「翻訳」と一致するもの
「のそれ」不要論――日本の文法と英語のそれ
ここしばらく「私の使えない日本語」シリーズになっている節があるが、今回も決して使いたくないと感じる表現を取り上げる。それは「○○のそれ」という表現だ。googleで検索して無作為に例を挙げると、
「米のたんぱく質の栄養価は大豆のそれとほぼ同程度?」
「最近の食材(特に野菜)は昔のそれとはずいぶん違ったものになっているそうです」
「口座開設申込用紙の筆跡が家族・親族名義の口座のそれと同一であるとみなされる場合」
「天皇制に関する諸制度、たとえば大嘗祭や皇位継承の手続きにも、騎馬民族のそれと類似点が見られる」
「「競技」としてのフットボールと、「ビジネス」としてのそれとのバランスの問題」
といった例がある。特に二つのものを比較するとき、同じ言葉を繰り返さないようにしようとして「○○のそれ」という表現を使っているようなのだが、これは極めて英語的表現で、もともと代名詞を使わない日本語としてはどうも落ち着かない。
翻訳ソフトを活かす法 [もの書きのソフト談義(3)]
あまりにも期待されすぎているがあまり、実際に使った人から「あんなものは使えない」という烙印を押されがちなソフトがある。翻訳ソフトとOCR(スキャナで読み取って文字変換するソフト)がその代表だろう。周囲の人からは「訳になってない」「誤字ばかりだ」という批判をよく聞く。
しかし、過度の期待をかけさえしなければ、どちらも非常に便利で、作業効率を飛躍的に上げてくれるソフトなのだ。実際、私の英語能力などはたかが知れているのだが、翻訳ソフトとタッグを組むことで、ケンブリッジ留学者より速く訳を仕上げたこともある。どうすればそれが可能になるのか。今回は、翻訳ソフトの使い方についてちょっと書いてみたい。
ゴーストライターズ2「著者のネームバリュー」の呪い
前回の記事「ゴーストライターとは何者か」には色々と反響があった。特に「ゴーストの名前も、編集協力者など何らかの形で出した方がいいのではないか」という意見が目立つ。この辺は出版社の意向もあるようだが、例えば「担当編集者は裏方なのだから、名前を出さない」というところは、ゴーストの名前も出さないのが普通。逆に担当編集者の名前が必ずあとがきに入っているようなところでは、そもそもゴーストライターを使うようなことが少ないかもしれない。
さて、今回はその反響の中にあった「有名ゴーストライター」さんの情報と、あと「出版業界ではなぜ著者のネームバリューがここまで重要視されるのか」という話を少し書いてみたいと思う。
超「本」格会議に行ってきました
昨年末の「忘年会議」は情報密度も濃く、非常におもしろかったので、またまた行ってきました。
究極の一冊を教えあう、超『本』格会議!今回は「有用な本をいかに見つけるか」という感じのテーマで、このサイトの読者の皆さんにも興味深い内容かと思いますので、ざっと概略を(公式にはきちんとまたレポートがあると思います)。
~ 書籍のビジネス活用ノウハウで2004年も完全武装 ~
日時 2004年01月29日(Thu) 19:40-22:00
場所 デジタルハリウッド渋谷校
主催 橋本大也(Passion for the Future)・百式管理人(百式)
書きたいことを「あえて書かない」エディター思考
このブログの元旦の記事では「ライター」と「エディター」のことについて書いたが、年末年始にかけて、ウェブログ方面でこれと関係する記事が出ている。
・ブロガーの壁と多面性の崩壊、および魔法の数字150について(Joi Ito's Web - JP)December 23, 2003
・Bloggerの壁(ARTIFACT -人工事実-)2004/01/06
・書きたいこと、書けること(天国と地獄)2004.01.06
エディター的には「書きたいことをすべて書く(書ける)わけではない」という思考回路が働く。その点については、上記記事はすべて共通しているといえよう。ただ、それを否定的に表現するか、肯定的に表現するかという点で少しずつニュアンスが違っているように思う。
私自身は「書きたいことを100%は書かない。そのことによって、伝えたいことをもっとよく伝えることができる」と肯定的に(あるいは能天気に)とらえている。
中国の反日機運は高くない!「煽り」記事を事実から検証する
讀賣新聞の21日に「北京のコンサート、観衆が日本人バンドに「帰れ」連呼」という記事が掲載されている。ここだけを見ると、中国での反日感情が異常に高いように感じられてしまう。しかし、これは「ウソ」とまでは言わずとも、極めて「煽り」度の高い記事であることがわかった。以下、詳細をまとめてみよう。
韓国ブロギーアワード2003結果発表!
韓国のブログ大賞「ブロギーアワード2003」の結果が発表されました。ついでに、このブログではお馴染みEOUIAさんが独断でBlogberry Awardsを発表しているので、その結果も載せますね。なお、今回は面倒なので韓→日翻訳を通したリンクはつけてません。翻訳が必要な場合はhttp://enjoykorea.naver.co.jp/参照のこと。
中華ブロガー「ステンレス・スチール・マウス」劉荻たん釈放される
1週間近く経ってしまったがあまり取り上げている人がいないので。
台灣部落格の「中國釋放三名blogger之後」(2003-12-05)という記事で知ったのだが、「中国の政府を批判していた部落客(ブロガー)が3名釈放された」という。その一人はかなり有名な女子大生ブロガー「ステンレス・スチール・マウス」こと劉荻さんらしい。この件についてはまるで知らなかったので、ワシントン・ポストの記事の翻訳と、あとググルさん経由でわかったことをメモしておく。詳しい方はコメント・トラックバックでご教示ください。
ローレンス・レッシグ教授との対話ミーティング【非公式私家版】
2003年12月2日午後6時30分~8時30分、アルカディア市ヶ谷3Fにて開かれた対話ミーティングの内容のまとめです。同時通訳の音声を録音したものからまとめていますので、完全ではありません。もちろんこれは非公式です。間違い、修正などがありましたらご指摘ください。
ネタは「宇宙の電波」から――ブログすることに関する調査結果
ブログ・サーチエンジンでBlogging Survey Results(ブログすることに関する調査結果)が発表されているので、翻訳しておいた。⇒はじめてのウェブログ「ブログすることに関する調査結果」参照。ある程度熱心に更新しているブロガーが回答者の多数を占めるようだが、英語圏ブロガーの動向を知るには参考になるだろう。
「あなたはブログする内容をどこで見つけますか?」という質問に「宇宙からの電波」という回答があったのには笑った。