「ディスプレイ」と一致するもの

文学フリマでのサークルスペース・ディスプレイ・デザイン

文学フリマは非常にシンプルなイベントである。文学というタイトルではあるが、実際には広く「文章系同人」のイベントととらえるのがよいだろう。いわば文フリ会場は「ロゴススフィア」といえる。

あるいは紙の本の愛好者の集まりでもある。そこで表紙デザインを含めたレイアウト、装丁といったものも「表現」の一環として捉えられている。あえてシンプルにして文字の力を強調する人もいるし、一方でフルカラーの凝った表紙を作ろうとする人もいる。わたしも以前は一色刷だったが、前回・今回はフルカラー表紙にし、今回はついにイラストを描いてもらった。

そんななかで、わたしはおそらく少数派だと思うのだが、与えられた長机の上の空間、すなわちサークルスペースのディスプレイ・デザインについても非常に凝りたくなってしまうのである。本をよりよく見てもらうためにはどうしたらよいか。手に取るためには目に入らなければならない。

おそらくわたしが文フリに参加しているのは、書き手でもあり、編集者でもあり、デザイナーでもあるだけでなく、棚の見せ方に工夫を凝らす書店員としての意識もあるのだと思う。

以下、今回のレイアウトに至る経緯である。

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第十三回文学フリマ参加報告と分析と入手品(【オ-01】ことのは) #bunfree

2011年11月3日に東京流通センターで開催された第十三回文学フリマ。「十周年記念」開催でもあった。会場が変わったこともあって文フリの新しい歴史の転換点となる回であったと思うが、その感想などをまとめておきたい。

まず最初に。当ブースへお立ち寄りいただいた皆さま、お買い上げくださった皆さまにお礼申し上げます。ちょっと興味を持ってもらえたというだけでも嬉しいものです。ましてや買っていただけたらなおさら。当方の冊子(新刊・既刊問わず)感想を書いていただけたらトラックバックやツイッターで教えていただければ嬉しいです。

※他の方の感想などは2011年11月3日(木祝)「第十三回文学フリマ」開催 - 文学フリマ事務局通信にトラックバックされています。

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ヴィレッジヴァンガードさん、期待を裏切らないで!

VILLAGE VANGUARD(ヴィレッジヴァンガード)という変な本屋さんがあって、本だけじゃなくいろいろと変なものを置いてあり、芸術的ともいえる絶妙なPOPコメントも相まって、わたしは一度立ち寄ってしまうと時間を食われてしまう。あのカオス状態がヴィレヴァンの味といえる。

しかし、そのヴィレヴァン全店から「エロ・グロ系のグッズやコミック」が排除されるという情報が流れてきた。ツイッターの店舗公式アカウントやmixiコミュニティ等での店員のコメントによれば、イオン某店に入っている店舗に対して「お客様」からクレームがあり、本部で検討した結果、「全店舗」において排除ということになったという。

最後まで抵抗した店長もいるらしく、またその方針に寂しさを感じているという店員のツイートも見られるのが救いではあるが、しかし、そういう「悪書」なんかも含めて「店員が自分で買いたいような本やCDや雑貨をお勧めする」のがヴィレヴァンの持ち味ではなかったか。今回の決定は、その持ち味を自らかなぐり捨てるものであるとしか感じられない。

ヴィレヴァンの一ファンとして、わたしは今回の決定を寂しく、悲しいことだと考える。そして、ヴィレヴァンさえも踏んばれなかったら、異物排除思想に基づく「清潔なファシズム」の進行をどこが止められるというのか?

VILLAGE VANGUARD この画像は、わたしが文学フリマ用に自作した「ヴィレヴァンもどきPOP用紙」に手書きしたものである。

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Kindle、今夏ついに日本語表示!読書好きなら買わない理由のない新キンドル

電子書籍リーダーの一方の雄、Amazon Kindleがついに今夏、日本語などに対応する。2010年8月27日発売の新キンドル(Kindle Wireless Reading Device, Free 3G + Wi-Fi, 6)は日本語表示が可能になると明記されている。これで日本市場でも大きく注目を浴びることが予想される。特に、私のように「読書体験に集中した機能限定のKindleが好き、iPadとか興味ない」という人には朗報だろう。

今回は、この新キンドルの概要を訳してみた。

※注(追記):日本語(ならびに中国語簡体字繁体字・ハングル・キリル文字)も「表示」可能になりますが、それらの文字の書籍が販売されるようになるかどうかは不明。

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「カラー版キンドルはすぐには出ない」「キンドルストアとデバイスは別ビジネス」ベゾス氏発言 #kindlejp

アマゾンの年次株主総会に関する英文報告ブログによると、アマゾン創設者・CEOのジェフ・ベゾスが「キンドル(Kindle)は読むことに集中」「カラー版キンドルは近日中にはない」「キンドルのデバイスとキンドル本は別のビジネス」などの見解を明らかにしたという。

多機能をうたうiPadに対して、ひたすら読むための機器を目指すという方針は、キンドル派の私にとっては非常に嬉しいことである(同様の意味で、ひたすら書くための機能に集中しているポメラも好きだ)。カラーeInkは実用にはまだ遠いようだが、中途半端な状態では出さないという姿勢も好ましく思える。

以下、当該ブログの全文を翻訳してみた。

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第十回文学フリマ参加報告(U-12「ことのは(@kotono8)」 #bunfree )

2010年5月23日に開催された第十回文学フリマの事前~事後までのレポートです。今回初参加の方で、前回参加時の記録が役に立ったと報告してくださった方もいるので、「文フリではそんなに売れてない方の(ロングテール側の)一サークル」の記録としてお読みいただければと思います。ちなみに出店は今回で3回目。

なお、今回作成したキンドル対応PDF電子書籍についての詳細レポートは次エントリーにて予定しています。

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第十回文学フリマ U-12「ことのは(@kotono8)」出品リスト( #bunfree )

5月23日日曜日に京急蒲田・大田区産業プラザPiOで開催される第十回文学フリマに出展します。ブース・サークル名はU-12「ことのは(@kotono8)」です。新刊『事物起源探究 創刊号』、キンドル(Kindle)対応PDF電子書籍『アジアの光』、買いすぎても大丈夫な「ゲニウス・ロキ手提げ紙袋」の三点が新作となります。

また、「.review 001」冊子「本当はこの文章系同人がすごい2010春」にも寄稿しています。

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Amazon Kindle(アマゾン・キンドル):「反射光の電子ブック」という革命的に新しいメディア

Amazon Kindle(アマゾン・キンドル)をプレゼントされた。

これは、人類の読書史において画期的な意味を持つメディアではないかと思う(正確に言えば、キンドルだけではなく、E Inkを使った電子ブック機器である)。つまり、粘土板や青銅器などに刻んだ文字→紙媒体(手書き→印刷)→ブラウン管/液晶と変化してきた文字媒体の歴史の中で、「反射光の電子ブック」という存在は非常に大きな意味を持つ。

iPhoneやPC版のキンドルにはあまり画期的な意味はない。それは従来のブラウン管/液晶画面上での読書体験である。E Inkを使ったキンドルこそ、画期的な意味を持つ新しいメディアなのだ。 kindle

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Googleの新しい順位決定方法のすべて。SEO関係者必読、グーグル特許出願文書全訳

 United States Patent Application: 0050071741(合衆国特許出願0050071741)には、Googleのスコア付け・ランク付けに関する技法について詳細に描かれている。ここでわかるのは、履歴データをもとにして、スパムを検出したり、時事的に求められている文書を上位表示させたりする技法が採用されているということである。

 最近のGoogleでは、今までのSEO(サーチエンジン最適化)技術を使ってもいきなり順位が落ちたりする現象が知られていた。その理由がこの特許出願文書をよく読むことによって理解できるのではないかと思われる。

 小手先のSEOや、スパムが力を持つ時代はすでに終わっている。SEOに興味のある人は、無差別トラックバックやコメントスパムもかえってマイナスであることをよく理解していただければと思う。

 やはり「優れた内容を、整理された形でわかりやすく」提供することこそが最強のSEOとなりつつある。

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英語の造語トップテン、辞典サイトで公開

 アメリカの言語関係出版社メリアム・ウェブスターのサイトで、造語趣味者による新語のトップテンランキングが発表された。

 普通の言葉をうまく組み合わせてたり、よくこんな特殊な状況に名前をつけようとしたな、というものもあったりで、なかなか興味深い。プレグリーニングなんて大阪ではよく見かけるかも。というわけで、以下、訳してみた。

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