「著作権」と一致するもの
洋楽が買えなくなる!?レコード輸入権の問題点がわかってきた【ロフトプラスワン報告】
「選択肢を保護しよう!! 著作権法改正でCDの輸入が規制される? 実態を知るためのシンポジウム」というシンポジウムがロフトプラスワンで開かれました。「洋楽の海外盤を買えなくなる!?」とも言われている今回の著作権法改正、実際のところ、何がどのように具体的に問題なのか、今までよくわかりませんでしたが、このシンポジウムでわかってきたように思います。
というわけで、私が理解したことを、私が理解したようにまとめてみました。事実誤認とかあれば適宜修正します。
「絵文録ことのは」について
- ●概要
- 「情報を編集する」という観点でものごとを見ていくウェブログ(ネット上の記録)です。編集・執筆についての話、他の人に情報を伝えるためのデザイン、情報加工、メディア・リテラシー、マスコミ報道に関するチェック記事などの話題を取り上げています。もっとも、興味深い内容についてはジャンルを問わず扱います。
朝日新聞が誤りを認める:女子十二楽坊に著作権違反の事実なし!
当サイトで調べたとおりであったことを朝日新聞が正式に認めた(いや、うちで指摘したから認めたというわけじゃないです)。
女子十二楽坊、適正だった曲の使用 著作権料払い済み - asahi.com : 文化芸能
■おわび新聞社がこれだけ大々的に訂正記事を出すというのは異例のこと。2月26日付夕刊「女子十二楽坊、曲を無断使用」の記事で、曲が無断で使われ、著作権料も未払いだったとの記述は誤りでした。日本と中国で適正な法的手続きが取られていました。おわびして、見出しとともに訂正します。
関連記事:
女子十二楽坊を目の敵にする朝日新聞誤報の「裏」 : ウェブログ@ことのは 朝日の誤報2:女子十二楽坊サイドに落ち度なし : ウェブログ@ことのは
正しいパクり方――藤原定家の「本歌取りの方法」
「盗用」について、著作権的な観点から言うならば、「もともと他の人が作ったものを利用している、という事実と、その範囲を、誰の目にもすぐわかりやすいような形で示さないものは、盗用」と言ってしまっていいと思う。不正な転載は盗用である。
また、「情報を共有する」ということは決して「著作権を放棄する」ことにはならない。著作者人格権を守りつつ、しかもそのリソースを活用できるようにするために著作権法があり、盗用にならないよう適切に引用するための規定があるわけである。
適切な引用については「引用」は無断でやるのが当たり前で書いたのでご参照を。
さて、私たちは、他の人の業績を利用してさらにそこに新しいものを付け加え、アレンジすることができる。それが単なる「盗用」になるのか、それとも「アレンジ」「翻案」「パロディ」になりえるのか、という分かれ目は、結局のところ「もとの作者への感謝と尊敬」の念を表現するか否かにあると思う。
そして、日本人は古来、盗用にならないように上手に他人の業績を活用してきた。その代表例が「本歌取り」だ。今回は、鎌倉時代前期の有名な歌人・藤原定家の本歌取りについての論を現代語訳してみよう。
VEGA CLUBの汚名をそそぐ
今回の「サイト盗用問題」については、こちらも混乱があったのだが、ある意味、アフィリエイト等提供しているVEGA CLUBも被害者であったようである。
VEGA CLUBを運営しているネットワークサービス社の大原様より丁寧なメールが届いたので、許可を得てその全文を掲載したい。
ポイントを簡単にまとめておくと、
●VEGA CLUBそのものが盗用したものではない。ユーザーの一人の暴走。
●VEGA CLUBは今回の件を重く見ている。
●VEGA CLUBにはMLMタイプとアフィリエイトタイプがあり、今回のユーザーはアフィリエイトタイプを利用していた。
●vega-club.netというドメインもユーザーが独自に取得したものであり、混乱を招いている。
私自身もVEGA CLUBと盗用者を当初混同した部分があるため、反省したい。もし読者の方でVEGA CLUB本体に対する批判を書かれている方がいらっしゃれば、その旨訂正あるいは補記していただければと思う。
なお、盗用したユーザーからもお詫びのメールが届いている。今回のことで懲りて、今後は健全なサイト運営をしていただきたいものである。(もっともマルチポスト的にあちこちに謝罪を書いているのはいかがなものかと思うのだが……)
ページ盗用問題のまとめ
「はじめてのウェブログ」ページ盗用問題であるが、盗用サイト側が早々にサイトを閉鎖するという(こちらもそこまで想定していなかった)結果に終わったので、とりあえず経緯をまとめておきたい。
これまでの関連記事 ・2004年03月23日 ページ盗用とレンタルサーバーMLM屋 ・2004年03月26日 ページ盗用サイトに反撃♥
・2004年03月27日 VEGA CLUBの汚名をそそぐもお読みください。
本の探し方 ことのは編集室流
「超『本』格会議」でも「どうやって本を探すか」という話題がありましたが、私の場合はこうしているという実例をいくつか。参考になれば幸いです。
「引用」は無断でやるのが当たり前
よく「無断引用禁止」等々と書かれていますが、引用は無断でするものである、と著作権法にちゃんと書いてあります。新聞社などが無断引用禁止と主張するのは「法を逸脱」しています。
「あそびをせんとやうまれけむ」の「無断引用お断り」(2003.12.11)記事に
引用ってのはもともと無断でしていい範囲のモノとあるのは、まさにそのとおりです。
これについては、『クリエーター・編集者のための引用ハンドブック』(ユニ知的所有権ブックス、谷井精之助・北村行夫・宮田昇・豊田きいち・原田文夫、¥1,900)という本が非常に参考になります。
ローレンス・レッシグ教授との対話ミーティング【非公式私家版】
2003年12月2日午後6時30分~8時30分、アルカディア市ヶ谷3Fにて開かれた対話ミーティングの内容のまとめです。同時通訳の音声を録音したものからまとめていますので、完全ではありません。もちろんこれは非公式です。間違い、修正などがありましたらご指摘ください。
「ネットでの儀礼的無関心」かコミュニケーション優先か
「ネットでの儀礼的無関心の可能性」(はてなダイアリー - recent events@TRiCK FiSH)という記事で、松谷創一郎さんが他サイトへのリンクに関して「ネットにおいて儀礼的無関心は可能なのだろうか、必要なんじゃないか」と問題提起し、反響を呼んでいる。一方、skywardさんの「著作権(今度は文章)」という記事で、「ディープリンクは別に著作権法で禁止されていない」というようなことをコメントに書いた。リンクの仕方についての話。
★「ウォッチャー」の権利など守る必要はない。儀礼的無関心2もご覧ください。