「百科事典」と一致するもの

「集合知」ウィキペディアの限界と可能性(Wikipediaの役割について)

 先日、自前のウィキ百科サイト「閾ペディアことのは」を立ち上げてみた。これは、Wikipedia(ウィキペディア)と同じくMediaWikiで作られた極私的百科である。「集合知」の典型ともされるウィキペディアに対して、自分のは当然「個人のまとめ」であって、その性質は自ずから違ってくるのは当然であり、そのどちらがいいとか悪いではなく、それぞれに役割と得手不得手が出てくることになる。

 さて、ウィキペディアの運営方針をもとにして、それを少しもじるつもりで自分の運営方針を書き始めてみたところ、どういうわけか完全に逆転してしまった。そこで、改めてウィキペディアというものの存在と性質を考えてみようと思った。

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近代サンタクロースの生みの親はブッシュ大統領のご先祖様だった

 クリスマスシリーズ第3弾は、近代サンタクロースのもとになった「聖ニコラスの訪問記」という詩の作者が、ムーアではなくリヴィングストンだったという話をさらに突っ込んでみる。アメリカでは定着しつつあるようだが、日本では話題にもならず。大体、その詩も「赤鼻のトナカイ」ほど有名じゃないし、作者名なんかもっと有名じゃないから仕方ないかもしれない。ただ、ウェブ上では岩波新書の葛野浩昭著『サンタクロースの大旅行』(98年刊)の孫引きばかりで、現時点では間違った(あるいは古い)記述になってしまっているので、その点は正しておきたい。

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反射区理論(リフレクソロジー、ゾーンセラピー)の起源を探る(2)90年前アメリカで生まれた

 前回はリフレクソロジーと鍼灸・ツボの理論は別であること、そして中国に起源を求めることはできないことを検証した。

 今回は、リフレクソロジーの本当の起源を求めて、アメリカに上陸する。

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[バ科事典]徳川家康と書いてオダ・ノブナガと読む指輪の魔王が開いたオダ幕府はコナミで堺衆を滅ぼした

 タイトルからしてすでに意味不明ですが、「[バ科事典]日本について外国人はこう思っている!(かもしれない)」が好評なようなので、同じくウソばっかりの百科事典「Uncyclopedia」から、オダ・ノブナガ、オダ幕府、コナミの3項目を訳してご紹介します。

 なお、人名にデタラメな漢字・ひらがなが当ててあるので、そういうところだけはアルファベット表記を残してあります。

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[バ科事典]日本について外国人はこう思っている!(かもしれない)

 百科事典は英語でEncyclopedia、その語源はギリシア語のεγκύκλιος παιδεία(エンキュクリオス・パイデイア=教育の輪の中→一般教育)で、これはκύκλος(キュクロス=円)に由来するεγκύκλιος(エンキュクリオス=円形)と、παιδεία(パイデイア=教育)の組み合わせである。

 で、ネット上の百科事典というとWikipediaが有名だが、そのパロディ版、うそばっかりの百科事典(バ科事典とでも命名すべきか)Uncyclopediaというのがあることを日記ちょうで知った。このJapanの項目がキチガイじみていてやや面白いので訳してみた。

【関連記事】

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アメリカ合衆国が「合州国」ではない理由についての資料集

 United States of America は、日本では「アメリカ合衆国」と訳す。states(州)がunited(合)したものなのだから「合州国」じゃないのか、という疑問はよく提出されるが、これは合衆国で正しい。

 「合衆」というのは今の「共和」つまり王政ではない合議制を意味する言葉、あるいは「協力し合う」という意味である。したがって、「アメリカ合衆国」とは「共和制度の国家アメリカ」、あるいは「アメリカ洲における連合諸邦が共同経営する国家」という意味で名づけられたのだ。

(追記。つまり、「衆が合する国」だと考えると、「それだったら州が合する国じゃないか」ということになるわけだが、実際には「合衆する国」という意味なのである。合衆=コラボレーション、とでも訳すとわかりやすいか。だから、合衆国=連邦とまったく同義であり、合衆国はUnited Statesの「直訳」ということになる。)

 ということを数年前に調べていたのだが、その資料を久々に発見したので、ネットに挙げておくことにする。したがって、今回は引用ばかりなのだが、そのへんはご容赦を。

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正しいパクり方――藤原定家の「本歌取りの方法」

 「盗用」について、著作権的な観点から言うならば、「もともと他の人が作ったものを利用している、という事実と、その範囲を、誰の目にもすぐわかりやすいような形で示さないものは、盗用」と言ってしまっていいと思う。不正な転載は盗用である。
 また、「情報を共有する」ということは決して「著作権を放棄する」ことにはならない。著作者人格権を守りつつ、しかもそのリソースを活用できるようにするために著作権法があり、盗用にならないよう適切に引用するための規定があるわけである。
 適切な引用については「引用」は無断でやるのが当たり前で書いたのでご参照を。

 さて、私たちは、他の人の業績を利用してさらにそこに新しいものを付け加え、アレンジすることができる。それが単なる「盗用」になるのか、それとも「アレンジ」「翻案」「パロディ」になりえるのか、という分かれ目は、結局のところ「もとの作者への感謝と尊敬」の念を表現するか否かにあると思う。

 そして、日本人は古来、盗用にならないように上手に他人の業績を活用してきた。その代表例が「本歌取り」だ。今回は、鎌倉時代前期の有名な歌人・藤原定家の本歌取りについての論を現代語訳してみよう。

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超「本」格会議に行ってきました

昨年末の「忘年会議」は情報密度も濃く、非常におもしろかったので、またまた行ってきました。

究極の一冊を教えあう、超『本』格会議
~ 書籍のビジネス活用ノウハウで2004年も完全武装 ~
日時 2004年01月29日(Thu) 19:40-22:00
場所 デジタルハリウッド渋谷校
主催 橋本大也(Passion for the Future)・百式管理人(百式
今回は「有用な本をいかに見つけるか」という感じのテーマで、このサイトの読者の皆さんにも興味深い内容かと思いますので、ざっと概略を(公式にはきちんとまたレポートがあると思います)。

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