「音楽」と一致するもの

木村剛氏の「ブロガーとしての資質」を問う――自分のものとして取り込みたがる人々

 「週刊!木村剛」で活躍中の金融サービスコンサルタント木村剛氏は、「ブログをマスコミに対抗するカウンターメディアにする」という野望を抱いてブログ啓蒙活動を続けている。しかし、その主張に私は違和感を感じてきた。対マスコミ姿勢については木村剛の「マスメディアへの対抗意識」は時代錯誤。中越地震マスゴミ批判記事を検証するに書いたとおりである。

 そして、昨日公開したエントリー「博客」と呼ばないで!中国ブロガー「博客」呼称騒動――博客中国 vs CNBlogにおいて、一部の中国ブロガーから激しく攻撃されている方興東氏の状況を見て、木村剛氏の問題点が私の中で整理された。

 私は、木村剛氏に対してマスコミで挙げられた金融政策上の疑惑などについては興味がないし、経済にはうといのでまるでわからない。木村氏の疑惑について紹介するトラックバックがあったが、読んでも事実関係がわからないのでスルーしていた。また、下記のような切込隊長と木村剛氏のやりとりについても、その本質は経済関係の疑惑なので、つっこめない。

 しかし、木村剛氏のブロガーとしての資質について、私はツッコミを入れずにはいられない。

  • 安倍ぬすみ主義・ジャイアニズム――必要以上に長い転載(リンクの価値を損なう)
  • 恣意的謎めき系――反対意見へはリンクも引用もしない(一方的な意見)
  • 負け犬の遠吠え――マスコミに対する激しい敵愾心と的はずれな批判
  • 読者をバカにしたプロパガンダ――自信と余裕のない書き手

 大きくまとめるとこの4点において、私は木村剛氏はリーディング・ブロガーたる資格を失っていると考える。以下、詳細。

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「反日」という政治的ツールに振り回されるのはバカバカしい

「ダカーポ」誌2004 10/20号(547)の特集は、『中国・韓国・北朝鮮「反日教育」の「恐ろしい実態」』であった。これはタイトルだけ見るとウヨク気取り厨房たちの好きそうな「反日教育をやってる中国・朝鮮が悪い!」アジテーションのように勘違いしそうだが、実は全体が反日なんてことはないことを明記し、一部の政治的あるいは歴史的、感情的な理由によるプロパガンダとしての「反日」について客観的にまとめている。この問題について要領よくまとめたものとしては、左右どちらにも偏らないよい特集ではないだろうか。

 これによると、日中それぞれの路線がかいま見える。

 中国は、9月にこれまでの江沢民=反日/愛国路線から、胡錦濤=国際関係安定志向へと変化した。今後、中国政府は「反日」を押さえる方向に向かうと考えられる。「中国でも「反日愛国厨房」は馬鹿にされている」で紹介したような意見は、胡錦濤路線を代表するものととらえてもいいかもしれない。

 一方、日本は中国派(田中真紀子)・ロシア派(鈴木宗男)の失脚以来、アメリカ追従路線一本となっている。中国との関係は、市場ならびに労働力提供の源としての中国、あるいは観光地としての旅行産業の思惑など、民間(産業/個人)レベルではさらに大きなものとなっていくだろうと思われるが、政治レベルでは対中より対米のほうが重視される路線は今後も続きそうだ。

 以下、ダカーポからの一部引用と、もう一つ「反日愛国厨房」を批判する中国人の投稿の訳を掲載する。

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愛国心(または国という枠組みへの帰属感)反応集

 自分で作るのもどうかと思いますが。

 コメント欄ではいろいろ関係ない話が展開されていますが、それは置いておいて、他のサイトやブログでのコメントから非常に興味深いものをまとめておきます。

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トリビアの語源は「3つの道」

今日の雑学:triviaの語源の逆遠近法的解釈の試み(0x0a by SUZUKI, S. V)で「トリビア(trivia)」の語源についてのちょっとした調査が載っていたので、ネットでもう少し調べてみた。どうやら、「トリビア=無駄知識」という意味にたどり着くまでには2つの経路があったようである。

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虚構が真実味を生む。近松門左衛門の創作論「虚実皮膜」

 人形浄瑠璃・歌舞伎の脚本作者である近松門左衛門(1653~1724)の芸術論として有名なのが「虚実皮膜(ひにく)」の論である。これは「創作においては、事実を完全に描写するのではなく、多少事実と外れるところがミソ」という話なのだが、ネット上ではなかなかその解説が見当たらなかった。

 この近松の話は、浄瑠璃だけではなく、一般の創作や表現活動で(つまり音楽やイラストなどでも)非常に参考になるものだろうと思うので、ここに虚実皮膜論に関する部分を全部現代語訳して公開したい。

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the sad sad planet 背中には輝く七色の翼

 新宿でストリート演奏していたバンド「the sad sad planet」(略称:サップラ)にいきなりはまってしまいました。全身で歌うヴォーカル、サビの急展開。

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 最初は偶然通りかかっただけでしたが、翌日、わざわざ聴きに行ってしまったのでした。

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CLANNAD(クラナド)は「家族」を意味しない

別の場所で事前に書いていたとおり、実験は終了いたしました。完全に消すとまた何だかんだ言われますので、一応データを保存しておきますが、こちらが正式版です。


【表現がきつかったところは謝罪します。ここで明らかにした事実関係が変わるわけではありませんが、不快感を与えたことをお詫びして訂正します。取消し部分追記部分とします。以上25日未明。】

偽CLANNAD 「CLANNAD」という名前のゲームが売れているようである。クラナドといえば、かのエンヤも一時期所属していたアイリッシュトラッドの有名バンド名であり、それがなぜかエロゲー恋愛ゲームのタイトルにつけられている。(但し18禁でないと明らかになったのは発売2カ月前)

 これだけでも不快だが、問題なのは"「クラナド」とはゲール語で「家族」を意味する"と会社側が説明している(Amazonの解説にも正式に載っているし、シナリオライターの麻枝准氏も「pre-CLANNAD」で述べているようである)。だが、「クラナド」とは固有名詞であり、「家族」などという普通名詞ではないのだ。トラッドクラナドのファンにとって、今回のKey((株)ビジュアルアーツ)社の暴挙は見逃すことのできない冒涜行為であるこの間違いは看過しがたいものである

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「輸入権」の根本解決法は「関税」だ

建設的な話をしよう。反対だけでは仕方がない。代案を出そう。

「日本で原盤が製作されたCDの海外(特にアジア)盤を輸入制限したい」という発想を、「著作権法」によって「輸入禁止できるようにする」という方法で解決しようとするから変なことになるのだ。

この法案を進めているAVEXの依田さんを始めとする人たちにも、海外(特にアジア)盤ファンにも納得できる落としどころがある。そして、単に安いから海外盤というのではなくてファンだからこそ聴きたいという人たちの選択の自由を守ることができる。

しばさんが書いていたアイデアが最適解じゃないだろうか。
それは、「関税をかければいい」ということだ。

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切り捨てられるアジア音楽ファン【音楽関係者にまで裏切られた!?】【お詫び追加】

私たち音楽関係者は、著作権法改定による輸入CD規制に反対します」に「声明文」が出されている。もちろん、「輸入CD規制に反対」という趣旨には賛同している。しかし、その内容については、絶対に賛同できない文面が含まれている。

アジア盤の邦楽CDの逆輸入防止を目的とするならば、それを法案に明文化することを求めます。

つまり、この「音楽関係者」は「アジア盤は禁止されてもいい」というのだ。

しかし、それはアジア音楽ファンに対する裏切りであり、ものごとを大局的に見ていない声明である。

●5月15日追記。無用な混乱を招いたことをお詫びし、一部訂正等を加えた上で末尾に追記します。

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坂本龍一氏も反対。輸入盤規制は「音楽産業自らの手で音楽ファンを葬る」

先見日記:輸入盤規制
OTO-NETA
坂本龍一教授がついに輸入盤規制について発言。まさに明快な言葉です。私は以下の部分を特にレコ協の方に噛みしめていただきたいと思います。

産業の利益を守るためとはいえ、音楽産業自らの手で音楽ファンを葬るようなことをするとは、自分の手で自分の首を絞めているようなものである。業界は規制で閉め出すことばかり考える前に、高いなら高いなりに付加価値をつけることに努力するなり、アジア盤に対抗して値段を安くするなりして、競争力をつけるべきである。

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