《松永英明のゲニウス・ロキ探索――「場所の記憶」「都市の歴史」を歩く、考える 》はまぐまぐで発行されているメールマガジンです。

2011年12月アーカイブ

No.112:「グリーンライン下北沢」と「七福神」

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前号に引き続き、グリーンライン下北沢について考えていきます。

2011年7月22日、「グリーンライン下北沢」のキックオフセミナーの第2回に参加していました。

「グリーンライン下北沢」キックオフ・連続セミナー
「鉄道あとち」が「あとち」ではなくなる未来に向けて

  • 第1回:7月9日(土)世田谷区案と上部利用検討委員会案の比較検証
  • 第2回:7月22日(金)上部(あとち)利用、今後の展望と話し合い

このとき、実際に「あとち」の模型を見ながら参加者みんなで思いついたことをぺたぺたと付箋で貼っていくというワークショップもあり、楽しい雰囲気の中でいろいろなアイデアが出ました。

この中で、今回取り上げたいのはある参加者が提案した「七福神のようなものを設定して、それをめぐるようにすれば楽しいのではないか」というアイデアでした。

わたしはこの意見には諸手を挙げて賛同します。七福神巡りはこのメルマガでも過去に扱いましたが(No.065:小石川七福神、No.066:深川七福神)、スタンプラリーがあるとついつい参加してしまうわたしのような人間にとって、いろいろ巡るポイントがあるというのは非常に魅力的です。

ただし、七福神といっても通説の七福神に従わなければならないということはないと思います。それよりは地元の伝承などを踏まえて作ってしまってもかまわないのではないかと思います。

上記の小石川七福神は平成七年(1995)に始まったものです。そもそも七福神のメンバー自体が江戸時代半ばにようやく確定したもので、それ以前には定説もしっかり定まっていなかったものです。

下北沢近辺の地域になじみの深い、平成の新しい七つの福の神を設定するのも、これまでの伝承を踏まえてさらに積み重ねるという点では面白いのではないかと思います。

そういうわけで、一アイデアとして「下北沢の新七福神」を考えてみました。本当は「スズナリの隣のカトリック世田谷教会の岩窟のマリア像」なども入れたいとは思うのですが、さすがにキリスト教を混ぜるのは無理かと思い、神道・仏教系に絞ってあります。同様に、東北沢よりも東で代々木上原駅の領域と思われるモスク「東京ジャーミイ」も入れていません。

No.111:「グリーンライン下北沢」とグリーンサークル

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前号に引き続き、グリーンライン下北沢について考えていきます。

小田急線の東北沢駅・下北沢駅・世田谷代田駅の三駅区間が地下化することにともなって、その地上部(あとち)の利用について「グリーンライン下北沢」を中心に議論が高まっています。

前号の最後で、ケヴィン・リンチによる都市の五つの要素を取り上げました。

  • 移動路=パス
  • 境界=エッジ
  • 地区=ディストリクト
  • 結節点=ノード
  • 目標=ランドマーク

線路はパスでもあり、同時にエッジでもあります。線路の進行方向に向かっては当然パス=移動路ですが、それを横切ろうとする瞬間、線路はエッジ=境界となってしまいます。

そのエッジが、あとちになることでエッジとしての性質を弱めます。それは地域のつながり方を変えることにもなるでしょう。

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