「ライター」と一致するもの

レッドブルとアップル「直訳CM」の致命的欠陥(「授ける」と「させる」の言語機能の解析)

最近、海外商品について直訳のメッセージで宣伝するCMがいくつか見受けられるが、それを見聞きするたびに気持ち悪さを感じていた。その筆頭がアップルとレッドブルである。

その気持ち悪さについて、日本語学的に分析すると非常に興味深いことがわかる。それはこの二つのCMの言葉が、英語の単語をそのまま日本語に置き換えているがゆえに意味が変わってしまっているということである。特に「授ける」と「させる」という日本語の「機能」に無頓着であることが致命的な欠陥となっている。

前回のブログ記事(木村カエラCMのエセ関西弁が気持ち悪い理由[絵文録ことのは]2012/02/29)に引き続き、今回もCMの言葉を解析してみた。

続きを読む: レッドブルとアップル「直訳CM」の致命的欠陥(「授ける」と「させる」の言語機能の解析)

DeNA参入で変わる歴代プロ野球親会社「業種」勢力図

一部にはいまだ反発などもあるものの、横浜ベイスターズが2012年度から横浜DeNAベイスターズになることがほぼ確定したようである。DeNAもIT系の企業と見なすならば、現在のプロ野球オーナー企業の中ではSoftbank・楽天と合わせて三社がIT系ということになる。

7年前、東北楽天ゴールデンイーグルス誕生時(Softbank参入前)に、わたしはこのような一覧をまとめていた。

このとき、わたしは書いた。「IT系企業がプロ野球球団のオーナーになるというのは、時代を反映しているような気がする。……ということは、歴代のプロ野球の親会社の業種を見れば、世相が浮かび上がってくるだろうか? と思い立って、ごく簡単ながら、これまでのプロ野球オーナー会社の業種をまとめてみた」。

今回の勢力図の変化もやはり世相を表わしているように思われる。楽天・SoftbankというIT系2社の参入以来、西武ライオンズのオーナーが関連企業内で変化した以外には大きな変化はなかったが、DeNA参入で勢力図がまた少々塗り変わったようだ。

そこで、前回の集計を修正した上で、今回は新たに視覚的に一覧できる塗り分け図を作成してみた。

続きを読む: DeNA参入で変わる歴代プロ野球親会社「業種」勢力図

制服向上委員会の「フジロック狂言」始末

最近、反原発を前面に押し出すことでプロモーションしているアイドルグループ「制服向上委員会」が、7月20日、メンバー公式ツイッターと公式ブログで「フジロックのスポンサーのひとつである大手企業の反対により「ステージ上で脱原発の歌は歌えない」との事で、出演出来なくなってしまいました。」と発表。

ネット上ではこの情報をもとにフジロックや「大手企業」、あるいはロックそのものを批判する論調も見られたが、一方で「制服向上委員会の言うことは間に受けない派」(宗像明将さんなど)をはじめとして、そもそもの発言の信憑性を疑う声も上がっていた。

結局のところ、そもそも制服向上委員会がフジロックに出演する話そのものが疑わしいというのがオチであるようだが、その顛末をとりあえずまとめておく。

続きを読む: 制服向上委員会の「フジロック狂言」始末

ツイッターフォロワー10:1の法則と「リスト率」

fladdict ≫ Twitterのフォロワーに関する10:1の法則、メモ」で、「フォロワー数÷被リスト数」がおよそ10になるという法則に気づいたと書かれていた。私の場合は約7で、この基準からするとかなり少ない方に位置する。

一方、フォロワー数と被リスト数の比率については2010年にも話題になっており、このときは逆に「被リスト数÷フォロワー数」を「リスト率」としていた。

特に後者の記事は非常に参考になる。ちなみに私のツイッターのリスト率は14%となる。この数値について考察する一資料としてデータを提供したい。

続きを読む: ツイッターフォロワー10:1の法則と「リスト率」

ツイッターの「フォロワー数」についての雑感(『ネットで成功しているのは〈やめない人たち〉である』書評)

いしたにまさき『ネットで成功しているのは〈やめない人たち〉である』(技術評論社)の献本を受けた。というのも、この本は「ブロガー110名へのアンケート取材」のデータを分析して書かれたものであるが、そのアンケートに私も答えていたからである。献本いただきありがとうございます。

私自身はネットで「成功」したかどうかはわからないが、今もとにかく細々とながらやめずに続けていることは間違いない。その回答についてちょっと補足した上で、いしたにさんが書かれた「フォロワー数」についてちょっと書いてみたいと思う。

ネットで成功しているのは〈やめない人たち〉である
「ネットで成功しているのは〈やめない人たち〉である」
 [単行本(ソフトカバー)]
 著者:いしたに まさき
 出版:技術評論社
 発売日:2010-11-27
 価格:¥ 1,554
 by ええもん屋.com

続きを読む: ツイッターの「フォロワー数」についての雑感(『ネットで成功しているのは〈やめない人たち〉である』書評)

汎用機器iPadは正直「イマイチ」――読書専門機器キンドルとの対比、電子書籍のレイアウト

iPadが発売されて、電子書籍の未来に注目が集まっている。

しかし、私自身は断然キンドル派である。何でもできる汎用機(だが電話はできない)iPadより、読書専門機器であることを貫こうというキンドルに好感を持っている。「大は小を兼ねるで、機能の多い方がよい」という意見があることも知っているが、特定の目的のために最適化された機器の使い勝手のよさも捨てがたい。

ポメラ・キンドル・ガラケー派のユーザーである私が、今電子書籍について考えていることを少し書いてみたい。ここには「電子書籍はレイアウトが重要」という主張も含まれる。

※この記事は多少出遅れた感はあるものの、BLOGOSのテーマ「iPad発売と、出版の今後」について書いたものである。

続きを読む: 汎用機器iPadは正直「イマイチ」――読書専門機器キンドルとの対比、電子書籍のレイアウト

紙の本の出版権とデジタル化権の抱き合わせには反対

「電子書籍化へ出版社が大同団結」という報道があった。紙の書籍の「出版権」は出版社が握っているが、電子書籍の許諾権は著作者にある。つまり、私が書いた本のアマゾン・キンドル版を出すかどうかは(特別な契約がない限り)私が決めることであって、(紙の)出版社に発言権はないということになる。

ところが、この状況について一部の大手出版社がデジタル化の権利も持てるようにする法的改正を目指し、「日本電子書籍出版社協会」を設立すると報じられた。

私は著者の立場として、紙の本の出版権とデジタル化権を一体化しようという、この一部大手出版社の方向性に強く反対する。そして、私は今すぐにでも、将来のキンドル日本語化に備えて、アマゾンと直接交渉する意志があることをここに表明しておく(ただし、一部条件つきではあるが)。

続きを読む: 紙の本の出版権とデジタル化権の抱き合わせには反対

なぜ日本人はよく自殺するのか

香港「明報」10月18日号の「好書搶読」(良い文章を争って読む)コーナーに、ライター湯禎兆氏の「日本人為什麼愛自殺(なぜ日本人はよく自殺するのか)」という文章が掲載されている。これは、青木雄二、柳美里、岡田尊司らの見解を紹介する一方、酒井法子が自殺したというデマが流れたことや硫化水素自殺などのタイムリーな話題も取り上げている。経済的理由のみならず、「武士道精神」「著名人への自殺を期待する大衆」「自己愛型社会」などの社会的・文化的な要素も指摘されている。

そこで独自にこの文章を翻訳してみた。

続きを読む: なぜ日本人はよく自殺するのか

9ステップで別人!中国化粧美女の究極テクニック写真集

中国の「化粧美女」が話題になっている。

「小悪魔メイク過ぎる」 四川省の変身美女にネット騒然(中国)|トレンド|無料動画 GyaO[ギャオ]|という記事が出た。化粧前と化粧後(ならびに化粧のプロセス)を全公開した女性がいて、あまりにもその落差に驚いてしまう。

lala化粧前化粧後

調べてみると、本人のサイトがあった。
╭★I'm Lala★╮というネットショップで自らがモデルとなっておしゃれ衣装を販売しているLala(laladesgin/lala設計屋)さんだ。これによると、上記記事とは違って「浙江省杭州」の人となっている(杭州は西施をはじめとして美女で有名な土地)。

その個人ユーザーページ(laladesgin的个人门户)からたどれる卸妆前后的我★男人婆变大眼SD娃娃★再更新(「化粧の前と後のわたし」)に問題となった「化粧前」「化粧後」「化粧の9ステップ」の写真と文章が載っている。見る限り、整形でもなければ画像加工でもなさそうだ。

その文章を一部翻訳してみた。あのage嬢もすっぴんはこんな感じかも!?

続きを読む: 9ステップで別人!中国化粧美女の究極テクニック写真集

文章で稼ぐ人間が、無償のブログも書く理由

萌え理論Blogのid:sirouto2さんが、ここのところ、プロのライターとして書きつつ、無償のブロガーとしても執筆することについていろいろと考察している。それに対して、ケータイ小説評論家・速水健朗(id:gotanda6)さんが応えている。いずれも、ブロガーでもあるライターとしてのわたしとしては、共感できる内容が書かれている。

このあたりで、「有償の表現と無償の表現」とか「表現したいことと商品価値の軋轢」みたいなものも含めて考察してみたいと思う。

続きを読む: 文章で稼ぐ人間が、無償のブログも書く理由
2 3 4 5 6 7 8  

アーカイブ

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。
過去に書かれたものは月別・カテゴリ別の過去記事ページで見られます。