「文章」と一致するもの

「代官山」の範囲ってどこからどこまで?地図で示す「街の範囲」

東京には数多くの「街」がある。大きなところでは、たとえば新宿、渋谷、池袋、六本木、上野、浅草、お台場といった街があり、たとえば巣鴨、錦糸町、高円寺、吉祥寺、馬込、芝浦といった街にはそれぞれの特色がある。

この街の特色や雰囲気を、歴史と絡めて考えるのが「ゲニウス・ロキ」という概念で、メールマガジン【「場所の記憶」「都市の歴史」で社会を読み解く――松永英明のゲニウス・ロキ探索】で書いている文章も、そういう意識が根底にある。

さて、今回気になったのは「街の範囲」というものだ。たとえば「代官山」というのはどこからどこまでなのか。それを地図上に可視化してみることにした。

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「歴史にifはない」とはどういう意味か(歴史における「偶然」と「未練」)

「歴史にifはない」という言葉がある。歴史家が歴史上の仮定を語るとき、「歴史にifはないと申しますが……」と枕詞のように言い訳する言葉としてよく用いられるが、そもそも、なぜ歴史で仮定を語ることがいけないことであるかのように言われるのか。「歴史にifはない」と言い出したのは誰なのか、またそもそもどういう意味合いだったのか。

調べてみると、歴史学者E・H・カーの『歴史とは何か』(1961年の講演録)がその発端になっているようである。それは、近現代史において未練たらしく「こうだったらよかったのに」という思考を批判する趣旨での「might-have-been school(こうだったらよかったのに派、未練学派)」批判であった。

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アルファブロガーアワード2008 ブログ記事大賞に推薦

アルファブロガー・アワード2008:ブログ記事大賞が始まっている。

第5回目のアルファブロガー・アワードは、例年とは趣向を変えて、ブログの中の1つの記事に投票していただく「アルファブロガー・アワード2008:ブログ記事大賞」でお送りします。

2008年に書かれたブログ記事のうち、最も「感心した」「笑った」「泣いた」「勉強になった」「考えさせられた」など、印象に残ったものを1~3本選んで、推薦してください。

というわけで、2008年はあまりブログを意識して読んでいなかったのだが、とりあえず候補を挙げてみたい。

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「萌え本」の多様化・国際化の歴史

アクセス元を見ていたら、中国の比特客栈的文艺复兴(「ビット旅館のルネサンス」、以下BitInn)というブログからのアクセスがあった。見に行ったら、萌え本についての考察「「萌え本」(萌化教科書)についての略説」があり、その中でハルヒが春日。『涼宮春日的憂鬱』と台北萌え本事情[絵文録ことのは]2006/12/21にリンクされていた。

非常に興味深い考察だったので、この記事を訳して掲載してみたいと思う。

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訳すな、構造を理解せよ、そして、とにかく長いのを読め

英語その他の外国語についての勉強法がいろいろ議論にあがっている。

わたしがこれまで語学においてやってきた方法は、「訳文を一通り読んでから原著を読む」という小飼さんのメソッドに近い。

高校のとき、英語(というより単語の記憶)が苦手だったが、『指輪物語』(The Lord of the Rings)の日本語訳を数回読んだ前提の上で、原著を数回読み通すことで、「文章中の知っている単語を眺めれば全体の意味がなんとなくつかめる」という状態になった(ちなみに『指輪物語』は大学在学中までに日本語訳・原著合わせて30回は通読した)。

また、古文については、角川文庫版の対訳付き『源氏物語』を、まず現代語訳で、ついで原文で、最初から最後まで読み通して、語感をつかんだ。漢文は、藤堂明保ほかの編集による学習研究社の「中国の古典」シリーズを読み通した。

ついでに言えば、歴史については中公文庫の『日本の歴史』全26巻、『世界の歴史』(旧版)全16巻を通読することで、暗記ではなくストーリーとして学習した。

長編を読むのが苦手な人にはおすすめできないが、とにかく「習うより慣れよ」で暗記不要の勉強法について述べてみたい。

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今年「ことのは」経由で売れた本・音楽

2008年も残りわずかとなりましたので、今年一年、当サイト経由でAmazonで売れた商品のうち、複数以上売れたもの(つまり当サイトの読者の人気商品)を、ジャンル別にご紹介します。

今年前半はサイト更新を休止していたためにほとんど放置状態でしたが、それでも少しは売れていたようで、ありがたいことです。

なお、当サイトでは紹介していないにもかかわらず、紹介リンクからAmazonに飛び、そこで検索して購入されたものも数に含まれますのでご了承を。

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ハンコ・元号・縦書きをやめたくない歴史的な理由

ハンコ・元号・縦書きをやめよう - 池田信夫 blogを読んだ。

あまり根拠もしっかりと書かれておらず、思いつきだけで書いているのではないかという印象を受けたが、歴史的な事実関係を見ながら、何となく「やめなくていいんじゃないの?」という意見を書いてみたいと思う。

ちなみに、わたしは保守派でもなければ国粋主義者でもない。

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「対馬=韓国領」という妄言はどこから生まれたか

一部の韓国人が「対馬は韓国領である」と主張している。何をどう考えても歴史的に日本の一部であった対馬を、なぜ一部の韓国人は自国領と主張するのか。どういう根拠があってそういうことを言うのか。

よくわからないので、人力検索はてなで質問した後、少々調べてみたところ、一部の韓国人は歴史書のごく一部のみを抜粋して、自分たちに都合のよい歴史をでっち上げていることがわかった。

なお、このように「ごく一部のみの抜粋(あるいは恣意的な要約)」によって、相手が言ってもいないこと、やってもいないことをでっち上げる人がまれにいるので、要注意である。

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現代中国語の中の日本語「外来語」問題

産経新聞で、「現代の中国語で、近代の西洋の言葉を翻訳したことばの多くが日本での訳語を採用したものだ」という記事が載った。

相変わらずの産経論調ではあるが、ここで述べられていることは事実である。

さて、ここで参照されている資料が王彬彬氏による『現代漢語中的日語“外来語”問題(现代汉语中的日语“外来语”问题)』という文章である。これはわたしも数年前に見ていて、非常に興味深いので訳しかけたことがあったが、結構長文なのでくじけていた。現在に至るも、全文の完全な翻訳は見あたらないので(一部訳されていないものならあったが)、今回、全文の完全訳に挑戦した。それが完成したので、こちらで公開する。

現代中国語の中の日本語「外来語」問題 - 閾ペディアことのは

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ハローバイバイ・関暁夫の都市伝説2がオウム真理教とシンクロ

本屋で立ち読みしていて驚いた。最近発売された『ハローバイバイ・関暁夫の都市伝説2』の内容が、かつてオウム真理教が布教のために主張していた内容とそっくりなのだ。「スティーブン・セキルバーグ」ことハローバイバイ・関暁夫氏とオウム真理教の奇妙な一致について、ここでは「信じるか信じないかはあなた次第です」なんてことは言わない。なぜなら、信じる信じないの次元ではなく、きちんと調べればこれが事実であることを確認してもらえるからだ。ただ、この二つが一致しているという事実をどのように解釈するかはあなた次第です。

ハローバイバイ・関暁夫の都市伝説―信じるか信じないかはあなた次第
ハローバイバイ関暁夫の都市伝説2
竹書房
発売日:2008-07-02
おすすめ度:3.5
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