「ジャーナリズム」と一致するもの

【書評】『日本人が知らないウィキリークス』:サイバースペースvs主権国家の闘争

知っている人が書いているというのもあって、『日本人が知らないウィキリークス』を購入して読んだ。ネット上の感想では7人の共著者のうち一部に称賛が集まっているようだが、私にとってはどの章も興味深かった。以下、章ごとに簡単に感想を述べてみたい。

日本人が知らないウィキリークス (新書y)
「日本人が知らないウィキリークス (新書y)」
 [新書]
 著者:小林 恭子,白井 聡,塚越 健司,津田 大介,八田 真行,浜野 喬士,孫崎 享
 出版:洋泉社
 発売日:2011-02-05
 by ええもん屋.com

続きを読む: 【書評】『日本人が知らないウィキリークス』:サイバースペースvs主権国家の闘争

幸福実現党の研究(4)新・日本国憲法試案

幸福実現党を調べるためには、その「憲法」を見ることが必要だろう。やたらと字の大きいハードカバーだが、『幸福実現党宣言(4) 新・日本国憲法試案』を検証したい。

新・日本国憲法 試案-幸福実現党宣言4 (OR BOOKS)
大川 隆法
幸福の科学出版 ( 2009-07-08 )
ISBN: 9784876883530
おすすめ度:アマゾンおすすめ度

前文+全16条、十七条憲法とほぼ同じ条文数となる。書籍に掲載された「第2章「新・日本国憲法 試案」講義」(コンメンタールだな)も参照しつつ、研究してみたい。ちなみに、講義については大川隆法氏自らが語っている動画がアップされている(幸福実現党|新・日本国憲法試案)。

なお、このエントリーはかなり長文なので、結論だけ読みたい方は、ページの下の方を見ていただきたい。

続きを読む: 幸福実現党の研究(4)新・日本国憲法試案

2007年のことのは/対極にあるジャーナリストとブロガー

新年明けましておめでとうございます。

昨年は天中殺に入ったとたんいろいろとありましたが、人生最悪に近いどん底から上昇中であります。

さて、今年最初の記事は、ジャーナリストとブロガーの違いについて述べ、私自身はあくまでもウェブ上においてジャーナリスト志向ではなくブロガー志向で書いていくことを、新年の抱負の代わりにまとめてみたいと思います。

続きを読む: 2007年のことのは/対極にあるジャーナリストとブロガー

泉あいさんに渡した「みんなのニュース」案の全文と解説

 2005年末ごろから泉あいさんとブログ関係などで接する機会があり、そこで泉さんが新しいニュース報道システムを作ろうとしていることを知った。そして、何かアイデアがあればぜひ教えてほしいと言われた。

 この件についての事実、ならびに自分が提出したアイデアの全文を掲載する。

続きを読む: 泉あいさんに渡した「みんなのニュース」案の全文と解説

結核文士の治療記(2)四種類の飲み薬

心労は体に悪い。病気療養は心穏やかに休まねば効果も低いだろう。しかし、2006年3月、厄介ごとが次から次へと迫ってきて、精神的に困憊する日々が続いた。健康であっても消耗しかねない状況で、結核菌とも闘わなければならないのである。

続きを読む: 結核文士の治療記(2)四種類の飲み薬

一次情報に当たることはいかに重要か(永田寿康議員メール問題)

 このブログでとにかく重要視しているのが「一次情報に当たること」である。ネット上であれ文献であれ、孫引きではなく元の情報に当たる。誰かから間接的に聞いた話は、それだけ信憑性が落ちる。だから「誰から聞いたか」を情報として添えなければならない。聴いたもとの情報源を明記できない場合は、信用されないことを覚悟しなければならない。

 永田議員が自民党につきつけたメールは偽造だったわけだが、これも最初から「一次情報に当たる」ことを心がけていれば防げた話だ。データの出所、データ自体の確実さの検証をした上で確信が持てたら公開してもいいが、そうでないものにどうやって確信を持てるのか、という話である。

 自分自身が事実として受け入れられる情報、伝聞情報、だれかの推測や意見(あるいは思いこみ)をきちんと分けて考えることができるようにならなければ、情報に振り回され、誤った情報を信じてしまうことにもなるだろう。

続きを読む: 一次情報に当たることはいかに重要か(永田寿康議員メール問題)

「きっこの日記」は要するにどんなサイトなのか(きっこの日記検証3)

サントリー ビックル 220g*24本三回にわたってきっこネタばかり続くことになるワケだけど、興味のない人にはつまらないだろうから申し訳ないと思う。でも、やっぱり結論までしっかりまとめておかないと、どうしてもリトル中途半端になってしまう。だから、GREP検索をかけてみたら、2002年1月10日から2005年末までにきっこは実に106回ビックルを飲んでいるという事実がわかって思わずビックルを飲み干してしまったなんていうアサマシリンク付きミニ情報をさりげなく織り込みつつ、そろそろまとめにかかろうなんて思ってるワケだ。しかも、サイバーファーム問題でまたちょっと火がつきかけてるみたいだし(ちなみに、この件についてきっこがうまく断定を避けて書いてるのは間違いないのだよな)。

で、今回のネタの前振りのためにちょっと昔話を振ってみたいと思うワケだけど、2003年ごろ、ブログが普及し始めた時期には「ブログの定義って何?」みたいな話題がブログ界の人気の話題だったりした。で、「トラックバックとコメントがついてて、ブログツールを使って作ったらブログ」っていう限定派と、「日記とかニュースサイトとかテキストサイトとか、結局一緒なんだから全部ひっくるめてウェブロでいいじゃん」という山田BBS派が議論を繰り返してたのだ。おれもどっちかっていうと山田BBS派だったのだけど、いつの間にかブログっていうと狭義のブログを指すような感じになってる。で、「きっこの日記」に話を戻すと、最近きっこが2005年の「アルファブロガー」に選ばれてて、ものすごく違和感を感じたのだ。だって、きっこはブログ文化と関係ないところで日記を書いてるわけだし。もちろん広義のウェブロではあるけれど、やっぱりブログじゃないんだよなあ、なんて思う今日この頃、皆さん、そろそろきっこ文体の長文を読むのに疲れてきてませんか?(笑)

続きを読む: 「きっこの日記」は要するにどんなサイトなのか(きっこの日記検証3)

「きっこの日記」5年分から読み取れる「きっこの特徴」(きっこの日記検証2)

前回の記事では「横山希美子って人は実在してて、しかも彼女が日記で言ってるプロフィールは多分文字通りに受け取っていい」って話を書いた。それは、開始当初から今までずっと文体とキャラクターの一貫性があったからだ。

先に断っておくけど、ここで書いてることは別に何か秘密の話なんかじゃない。すべて「きっこの日記」から読み取れることだけを書いてる。だから、フルネームとか地名とか、きっこ自身が明らかにしてることばかりだ。それに、プライバシーを暴くのが目的じゃなくて、「架空の人間じゃないか」と言われた人が実は実在しますよ、と、本人の記述をもとに主張してみただけのこと。もしそれが何か「プライバシーの暴露」みたいに見えるのだとしたら、それは単に「きっこの日記を読んだことがない」というだけの話なんじゃないかな、なんて思う今日この頃、皆さんほんとに「きっこ」には興味津々なんですね(笑)

続きを読む: 「きっこの日記」5年分から読み取れる「きっこの特徴」(きっこの日記検証2)

「きっこの日記」五年分すべてを通読してわかった。きっこの正体(きっこの日記検証1)

去年末から話題のサイトといえば「きっこの日記」をおいて他にはないだろう。そう、MAXファンのヘアメークの日記でありながら、「構造計算偽造」問題に絡んで「スクープ」ともいえるネタを公開したことでネット内の関心を集め、ジャーナリストにも「こいつ何者だ?」と言わせ、さらには民主党議員まで引っ張り出してきたっていうスゴいサイトだ。中には「これはスクープを公開するために匿名の架空の日記で出しておいて、それをマッチポンプ的に報道するための偽装サイト。きっこというのは複数の可能性もある」なんていう陰謀論まで飛び出す始末。でも、おれのポリシーは「原典に当たれ」ってのはご存じの方も多いだろう。きっこ=横山希美子さんのことを知りたかったら、きっこの日記を全部読むことからはじめなきゃ、と思って開いてみたら、実に5年分もあって、しかもここ2年くらいは毎日5000字くらいの文字量があるというわけで、本当に大変な作業になってしまった今日この頃、皆さん、やっぱり松永はカネにもならんのにアホなことばっかりするなあとか思ってませんか?(笑)

続きを読む: 「きっこの日記」五年分すべてを通読してわかった。きっこの正体(きっこの日記検証1)

「きっこの日記」は日本版「ドラッジ・レポート」なのか?

 昨年の構造計算偽装疑惑で「裏ネタ」を暴露したとして一躍脚光を浴びたのが、「きっこの日記」の「きっこ」さんである。

 自分はあまりこの疑惑に関心を持っていなかったが、「きっこ」という人物について、「実はジャーナリストが書いている」とか「あんなものはジャーナリズムじゃない」といった議論が展開していることを知り、そこで「きっこ」という人物に興味を抱くようになった。

 で、いろいろ調べはじめて最初に思ったのが、「きっこの日記」は「ドラッジ・レポート」と対比して論じるとおもしろそうだ、ということだった。

 だが、待てよ。「ドラッジ・レポート」については『ウェブログ超入門!』でも少し触れたけれども、日本ではほとんど知られていないのではないか? 実際、「きっこ ドラッジ」で検索してもまったく検索結果が出てこないし、だれもその類似(と相違)については考えてないんじゃないだろうか。

 というわけで、きっこという人について論じる前に、マット・ドラッジという人物について紹介しておかねばならないと思ったのである。かのクリントン大統領のモニカ・ルインスキー・スキャンダルを最初にすっぱ抜いたウェブサイトとその運営者について……。

【関連記事】

続きを読む: 「きっこの日記」は日本版「ドラッジ・レポート」なのか?
2 3  

アーカイブ

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。
過去に書かれたものは月別・カテゴリ別の過去記事ページで見られます。