「携帯電話」と一致するもの

大阪維新の会のエセ科学的「家庭教育支援条例(案)」逐条批判

大阪維新の会大阪市会議員団が提出しようとしている「家庭教育支援条例(案)」が大きな批判を浴びている。特に「発達障害は親の育て方が悪いから」というエセ科学理論を前提とした提案であることが批判の的となっている。エセ科学と伝統偽装に裏打ちされた提案は、現実には害悪しかもたらさないだろう。

この条例の思想のバックボーンには、ある一般財団法人が絡んでいることも見逃せないポイントだ。その財団法人の付与する民間資格を支援するとも明記されている。

以下、自由法曹団のサイトで公開された「大阪市・家庭教育支援条例 (案) ――― 全条文 (前文、1~23条)」をもとに、逐条批判していきたい。

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2011年の統計からみるスマホの将来:docomo圧勝?

スマートフォンはどれくらい伸びるのか、伸びないのか。日本独自の進化を遂げたがゆえに「ガラパゴス携帯=ガラケー」と呼ばれる従来型携帯がスマートフォンに制圧されるのは近いのかまだ先なのか。

そういうことをデータに基づいて検証したいと思って、先週、携帯3社に対して「従来型携帯とスマートフォンの契約者数について、性・年代別の統計資料はありませんか」という問い合わせを行なったところ、三社横並びで「そういう資料は提供していない」との回答だった。

さらに検索してみたところ、1か月前に博報堂の関連調査機関が出した報告がちょうどぴったりのものだった。博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所が6月15日に公開した「メディア定点調査2011」である。

この中で「スマートフォン所有状況」の東京・大阪・愛知・高知の4か所の比率(抜粋編に掲載)、同じく2010年との比較と性年齢別比較(ニュースリリースに掲載)のグラフが表示されている。

このグラフからは「スマホは20~30代ビジネスユーザー中心」という現状が読み取れるように思われる。それは、すべてのガラケーがスマホに入れ替わるのはまだもう少し先、ということを暗示しているように思われる。

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入試カンニング擁護論を批判する。カンニングは自分自身をおとしめる行為だ

ついに入試問題カンニング学生が「逮捕」つまり刑事事件化するという発展を見せた。愉快犯説も多かった中、私は当初からそうではなく本気で大学に合格したかったのだとツイッター等でも述べてきたが、おそらく私の見方は正しかったように思われる。もっとも、複数による携帯を使わない手法という私の憶測は外れているかもしれない。

その中で「カンニングすることは問題ではない。逆に公正な手段だ。むしろ失敗したことが問題」というようなコメントが当方のブログに寄せられた。私はそのような見方には一切与さない。論点は3つ。

1)本来学力を問われる試験において、学力や問題回答力ではなくズルをするというテクニックによって問題を回避するのは、たとえどのような理由があろうとも、会社の利益のために脱法行為をするのと同じく、適正なことではない。

2)目先の短期的な利益を実現するという結果を得ることが最大の価値であって、手法などはどうでもよい、という考え方そのものが根底的に人生観として誤っている。少なくとも私には採用できない生き様である。

3)そもそも、四年制大学あるいは一流大学に入ることがその後の人生の成功に必要不可欠と考える風潮(新卒の就職活動も含む)そのものが根本的におかしい。この学生も大学に入る以外の選択肢が与えられなかったことから追い詰められたと考えられる。したがって、この学歴前提の社会通念を根底からぶっ壊す必要がある。

以下、詳細に述べる。

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京大入試を知恵袋で訊いた受験生の手口をプロファイルする

京大をはじめとする入試大学の問題を試験時間中に「Yahoo!知恵袋」に投稿して回答を募っていた事件について、京都大学は被害届を提出すると報じられた。約20年前に2回目の受験でやっと京大に入学できた自分としては、こういうことをするのが結局は自分自身のためにならないことを自覚してほしいと思う。

今回は犯人と手口を推理してみる。私の推理としては、共犯がいる。いくら何でも、会場で問題をサイトに投稿するような不審なことをしていれば、試験監督以外の一般受験者からも発見されるはずだ。

したがって、受験者が「超小型カメラなどの手段で撮影した試験問題を外部へ送信」し、それを協力者(家族の可能性もある)が入力してaicezukiのidでYahoo!知恵袋に投稿(入力はPCの可能性もある)、その回答を何らかの手段で受験者に伝えたと考える。

試験会場にて携帯で知恵袋を見るのはリスクが高いので、メールで送信したかもしれない。だが、そういうものを見ること自体がリスクだ。イヤホンも無理。となると、憶測をたくましくすれば、モールス信号を振動で伝える手段などを使って、外部にはほぼわからない状態で回答を得たのかもしれないとも考えられる。いずれにしても、会場で携帯を使っていたとは言い切れない。

そして、Yahoo!知恵袋などのQ&Aサイトの「回答の精度」についても最後に述べる。ネット丸写しの誤答によって犯人はすぐ割り出されるだろう。

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明治の「八百長」は「意図的引き分け」だった。板垣退助も激怒した八百長相撲

大相撲の八百長問題が発展してついに春場所は中止と決まった。角界が自力で八百長を防げないというのなら、「国技」などと称するのをやめてプロレスのような見世物と割り切ればいいとも思う。プロレスがどこまで本気か、などと「ハッスル」の試合で言う人間がいないように、スポーツではなく興業だと思えば別にどうでもよい話だ。ただ、そのためには「特例民法法人」格と「国技」の肩書きを捨てるべきである。

大相撲は国技館を出て回向院に戻ればいいんじゃないか。そもそも相撲が「国技」とされたのは、明治四十二年(1909年)に常設館が建設されて「国技館」と名付けられてからわずか百年ほどのことでしかない。相撲そのものの歴史は古くても、国技としての歴史は浅いのだから、一度返上してやり直すのもいいのではないか。

ところで、事物起源探求家としてはそういう話よりも「そもそも八百長という言葉の由来は?」「明治時代にはどのように使われていた?」ということが気になる。

八百長は八百屋の斎藤長吉が由来、という新聞記事が見つかった(ウィキペディア等では「八百屋の長兵衛」と書かれているが、新聞記事では表記が違っていた)。また、当時の八百長とは談合して勝ち負けを決めるというより「勝ち負けが決まらないように引き分けまたは預かりにするような取組をする」という意味で使われていたことがわかった。明治の相撲の腐敗批判記事は、今にもそのまま当てはまる。相撲界は100年間何の進化もしていなかった(ある意味、明治の伝統をそのまま受け継いでいるともいえる。ただしそれは悪習を、である)。

【今回の内容】

  • 八百長の語源「八百屋の斎藤長吉」と明治の用法
  • 明治・大正の八百長
  • 板垣退助、八百長を叱る
  • 明治の新聞、相撲を叱る
  • 「ポリリークス」の目的は「相撲賭博のあぶり出し」?
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2010年電子書籍「元年」を振り返って考える「これからの電子書籍に必要なこと」

思い返せば私がKindle 2を初めて手にしたのがおよそ1年前、昨年のクリスマスであった。それから約一年、自分でも電子書籍を作ってみたり、売ってみたり、さらにKindle 3の衝撃を受けたりする中で感じたことがいくつかある。

本格的な電子書籍の大きなうねりが起こった今年を振り返って、これからの電子書籍に必要だと私が考えることを書いてみたい。

論旨のポイントは「電子書籍でレイアウトを無視してはいけない」「電子書籍はデバイスの特性を考える必要がある」「Kindleのように電子書籍デバイス単体で本が買えることが必要不可欠」である。

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ウィキリークス・アサンジ氏の「強姦」容疑は「コンドームなしセックス」が口実

「英警察当局は7日、強姦(ごうかん)などの性犯罪容疑でスウェーデンから逮捕状が出ていた内部告発サイト「ウィキリークス」の創設者ジュリアン・アサンジ容疑者(39)を逮捕した」(時事ドットコム:アサンジ容疑者を逮捕=性犯罪の疑い、ウィキリークス創設者-英警察)と報じられている問題だが、アサンジ氏の「強姦」疑惑は、スウェーデン当局によって「性行為の後半にコンドームなしの状態があった」ことを「同意なしの性行為を強要した」というふうにこじつけたものである、ということがアサンジ側弁護士によって主張されている。

その原文を見つけたので全訳しておきたい。今回は大手メディアによって「弁護側はこのように主張している」という部分がほとんど報じられていないので、資料として提示するものである。わたし自身の主張は一切含まれていないし、事実関係も判断する立場にない。

一部では「スウェーデンではコンドームなしでセックスしたら強姦とみなす法律がある」というように誤解されているようだが、そんなことはない。スウェーデン当局が、「コンドームが破れた」あるいは「二度目の行為で着用しなかった」ということを根拠に「不同意の性行為」である=「強姦である」との主張のもと立件しようとしている、というのが弁護士の主張である。

#(追記)「コンドーム着用を拒否してセックスしたならふつうに強姦じゃん」というツイートがあったが、アサンジが「着用を拒否した」という事実は記されていないし、女性側からも主張されていない。一方で「Wikileaks創設者のアサンジ氏をレイプ告発した美女の正体はCIA関係者?」という記事もある。真偽は不明(かつこの記事で「スウェーデンではそういう法律がある」というのは誤り)だがハニートラップの可能性も疑われる。

#(わたしに対する人格攻撃が始まっているので否定するために追記)コンドームは避妊対策としては不完全で、性病対策としての意味が大きい。もちろん、一人の固定された相手に限定されない性行為を行なう場合につけないのは最低だというのは言わずもがなの大前提である(男の側から言っても、はらませる危険性と性病の危険性を考えればつけないのは「恐怖」)。その上で「アサンジの性行為の時点で非着用であること含め同意があったと考えられる」。行為中あるいは行為後に女性たちがアサンジに不満を述べたとか拒絶したのにやられたという事実は確認できない。ここポイント。

軽はずみなSEX その落とし子が減りますように
――川村かおり「39番目の夢」

なお、ウィキリークスについて思うことは改めてブログ記事化したいと考えている(ウィキリークスの英雄視も敵対視も危険だと考えている)。

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エクアドルが日本に抗議 「ガラパゴス化」表現の自粛求め

2010年4月1日、南米のエクアドル共和国政府は在日エクアドル大使館(東京都港区西麻布4)を通じて、外務省ならびに総務省に対し、「世界から孤立しているという表現について"ガラパゴス化"などと呼ぶのはやめてほしい」と抗議した。

エクアドル共和国は南アフリカ北西の国で、自然遺産として世界遺産登録第一号のガラパゴス諸島を領有している。今回の抗議は「トルコ風呂」に続く大きなもので、今後の動向が注目される。

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日本版アマヅン・キンドル発売!ガラパゴス機種名は「読ンドル」に決定

以前、当ブログでも紹介した、Amazun Kindle(アマゾン・キンドル)(→Amazon Kindle(アマゾン・キンドル):「反射光の電子ブック」という革命的に新しいメディア[絵文録ことのは]2009/12/28参照)。すでにキンドル本体の発売では英米圏に次いで日本が追い上げているという報道もあったが、これまでは英語・ドイツ語・フランス語にしか対応しておらず、通常の日本語書籍はそのままでは読めないという大きなボトルネックがあった。

このたび、待望の日本版アマヅン・キンドル発売が決定。その名も「読ンドル(Yondle)」という。当ブログが独自にキャッチした内部情報を速報でお伝えする。

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Amazon Kindle(アマゾン・キンドル):「反射光の電子ブック」という革命的に新しいメディア

Amazon Kindle(アマゾン・キンドル)をプレゼントされた。

これは、人類の読書史において画期的な意味を持つメディアではないかと思う(正確に言えば、キンドルだけではなく、E Inkを使った電子ブック機器である)。つまり、粘土板や青銅器などに刻んだ文字→紙媒体(手書き→印刷)→ブラウン管/液晶と変化してきた文字媒体の歴史の中で、「反射光の電子ブック」という存在は非常に大きな意味を持つ。

iPhoneやPC版のキンドルにはあまり画期的な意味はない。それは従来のブラウン管/液晶画面上での読書体験である。E Inkを使ったキンドルこそ、画期的な意味を持つ新しいメディアなのだ。 kindle

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