「翻訳」と一致するもの
「13日の金曜日」恐怖症が広まったのはわずか100年前だった
2009年11月13日は「13日の金曜日」である。何か西洋的な根拠で不吉な日だと思われているが、それは特に根拠があるわけではない。仏滅が悪日だというのと同じくらいの迷信だが、それでもこの日に結婚式を挙げるのは、欧米圏では、友引に葬式を挙げるくらい忌み嫌われる。
その起源は北欧神話だとかキリスト教だとかいろいろ言われているが、実はどれも根拠は薄い。そもそも、昔から「13日の金曜日」が不吉だと言われていたわけではないのだ。「13」という数字、「金曜日」という日を忌避する傾向はあったが、それを組み合わせた「13日の金曜日」が特に不吉な日とされるようになったのは、わずか100年前、1907年の小説、トーマス・ウィリアム・ローソン(Thomas William Lawson)著『13日金曜日(Friday, the Thirteenth)』がきっかけだった。
なぜ日本人はよく自殺するのか
香港「明報」10月18日号の「好書搶読」(良い文章を争って読む)コーナーに、ライター湯禎兆氏の「日本人為什麼愛自殺(なぜ日本人はよく自殺するのか)」という文章が掲載されている。これは、青木雄二、柳美里、岡田尊司らの見解を紹介する一方、酒井法子が自殺したというデマが流れたことや硫化水素自殺などのタイムリーな話題も取り上げている。経済的理由のみならず、「武士道精神」「著名人への自殺を期待する大衆」「自己愛型社会」などの社会的・文化的な要素も指摘されている。
そこで独自にこの文章を翻訳してみた。
鳩山由起夫論文『私の政治哲学』の英訳を原文と比較
第93代内閣総理大臣となる鳩山由起夫氏の論文「私の政治哲学」(いわゆる「鳩山論文」)が、英米にて抄訳されて「反米的」とされているという。このブログでは、その内容についてはさておき、実際に「ニューヨーク・タイムス」ウェブサイトに掲載された抄訳をもう一度日本語に戻し、どの部分が紹介され、どの部分が紹介されなかったのか、あるいはどのように改変されていたのかを検証してみたい。
幸福実現党の研究(3)ノストラダムス戦慄の啓示
幸福実現党の研究第3回は、オバマ大統領の守護霊インタビューに見られるエスノセントリズムが、実は最近のものではなく、幸福の科学の初期から見られることを検証したい。その題材となるのが、『ノストラダムス戦慄の啓示 人類の危機迫る』と題された大川隆法著・幸福の科学出版 1991年刊の書籍である。
「ネットビジネス立ち上げモデル」を日本語訳してみた
ネットサービスをビジネスとして立ち上げるとき、どのようなことを考えなければいけないか。
ネットビジネスに必要な要素をまとめた一枚の図が良い感じ - IDEA*IDEA ~ 百式管理人のライフハックブログ ~で紹介されていたページの図が非常に参考になる。
というわけで、この図ならびに元サイトのコメントを日本語訳してみた。
※クリックすると原寸大の画像が表示されます。
「読めてしまう」文章ネタの起源と歴史
ひらがなばかりで書かれた文章なのだが、文字の順序がでたらめになっていても読めてしまうという現象が話題を呼んでいる。
- ねとらぼ:確かに"読めてしまう"コピペに2ch住人が「人間すげー」と驚く - ITmedia News
- 「確かに読めてしまう」コピペが流行中―英文元ネタや派生ジェネレータも - はてなブックマークニュース
このブログでは2003年9月にこの話題を扱っていた。
「英国ケンブリッジ大学の研究結果」というのは都市伝説である。また、「語の中の文字の順序を変えても読める」というのは言語学において実証された科学的発言ではないことに注意(それっぽい実例は作れるが、それが成立する条件やメカニズムについては論証されていない)。ここでは2003年の記事をもとに再編集して新情報を追加し、この「読めてしまう」文章の起源と歴史を改めて整理しておく。
9ステップで別人!中国化粧美女の究極テクニック写真集
中国の「化粧美女」が話題になっている。
「小悪魔メイク過ぎる」 四川省の変身美女にネット騒然(中国)|トレンド|無料動画 GyaO[ギャオ]|という記事が出た。化粧前と化粧後(ならびに化粧のプロセス)を全公開した女性がいて、あまりにもその落差に驚いてしまう。
調べてみると、本人のサイトがあった。
╭★I'm Lala★╮というネットショップで自らがモデルとなっておしゃれ衣装を販売しているLala(laladesgin/lala設計屋)さんだ。これによると、上記記事とは違って「浙江省杭州」の人となっている(杭州は西施をはじめとして美女で有名な土地)。
その個人ユーザーページ(laladesgin的个人门户)からたどれる卸妆前后的我★男人婆变大眼SD娃娃★再更新(「化粧の前と後のわたし」)に問題となった「化粧前」「化粧後」「化粧の9ステップ」の写真と文章が載っている。見る限り、整形でもなければ画像加工でもなさそうだ。
その文章を一部翻訳してみた。あのage嬢もすっぴんはこんな感じかも!?
「歴史にifはない」とはどういう意味か(歴史における「偶然」と「未練」)
「歴史にifはない」という言葉がある。歴史家が歴史上の仮定を語るとき、「歴史にifはないと申しますが……」と枕詞のように言い訳する言葉としてよく用いられるが、そもそも、なぜ歴史で仮定を語ることがいけないことであるかのように言われるのか。「歴史にifはない」と言い出したのは誰なのか、またそもそもどういう意味合いだったのか。
調べてみると、歴史学者E・H・カーの『歴史とは何か』(1961年の講演録)がその発端になっているようである。それは、近現代史において未練たらしく「こうだったらよかったのに」という思考を批判する趣旨での「might-have-been school(こうだったらよかったのに派、未練学派)」批判であった。
「おばさん」呼ばわりは名誉毀損となるか
昨年末だが、レコードチャイナ:「オバサン」と呼ばれた30代女性、侮辱罪で隣人男性を訴える...というニュースがあった。
翻訳なので「大嬸(おばさん)」という語のニュアンスがよくわからない。そこで、中国語のニュースを読んでみた。
自由時報と蘋果日報の記事が見つかったが、報道内容が食い違っている。車を停めていたのが男性か女性かがまるで逆なのだ。どちらかというと蘋果日報の記事の方がきちんと取材しているように思えるので、「女性が日頃車を男性宅の前に止めていたためにいさかいが絶えず、ついに男性がおばさん呼ばわりしてしまった」というのが実態のように思われる。
また、訴えた女性によれば、大嬸というのは50~60代の田舎女性を指す言葉であるから、「わたしのように大卒でまだ30代のセレブを大嬸呼ばわりするのは公然侮辱」ということらしい。
「萌え本」の多様化・国際化の歴史
アクセス元を見ていたら、中国の比特客栈的文艺复兴(「ビット旅館のルネサンス」、以下BitInn)というブログからのアクセスがあった。見に行ったら、萌え本についての考察「「萌え本」(萌化教科書)についての略説」があり、その中でハルヒが春日。『涼宮春日的憂鬱』と台北萌え本事情[絵文録ことのは]2006/12/21にリンクされていた。
非常に興味深い考察だったので、この記事を訳して掲載してみたいと思う。