「言葉」と一致するもの

リンクなしトラックバックが「アクセスを奪う」という表現についての補記

 前回のエントリー「トラックバックをめぐる4つの文化圏の文化衝突――「言及なしトラックバック」はなぜ問題になるのか [絵文録ことのは]2006/01/06」は大きな反響を呼び、それぞれの文化圏に属する(あるいは属さない)人からそれぞれの反応が得られた。

 面白いのは、「言及リンク文化圏」「関連仲間文化圏」のそれぞれで、「そういう別の考え方の人がいたとは知らなかった」とか、「(言及リンクは)なぜそんなに堅苦しく考えるのか」「(関連仲間文化圏は)やはり理解できない」といった反応が出てきたことだ。まさに文化衝突(あるいは文化交流)であるという感を強くした。

 さて、いくつかの点で、こちらの表現不足、あるいは誤解を招く言い方があったようなので、補足しておく。補足のくせに長文なのは許してください。仕事用原稿じゃないので短くまとまらない。でも新書版単行本換算で15ページ分くらいだから、それほど長いというわけでもないでしょ?(笑)

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トラックバックをめぐる4つの文化圏の文化衝突――「言及なしトラックバック」はなぜ問題になるのか

 「リンク」が絡む問題に関しては、「文化圏」というとらえ方でものごとを見ると、ネット上の議論もかなりすっきりする部分があるようだ。

 ライブドアブログが、1月10日から「トラックバック元の記事にトラックバック先のブログURLが含まれていない場合、受付を拒否する仕組みを導入」すると発表した(livedoor Blog 開発日誌:年末年始を写そう!livedoor ピクスリニューアル、トラックバックスパム防止につきまして)。これは多くのブロガーからは「やっと導入か」という賛同の声も上がっているが、一方で「そんなことされたら、大量のトラックバックが送信できないじゃないか!」と激しく抗議するブログもあらわれた(CODY スピリッツ!:ライブドアブログのトラックバックスパム防止策導入についての文句をローゼンメイデン風に書いてみる)。

 トラックバックするときに、相手記事への言及リンクは必要か不要か……トラックバックスパム問題も絡んで論争となってきたが、これもまた、トラックバックをどのようにとらえているかという考え方で分けると、すでにネット上には4つの文化圏が存在しているように思われる。

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ウェブの二つの文化圏の衝突【後編】ネガティブリンクと批判する側・される側の論理

 前編「無断リンク禁止問題にみるリンクする側・される側の論理」では、このネット上には大きく分けて二つの文化圏があり、ネットの特性に根ざした原住民型「リンクフリー文化圏」と、一般社会のルールに基づいた移民型「リンク許可文化圏」が存在していることを指摘した。そして、「無断リンク禁止問題」はその二つの文化圏の衝突(カルチャーショック)であり、解決は困難だろうという希望のない結論であった。

 後編では、もう一つ、似ているが別の現象である「ネガティブリンク問題」について扱う。これは単純な作法だけではなく、「悪意」を含む・感じ取るという厄介な問題も含まれているので、項目を分けることにした。

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ウェブの二つの文化圏の衝突【前編】無断リンク禁止問題にみるリンクする側・される側の論理

 いったい10年前から何回この話題はループしたら気が済むねん、という勢いで論争が繰り返されているのが、「無断リンク禁止」と「ネガティブリンクへの対応」の問題である。

 ここ数日、はてなブックマークで急に話題になっているのが、「日本一わかりやすいとまでは言えない「URL晒しがダメな理由」」というページで、このページ自体は2004年秋のものである。

 ブログでは外部ページへの参照が活発で、さらにトラックバック機能までついているため、従来の「ホームページ」よりも自由にリンクが張られる傾向にある。そんななか、「儀礼的無関心」問題に始まり、最近の「はてなブックマーク暴言問題」に至るまで、特に「否定的リンク」「観察的リンク」の是非が問われてきた。

 この辺の問題について、「リンクする側・される側」「批判する側・される側」の関係でとらえてみると整理できるんじゃないかと思って図を作ってみたのが今回のエントリーである。

 前編は「無断リンク」問題、後編は「ネガティブリンク」問題を扱う。

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戦略思考の本質を探る二冊――しかし戦略思考を超える必要もある

 書きそびれていた書評を今年の締めくくりに。

 今回は、二冊の「戦略」に関する本についての書評である。

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ミュージカル・バトンはなぜ大流行になったのか

2005年を振り返るシリーズ【6】

 2005年6月、ミュージカル・バトンの大流行現象が起こった。このブログでも初期に参加し、またその解説も合わせて書いている。

 このミュージカル・バトンには批判もみられた。たとえば、「強制される感覚がいや」「ブログでのチェーンメールみたいなものなのだから、止めなければいけない」という批判から、「これは音楽業界のどこかが仕組んだマーケティングリサーチだ」という陰謀論に至るまで、一部で強い反発を招いたのも事実である。

 だが、チェーンメールであれば絶対に(ネタにはしても)回すはずのないウェブのパワーユーザー、あるいは著名なネットワーカーも、このミュージカル・バトンにはこぞって参加している。そして、今もバトンは新しく作られ、どこかで回り続けている。

 なぜミュージカル・バトンは受け入れられたのか。少々考察してみた。

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ことのは2005ベストソング10

2005年を振り返るシリーズ【4】

今年聴いた曲のなかからベストソング10を選んでみようという個人的に偏った企画。はっきり言いますが、世の中のトレンドとは完全にズレてますので注意。

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the sad sad planet ライブ ~Neige~ 2005/12/24 原宿アストロホール

 新宿駅周辺でのストリートライブを中心に活動し続けるストリート系インディーズバンド「the sad sad planet」(略称:サップラ)の10回目のワンマンライブが、2005年12月24日、原宿アストロホールで開かれた。ボーカル/作詞のそよぎちゃんと、ギター他/作曲の工藤さんに加え、ギター・ベース・キーボード・ドラムも参加したバンド編成でのライブである。今回で10回目のワンマンということだが、サップラと出会って一年半、確実にサップラは凄くなってきている。

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渋沢栄一型実業・共栄アフィリエイトと、岩崎弥太郎型スパム、ネット上の決戦

2005年を振り返るシリーズ【3】

 2005年にはブログが定着し、アフィリエイトを始める人も増えた。その一方で、アクセス乞食によるトラックバックスパムなど、他人から奪い取ることだけしか考えていないアフィリエイターも増えている。

 私の親交のある有名アフィリエイターさんたちは、カリスマ主婦アフィリエイター藍玉さんをはじめとして、スパムは大嫌い、こつこつとお客さんとの信頼を培うようなサイト運営を目指し、みんながそれぞれの利益をえられるようにと考える良心的な共栄型アフィリエイターばかりだ(有名になるような人たちはたいていそうだ)。一方で、知り合いがスパム型サイトばかり作っていたことが発覚、「俺は儲かるから他人がどう思おうと知らない」と考えているのを知って、少々口げんかのようにもなってしまったことがある。

 こういう対立は、実は新しいものではない。日本では明治11年8月、向島の料亭で「共栄」と「独占」の対決があったのである。

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アルファブロガー2005候補を選んでみた

2005年を振り返るシリーズ【2】

FPN主催で「アルファブロガーを「もっと」探せ-2005」という企画が始まっている。私の推薦する「アルファブロガー」は以下のとおりである。

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