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No.088:『聖地の想像力』――たった一つの聖地の条件

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今回は、この本に絡めて考えた内容です。

聖地の想像力―なぜ人は聖地をめざすのか (集英社新書)

この本は、世界各地の聖地を訪れた宗教学者である筆者の経験から、聖地 の条件を列挙したものです。

植島氏の考える「聖地の定義」は以下の9項目だと言います。

  1. 聖地はわずか一センチたりとも場所を移動しない。
  2. 聖地はきわめてシンプルな石組みをメルクマールとする。
  3. 聖地は「この世に存在しない場所」である。
  4. 聖地は光の記憶をたどる場所である。
  5. 聖地は「もうひとつのネットワーク」を形成する。
  6. 聖地には世界軸 axis mundi が貫通しており、一種のメモリーバンク (記憶装置)として機能する。
  7. 聖地は母体回帰願望と結びつく。
  8. 聖地とは夢見の場所である。
  9. 聖地では感覚の再編成が行われる。

すべての聖地がすべての条件を満たしているわけではないが、それでもこ れらの条件を満たしているように思われる、と植島氏は主張します。

しかし、このように個々の条件を出してみると、少々散漫な気もします。 これらは聖地の特徴ではあっても、定義と呼ぶにはまだ曖昧かと思います。 そこで、わたしは(この見解をもとに)聖地の定義を一つにまとめてみま した。

「聖地は、「この世界」と「別の世界」の接点・境界と人が認識する場所 である」

……

  • 聖地の定義を一つにしてみる
  • オタクの「聖地巡礼」

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