「翻訳」と一致するもの

訳すな、構造を理解せよ、そして、とにかく長いのを読め

英語その他の外国語についての勉強法がいろいろ議論にあがっている。

わたしがこれまで語学においてやってきた方法は、「訳文を一通り読んでから原著を読む」という小飼さんのメソッドに近い。

高校のとき、英語(というより単語の記憶)が苦手だったが、『指輪物語』(The Lord of the Rings)の日本語訳を数回読んだ前提の上で、原著を数回読み通すことで、「文章中の知っている単語を眺めれば全体の意味がなんとなくつかめる」という状態になった(ちなみに『指輪物語』は大学在学中までに日本語訳・原著合わせて30回は通読した)。

また、古文については、角川文庫版の対訳付き『源氏物語』を、まず現代語訳で、ついで原文で、最初から最後まで読み通して、語感をつかんだ。漢文は、藤堂明保ほかの編集による学習研究社の「中国の古典」シリーズを読み通した。

ついでに言えば、歴史については中公文庫の『日本の歴史』全26巻、『世界の歴史』(旧版)全16巻を通読することで、暗記ではなくストーリーとして学習した。

長編を読むのが苦手な人にはおすすめできないが、とにかく「習うより慣れよ」で暗記不要の勉強法について述べてみたい。

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今年「ことのは」経由で売れた本・音楽

2008年も残りわずかとなりましたので、今年一年、当サイト経由でAmazonで売れた商品のうち、複数以上売れたもの(つまり当サイトの読者の人気商品)を、ジャンル別にご紹介します。

今年前半はサイト更新を休止していたためにほとんど放置状態でしたが、それでも少しは売れていたようで、ありがたいことです。

なお、当サイトでは紹介していないにもかかわらず、紹介リンクからAmazonに飛び、そこで検索して購入されたものも数に含まれますのでご了承を。

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もしもプログラミング言語が宗教だったら……(全訳版)

もしプログラミング言語が宗教だったら - // TODO: better nameで知ったのだが、Aegisub: If programming languages were religions...という英語のブログ記事が一部で話題になっているようだ。しかし、日本語圏で見た限り、その概要のみしか訳されておらず、詳細は原文参照というものが大半で、おもしろみがわからなかったので、全訳してみた。

なお、以下は単純な翻訳であり、訳注部分を除いて訳者の考えとは無関係である。

(※訳者補記:この記事に対して、「○○という言語の作者は○○教徒」といった下司なコメントやブックマークをつけて嫌がらせをするような下劣な人が出てこないことを祈ります)

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「崖の上のポニョ」のプロットは大国主神話だ

今年見に行った映画の一つとして「崖の上のポニョ」がある。そろそろ多少ネタバレ的な話題を書いてもいいかと思うので、「崖の上のポニョ」についての神話学的解釈を書いてみたいと思う。

結論から言えば、「崖の上のポニョ」のストーリーは、「異界の者との結婚を果たし、異界(あちら側の世界)の者を人間の世界(こちら側の世界)に連れてくる」という流れになっている。つまり、日本神話の大国主(オオクニヌシ)と須勢理毘売(スセリビメ)の物語のモチーフが描かれているのである。

まあ、そもそもこういう「解釈」自体が不粋なものであるというのは承知の上で、つらつらと書かせていただきたい。

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現代中国語の中の日本語「外来語」問題

産経新聞で、「現代の中国語で、近代の西洋の言葉を翻訳したことばの多くが日本での訳語を採用したものだ」という記事が載った。

相変わらずの産経論調ではあるが、ここで述べられていることは事実である。

さて、ここで参照されている資料が王彬彬氏による『現代漢語中的日語“外来語”問題(现代汉语中的日语“外来语”问题)』という文章である。これはわたしも数年前に見ていて、非常に興味深いので訳しかけたことがあったが、結構長文なのでくじけていた。現在に至るも、全文の完全な翻訳は見あたらないので(一部訳されていないものならあったが)、今回、全文の完全訳に挑戦した。それが完成したので、こちらで公開する。

現代中国語の中の日本語「外来語」問題 - 閾ペディアことのは

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アメリカでの変な改名事例集

数日前の報道だが、奇抜な名前を付けられたNZの少女、裁判所が改名認める - Ameba News [アメーバニュース]というニュースがあった。

「タルラはハワイのフラをする(Talula Does the Hula from Hawaii)」と名付けられた少女の改名が認められたという。日本でも最近は赤ちゃんにかなり変わった名前を付けることが多いようだが、アメリカで変な名前に自分で改名しようとする例がまとめられていた。

以下、1069, Talula Does the Hula From Hawaii, and other names so weird that judges forbade them. - By Eugene Volokh - Slate Magazineからの翻訳である。

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『聖☆おにいさん』Tシャツ文字のモトネタ一覧

第2巻が出たばかりの中村光『聖☆おにいさん』が面白すぎる。Tシャツにジーンズ姿で、立川での下界バカンスを楽しむブッダとイエス。

宗教に限らず原典・原点が大好きで、一部の人には「何に対しても原理主義的」とまで言われてしまうわたしが(多少細かいところには目をつぶりつつ)大爆笑しているのがこのコミックである。とにかく面白い。特にモトネタを知っているとたまらないところが多数である。

さて、この話、毎回二人が白Tシャツやセーターやトレーナーに手書き風文字(うち3割はブッダの手作りシルクスクリーン)で登場するのだが、この文字がまたマニアックなのだ。今回は、コミック2冊分のTシャツのモトネタをまとめてみた。

聖☆おにいさん 1 (1) (モーニングKC)
講談社
発売日:2008-01-23
おすすめ度:4.5
おすすめ度3 ゆる〜く見守りたい
おすすめ度5 主よ、ブッダよ、作者に福音を
おすすめ度5 「オレ様はインテリだ!」と云う傲岸不遜なヒト。何も言わずに買え。
おすすめ度5 ブッダ!!!!!!
おすすめ度5 とても癒されます
聖☆おにいさん 2 (2) (モーニングKC)
講談社
発売日:2008-07-23
おすすめ度:5.0
おすすめ度5 めっちゃうれしい半年前倒し
おすすめ度5 大天使達は毎回爆笑なのに...?
おすすめ度5 うふふくすくすわははは
おすすめ度3 基本的には1帖に続いて良作。でも・・・・・・。
おすすめ度5 (((( ;゚д゚)))なんじゃこりゃー

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文章で稼ぐ人間が、無償のブログも書く理由

萌え理論Blogのid:sirouto2さんが、ここのところ、プロのライターとして書きつつ、無償のブロガーとしても執筆することについていろいろと考察している。それに対して、ケータイ小説評論家・速水健朗(id:gotanda6)さんが応えている。いずれも、ブロガーでもあるライターとしてのわたしとしては、共感できる内容が書かれている。

このあたりで、「有償の表現と無償の表現」とか「表現したいことと商品価値の軋轢」みたいなものも含めて考察してみたいと思う。

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(本当に)試験に出るブログ・絵文録ことのは

報告が遅れましたが、当ブログの記事が、2006年度の県立長崎シーボルト大学ならびに2007年度の金城学園大学の入試問題に採用されました。

自分の知る限りでは、「試験に出るブログ」は寡聞にして他に知りませんので、ブログ初の快挙ではないかと思います。

特に情報関係学科への進学を考えていらっしゃる受験生の皆さん、絵文録ことのはを読んで試験に備えましょう(宣伝)。

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稚拙な印象操作を駆使する記事には、「一次情報」に当たることが重要

 自分のブログ記事へのリンクがあったので、こんな記事があることを知った。

 ふむ、なるほど。最初に例示されたブログ記事は、確かに「テレビ番組のネタを完全にパクって紹介し、オリジナルな意見もほとんどない」といえそうだ。だが、このブログではさらに続けて「こうした作法はブログ界ではどれほど許容されているものなんでしょうか」と語る。そして、引用の度がすぎるようなものがブログ記事として受け入れられている、として、はてなブックマークで人気のサイトを列挙し、「オリジナルとは程遠いブログがずっと持ち上げられている」「アクセス数を稼ぐためにはオリジナリティというのは全く必要な要素ではないようです」と結論づける。

 この記事に対して「ホッテントリといえども既存の情報を加工しただけと検証」というブックマークコメントもついた。

 だが、ちょっと待ってほしい。そこで列挙されたURLは本当にそれを裏付けているのだろうか。というのも、そこに挙げられた私の記事(この一つ前のものだ)は、100%オリジナルな記事なのだ。

 そこで、列挙されたURLをすべて見直してみた。

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