「資格」と一致するもの

「コレステロール値は高い方がよい」説を鵜呑みにするのはリテラシー欠如。2つの学会の背景から考える

コレステロール値:「高い方が死亡率低い」 日本脂質栄養学会で研究成果発表 /富山 - 毎日jp(毎日新聞)という報道があった。

 動脈硬化の原因の一つとされるコレステロールについて、日本脂質栄養学会(理事長=浜崎智仁・富山大学和漢医薬学総合研究所教授)が「総コレステロール値またはLDL(悪玉)コレステロール値が高い方が総死亡率が低い」とする研究成果をまとめた。3、4日に愛知県犬山市で開かれる第19回日本脂質栄養学会で発表する。

コレステロール値(あるいは悪玉コレステロール値)が高い方がよい、というのは、今の医療現場の常識をひっくり返すものである。Blog vs. Media 時評の団藤保晴さんも「Blog vs. Media 時評 | 男性で逆だったコレステロールの善玉と悪玉」と、この日本脂質栄養学会の見解に沿った形で論評されている。

しかし、ことはそれほど単純ではない。日本脂質栄養学会はもともと「コレステロール値は高い方がいいんじゃないか」という意見を持つ人たちが作った学会であり、最大規模の学会である日本動脈硬化学会とは鋭く見解を異にしている。

医学会にはいろいろな学会があり、それぞれの意見も相違している。ある一つの学会で研究発表があったからといって、それで日本の医学の世界での見解ががらっと変わってしまうわけではない。この点について発表者のバックグラウンド等を見ていきたい。

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ドロップシッピングはなぜネットで定着しなかったのか

3~4年ほど前、アフィリエイトに次ぐネットビジネスのキーワードとして「ドロップシッピング」が注目されたことがあった。当ブログでも「1ページでわかる日本型ドロップシッピングとは(ドロップショッピングではありません)[絵文録ことのは]2006/11/02」という記事を掲載している。

しかしこの記事から3年半。今、ドロップシッピングは決して流行っているとはいえない。2006年8月に、アフィリエイト業界からドロップシッピングに進出した電脳卸も、今から1年前の2009年6月末に「電脳卸ドロップシッピング」サービスを終了した。

ドロップシッピングはなぜ日本のネットで定着しなかったのか。先日のNHK番組でもあたかも詐欺商法であるかのように報道されていたが、そんな誤解さえまかり通るほど、知名度は低い。いや、実はこのシステム自体は非常によく使われている。しかし、ちょっと手軽に副業としてやれるレベルのものではなかった、というのが最大の原因だと考える。

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東京都を廃して東京府に変える試案を作ってみた

東京府案1「東京都」と東京特別区23区の制度は、昭和18年、戦時体制下の統制強化のために作られたもので、それまでは東京府・東京市の制度だった。今、地方分権の流れの中でも東京一極集中は止まらず、東京都の人口は現在も増え続けている。

2007年には東京都副知事で作家の猪瀬直樹氏が「東京DC特区」構想を発表したが、これは不十分なものであるとして反対の声が大きい。一方で、23区の中には「特別区」よりも「政令指定都市」として独自の政策を行ないたいという声も上がっている。

そこで、東京都を廃して東京府とし、極めて限られた範囲の政府直轄地を除いて、区を統合して政令指定都市を生み出すアイデアを試みに作ってみた。

あくまでもお遊びではあるが、地方分権が叫ばれている今、その中心にある東京「都」を真っ先にバラしてみるという発想を提案してみたい。

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日本全国の「藪医者」は21件!藪医者検索でチェック

日本に薮医者はどれくらいいるのか。その疑問を抱いた人は少なくないだろう。私は今回、薮医者の総数を調査した。

「やぶ」を名称に含む病院・医院・クリニックの看板を目にして驚くことがある。そこで、「やぶ」「薮」を含む勇気ある医者は日本にどれくらいいるか、iタウンページ等で調べてみた。※ここで扱っているのは医師としての資質とはまったく関係なく、名前だけの話ですので誤解なきよう。

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下北沢再開発問題についてもう一度まとめてみる(ゼロ年代の都市計画)

前回のブログ記事「小田急線下北沢駅の新駅舎案が猛反発される理由[絵文録ことのは]2009/10/03」は、新駅舎案が出たことをきっかけに、以前から考えていたことなどをまとめてみたものだったが、ブックマークやコメントでいろいろと見えてくるものもあった。一方で、下北沢再開発問題について、いろいろと誤解もあるようなので、その辺も含めてもう一度まとめてみたいと思う。

そこそこ長文でもあるため、流し読みでそのあたりを誤読している人も多いので、再度まとめておく。また、いろいろと曲解や暴論や感情論も多いので、正しておく必要があろう。なお、長文を読みたくない方は本文最後の結論をお読みください。

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新資格「環境カオリスタ検定」が始まるらしい

日本アロマ環境協会(AEAJ)の会報誌Aromatherapy Environment No.51が届いた。これによると、「環境カオリスタ検定」というものを始めるという。環境省の協力により、2009年度事業としてスタートするという。AEAJ会員にはテキストが届くそうだし、受験は在宅で可能だというので、受けるだけ受けてみようとは思うが、どういう資格になるのだろうか。

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大失業時代の「仕事につながる資格」選び10ポイント

現在、世界的な大不況の中で失業が問題となっているが、その中で職を得るために「資格」を取ることは一つの選択肢となるだろう。何らかの資格・知識・技能を身につけ、手に職を持つことで、よりよい仕事を探したいという人は少なくないはずである。

また、仮に仕事を失ってしまったとしても、その間(仕事探し以外に)することがないというのでは、時間がもったいない。その期間を、自分の成長のための投資期間とすることができれば、人生において有益というべきだろう。

しかし、世の中にはいろいろな資格が溢れている。その選び方を間違えると大変なことになる。そこで、「仕事につながるか否か」という観点からの「資格選び」のポイントを10項目にまとめてみた。これは一部、自分自身のここ数年の体験にも基づくものである。

(この記事は、すぐに仕事につながらない資格について否定するものではありません)

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「パンダ人」趙半狄氏はなぜ「カンフーパンダ」上映に反対したのか

zhaobandi.jpg映画「カンフーパンダ」急遽上映中止―四川省」(レコードチャイナ)の記事によると、四川省の芸術家趙半狄(ジャオ・バンディー)氏が映画「カンフーパンダ」にクレームをつけ、四川省内では当面上映を見合わせることとなった。

趙半狄氏とは何者なのか、どうして「カンフーパンダ」を槍玉に挙げているのか、よくわからなかったので少し調べてみた。

※追記:「カンフーパンダ」の上映が再開 レコードチャイナ

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極私的百科「閾ペディアことのは」のための「ことのは十進分類法」

 ふと思いついて、自分のための極私的百科「閾ペディアことのは」を作ってみた、という話は前回の続き。これはWikiPedia(ウィキペディア)と同じく「MediaWiki」というWikiツールを使っている。そのため、見かけというか操作などはほとんど同じ。ただ、自分の好みの記事をガンガン登録できるという仕組みである。

 ブログだとある程度その時点で固まった内容であることが多いが、ウィキならいつでも編集可能。そういう意味で両方あれば便利である。

 ところで、MediaWikiが使いやすい理由として、カテゴリ分けが非常に柔軟に使えることが挙げられる。あとでいくらでも変更できるし、どれだけ深い階層でも何とかなる。この点、一応カテゴリ階層化もできるが、その分タイトルがどんどん長くなってしまうPukiWikiなどよりずっと使いやすい。つまり、カテゴリによる整理をしようと思ったら(知る限り、現状)MediaWikiが最適ということである。

 ところが、このカテゴリ分けをどうするかでふと悩んだ。ウィキペディアの分類はあまり整理されていない。そこでいろいろと考えてみたのだった。

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「集合知」ウィキペディアの限界と可能性(Wikipediaの役割について)

 先日、自前のウィキ百科サイト「閾ペディアことのは」を立ち上げてみた。これは、Wikipedia(ウィキペディア)と同じくMediaWikiで作られた極私的百科である。「集合知」の典型ともされるウィキペディアに対して、自分のは当然「個人のまとめ」であって、その性質は自ずから違ってくるのは当然であり、そのどちらがいいとか悪いではなく、それぞれに役割と得手不得手が出てくることになる。

 さて、ウィキペディアの運営方針をもとにして、それを少しもじるつもりで自分の運営方針を書き始めてみたところ、どういうわけか完全に逆転してしまった。そこで、改めてウィキペディアというものの存在と性質を考えてみようと思った。

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