「言語」と一致するもの
誤解を招きやすい「全ての言語はトルコに通ず」記事を正確に読む
「全ての言語はトルコに通ず」?英語もヒンディー語もルーツは同じ、国際研究 国際ニュース : AFPBB Newsという報道が流れたが、これは非常に誤解を招きやすい。本文を詳細に読めばわかるようにはなっているが、見出しだけで誤解している人も実際にブクマコメント等で見られる。
第1点。「全ての言語」ではなく「すべての印欧語」と書くべきである。
第2点。「トルコ」といってもトルコ語は関係ない、現トルコ共和国のアナトリア地域(小アジア)起源という説の紹介。つまり、ここでの「トルコ」は言語でも民族でも国家でもなく場所のみを指すが、言語の話なので紛らわしい。
以下、詳細に述べる。
都道府県別「多い名字」可視化マップを作ってみた
都道府県ごとに「多い名字」には地域的な偏りがある。それを何とか可視化できないかと思って、データをもとにして地図上にマッピングしてみた。
詳細はPDFファイルにしたのでそちらで見ていただきたい。→都道府県別「多い名字」可視化マップ(PDF)
生活保護受給者の97%は日本国籍(「生活保護・在日」問題に関する統計)
こんなことを言っている人がいる。
生活保護問題の本質は、その資金を得ているのは主に在日であり。その資金の一部が北朝鮮に送金されている可能性があることです。可能性、といっていますがほぼ事実でしょ。アメリカの諜報機関が資金の流れを追っているという情報もあります。北朝鮮のテロ政治を日本人の税金で支える日々。正直もう勘弁してください。
そこで、厚生労働省の最新の情報で「生活保護を受給しているのは主に在日」なのかどうかを確認してみた。結論として、まあ当たり前だが「主に日本人が受給しています」。
レッドブルとアップル「直訳CM」の致命的欠陥(「授ける」と「させる」の言語機能の解析)
最近、海外商品について直訳のメッセージで宣伝するCMがいくつか見受けられるが、それを見聞きするたびに気持ち悪さを感じていた。その筆頭がアップルとレッドブルである。
その気持ち悪さについて、日本語学的に分析すると非常に興味深いことがわかる。それはこの二つのCMの言葉が、英語の単語をそのまま日本語に置き換えているがゆえに意味が変わってしまっているということである。特に「授ける」と「させる」という日本語の「機能」に無頓着であることが致命的な欠陥となっている。
前回のブログ記事(木村カエラCMのエセ関西弁が気持ち悪い理由[絵文録ことのは]2012/02/29)に引き続き、今回もCMの言葉を解析してみた。
木村カエラCMのエセ関西弁が気持ち悪い理由
木村カエラのキシリッシュCMのエセ関西弁がとにかく気持ち悪い(→CM GALLERY(CMギャラリー)|XYLISH (キシリッシュ)|株式会社 明治)。少なくとも京阪式アクセントで生まれ育った人間にとって、これは「バカにしとんのか」と生理的嫌悪感を抱かずにはいられないレベルである。中途半端に似せているがゆえに、違うところがあまりにも気持ち悪く、「ほかのガム噛んだらあかんで」と言われてもかえって「キシリッシュだけは金輪際噛んでたまるか、一生噛まんわ」と思ってしまうほどである。
なぜ中途半端なエセ関西弁が気持ち悪いのか。言語学的な分析からその理由をまとめておきたい。
「マルモリはアイヌ語」デマはなぜ拡散したのか
芦田愛菜と鈴木福が歌ったドラマ主題歌「マルモのおきて」の歌詞について、「マルマルモリモリとはアイヌ語で「侵略者、侵略者、死を与えよ、死を与えよ」という意味」というデマが昨年師走、2011年12月9日にツイッターに投稿され、拡散されていった。投稿者は直後に「うそです」と記していたが、過去ログをたどりにくいツイッターの仕様も相まって、「マルモリはアイヌ語で怖い意味だ」という情報が広まっていった。
その後、アイヌ語研究者による否定ツイートも流れ、わたしもそれをtogetterでまとめた(「マルマルモリモリはアイヌ語」というデマと、アイヌ語の真実 - Togetter)。こちらも拡散されるようになって一応デマは鎮火した……かのように見えた。しかし、約2か月経った今、再びこのデマがツイッター上で見られるようになっている。
なぜ「マルモリはアイヌ語」デマがこんなに拡散し、一度否定されてもなぜまた再び拡散してしまうのか。それは、ツイッターの仕様やユーザーのリテラシーもさることながら、「幽霊アイヌ語」がいまだに放置されていること、そしてアイヌ文化・アイヌ語への無知、ひいてはアイヌへの「未開人」視があると思われる。
※ブクマコメントで「ラテン語だろ」「ラテン語というデマも2chで」と書かれているが、ラテン語についても最初から本文で書いてある。タイトルだけ読んで反応しないようにお願いしたい。
第13回文学フリマ【オ-01】ことのは(@kotono8)告知:『事物起源探究2011』 #bunfree
2011年11月3日(祝)TRC東京流通センター第二展示場E/Fホールにて開催される第13回文学フリマに出展します。
ブース・サークル名は、2階Fホール【オ-01】ことのは(@kotono8)です。前回に引き続き、お隣【オ-02】奇刊クリルタイとの合体配置です。
今回は1年ぶりの『事物起源探究2011』通巻3号です。表紙は前回に引き続きカラーで、初めてイラストをお願いしました。奇刊クリルタイの表紙などでおなじみの吉川にちのさんに、自分の趣味丸出しのオーダーで描いていただきました。表紙込み100ページ1200円。
ツイッターの日本語ハッシュタグはなぜ大喜利化するのか(序説)
ツイッターではこれまで、#のあとに半角英数をつけると「ハッシュタグ」として認識され、それをクリックすると同じ話題のツイートが一覧できるようになっていた。たとえばPerfumeの話題なら #prfm というようにある程度決まっている。また、「仮面ライダーOOO」がうっかり#oooを使おうとしたらそれ以前からOpenOffice.orgで使われていたので変更したというような小事件もあった。
2011年7月13日、日本語ハッシュタグが使えるようになった(Twitterブログ: #日本語ハッシュタグ)。ハッシュタグの前後には空白または句読点を入れれば、日本語で書いた「#地震」がハッシュタグとして認識される。
ところが、おそらく誰も想定していなかった事態だろうが、それ以来、日本語ハッシュタグが大喜利ネタになるという現象がみられた。人によってはタイムラインが日本語ハッシュタグ大喜利に埋め尽くされている場合もあるようだ。「#名作のタイトルに団地妻をつけるとロマンポルノになる」など、ついつい大喜利に参加したくなるネタが続出している。
では、なぜ日本語ハッシュタグは大喜利化するのか。それを言語的な観点から考察してみた。ただし、まだ研究のとっかかりであるため、「序説」とした。
【書評】かじいたかし 『僕の妹は漢字が読める』:「自虐的メタラノベ」の金字塔?
書評サイト【Book Japan】に寄稿した書評を、こちらでも掲載しておく。
第14回「日本語教育と音声研究会」レポ:声優・若本規夫氏の操る声の秘密
2011年2月26日、早稲田大学にて第14回「日本語教育と音声」研究会(戸田貴子教授 - 早稲田大学大学院日本語教育研究科)が開催された。•参加費無料・事前申し込み不要ということで、興味ある分野でもあるため初参加した。
第14回のゲストは声優の若本規夫さん。私の予備知識ではしょこたんの「スカシカシパンマン」と、「人志松本のすべらない話」「嵐にしやがれ」のナレーションの人というだけのものだったが、その独特の声色はいやでも印象に残っていた。
当日、会場はなかなかの盛況で、第一部の若本さん目当ての人がおそらく過半数だったように思われる。以下、会場にてポメラでメモした内容をまとめた。※個人のメモであり、本人の発言そのままではないことをご了承ください。