ツイッターの「フォロワー数」についての雑感(『ネットで成功しているのは〈やめない人たち〉である』書評)

いしたにまさき『ネットで成功しているのは〈やめない人たち〉である』(技術評論社)の献本を受けた。というのも、この本は「ブロガー110名へのアンケート取材」のデータを分析して書かれたものであるが、そのアンケートに私も答えていたからである。献本いただきありがとうございます。

私自身はネットで「成功」したかどうかはわからないが、今もとにかく細々とながらやめずに続けていることは間違いない。その回答についてちょっと補足した上で、いしたにさんが書かれた「フォロワー数」についてちょっと書いてみたいと思う。

ネットで成功しているのは〈やめない人たち〉である
「ネットで成功しているのは〈やめない人たち〉である」
 [単行本(ソフトカバー)]
 著者:いしたに まさき
 出版:技術評論社
 発売日:2010-11-27
 価格:¥ 1,554
 by ええもん屋.com

2010年11月26日18:24| 記事内容分類:ウェブ社会| by 松永英明
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私の回答を再掲

  • 【タイムスタンプ】8/12/2010 22:30:14
  • 【名前】松永英明@ことのは(文士・事物起源探求家)
  • 【twitter ID】kotono8
  • 【Webサイト】松永英明 公式サイト 絵文録ことのは閾ペディアことのはゲニウス・ロキ探索
  • 【いちばん好きなWebサイト(Webサービスも含む)は?】厳密には「好きなツール」になってしまいますが、MediawikiとMovable Type。自分が自由に埋めることのできる白いノートと同じ意味で。
  • 【初めて見た時にいちばん衝撃を受けたWebサイト(Webサービスも含む)とその理由】プロジェクト・グーテンベルクと青空文庫(そして国会図書館デジタルアーカイブ)。現代にアレクサンドリア図書館が甦るのかとわくわくした。
  • 【ネットで情報発信する際にいちばん必要な個人のスキルはなんでしょう?】表現力と、表現したいという欲求。誰でも情報発信は「可能」ですが、「効果的な」情報発信には文章力やアピール力、あるいは写真や絵の才能、動画なら演技力やしゃべり方の技能、あるいは深い洞察力や忍耐力や発想力や体力や「恥をかく度胸」やコレクション収集量など、何か人並み外れた要素がなければいけません。ネットの登場によって、ネット以前よりも、そういう技能を持っている人が活躍しやすい環境が整ってきましたが、もともとそういう能力を持たない、あるいは持ちたいと思わない、今ある能力にさらに磨きをかけようと努力をしない人には過酷な世界であるとも思います。
  • 【あなたがネットで情報発信する際に心がけていることは?】自分が他の人よりアピールポイントになることといえば、「一次情報やものごとの起源・根源・本質に限りなく近づきたいという思いが人一倍強いこと」だと思います。となれば、その点で決して妥協は許されません。「現時点では中間報告にとどまる」という場合は多々ありますが、他人の受け売りで満足したり、行こうと思えば行けるところを訪ねなかったり、ということはないように、とことん突き詰めてみることが基本です。それは死ぬまで探求し続けるという姿勢でもあります。
  • 【あなたがネットでの活動を続けることができた理由はなんでしょう?なぜ続いてきたのでしょう?】表現せずにはいられない人間だったから。(途中で中断せざるを得ない時期はありましたが)
  • 【収入の変化はありましたか?】はい
  • 【収入の変化はどれくらい経ってからですか?】半年
  • 【アクセスを増やす工夫をしていますか?】している
  • 【フォロワーを増やす工夫をしていますか?】していない

少し補足しておくと、情報発信に必要なスキルの中で「表現力」と書いたが、これは情報を編集する力だとか、マーケティング的な要素を踏まえた上でそれをアピールする力なども含んでいる。ただ、上記の表現だと発信側だけのものと受け取られかねない、不十分なものとなっていたように思う。実際には、受け手に対して自分の伝えたいことをいかに効果的に伝えるか、という点において、決して読者軽視(あるいは「読者なんか気にせず書きたいことを書く」という立場)ではない。

収入の変化というのは、ライターとしてのプロモーションにサイトを使えたからという意味と、アフィリエイト等の収入という面があるが、現在は特にアフィリエイト収入は激減している。

というわけで、他の方の回答だとか、それに対するいしたにさんの分析などは実際に本を読んでいただければと思うが、他の回答者の皆さんの記述を見ていても「情報を発信するということに対する何らかのこだわり」があることが見て取れた。「言われてやらされている」ような回答ではなく、自発的にこういうことに気をつけている、ここは譲れない、といった筋が通っているように思われた。

ツイッターのフォロワーについての私見

さて、質問の最後の2項目、つまり「ブログなどのアクセス数を増やす工夫をしているか」と「ツイッターのフォロワーを増やす工夫をしているか」について、いしたにさんも不思議がっているとおり、その二つの回答が食い違う例が多い。私もその一人である。

私はブログではいろいろと工夫をしている。ブログ記事のタイトルも、その部分だけ見て意味が通じるようにしており、はてなブックマークなどでもタイトルだけでわかりやすくなるようにしている。また、私のブログは長文になりがちなので、ブログの冒頭にリード文を入れてある程度の概要を記し、本文には小見出しを入れる。内容によっては投稿する時間帯なども考慮する(ビジネスマンの好みそうな時事的な話題は主に平日、始業前か終業後の時間帯を狙うことが多い)。あるいは、タイムリーなネタであればそれが腐らないうちに記事をアップするようにするが、タイミングを逃した場合は様子を見てから総合まとめ的な視点でアップする……といった「工夫」をしている。

しかし、ツイッターではフォロワーを増やそうとしていない。

ブログでもツイッターでも集客をこころがけている、あるいはどちらでも集客とか気にしない、というのはわかりやすい。しかし、私は「ブログはアクセス数を考慮するが、ツイッターは気にしない」というタイプである。

いしたにさんは、これをストック型情報(ブログ)とフロー型情報(ツイッター)の違いを原因として見ている。その観点は鋭いと思うのだが、特にツイッターのフォロワー数という具体的な問題については、もう少し異なった見方が可能だと思われる。

まず、ツイッターは「投稿した時間帯にツイッターを見ていない人には情報が届きにくい」というデメリットがある。@usernameで相手を名指しで呼び出す場合には時間差はあまり問題にならないが、特にフォロー数の多い相手の場合、タイミングを逃すと自分のつぶやきがほとんど見てもらえない。タイムラインは次々と流れていく。つまり、フォロワーさんが1000人いたとして、自分の今のこのつぶやきを読んでくれる人はどれだけいるのか、といえば、何パーセントいるだろうか。

私は通常、日中につぶやくことが多い。ところが、まれに深夜帯につぶやいていると新しいフォロワーが普段よりはるかに多いペースで増える場合がある。つまり、それまでの私のツイートは、違う時間帯の住人の目には触れていなかったのだ。しかし、私がまた昼間の住人に戻れば、それらの人たちが私のツイートを見なくなる可能性は非常に高い。

フォローという行為は、自分のタイムライン上にその人のつぶやきを取り込む、という行為であって、それ以上でもそれ以下でもない。フォローしてくれた人は私のツイートを全部読むわけではない。そして、フォローするというのは必ずしも賛同でもなければファンになることでもない。ウォッチャー的にアラを探すつもりであってもフォローはフォローである。

したがって、フォロワー数は「タイムラインにツイートを載せてもいいと思われた」ということではあるが、その数をもって読者やファンが増えたわけではないし、フォロワー数が多ければ影響力が大きい、とも単純には言い切れないのである。

ツイッターで本当に影響力が大きいのは、フォロワー数よりもむしろリツイート(RT)の方だと思う。RTを重ねたツイートは極めて多くの人の目に触れることになるからだ。

このように考えると、ツイッターで「フォロワー数を増やす」という行為に私はあまり価値を見いだせない。フローとストックといういしたにさんの言葉を使うなら、フローなるがゆえにそもそもフォロワーの目に止まることを期待できないという要素が大きいのである。

なお、私はメインのこのブログではある程度確定した文章を載せることにしている。ブログの使い方にもいろいろあるだろうが、思いついたことをさっと載せるタイプではない。これまでその用途としては、はてなダイアリーを使っていたが、最近はそれがほぼツイッターに移行している。私にとっては下書き・草稿レベルのもの(それこそ「ダダ漏れ」「垂れ流し」)がツイッターであり、それに対して注目度を高める努力をしようという気になりにくい、という要素もあるかもしれない。

ネットで成功しているのは〈やめない人たち〉である
「ネットで成功しているのは〈やめない人たち〉である」
 [単行本(ソフトカバー)]
 著者:いしたに まさき
 出版:技術評論社
 発売日:2010-11-27
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というわけで、いしたにさんの本をきっかけに思ったことを書いてみたが、これ自体はいろいろなサイト運営者の考え方が覗けるという意味で非常に興味深い本であった。

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2010年11月26日18:24| 記事内容分類:ウェブ社会| by 松永英明
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