「台北」と一致するもの
【書評】鈴木妄想『新大久保とK-POP』★★★★★
鈴木妄想著『新大久保とK-POP』(毎日コミュニケーションズ/マイコミ新書)を編集部から献本いただいた。非常に興味深い内容で、最後まで一気に読み切った。
本書はタイトルどおりK-POPから入って、新しいタイプのコリアンタウン化している新大久保を題材に扱っている。私自身がライフワーク的なテーマとして関わっている「アジアンポップス」と「場所論」と「多文化共生」が存分に盛り込まれていることもあって、まさにこういう本を待っていましたという内容である。
ここ数日の「フジテレビ韓流ゴリ押し」問題とも絡み合うという意味ではタイムリーとも言えるが、それ以上に新大久保・K-POPを論ずるときに欠かせない一冊として長く参照されることになるはずである。ちょうど森川嘉一郎『趣都の誕生 萌える都市アキハバラ』がアキバ論で必須の文献となっているように。
以下、自分の興味に引き寄せての感想である。
「英語公用語ではなく多言語化」はなぜ激しい反発を受けたか――「英語《だけ》ではだめ」再論
前回の文章「「英語を公用語化」する企業はグローバルを履き違えている。必要なのは多言語化[絵文録ことのは]2010/06/30」は、livedoor BLOGOSにも転載され、多数の反発を受けた。感情的な反発や誤解・誤読も非常に多く見られたが、「事実上の世界標準語である英語ができなければ世界のビジネスで生き残ることはできない」「英語が最も効率的・現実的」という考え方が世の中ではむしろ主流なのだろう。
しかし、わたしはそれでもやはり「英語」一辺倒の考え方にはまったく馴染めない。「英語至上主義」の声があまりにも多いことから逆に、勢い余ってエスペラントの学習を始めることを決意してしまったくらいだ。
「英語」一辺倒にはどのような危険性があるのか。それを述べておきたい。その前に必ず前回の記事を最後まで読んでおいていただきたい。
なぜ日本人はよく自殺するのか
香港「明報」10月18日号の「好書搶読」(良い文章を争って読む)コーナーに、ライター湯禎兆氏の「日本人為什麼愛自殺(なぜ日本人はよく自殺するのか)」という文章が掲載されている。これは、青木雄二、柳美里、岡田尊司らの見解を紹介する一方、酒井法子が自殺したというデマが流れたことや硫化水素自殺などのタイムリーな話題も取り上げている。経済的理由のみならず、「武士道精神」「著名人への自殺を期待する大衆」「自己愛型社会」などの社会的・文化的な要素も指摘されている。
そこで独自にこの文章を翻訳してみた。
「おばさん」呼ばわりは名誉毀損となるか
昨年末だが、レコードチャイナ:「オバサン」と呼ばれた30代女性、侮辱罪で隣人男性を訴える...というニュースがあった。
翻訳なので「大嬸(おばさん)」という語のニュアンスがよくわからない。そこで、中国語のニュースを読んでみた。
自由時報と蘋果日報の記事が見つかったが、報道内容が食い違っている。車を停めていたのが男性か女性かがまるで逆なのだ。どちらかというと蘋果日報の記事の方がきちんと取材しているように思えるので、「女性が日頃車を男性宅の前に止めていたためにいさかいが絶えず、ついに男性がおばさん呼ばわりしてしまった」というのが実態のように思われる。
また、訴えた女性によれば、大嬸というのは50~60代の田舎女性を指す言葉であるから、「わたしのように大卒でまだ30代のセレブを大嬸呼ばわりするのは公然侮辱」ということらしい。
「萌え本」の多様化・国際化の歴史
アクセス元を見ていたら、中国の比特客栈的文艺复兴(「ビット旅館のルネサンス」、以下BitInn)というブログからのアクセスがあった。見に行ったら、萌え本についての考察「「萌え本」(萌化教科書)についての略説」があり、その中でハルヒが春日。『涼宮春日的憂鬱』と台北萌え本事情[絵文録ことのは]2006/12/21にリンクされていた。
非常に興味深い考察だったので、この記事を訳して掲載してみたいと思う。
北京オリンピック全204選手団の中国語簡体字表記&入場順まとめ【速報】
2008年8月8日午後8時8分、北京オリンピックの開会式が始まった。この中で、中国全56民族の衣装を着た舞踏団が踊って、選手団を迎えた。北京オリンピックは過去最多の204か国・地域が参加した。今回の選手団の入場は、ギリシア代表団が最初、開催国中国代表団が最後に入場するのは慣例どおりであるが、その他の代表団の入場順序は、これまでのオリンピックのアルファベット順ではなく、簡体字(中国大陸で用いられている漢字)で書いたときの画数順という独特な並び順になっている。
日本とは漢字の当てはめ方も漢字の字形も違うので、どうしてこういう順番なのかわかりづらい。そこで、中国簡体字による入場順の国名・地域名表記と、日本語での訳をまとめてみた。
ウェブサイトアクセスにはいくつもの経路がある(+被ブックマーク数ランキング)
はてなブックマークでどれだけ「ブックマーク」されたかという数字は、アクセスの一つの目安である。しかし、実際のアクセス解析ではそれ以外のルートでの閲覧者も当然多い。たとえば、個人ニュースサイト経由でのアクセスが多い記事と、被ブックマーク数の多い記事はイコールではない。かなりの傾向の違いがある。
また、かつて「コメントなどの反響がない」ということでモチベーションを失って閉鎖したブログがあった。しかし、「反響の多い記事」と「アクセスの多い記事」はまた違う。
このあたりのことについての一通りのまとめ、ならびにこのブログで2006年に書いた記事の被はてなブックマーク数ランキングを掲載する。
今年観た映像作品ベスト10@ことのは
師走である。年末である。というわけで、満を持して、今年観てよかったと思ったベスト映画・DVD・テレビ番組の感想などをいちいち報告してみたいと思う。
エントリー条件は、DVD・映画・テレビなどで2006年に初めて観たもの。実際の制作・発表年は問わない。シリーズものは1と数える。以下、順位なく順不同で10作品をピックアップしてみた。
ハルヒが春日。『涼宮春日的憂鬱』と台北萌え本事情
台北西門町にできたばかりのメイド喫茶「萌點咖啡(MOE POINT/萌えポイント)」については一つ前の記事で報告したとおりだが、このメイド喫茶が入っている「萌萌動漫資訊館 Moe Moe Center」で、少し「萌え本」を買ってみた。
台北西門町のメイド喫茶「萌點咖啡(MOE POINT/萌えポイント)」に行ってきた
台北市の渋谷か原宿かといわれる若者の街・西門町に行ったら、いきなりメイドさんがビラをくばっていた。
她真的可愛呀!
というわけで、12月9日にオープンしたばかりのメイド喫茶「MOE POINT(萌點咖啡)」に行ってきた。