「東日本大震災」と一致するもの

「地震兵器」説の徹底分析と致命的欠陥、陰謀論の本当の危険

現在、陰謀論ジャーナリストのベンジャミン・フルフォード氏やリチャード・コシミズ氏などが「東日本大震災は地震兵器によって起こされた」という説を唱えており、完全に心酔した元広島県議会議員がツイッターで強く主張するなどの状況となっている。

確かに、小規模であれば人工的に地震を起こせることは事実であるが、今回の大震災を地震兵器によるものと見なすことはできない。そのことはすでに山本弘氏の詳細な検証もあるが、ここで地震兵器説そのものの問題点を指摘しておきたい。

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東日本大震災は「電気文明」と「高層緑化型都市計画」が見直される時代の始まり

少々スパンの長い話をしたい。東日本大震災は「電気文明」と「高層&緑化を主眼とした都市計画」を見直す時代のきっかけになると考えている。つまり、20世紀文明の再検討だ。

ただし、誤解してほしくないが、私が「電気文明の見直し」というとき、単純な「昔に戻れ」とか「電気を捨てろ」とか「自然との共生が云々」ということを言いたいのではない。たとえば「さすがにオール電化だと停電時に身動き取れないから代替手段が必要だよね」ということから始まって、電気でなくてもよいことも電気に頼ろうとしている今の文明を問い直すことになるのではないか、ということだ。

また、これより規模は小さいものの、「建物を高層化して空いたスペースを緑化することで防災にもなる」という建築・都市計画思想についても、災害時の根本的な脆弱性が露呈した。これは建物自体の耐震性がいくら大きくなろうとも、「高さ」自体が脆弱性となるという問題点である。

もちろん大震災でいろいろなものが見直されることになるとは思うが、現時点でわたしが特に思うことをまとめておきたい。

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震災後のデマ80件を分類整理して見えてきたパニック時の社会心理

ツイッターの「東北関東大震災に関するデマまとめ」(jishin_dema)」さんが中心となって、主にツイッター上を流れるデマ情報とそれに対する分析の収集・告知が精力的に行なわれており、多くの人が情報提供や検証に加わっている。震災発生直後から1週間程度がデマのピークではあったが、現在も新たなデマは生まれつつあり、また過去に否定されたデマが生き続けているものもある。

そのツイートをもとに@omiya_fctokyoさんがTogetter - 「「東北関東大震災に関するデマまとめ」のまとめ」を作成され、わたしも気がついたら編集に参加している。

今回、この「デマまとめのまとめ」をもとに、震災発生後約1カ月間のデマ80件をピックアップ、パターン別にまとめてみた。

※この記事は震災後1か月足らずの時点でのまとめです。同年6月に発行した冊子『東日本大震災でわたしも考えた』では震災後のデマ100件の分類整理を行なっていますのでぜひこちらもご参照ください。

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震災後、「今わたしにできること」なので、「今わたしがやっていること」「これからやりたいこと」

大震災から3週間が経ち、いろいろと混乱も起こっているが、その中で自分のやれることを淡々とやることが大事だと思う。やれることをやらないのも、やれないことをやろうとして無理するのも、どちらもよろしくないだろう。

一方で、「自分には何もできない」と非力感に陥っても仕方がない。たとえ小さくても、間接的でも、何かやれることはきっとある。

自分の場合はどうなのか、本当に小さなことばかりではあるが、もしかしたら何かの参考になるかもしれないと考え、「わたしが実際にやっていること」「これからやろうと思っていること」を書いてみたいと思う。

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石原都知事の「花見自粛」には従うな。ひと工夫して「2011震災を乗り越えよう花見」をやろう!

石原都知事が「桜が咲いたからって一杯飲んで歓談するような状況じゃないと思いますよ。少なくとも夜間、明かりをつけての花見なんて自粛すべきだと思っております」と発言した(【東日本大震災】石原知事"花見禁止令" 戦争時の「連帯感は美しい」 - SankeiBiz(サンケイビズ)asahi.com(朝日新聞社):首都圏、花見宴会自粛...一方で「東北の酒飲んで支援」も - 社会)。都知事は「同胞の痛みを分かち合うことで初めて連帯感ができてくる」「戦争の時はみんな自分を抑え、こらえた。戦には敗れたが、あの時の日本人の連帯感は美しい」と述べたという。

だが、私は「経済を回せ」と言われている今だからこそ、花見をすべきだと思う。みんながしょんぼりするような連帯感など、この状況でかえって害悪だ。

もちろん、都内の仮設トイレや警察官が被災地に出払っているという状況はある。その状況を踏まえた上で、今の状況にふさわしい花見の仕方だってあるはずではないか。「不謹慎だから自粛して連帯しろ」というような気持ち悪い都知事命令にはあえて逆らって、「がんばろう日本」を配慮ある花見で盛り上げ、東北産品の売り上げにも貢献することを呼びかけたい。以下、私の考える「2011震災を乗り越えよう花見」の提案である。

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福島・双葉病院「患者置き去り」報道の悪意。医師・看護師は患者を見捨てたりしていなかった(追記あり)

福島県大熊町の「双葉病院」で、医師・看護師が患者を見捨てて逃げていた、という報道がなされていたが、実際には現場の状況は大きく異なることがわかった。これは、病院関係者の家族によるツイートもあり、また後発の報道でも(見出しは悪意あるものの)内容的には「患者を置き去りにして職員だけが逃げた」というような悪評を完全に否定するものとなっている。

現地での直接取材はかなわないが、当事者のツイートなどを「Togetter - 「福島・双葉病院「患者置き去り」報道に関する情報」」にもまとめてみた。若い人なので表現が至らないところもあるようだが、その趣旨を酌んで以下、簡潔に状況をまとめてみたい。

少なくともマスメディアは名誉回復を全力で行なうべきだと思う。

※最終更新2011/3/20

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アフラックのアヒル声芸人のシャレになっていないアメリカンジョーク

アフラック(アメリカンファミリー生命保険会社)のCMのアヒルの声を担当していたコメディアン、ギルバート・ゴットフリード(Gilbert Gottfried)が、大震災に関して「不謹慎」なツイートをツイッターでつぶやいていたことから解雇されたという。

日本でもお馴染みアフラック社のCMでマスコットのアヒルの声優を務めていたコメディアン、ギルバート・ゴットフリードが、今回の東日本大震災に関するジョークをtwitterに投稿し、それが原因で同社に解雇された。

ゴットフリードは震災後に自身のtwitter上で12のツイートを投稿。それらは被災者および日本在住者の感情を無視もしくは逆撫でするような悪質なものばかりだった。

イベントなどを自粛しないことや企業CMが流れることを「不謹慎」と批判して止めさせるのは悪しき「不謹慎狩り」だが、石原慎太郎都知事の「天罰」発言や、ゴットフリートの笑えないギャグ(シャレになっていないだけでなく、ネタとしてももともとつまらない)は本質的に被災者をバカにしたものであると思う。

ただし、アフラック社はすでに国際赤十字に1億円を寄付している。あくまでも調子に乗って勘違いした一芸人の暴走と思われる。

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【義捐版】「人は思考したとおりに」As a Man Thinketh完全訳&ジェームズ・アレン徹底解読 - 松永英明 | ブクログのパブー

『原因と結果の法則』の邦訳名で有名な、ジェームズ・アレンの "As a Man Thinketh" の完全訳『人は思考したとおりに』、そしてこれまで商業出版として五冊のアレン本を翻訳した経験をもとにジェームズ・アレンの思想を徹底解読します(特に、他の成功哲学との違いを明確に示します)。文学フリマで出品した書籍を電子化しました。

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石原"不謹"慎太郎の「津波は天罰」という妄言を批判する

東京都知事・石原慎太郎が「津波をうまく利用して我欲を洗い落とす必要があるね。積年たまった心の垢をね。これはやっぱり天罰だと思う。被災者の方々、かわいそうですよ」と発言した。これはありとあらゆる意味で誤った発言であると思う。

石原都知事が言いたかったことを最大限好意的に推測するとしても、ここで天罰という言葉を使う必要は全くないし、完全に不適切な発言である。この失言一つだけでも辞職してしかるべき大失言だ。そして、このような言葉づかいしかできないというのでは、作家としても都知事としても不適格であるのみならず、人間としても失格である。

今日になって「石原知事は、東日本大震災に関して「天罰だ」との発言内容を撤回、被災者に陳謝」と報じられたが、そもそもこの発言の何がどのように問題だったのか、きちんと整理しておきたい。

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