「詩」と一致するもの

虚構が真実味を生む。近松門左衛門の創作論「虚実皮膜」

 人形浄瑠璃・歌舞伎の脚本作者である近松門左衛門(1653~1724)の芸術論として有名なのが「虚実皮膜(ひにく)」の論である。これは「創作においては、事実を完全に描写するのではなく、多少事実と外れるところがミソ」という話なのだが、ネット上ではなかなかその解説が見当たらなかった。

 この近松の話は、浄瑠璃だけではなく、一般の創作や表現活動で(つまり音楽やイラストなどでも)非常に参考になるものだろうと思うので、ここに虚実皮膜論に関する部分を全部現代語訳して公開したい。

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雑誌の責任はどこまで及ぶのか?(付:ポエム)

ソフトバンクBB、恐喝未遂事件容疑者逮捕を受け発表会開催
~「PC JAPAN」休刊へ。容疑者の1人は「PC JAPAN」に執筆するライター~
という記事が出ている。例のソフトバンクBB顧客データ流出・恐喝未遂事件について、

ソフトバンクグループであるソフトバンク・パブリッシングの月刊誌「PC JAPAN」でフリーライターとして執筆していた。ソフトバンクグループではこれを受けてPC JAPANを当面の間休刊とする。

というのだが、PC JAPANという雑誌の責任がこの件でどのくらいあるのか、私には理解できない。
 PC JAPAN編集部からアクセス権が与えられたというのならともかく、あくまでも「容疑者」個人の問題ではなかろうか。雑誌の休刊がこれだけを理由としているのなら行きすぎだと思う。

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牛丼屋は130年前にも殺伐としていた(笑)

牛丼といえば殺伐。吉野家コピペのもとになった文章(2001/04/07付)から広まった話だが、実際に牛丼がもうないと聞いて暴れる奴とか、変なオーダーして逆ギレして警察呼んだ奴とか、まさに「吉野家ってのはな、もっと殺伐としてるべきなんだよ」というのがいつの間にか現実のものとなりつつある。

で、前回の百年前の牛丼屋のついでで、『東京新繁昌記』の「学校」の項目を見ていたら、どうやら130年前の牛肉屋(牛丼屋の元祖)でも殺伐とした光景が繰り広げられていたようだ。以下、前回と同じく現代語訳。なんか、今の2ちゃんねるあたりの低レベルなウヨ・サヨ論議とそっくりで笑える。

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ヤン・リーウェイ物語(その2)

 無事地球に生還したヤン・リーウェイ物語第2回は、宇宙訓練の話です。ところで、この中に宇宙飛行士選抜・訓練が「上天的階梯」と書かれており、まじめに訳せば「天へ昇る階段」なんですが、レッド・ツェッペリンを意識して「天国への階段」と訳してみました。BGMはStairway to Heavenってことで一つよろしく。
 あと文中の「過五関斬六将」(五つの関で六人の敵将を斬った)は三国志演義で関羽が曹操のもとから劉備のところへ帰ってきたときの故事に由来しています。
 なお、次回、第三回は家族の話になります。

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