変更)してもよい。

[0045]内容の更新/変更

[0046]この発明の原則に沿った実装では、文書の内容が時間につれて変化する仕方に関連する情報が、文書に結びつけられたスコアを生成(あるいは変更)するのに使われてもよい。たとえば、内容が頻繁に編集されている文書は、時間が経っても内容がそのままの文書とは違ったスコアとなってもよい。また、長期にわたって更新された内容の量が比較的多い文書は、長期にわたって更新された内容の量が比較的少ない文書とは違ったスコアをつけられてもよい。

[0047]ある実装では、検索エンジン125は以下のような内容更新スコア(U)を生成してもよい。

[0048]U=f(UF, UA)

[0049]ここでfは合計あるいは加重合計などの関数、UFはその文書(やページ)がどれくらい頻繁に更新されるかを示す更新頻度スコア、UAは継時的にその文書(やページ)がどれくらいの量変更されたかを示す更新量スコアであってもよい。UFはいろいろな方法で決定されてよい。更新ごとの平均時間、一定期間における更新回数などである。

[0050]UAも1つまたは複数の要素によって決定されてよい。一定期間にある文書に結びつけられた「新しい」あるいは独自のページの数などである。別の要素として、ある一定期間に一つの文書に結びつけられた新規あるいは独自のページと、その文書に結びつけられたページの総数の比率もあってよい。また別の要素として、その文書が一つあるいは複数の期間に更新された文書の量(つまり、文書中の目に見える内容のうちn%が一定期間t(つまり最新mカ月)に変化した)というものがあってもよい。これは平均値となってもよい。さらに別の要素としては、文書(やページ)が一つまたはそれ以上の期間(過去x日間)に変化した量があってもよい。

[0051]一つの実装の模式によれば、UAは文書内容についてさまざまに加重された関数として決定されてもよい。たとえば、Javascript、コメント、広告、ナビゲーション要素、定型文要素、日時/時刻タグなどのように、更新/変更が重要でないと考えられる内容は、比較的重みが軽くなってもよいし、あるいはUAを決定するときには完全に無視されてもよい。一方、タイトルや、外部リンクに結びつけられたアンカーテキストなど、更新/変更が重要であると考えられる内容(つまり、頻繁で、最近のもので、広範囲になる、など)は、UAを決定するときに他の内容への変更よりも重みをかけることができる。

[0052] UFとUAは文書に割り当てられたスコアに他の方法で影響をあたえてもよい。たとえば、現在の期間の変化率を別の期間(つまり過去)と比較して、加速傾向または減速傾向にあるかどうかを決めてもよい。変化率が増加しつつある文書は、変化率が比較的高いとしても安定した変化率の文書よりも高く採点されてもよい。変化の量も、この採点における一要素となってよい。たとえば、変化率が増加しつつあり、何らかの基準よりも変化量が大きい文書は、変化率が安定していたり、変化量が基準より少ない文書よりも高く採点してもよい。

[0053]状況によっては、データ記憶装置のリソースは、内容の変化について文書をモニターするときに文書を保存するのに不充分でありえる。この場合、検索エンジン125は文書からの抽出を蓄えておき、変更についてはこの抽出をモニターしてもよい。たとえば、検索エンジン125は、文書内容の変化を検出するのに、文書そのもの(全体)ではなく文書の「シグネチャ*1」を蓄えておいてもよい。この場合、検索エンジン125が文書(あるいはページ)のためのterm vectorを蓄え、比較的大きな変更についてはこれをモニターしてもよい。別の実装では、検索エンジン125は文書の比較的小さな一部分(たとえば数語)を蓄積・監視し、重要あるいは最も頻繁に起こることを見つけてもよい。

[0054]さらに別の実装では、検索エンジン125は文書の要約や抽出を蓄えておき、この情報で変更をモニターしてもよい。また別の実装では、検索エンジン125は、その文書の類似性のハッシュ(文書の複製に近いものを検出するのに使える)を生成しておき、それで変化をモニターしてもよい。類似性ハッシュの変化は、比較的大きな変更が文書に関連して起こったことを示すものと見なしてもよい。他の実装では、さらに他の技法が文書の変更をモニターするのに使われてもよい。適切なデータ記憶装置リソースが存在する状況であれば、文書のわずかな抽出ではなく、完全な文書を蓄えておき、変更を調べるために使ってもよい。

[0055]クエリによっては、最近変更のなかった内容のある文書は、最近変更された文書よりも好まれてもよい。その場合は、検索結果セットの変更日時平均との差に基づいて文書のスコアを調整するのが有益であってもよい。言い換えれば、検索エンジン125は検索結果セットのそれぞれの文書の内容が最後に変更された日時を調べ、その文書の変更日時の平均を求め、文書の変更日時と平均の変更日時との差に基づいて、文書のスコアを調整してもよい。

[0056]要するに、検索エンジン125は、少なくとも部分的には、継時的な文書の内容の変化の仕方に関連する情報に基づいて、文書に結びつけられたスコアを生成(または変更)してもよい。複数の個人や組織に属する内容を含む非常に巨大な文書では、スコアはそれぞれのサブ文書(つまり、個々の個人や組織に属し、更新される内容)に対応してもよい。

[0057]クエリ分析

[0058]この発明の原則に沿った実装によれば、一つまたは複数のクエリに基づいた要素が、文書に結びつけられたスコアを生成(または変更)するために使われてもよい。たとえば、一つのクエリに基づいた要素は、継時的に、検索結果セット内に含まれたある文書が選ばれる程度に関連していてもよい。この場合、検索エンジン125は、ユーザーによって選択される頻度が比較的高い、あるいは増えつつある文書を、他のものよりも高く採点してもよい。

[0059]別のクエリに基づいた要素は、継時的に、クエリに現われる特定の検索用語に関連していてもよい。検索用語の特定のセットは、ある一定期間のクエリにはますます出現することがありえる。たとえば、人気を得つつある、あるいは人気を得た「ホット」な話題、突発的なニュースの出来事に関連する用語は、一定期間、頻繁に現われると思われる。この場合、検索エンジン125は、これらの検索語(あるいはクエリ)と結びついた文書を、これらの用語と結びついていない文書よりも高く採点してもよい。

[0060]また別のクエリに基づいた要素は、同様のクエリによって生み出された検索結果の数についての継時的変化に関連していてもよい。類似クエリによって生み出された検索結果の数が顕著に増えることは、たとえば、ホットな話題や突発ニュースであることを示すものとしてもよい。検索エンジン125は、そのようなクエリと関連する文書のスコアを増やしてもよい。

[0061]もう1つのクエリに基づいた要素は、時間が経っても比較的一定のままであるが、時間が経つとその結果が変化するというクエリに関連していてもよい。たとえば、「世界シリーズ チャンピオン」に関連しているクエリは、時間が経つにつれて検索結果が変わる(たとえば、年が変われば検索結果を特定のチームに関する文書が占める)。この変化はモニターされ、それに応じて文書を採点するために使える。

[0062]さらにもう1つのクエリに基づいた要素は、検索結果として返される文書の「古臭さ」に関連していてもよい。文書の古臭さは、文書作成日時、アンカーの成長、トラフィック、内容変更、リンク・被リンクの成長などの要素に基づいていてもよい。クエリによっては、最近の文書が非常に重要となってもよい(たとえば、よくある質問(FAQ)ファイルを検索しているなら、最新版が一番望ましい)。検索結果でどの文書がユーザーによって選択されるかを分析することによって、検索エンジン125は、最近の変更が最も重要であるということを学んでもよい。場合によっては、検索エンジン125は、検索結果の中で古い文書よりも、ランクは低いが新しい文書が好まれていると判断してもよい。加えて、継時的に特定の文書が、特定のクエリ(たとえば「ニューヨーク・ヤンキース」)よりも、包括的な話題のクエリ(たとえば「世界シリーズ チャンピオン」)に含まれるならば、このクエリに基づいた要素は(それ自体でも、あるいはここで触れた他の要素とともに)、古臭くみえる文書のスコアを下げるために使われてもよい。

[0063]状況によっては、古臭い文書の方が新しい文書よりもよいと判断されてもよい。その場合、検索エンジン125は、継時的に文書のスコアを生み出すときにある文書が選ばれた程度を考慮に入れてもよい。たとえば、与えられたクエリに対して、ユーザーが継時的に、ランクが低く、比較的古臭い文書を、ランクが高く、比較的最近の文書よりもよく選ぶ傾向にあれば、これは検索エンジン125が古臭い文書のスコアを修正するための指標として使ってもよい。

[0064]さらにもう一つのクエリに基づいた要素は、ある文書が別のクエリの結果に現われる程度と関連していてもよい。言い換えれば、ある文書のクエリのエントロピーがモニターされ、採点の土台として使われてもよい。たとえば、特定の文書がクエリのデタラメなセットにヒットするものとして現われるなら、それは(必ずしもそうではないが)その文書がスパムであるという信号としてみなされてもよい。その場合、検索エンジン125はその文書を比較的低く採点してもよい。

[0065]要するに、検索エンジン125は、少なくとも部分的には一つまたは複数のクエリに基づいた要素によって文書に結びつけられるスコアを生成(または変更)してもよい。

[0066]リンクに基づいた基準

[0067]この発明の原則に沿った実装では、一つまたは複数のリンクに基づいた要素が、文書に結びつけられたスコアを生成(または変更)するために使われてもよい。一つの実装では、リンクに基づいた要素は、ある文書への新しいリンクが現われ、既存のリンクが消えた日時と関連していてもよい。リンク出現の日時は、検索エンジン125がそのリンクを発見した最初の日時あるいはリンクを含む文書の日時であってもよい(たとえば、文書がリンクで見つかった日時、あるいは最終更新日時)。リンク消失の日時は、リンクを含む文書がリンクを消したか、あるいは文書自体が消えた最初の日時であってもよい。

[0068]これらの日時はクロールまたは索引更新作業のあいだに検索エンジン125が決定してもよい。この日時を参照として用いて、検索エンジン125は、その文書へのリンクが時間によって変化する状況、たとえばリンクの出現・消失、継時的なリンクの出現・消失率、一定期間のリンクの出現・消失数、その文書への新しいリンクの出現と既存リンクの消失の比率の傾向などをモニターしてもよい。

[0069]その文書への(その文書からの)リンクが時間によって変化する状況を使って、検索エンジン125はそれに従って文書を採点してもよい。たとえば、新しいリンクの数や比率が継時的に下降傾向であれば(たとえば、最近の一定期間と以前の一定期間で、新しいリンクの数や比率の比較に基づく)、検索エンジン125に対して、ある文書が古臭い印となりえる。この場合、検索エンジン125はその文書のスコアを下げてもよい。逆に、上昇の傾向があれば「新鮮な」文書(たとえば、最近作られたとか更新されたとかでその内容が新鮮な文書)の信号となって、特定の状況や実装においては適切なものとみなされてもよい。

[0070]継時的に文書(やページ)に対するバックリンクの増減の数や率の変化を分析することによって、検索エンジン125は、文書がどれくらい新鮮であるかという貴重な信号を得てもよい。たとえば、そのような分析が落下曲線として反映されるなら、これはその文書が古臭くなるという信号としてもよい(たとえば、もう更新されていない、重要性が減じている、他の文書に取って代わられた、など)。

[0071]一つの実装では、分析はある文書に対する新しいリンクの数に基づいてもよい。たとえば、検索エンジン125は、最近n日間のある文書への新しいリンクの数を、文書が最初に発見されてからの新しいリンクの数と比較して監視してもよい。あるいは、検索エンジン125は、最も最近のy%のリンクの最も古い年齢を、最初に発見されたリンクの年齢と比較して監視してもよい。

[0072]具体例として、y=10で、どちらも100日前に最初に発見された二つの文書(この場合はウェブサイト)を考えてみよう。第一のサイトは、リンクの10%は10日以内に見つかった。第二のサイトは10日前までにリンクの0%が見つかった(つまり、すべてがそれ以前に発見された)。この場合、距離結果は、サイトAが0.1、サイトBが0となる。この距離は適切に調節してもよい。もう一つの実装の模式では、リンク日時の分散の比較的詳細な分析を行なうことによって、この距離を修正してもよい。たとえば、特定の分布はサイトの特別なタイプを示すことを予測するモデルが作られてもよい(たとえば、もはや更新されないサイト、人気の増減、廃棄など)。

[0073]もう1つの実装によれば、この分析はリンクに割り当てられた加重によって変わってもよい。この場合、それぞれのリンクは、リンクの新鮮さに応じて増える関数で加重されてもよい。リンクの新鮮さは、リンクの出現/変更の日時、リンクに関連づけられたアンカーテキストの出現/変更の日時、リンクを含む文書の出現/変更の日時によって決定してもよい。よいリンクは、ある文書が更新されたときにもまだ適切でよいものであるならば、変わらずにそのまま残される、という理論に基づけば、リンクを含む文書の出現/変更の日時は、リンクの新鮮さを示す最高の指標となってもよい。文書のごく小さな無関係な部分の小さな変更だけでは、あらゆるリンクの新鮮さを更新しないようにするため、それぞれの更新された文書は顕著な変更であるかどうか(たとえば文書の大きな部分に対する変更や、文書内の多くの場所に対する変更)を調べてもよい。そして、それによってリンクの新鮮さが更新され(たりされなかったりし)てもよい。

[0074]リンクは他の方法で加重をかけてもよい。たとえば、リンクを含む文書がどれくらい信用できるかに基づいて加重してもよい(たとえば、政府文書は高い信頼度を与えてもよい)。リンクはまた、そのリンクを含む文書がどれだけ正式なものであるかに基づいて加重してもよい(たとえば、合衆国特許番号6285999に記されたのと同じような方法で公式文書を決定してもよい)。リンクはまた、新鮮さを規定する他の機能を使って、リンクを含む文書の新鮮さに基づいて加重してもよい(たとえば、頻繁に更新される文書(たとえばYahooホームページ)が突然ある文書へのリンクを落とすなど)。

[0075]検索エンジン125は、その文書を指定しているリンクの加重の合計の関数として、そのリンクを含む文書のスコアを高めたり低めたりしてもよい。この技法は繰り返して使用されてもよい。たとえば、文書Sは2年前のものとする。Sへのリンクのn%が新鮮である場合、あるいはSへのリンクを含む文書が新鮮であるとみなされる場合、文書Sは新鮮なものだとみなされてもよい。文書の取得日時を使い、繰り返してこの技法を適用することで、後者をチェックしてもよい。

[0076]さらにもう1つの技法では、ある文書を指定するリンクと結びつけられた年齢の分布によって分析してもよい。言い換えれば、ある文書へのリンクが作られた日時が決定されて、年齢分布を決定する関数に代入されてもよい。新鮮でない文書の年齢分布は、新鮮な文書の年齢分布と非常に異なると想定されてもよい。検索エンジン125はそのとき、少なくとも部分的には文書と結びつけられた年齢分配に基づいて文書を採点できてもよい。

[0077]リンクが出現した日時は、「スパム」を検出するために使われてもよい。これは、文書の所有者やその仲間が、検索エンジンによって割り当てられるスコアを引き上げる目的で自分の文書へのリンクを作ることである。典型的な「合法的」文書は、ゆっくりとバックリンクを集める。バックリンクの量が突出して急激に増えることは、話題の現象であることの信号(たとえば、CDCウェブサイトはsarsのような流行病の発生後には急速に多くのリンクを獲得するだろう)とみてもよいし、リンク交換・リンク購入・リンク作成についての編集的裁量のない文書からのリンクの獲得によって、検索エンジンをスパム(高いランキングを得手、検索結果で上位表示させる)しようとする試みの信号とみてもよい。編集的裁量なくリンクを与える文書の例としては、ゲストブック、リファラログ、「だれでもご自由に」ページで誰でも文書にリンクを加えられるものなどがある。

[0078]別の実装では、分析はリンクが消えた日時を参考にしてもよい。多くのリンクが消えることは、これらのリンクが指し示していた文書がもはや新鮮でないことを意味するかもしれない(たとえば、もはや更新されないとか、他の文書で置き換えられたとか)。たとえば、検索エンジン125は、ある文書への一つまたは複数のリンクが消滅した日時、一定期間に消滅したリンクの数、時間の変化によるある文書へのリンク数の減少(あるいはそういうリンクを含む文書へのリンク/更新)を監視することによって、新鮮でないとみなせる文書を特定してもよい。一旦文書が新鮮でないと判断されたら、その文書に含まれるリンクは、そのリンクによって指し示された文書のスコアを決定するときには検索エンジン125によって割り引かれたり無視されたりしてもよい。

[0079]もう1つの実装によれば、分析は、ある文書へのリンクの年齢だけではなく、リンクの動的な挙動を参考にしてもよい。この場合、検索エンジン125は、非常に新鮮なリンクを持っていようとも、日々異なる呼び物リンクを含む文書については、コンスタントに更新されたコンスタントに対象となる文書へリンクしている文書とは違って(つまり低く)加重してもよい。一つの実装の模式としては、検索エンジン125は、ある一定期間の文書の前バージョンにおいて、その文書へのリンクを含む文書のスコアに基づいて、文書のスコアを生成してもよい。この別のバージョンでは、文書の主要更新時刻にもとづく積分に、減価や減衰を要因として入れてもよい。

[0080]要するに、検索エンジン125は、少なくとも部分的には、一つまたは複数のリンクに基づく要素に基づいて文書に結びつけられたスコアを生成(または変更)してもよい。

[0081]アンカーテキスト

[0082]この発明の原則に沿った実装では、継時的にアンカーテキストの変化の仕方に関連する情報が、文書と結びつけられたスコアを生成(または変更)するために使われてもよい。たとえば、ある文書へのリンクに結びつけられたアンカーテキストの継時的変化は、文書の更新、ときには焦点の変更があったという指標として使われてもよい。

[0083]あるいは、そのバックリンクと結びつけられたアンカーテキストとは顕著に食い違ってしまうような文書の内容の変更があったならば、その文書に結びつけられたドメインは以前の姿とは顕著に(完全に)変わってしまっているかもしれない。これは、ドメインが期限切れとなり、別の団体がドメインを購入したときなどに起こりえる。アンカーテキストは、関連づけられたリンクの指し示す文書の一部と考えることができるため、そのドメインは、クエリに対する検索結果と関係ないのに表示されるかもしれない。これは望ましくない結果である。

[0084]この問題を扱うための一つの方法として、あるドメインが話題を変えた日時を推定してもよい。これは、文書のテキストが顕著に変化した日時や、アンカーテキストが顕著に変化した日時によって決定してもよい。それ以前のすべてのリンクやアンカーテキストは、無視・軽視されてもよい。

[0085]アンカーテキストの新鮮さは、文書採点の要素として使われてもよい。アンカーテキストの新鮮さを決定するには、たとえば、アンカーテキストの出現/変化の日時、そのアンカーテキストに結びつけられたリンクの出現/変化の日時、結びつけられたリンクが指し示す文書の出現/変化の日時によって決められてもよい。「文書が更新を受けるときに、もしあるアンカーテキストがまだ重要で良いものならば、それは変化しないものである」という理論に基づいて、リンクによって指し示された文書の出現/変化の日時は、アンカーテキストの新鮮さをよく示すものとされてもよい。文書のごく小さい無関係な部分のマイナーな編集によって、アンカーテキストの新鮮さを更新してしまわないようにするため、それぞれの更新された文書は顕著な変更があったのか(たとえば、文書の大きな部分における変更や、文書の多くの場所における変更など)を調べ、あるアンカーテキストの新鮮さはそれに従って更新され(たりされなかったりし)てもよい。

[0086]要するに、検索エンジン125は、少なくとも部分的には、継時的なアンカーテキストの変化の様子に関する情報に基づいて、ある文書に結びつけられたスコアを生成(あるいは変更)してもよい。

[0087]トラフィック

[0088]この発明の原則に沿った実装では、継時的にある文書に結びつけられたトラフィックに関する情報が、その文書に結びつけられたスコアを生成(または変更)するために使われてもよい。たとえば、検索エンジン125は、一人または複数のユーザーによるある文書へのトラフィック、その他の使用方法の特徴が時間につれてどのように変化するかを監視してもよい。トラフィックの顕著な減少は、その文書がすでに新鮮でないことを示すこともある(たとえば、もう更新されていないとか、別の文書に取って代わられたとか)。

[0089]一つの実装では、検索エンジン125は過去j日間(たとえばj=30)のある文書への平均トラフィックを、その文書が最もトラフィックを得ていた月、任意の季節的変化、あるいは過去k日間(たとえばk=365)の平均トラフィックと比較してもよい。また、検索エンジン125は、長期的に繰り返されるトラフィックパターンや、継時的なトラフィックパターンの変化を見分けてもよい。夏、週末、その他の季節的な期間など、ある文書の人気が高まったり下がったりする(つまり、トラフィックの増減の)時期を見つけてもよい。繰り返されるトラフィックパターンやトラフィックパターンの変化が見つかったら、検索エンジン125はこれらの期間内と期間外で文書のスコアを適切に調節してもよい。

[0090]加えて、あるいは別途に、検索エンジン125は特定の文書の「広告トラフィック」に関する時間的変化の特徴を監視してもよい。たとえば、検索エンジン125は以下の要素のうち一つあるいは複数の組み合わせを監視してもよい。(1) 広告が継時的に所定の文書によって掲示されたり更新されたりする頻度や率。(2) 広告の質(たとえば、掲載された広告が、検索エンジン125によって既知の、継時的に比較的高いトラフィックと信頼性を持つような文書(amazon.comなど)を参照/リンクしている文書は、低いトラフィックで信頼性の低い文書(ポルノサイトなど)を参照している広告のある文書よりも加重される)。(3) 関連する文書へのユーザートラフィックをその広告が生み出す程度(たとえば、クリックスルー率)。検索エンジン125は、広告トラフィックに関するこれらの時間によって変化する特徴を文書の採点に使ってもよい。

[0091]要するに、検索エンジン125は、少なくとも部分的には、継時的に文書に結びつけられたトラフィックと関連する情報に基づいて、ある文書に結びつけられたスコアを生成(あるいは変更)してもよい。

[0092]ユーザー行動

[0093]この発明の原則に沿った実装では、ある文書に対する個々のユーザーあるいはユーザーの総体の継時的な行動が、文書に結びつけられたスコアを生成(または変更)するために使われてもよい。たとえば、検索エンジン125は、ある検索結果のセットから一つの文書が選ばれた回数や、一人または複数のユーザーがその文書を閲覧するのに過ごした時間を監視してもよい。検索エンジン125は、少なくとも部分的には、この情報に基づいて文書を採点してもよい。

[0094]もし、ある文書が特定のクエリで返され、継時的あるいは与えられた一定期間に、ユーザーが同じまたは類似のクエリで与えられた文書の平均時間よりも長く、あるいは短くとどまるとしたら、これはその文書が新鮮かそうではないかという指標として用いてもよい。たとえば「リヴァーヴュー 水泳 スケジュール」というクエリで、「リヴァーヴュー水泳スケジュール」というタイトルの文書が返されたとしよう。そこで、かつてユーザーはアクセスして30秒間とどまっていたのだが、今、その文書を選んだユーザーはわずか数秒しかとどまらない、と仮定してみよう。検索エンジン125は、この情報を使って、その文書はすでに新鮮ではない(つまり、もう古くなった水泳スケジュールしかない)と判断し、それによって文書を採点してもよい。

[0095]要するに、検索エンジン125は、少なくとも部分的には、ある文書に関する個人またはユーザーの総体の継時的な行動に基づいて、その文書に結びつけられたスコアを生成(または変更)してもよい。

[0096]ドメイン関連の情報

[0097]この発明の原則に沿った実装では、ある文書と結び付けられたドメイン関連情報が、文書と結び付けられたスコアを生成(または変更)するのに使われてもよい。たとえば、検索エンジン125は、ある文書がコンピューター・ネットワーク内でどのようにホストされているか(たとえばインターネット、イントラネットその他のネットワーク、文書データベースなど)についての情報を監視し、この情報を使って文書を採点してもよい。

[0098]検索エンジンをだまそうとする(スパムしようとする)個人は、使い捨てまたは「入り口」ドメインを使って、以前獲得していたのと同じくらいのトラフィックをできる限り手に入れようとする。これらのドメインと結び付けられた文書を採点するとき、ドメインの正当性に関する情報が検索エンジン125によって使われてもよい。

[0099]ある特定の信号が、不法ドメインと合法ドメインを区別するために使われてもよい。たとえば、ドメインは10年間まで更新できる。価値のある(合法)ドメインは、前もって数年分支払われることが多いが、入り口(不正)ドメインは、めったに1年以上使われることがない。そのため、ドメインの正当性を推定するために、ドメインが将来期限切れになる日時を要素として用い、こうして文書に関連づけてもよい。

[0100]加えて、あるいは別途に、ドメインネームサーバー(DNS)の記録が、ドメインが合法かどうかを推定するために監視されてもよい。DNS記録は、ドメインを登録した者、管理・技術アドレス、ネームサーバーのアドレス(つまり、ドメインネームをIPアドレスに変換するサーバー)などの詳細を含んでいる。あるドメインを継時的に分析することによって、不正ドメインを識別してもよい。たとえば、検索エンジン125は、実際に正しいアドレス情報が一定期間にわたって存在するかどうか、ドメインのための連絡情報が比較的頻繁に変化するかどうか、異なったネームサーバーとホスティング会社の間の変化数が比較的高いかどうかなどを監視してもよい。ある実装では、既知の悪い連絡情報、ネームサーバー、IPアドレスのリストが特定され、蓄積され、ドメインの正当性を予測するのに使われ、こうして文書はそのドメインに関係づけられてもよい。

[0101]加えて、あるいは別途に、あるドメインと結びつけられたネームサーバーに関する年齢その他の情報を、ドメインの正当性を推定するために使ってもよい。「よい」ネームサーバーは、異なったレジストラからの異なったドメインの混合となっていて、これらのドメインをホストしてきた歴史がある一方、「悪い」ネームサーバーは、主にポルノや入り口ドメイン、宣伝用語の含まれるドメイン(一般的にspamの指標となる)、単独のレジストラからの大量のドメインばかりを抱えていたり、あるいはまっさらであるかもしれない。ネームサーバーの新しさは、関連づけられたドメインの正当性を決定することにおいて、自動的に否定的な要素とはならないかもしれないが、ここに挙げられたような他の要素を伴えば、その可能性がある。

[0102]要するに、検索エンジン125は、少なくとも部分的には、ある文書と結び付けられたドメインの正当性に関する情報に基づいて、文書と結び付けられたスコアを生成(または変更)してもよい。

[0103]ランキング履歴

[0104]この発明の原則に沿った実装では、ある文書のかつてのランキングに関する情報が、その文書と結び付けられたスコアを生成(または変更)するために使われてもよい。たとえば、検索エンジン125は、検索エンジン125に提供された検索クエリに返された文書のランキングの時間的変化を監視してもよい。検索エンジン125は、多くのクエリにおいてランキングが跳ね上がっている文書は話題の文書であると判断してもよいし、あるいは検索エンジン125をスパムしようとしている信号かもしれない、と判断してもよい。

[0105]こうして、ある文書の一定期間にランキングの変化の量や割合は、その文書に割り当てられる未来のスコアに影響を与えるものとして使われてもよい。一つの実装では、検索結果のそれぞれのセットに対して、ある文書はトップN件の検索結果に置ける位置に基づいて加重してもよい。N=30の場合、一例として関数は[((N+1)-順位)/N]sup.4 としてみよう。この場合、トップの結果はスコア1.0を得、第Nの結果はほとんど0の結果を得てもよい。

[0106]あるクエリセット(たとえば商業的なクエリ)は繰り返され、M%以上のランキングを得ている文書はフラグを付けてもよい。また、ランキングの増加率をその文書のスコア決定における信号として使ってもよい。たとえば、もしトップの結果の平均(中間)スコアが比較的高く、月ごとのトップの結果の変化量が顕著なものであるなら、検索エンジン125はそのクエリを商業的なものであると決定してもよい。検索エンジン125は、商業的なクエリの指標として異常に激しい活動を監視してもよい。商業的なクエリにとって、スパムの可能性は高まる。したがって、検索エンジン125はそれに応じた文書の扱い方をしてもよい。

[0107]所定のクエリに対する文書の位置(つまりランキング)の履歴に加えて、検索エンジン125は(ページ上、ホスト上、文書上、ドメイン上の)一つまたは複数の要素を監視してもよい。たとえば、継時的にある文書が検索結果として選ばれるクエリの数ならびにその(増加・減少の)割合。ある文書が検索結果として選ばれる季節性、爆発度、その他の継時的パターン。URLとクエリのペアの継時的なスコアの変化、などである。

[0108]加えて、あるいは別途に、検索エンジン125は、クエリに基づいた独自の基準で、多くの文書(たとえばURL)を継時的に監視してもよい。たとえば、検索エンジン125は、所定のクエリまたはクエリセットへの応答として生成された結果のトップセットの中の平均スコアを監視し、所定のクエリまたはクエリセットへの応答として生成される結果セットその他の結果のスコアを調整してもよい。さらに、検索エンジン125は、特定のクエリまたはクエリセットが継時的に生成する多くの結果を監視してもよい。もし検索エンジン125が、結果数が増えているとか、増加率に変化があると認めたとき(たとえば、そのような増加は「ホットな話題」その他の現象の印かもしれない)、検索エンジン125はこれらの結果を将来において高く採点するかもしれない。

[0109]加えて、あるいは別途に、検索エンジン125は、文書のランクが突然突出していることを検出するために、継時的に文書のランクを監視してもよい。突出は、話題の現象(たとえば、ホットな話題)を示すかもしれないし、たとえばリンクを売買・購入することによって検索エンジン125をスパムしようとしている印かもしれない。検索エンジン125はスパムの試みを妨げるために、たとえば履歴現象(ヒステリシス)を用いるなど、ランクの成長率を一定範囲に抑える手段をとってもよい。もう一つの実装では、所定の文書のためのランクは前もって定められた期間における成長の最大範囲でのみ許されることにしてもよい。話題の現象と関係がある文書をスパム文書と区別するための別の方法として、検索エンジン125は「スパム文書はたとえばニュースなどでは言及されない」という理論に基づいて、ニュース記事、ニューズグループなどでの言及を考慮に入れてもよい。これらの技術の一つまたはいくつかの組み合わせが、スパムの試みを削減するために使われてよい。

[0110]検索エンジン125が、政府文書、 ウェブディレクトリ(たとえばYahoo)、継時的に比較的安定して高いランクを保っている文書など、いくつかの点で権威的であるとみなされる文書を例外とすることが可能であってもよい。たとえば、もしある権威的な文書へのリンク数・リンク率の増大が尋常ならざる突出を示したときでも、検索エンジン125はそのような文書をスパムでないとみなし、そして、そのランクの(継時的成長の)限界を比較的高くしたり、限界をなくしたりしてもよい。

[0111]加えて、あるいは別途に、検索エンジン125は、文書のランクの顕著な落下を、これらの文書が「見捨てられた」または時代遅れの証拠だと考えてもよい。たとえば、文書のランクが継時的に顕著に下がっているなら、検索エンジンたとえば、もし長い間にの文書のランクが際立って下がるなら、検索エンジン125がはその文書を時代遅れとみなし、それに応じて文書を採点してもよい。

[0112]要するに、検索エンジン125は、少なくとも部分的には、その文書の以前のランキングに関する情報に基づいて文書に結びつけられたスコアを生成(または変更)してもよい。

[0113]ユーザーによって維持/生成されたデータ

[0114]この発明の原則に沿った実装では、ユーザーによって維持または生成されたデータが、ある文書に結びつけられたスコアを生成(または変更)するために使われてもよい。たとえば、検索エンジン125はユーザーによって維持または生成されたデータを監視してもよい。たとえば「ブックマーク」「お気に入り」、あるいはユーザーに好まれたり人気がある文書を示しうるその他の形式のデータである。検索エンジン125は、このデータを直接(たとえばブラウザ・アシスタントから)得てもよいし、あるいは間接的に(たとえばブラウザから)得てもよい。検索エンジン125は、ある文書の重要性を決定するために、その文書が結びつけられたブックマーク/お気に入りを継時的に分析してもよい。

[0115]検索エンジン125は、ブックマーク/お気に入りのリストでその文書(さらに特定すれば、その文書への経路)が追加または削除される上昇・下降の傾向、ブックマーク/お気に入りのリストでその文書が追加・削除される率、ブックマーク/お気に入りのリストに文書が追加され、削除され、アクセスされるか否かを分析してもよい。もし多くのユーザーがブックマーク/お気に入りのリストに特定の文書を加えていたり、長期的にこのようなリスト経由で文書にアクセスしているのであれば、この文書は比較的重要であるという指標と見なしてもよい。一方、ユーザーの多くがブックマーク/お気に入りのリストに示された文書にアクセスしなくなりつつあるとか、リストからその文書への経路を削除/置き換えするのが増えつつあるならば、この文書は時代遅れで人気がない、などの指標とみなしてもよい。そして、検索エンジン125は、それに応じてこの文書を採点してもよい。

[0116]別の実装においては、継時的にある特定の文書へのユーザーの関心が増加・現象していることを示しうる他の形式のユーザーデータが、文書を採点するために検索エンジン125によって使われてもよい。たとえば、ユーザーと結びつけられた「temp」またはキャッシュファイルは、ある文書が継時的に追加されることが増加しているか減少しているかを決めるために検索エンジン125が使うことができよう。同様に、ある特定の文書と結び付けられたクッキーは、その文書への関心が増加傾向にあるか減少傾向にあるかを決定するために検索エンジン125が使ってもよい。

[0117]要するに、検索エンジン125は、少なくとも部分的には、ユーザーによって維持または生成されたデータに基づいて、ある文書に結びつけられたスコアを生成(または変更)してもよい。

[0118]アンカーテキストにおける独特な単語、バイグラム(連語)、フレーズ

[0119]この発明の原則に沿った実装では、アンカーテキストにおける独特な単語、バイグラム、フレーズが、ある文書に結びつけられたスコアを生成(または変更)するために使われてもよい。たとえば、検索エンジン125は、ウェブ(あるいはリンク)グラフとその継時的なふるまいを監視して、この情報を採点、スパム検出その他の目的に使用してもよい。自然に発達したウェブグラフは、確定された言葉はバラバラであるのが典型的だ。人工的なウェブグラフは、通常はスパムする意図の指標となるが、これは確定された言葉が調整されており、アンカー内の単語/バイグラム/フレーズが比較的突出して増大するようなかたちで成長するものである。

[0120]このような突出の理由の一つは、多くの文書から多数の同一アンカーが追加されたことであるかもしれない。もう一つの可能性として、多くの文書からの故意に異なったアンカーを付加しているかもしれない。検索エンジン125はアンカーを監視し、関連づけられたリンクが指し示す文書を採点する際にそれを関数としてもよい。たとえば、検索エンジン125は、関連づけられた文書のスコアにおいて、疑わしいアンカーの影響を止めてもよい。その代わりに、検索エンジン125は、合成生成の可能性に対する持続的尺度を用い、その文書のためのスコアを調整するためのかけ算の関数を導いてもよい。

[0121]要するに、検索エンジン125は、少なくとも部分的には、ある文書を指し示す一つまたは複数のリンクと結びつけられたアンカーテキスト内の独特な単語、バイグラム、フレーズに関する情報に基づいて、その文書に結びつけられたスコアを生成(または変更)してもよい。

[0122]同等の他の文書との相互リンク

[0123]この発明の原則に沿った実装では、同等の他の文書(たとえば無関係な文書同士)との相互リンクに関する情報が、ある文書に結びつけられたスコアを生成(または変更)するために使われてもよい。

[0124]入ってくるにしろ出て行くにしろ、個々の文書への多数のリンクをともなう同等の他の文書との相互リンクが突然明白な数で増えることは、潜在的に人工的なウェブグラフを示すかもしれない。それはスパムの試みの指標である。もしこの成長が、筋が通らない、あるいは調和しないアンカーテキストと対応しているなら、この指標は強化されるかもしれない。この情報は、リンクに基づいた採点技術を使うときに、二者択一の決定項目(たとえば、固定量によるスコア減点)として、あるいはかけ算の関数として、そのようなリンクの影響を減らすために使うことができる。

[0125]要するに、検索エンジン125は、少なくとも部分的には、同等の他の文書との相互リンクに関する情報に基づいて、ある文書に結びつけられたスコアを生成(または変更)してもよい。

[0126]文書の話題

[0127]この発明の原則に沿った実装では、文書の話題に関する情報が、その文書に結びつけられたスコアを生成(または変更)するために使われてもよい。たとえば、検索エンジン125は、話題抽出(たとえば、分類、URL分析、内容分析、クラスタリング、要約、独特な低頻度語の組み合わせ、その他の話題抽出形式)を行なってもよい。検索エンジン125はそれから継時的にある文書の話題を監視し、この情報を採点のために使ってもよい。

[0128]ある文書と結び付けられた話題のセットが継時的に顕著に変化することは、その文書が所有者を変え、スコア、アンカーテキストなど以前の文書の指標がもはや信頼できないということを示しているかもしれない。同様に、話題の数の突出はスパムの指標でありえる。たとえば、もし特定の文書が、「永続性がある」とみなされる一定期間にわたって一つまたは複数の話題と結びつけられており、それが(突然)その文書と結びつけられる話題の数が突出することが起これば、これはその文書が「抜け道」文書として引き継がれたという指標としてもよい。もう一つの指標としては、その文書と結びつけられたとの話題の消滅を含んでもよい。もしこれらの状態の一つまたは複数が検出されたならば、検索エンジン125はその文書やリンク、アンカーテキスト、その文書に結びつけられたその他のデータの相対的スコアを下げてもよい。

[0129]要するに、検索エンジン125は、少なくとも部分的には、ある文書に結びつけられた一つまたは複数の話題の変化に基づいて、その文書に結びつけられたスコアを生成(または変更)してもよい。

処理の模式

google-patent04.gif

[0130]図4は、この発明の原則に沿った実装に従って文書を採点する処理の模式のフローチャートである。処理は、文書を特定するサーバー120で始まってもよい(410の役目を果たす)。この文書は、たとえば、ある検索クエリと結びつけられた一つまたは複数の文書、たとえばその検索クエリに関係があると判断された文書であってもよい。その代わりに、この文書は、いかなる検索クエリからも独立した集成資料または文書貯蔵庫(たとえば、ネットワークをクロールして見つけられ、貯蔵庫に蓄えられた文書)であってもよい。

[0131]検索エンジン125は、特定された文書と結び付けられた履歴データを得てもよい(420の役目を果たす)。上述したとおり、履歴データは形式が異なっていてもよい。たとえば、履歴データには、以下に関連するデータが含まれてもよい。文書取得日時、文書内容の更新/変化、クエリ分析、リンクに基づく判断基準、アンカーテキスト、トラフィック、ユーザー行動、ドメイン関係情報、ランキングの履歴、ユーザーが維持/生成したデータ(たとえばブックマーク/お気に入り)、アンカーテキスト内の独特の単語・合字・句、独立した等価物への結びつき、文書の話題。検索エンジン125は、これらの種類の履歴データの中から一つまたは組み合わせを得てもよい。

[0132]検索エンジン125はそれから、少なくとも部分的には、履歴データに基づいて特定された文書を採点する(430の役目を果たす)。特定された文書が検索クエリと結び付けられるとき、検索エンジン125は、たとえば、それが検索のクエリとどれぐらい関係があるかに基づいて、その文書の検索スコアを生成してもよい。検索エンジン125は、それからその文書の総合スコアを得るために、検索スコアと履歴スコアを組み合わせてもよい。スコアを組み合わせる代わりに、検索エンジン125は、履歴データに基づいてその文書の検索スコアを変更し、それによってスコアを上げたり下げたり、場合によってはそのままにしてもよい。その代わりに、検索エンジン125は、検索スコアを生成することなく履歴データに基づいて文書を採点してもよい。とにかく、検索エンジン125は、一つまたは複数の形式の履歴データを使って文書を採点してもよい。

[0133]特定された文書が検索クエリと結び付けられるとき、検索エンジン125は、採点された文書からも同じように検索結果を形成してもよい。たとえば、検索エンジン125は、そのスコアに基づいて文書を並べ替えてもよい。検索エンジン125は、それから文書への参照を形成してもよい。そこでは、一つの参照には、文書のタイトル(選択されたときにはその実際の文書をユーザーに示すハイパーリンクを含んでもよい)や、文書からの断片(つまりテキスト抜粋)が含まれてもよい。他の実装では、参考が別の形で形成される。検索エンジン125は、検索クエリを送信したユーザーに対して、トップのスコアを持つ一定数の文書(たとえば、あらかじめ決められた数の文書、一定値以上のスコアの文書、すべての文書など)に対応した参照を表示してもよい。

結論

[0134]この発明の原則に沿ったシステムと方法は、文書を採点し、高品質の検索結果を形成するために履歴データを使ってもよい。

[0135]現在の発明の望ましい例示としての上記の解説は、図解と解説を提供しているが、網羅的であることを意図しておらず、またこの発明を公開された形式に厳密に制限することを意図したものでもない。修正や変形は、上記の教えを考慮に入れたうえで可能であり、また、発明の実装から獲得されてもよい。たとえば、一連の行動は図4に関して記されているが、その行動の順序は発明の原則に沿った他の実装において修正してもよい。また、従属的でない行動は並列的に行なわれてもよい。

[0136]さらに、サーバー120が、図4のプロセスに関して記述された行為のすべてではなくても大部分を実行する、というように一般的には記される。この発明の原則に沿った別の実装では、一つまたは複数、またはすべての行動が、サーバー130や140、クライアント110といった別のエンティティで行なわれてもよい。

[0137]通常の技術的技能を有する人にとっては、上記の発明の機能は、図に記された実装における様々な形態のソフトウェア、ファームウェア、ハードウェアで実装されてもよい、とうことは明白なことだろう。この発明の原則に沿った側面を実装するために使われる実際のソフトウェアコードあるいは専門的なコントロール・ハードウェアは、現在の発明に制限されるものではない。そのため、この側面の作用と行動は、特別なソフトウェアコードへの参照なくして記述された――それは、通常の技術的技能を有する人ならば、ここの説明に基づいてその機能を実装するソフトウェアやコントロール・ハードウェアを設計できることがわかるのである。

  • *1: シグネチャ法は、文書のインデックス手法の一つ
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2005年7月 1日08:25| 記事内容分類:ウェブマーケティング| by 松永英明
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コメント(3)

ほんとに暇そうだな・・・。

特許明細書の翻訳ですね。(ただし、特許明細書であって、特許ではないことは注意です)
私のもろ専門(記載内容もさらには技術分野もどんぴしゃ!(笑))
管理人さんのご存じのように、私は、この文書を作成する側にいます。
さらに技術分野もソフトウェア関連+機械関連です。
(上司はその関連(いわゆるBM関連)の第一人者だったりする(笑))
その観点から見る(米国の出願でベストモード規則の縛りがあるとしても)と、「『言及なしトラックバックでページランクが下がる』は間違い。」とは、必ずしも言えないんじゃないかな?と思います。
深く言及はしませんが、明細書を読む限り、そう言う方針で運営している可能性はありますね。それに、いたずらに権利範囲を狭くすることを書くとも思えません(作成側の思惑として)。
なので、「言及なしトラックバックでページランクが下がる」可能性もあるのでは?ということで、注意を喚起しておきたいと思います。

インターネットの世界で検索エンジンの影響力が、圧倒的に強くなってきて、誰も逆らえない?状況なのは明白でありますが、日本語検索においても純日本産のエンジンが利用される事無く、YST・MSN・Googleの三強なのは寂しい・・・・ではなく、寡占状態の危険を感じます。
検索の世界が三強の手を離れ、検索者自身が、チューニング出来るシステムで寡占状況の脱却を望むのは私だけでしょうか?

このブログ記事について

このページは、松永英明が2005年7月 1日 08:25に書いたブログ記事です。
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