「わかる」と一致するもの

制服向上委員会の「フジロック狂言」始末

最近、反原発を前面に押し出すことでプロモーションしているアイドルグループ「制服向上委員会」が、7月20日、メンバー公式ツイッターと公式ブログで「フジロックのスポンサーのひとつである大手企業の反対により「ステージ上で脱原発の歌は歌えない」との事で、出演出来なくなってしまいました。」と発表。

ネット上ではこの情報をもとにフジロックや「大手企業」、あるいはロックそのものを批判する論調も見られたが、一方で「制服向上委員会の言うことは間に受けない派」(宗像明将さんなど)をはじめとして、そもそもの発言の信憑性を疑う声も上がっていた。

結局のところ、そもそも制服向上委員会がフジロックに出演する話そのものが疑わしいというのがオチであるようだが、その顛末をとりあえずまとめておく。

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2011年の統計からみるスマホの将来:docomo圧勝?

スマートフォンはどれくらい伸びるのか、伸びないのか。日本独自の進化を遂げたがゆえに「ガラパゴス携帯=ガラケー」と呼ばれる従来型携帯がスマートフォンに制圧されるのは近いのかまだ先なのか。

そういうことをデータに基づいて検証したいと思って、先週、携帯3社に対して「従来型携帯とスマートフォンの契約者数について、性・年代別の統計資料はありませんか」という問い合わせを行なったところ、三社横並びで「そういう資料は提供していない」との回答だった。

さらに検索してみたところ、1か月前に博報堂の関連調査機関が出した報告がちょうどぴったりのものだった。博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所が6月15日に公開した「メディア定点調査2011」である。

この中で「スマートフォン所有状況」の東京・大阪・愛知・高知の4か所の比率(抜粋編に掲載)、同じく2010年との比較と性年齢別比較(ニュースリリースに掲載)のグラフが表示されている。

このグラフからは「スマホは20~30代ビジネスユーザー中心」という現状が読み取れるように思われる。それは、すべてのガラケーがスマホに入れ替わるのはまだもう少し先、ということを暗示しているように思われる。

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「災害ユートピア」と「震災ナショナリズム」

「災害時にも沈着冷静で礼儀正しい日本人」――それは実は、全世界の被災地で普遍的に見られる現象だった。

6月12日の文学フリマに合わせて作った個人誌『東日本大震災でわたしも考えた』では、ブログに掲載した記事をさらに拡張・加筆修正を加えただけでなく、いくつかの書き下ろしも入っている。その一つが『「災害ユートピア」と「震災ナショナリズム』」という文章である。

ここでは、その前半部分をそのまま掲載する(一部囲み記事や図版は省略)。

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「地震兵器」説の徹底分析と致命的欠陥、陰謀論の本当の危険

現在、陰謀論ジャーナリストのベンジャミン・フルフォード氏やリチャード・コシミズ氏などが「東日本大震災は地震兵器によって起こされた」という説を唱えており、完全に心酔した元広島県議会議員がツイッターで強く主張するなどの状況となっている。

確かに、小規模であれば人工的に地震を起こせることは事実であるが、今回の大震災を地震兵器によるものと見なすことはできない。そのことはすでに山本弘氏の詳細な検証もあるが、ここで地震兵器説そのものの問題点を指摘しておきたい。

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震災後のデマ80件を分類整理して見えてきたパニック時の社会心理

ツイッターの「東北関東大震災に関するデマまとめ」(jishin_dema)」さんが中心となって、主にツイッター上を流れるデマ情報とそれに対する分析の収集・告知が精力的に行なわれており、多くの人が情報提供や検証に加わっている。震災発生直後から1週間程度がデマのピークではあったが、現在も新たなデマは生まれつつあり、また過去に否定されたデマが生き続けているものもある。

そのツイートをもとに@omiya_fctokyoさんがTogetter - 「「東北関東大震災に関するデマまとめ」のまとめ」を作成され、わたしも気がついたら編集に参加している。

今回、この「デマまとめのまとめ」をもとに、震災発生後約1カ月間のデマ80件をピックアップ、パターン別にまとめてみた。

※この記事は震災後1か月足らずの時点でのまとめです。同年6月に発行した冊子『東日本大震災でわたしも考えた』では震災後のデマ100件の分類整理を行なっていますのでぜひこちらもご参照ください。

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政府による「日本全国首都化計画」文書が流出。日本の首都は「日本」、全国を十州に【4/1】

計画停電による業務の停滞を避けるために地方に本社を移転する企業が出ているが、4月1日、政治機能を停滞させないために各省庁を日本全国に分散させる「日本全国首都分散化計画」文書が流出し、話題となっている。

この計画は、これまでの「分都」や「首都機能分散」のレベルにとどまらず、日本の全土を首都とみなすほどの大規模な分散計画を土台としていることが特徴。同文書では「北京市が四国ほどの面積を持つような例もあり、国土の全土を首都と見なす考え方があってもよい」「首都への一極集中が問題視されるなら、いっそのこと全国を首都とすれば問題は解決する」「交通網と情報網を確保することで実現は容易」等としている。

また、日本全国が「都」となるため「東京都」は「東京府」とし、道州制を一歩進めた「十州制」の地域割りを想定。これは江戸時代末の佐藤信淵『宇内混同秘策』による八地域案に北海道・沖縄を加えたものである。

この文書の流出経路については不明であり、現時点で政府関係者からのコメントは得られていないが、専門家は「充分に想定できる構想。むしろ今まで出なかったことが不思議だ」と述べている。

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福島・双葉病院「患者置き去り」報道の悪意。医師・看護師は患者を見捨てたりしていなかった(追記あり)

福島県大熊町の「双葉病院」で、医師・看護師が患者を見捨てて逃げていた、という報道がなされていたが、実際には現場の状況は大きく異なることがわかった。これは、病院関係者の家族によるツイートもあり、また後発の報道でも(見出しは悪意あるものの)内容的には「患者を置き去りにして職員だけが逃げた」というような悪評を完全に否定するものとなっている。

現地での直接取材はかなわないが、当事者のツイートなどを「Togetter - 「福島・双葉病院「患者置き去り」報道に関する情報」」にもまとめてみた。若い人なので表現が至らないところもあるようだが、その趣旨を酌んで以下、簡潔に状況をまとめてみたい。

少なくともマスメディアは名誉回復を全力で行なうべきだと思う。

※最終更新2011/3/20

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第14回「日本語教育と音声研究会」レポ:声優・若本規夫氏の操る声の秘密

2011年2月26日、早稲田大学にて第14回「日本語教育と音声」研究会(戸田貴子教授 - 早稲田大学大学院日本語教育研究科)が開催された。•参加費無料・事前申し込み不要ということで、興味ある分野でもあるため初参加した。

第14回のゲストは声優の若本規夫さん。私の予備知識ではしょこたんの「スカシカシパンマン」と、「人志松本のすべらない話」「嵐にしやがれ」のナレーションの人というだけのものだったが、その独特の声色はいやでも印象に残っていた。

当日、会場はなかなかの盛況で、第一部の若本さん目当ての人がおそらく過半数だったように思われる。以下、会場にてポメラでメモした内容をまとめた。※個人のメモであり、本人の発言そのままではないことをご了承ください。

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京大入試を知恵袋で訊いた受験生の手口をプロファイルする

京大をはじめとする入試大学の問題を試験時間中に「Yahoo!知恵袋」に投稿して回答を募っていた事件について、京都大学は被害届を提出すると報じられた。約20年前に2回目の受験でやっと京大に入学できた自分としては、こういうことをするのが結局は自分自身のためにならないことを自覚してほしいと思う。

今回は犯人と手口を推理してみる。私の推理としては、共犯がいる。いくら何でも、会場で問題をサイトに投稿するような不審なことをしていれば、試験監督以外の一般受験者からも発見されるはずだ。

したがって、受験者が「超小型カメラなどの手段で撮影した試験問題を外部へ送信」し、それを協力者(家族の可能性もある)が入力してaicezukiのidでYahoo!知恵袋に投稿(入力はPCの可能性もある)、その回答を何らかの手段で受験者に伝えたと考える。

試験会場にて携帯で知恵袋を見るのはリスクが高いので、メールで送信したかもしれない。だが、そういうものを見ること自体がリスクだ。イヤホンも無理。となると、憶測をたくましくすれば、モールス信号を振動で伝える手段などを使って、外部にはほぼわからない状態で回答を得たのかもしれないとも考えられる。いずれにしても、会場で携帯を使っていたとは言い切れない。

そして、Yahoo!知恵袋などのQ&Aサイトの「回答の精度」についても最後に述べる。ネット丸写しの誤答によって犯人はすぐ割り出されるだろう。

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選択式夫婦別姓議論と「日本人の姓/名字」の歴史

夫婦別姓をめぐる違憲訴訟がついに東京地裁に提訴された。

私自身は「選択式夫婦別姓」に賛成である(詳細は別稿にて述べたいが、私はさらに改姓・改名の自由を求める意見を持っており、その過程として選択式夫婦別姓に強く賛成する)。一方で「選択式」であるにも関わらず、同姓でない夫婦が生まれることを「家制度の破壊」であるととらえて反対する人たちも少なくない。

しかし、その家制度は本当に日本の「伝統」なのだろうか。私が調べた限り、そうではない。現在の戸籍制度は明治時代に民法によって作られた新しい制度だ。名前こそ「戸籍」という律令制由来の名称ではあるが、明治以前の「戸籍」の伝統を受け継ぐのではなく、むしろ明治維新後にヨーロッパ大陸法に基づいて徴税や徴兵を目的として作られた、たかだか150年の短い歴史しか持たない新しい制度であって、日本古来の伝統などとは到底呼べない。

ただ、一方でネット上では「明治以前は夫婦別姓だった」という記載も見られるが、こちらも正確ではない。

結論から言うなら、明治以前の日本の制度は「姓氏は出身氏族のものなので一生変わらないが、一家は同名字(兄弟でも分家すれば別名字)」だったのである。氏・姓・名字/苗字はすべて別のものであったが今はそれらがごっちゃになっている、という最低限の知識がそこには必要である。

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