「言葉」と一致するもの

アメリカ合衆国が「合州国」ではない理由についての資料集

 United States of America は、日本では「アメリカ合衆国」と訳す。states(州)がunited(合)したものなのだから「合州国」じゃないのか、という疑問はよく提出されるが、これは合衆国で正しい。

 「合衆」というのは今の「共和」つまり王政ではない合議制を意味する言葉、あるいは「協力し合う」という意味である。したがって、「アメリカ合衆国」とは「共和制度の国家アメリカ」、あるいは「アメリカ洲における連合諸邦が共同経営する国家」という意味で名づけられたのだ。

(追記。つまり、「衆が合する国」だと考えると、「それだったら州が合する国じゃないか」ということになるわけだが、実際には「合衆する国」という意味なのである。合衆=コラボレーション、とでも訳すとわかりやすいか。だから、合衆国=連邦とまったく同義であり、合衆国はUnited Statesの「直訳」ということになる。)

 ということを数年前に調べていたのだが、その資料を久々に発見したので、ネットに挙げておくことにする。したがって、今回は引用ばかりなのだが、そのへんはご容赦を。

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縦書きアタマと横書きアタマ

ブログ本が2冊、しかも縦書きで出ている。

ウェブログ超入門! 1日5分の口コミプロモーションブログ

 この2冊はどちらも「ブログの設置の方法」よりも「運用の仕方」に重点を置いているのが特徴。拙著『ウェブログ超入門!』の方は、とにかく初心者向けに、トラックバックのマナーとか考え方とか、どういう記事をどういう風に書いたらいいかとか、引用の決まりとか、あとはメディアとの関係とか、知識経済ヴァージョン2とか、クリエイティブ・コモンズとかに触れている。

 一方、長野さん、maskinさんの『1日5分の口コミプロモーションブログ』は、内容はかなり似ているのだが、もう少しIT関係者向けの印象が強い。活用法について書いた部分では、ビジネスでどう使うかという方向を向いている。ネット中級以上の人向け、あるいは、会社でブログについてプロモーションするときの資料として使えるのではないかと思う。

 さて、この縦書きについて「ブログ神」こと平田さんがコメントを書かれている。今回はこのことについて書いてみたい。

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「のそれ」不要論――日本の文法と英語のそれ

 ここしばらく「私の使えない日本語」シリーズになっている節があるが、今回も決して使いたくないと感じる表現を取り上げる。それは「○○のそれ」という表現だ。googleで検索して無作為に例を挙げると、

「米のたんぱく質の栄養価は大豆のそれとほぼ同程度?」
「最近の食材(特に野菜)は昔のそれとはずいぶん違ったものになっているそうです」
「口座開設申込用紙の筆跡が家族・親族名義の口座のそれと同一であるとみなされる場合」
「天皇制に関する諸制度、たとえば大嘗祭や皇位継承の手続きにも、騎馬民族のそれと類似点が見られる」
「「競技」としてのフットボールと、「ビジネス」としてのそれとのバランスの問題」

といった例がある。特に二つのものを比較するとき、同じ言葉を繰り返さないようにしようとして「○○のそれ」という表現を使っているようなのだが、これは極めて英語的表現で、もともと代名詞を使わない日本語としてはどうも落ち着かない。

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とても使えない「とても」の話

 私の言語感覚には明治とかそれ以前のものが混じっているらしい。というのは、「とても」という言葉を「非常に」といった肯定的な意味で使うことがとてもできないからである。

 この「とても」という言葉が肯定の意味で使われるようになったのは、明治末期以降のことらしい。そこで、その流れを少し追ってみた。

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CLANNAD(クラナド)は「家族」を意味しない

偽CLANNAD 「CLANNAD」という名前のゲームが売れているようである。クラナドといえば、かのエンヤも一時期所属していたアイリッシュトラッドの有名バンド名であり、それがなぜか恋愛ゲームのタイトルにつけられている。

 問題なのは“「クラナド」とはゲール語で「家族」を意味する”と会社側が説明している(Amazonの解説にも正式に載っているし、シナリオライターの麻枝准氏も「pre-CLANNAD」で述べているようである)。だが、「クラナド」とは固有名詞であり、「家族」などという普通名詞ではないのだ。

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CLANNAD(クラナド)は「家族」を意味しない

別の場所で事前に書いていたとおり、実験は終了いたしました。完全に消すとまた何だかんだ言われますので、一応データを保存しておきますが、こちらが正式版です。


【表現がきつかったところは謝罪します。ここで明らかにした事実関係が変わるわけではありませんが、不快感を与えたことをお詫びして訂正します。取消し部分追記部分とします。以上25日未明。】

偽CLANNAD 「CLANNAD」という名前のゲームが売れているようである。クラナドといえば、かのエンヤも一時期所属していたアイリッシュトラッドの有名バンド名であり、それがなぜかエロゲー恋愛ゲームのタイトルにつけられている。(但し18禁でないと明らかになったのは発売2カ月前)

 これだけでも不快だが、問題なのは"「クラナド」とはゲール語で「家族」を意味する"と会社側が説明している(Amazonの解説にも正式に載っているし、シナリオライターの麻枝准氏も「pre-CLANNAD」で述べているようである)。だが、「クラナド」とは固有名詞であり、「家族」などという普通名詞ではないのだ。トラッドクラナドのファンにとって、今回のKey((株)ビジュアルアーツ)社の暴挙は見逃すことのできない冒涜行為であるこの間違いは看過しがたいものである

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「べき」という言葉はどう使うべきか

はてな 「使うべきではない」という言葉は「使ってもいいけど必ずではないよ」という意味なのでしょうか、それとも「絶対に使うな」の意味なのでしょうか。”という質問があった。私も答えてみたのだが、回答が開かれないまま終わってしまった。

「べき」という言葉は日本語のシーラカンスのようなもので、古典文法が現代に生き残ったものだ。だからちょっと厄介な問題もある。「「べき止め」について」というページに書かれているように、新聞などで「~すべき。」という表記を使うことにも異論がありえる。

今回は「べき」という言葉をどう使うべきかについてまとめてみたい。

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坂本龍一氏も反対。輸入盤規制は「音楽産業自らの手で音楽ファンを葬る」

先見日記:輸入盤規制
OTO-NETA
坂本龍一教授がついに輸入盤規制について発言。まさに明快な言葉です。私は以下の部分を特にレコ協の方に噛みしめていただきたいと思います。

産業の利益を守るためとはいえ、音楽産業自らの手で音楽ファンを葬るようなことをするとは、自分の手で自分の首を絞めているようなものである。業界は規制で閉め出すことばかり考える前に、高いなら高いなりに付加価値をつけることに努力するなり、アジア盤に対抗して値段を安くするなりして、競争力をつけるべきである。

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「ウェブログ@ことのは」改め「絵文録ことのは」

 ご覧のとおり、大幅にデザインとタイトルを変更しました。本日から「ウェブログ@ことのは」改め「絵文録ことのは」ということでよろしくおねがいします。でもリンクとかで「ウェブログ」になってるのは別にそのままでかまいません。
 以下、今回のリニューアルについて少々。

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イラクのブロガーたちは人質事件をどう見たか

 今回の人質事件については、「自作自演」「自己責任」「自己負担」をめぐって右と左の陣営に分かれて罵り合っているような構図になっているが、そういうものとはまるで無関係に、「イラクのブロガーたちはこの事件についてどう書いているか」を集めてみた。イラク人またはイラク在住のブロガーの記事から単純に「japan」で検索し、ある程度まとまった見解を述べているものを訳したものである。
 で、いつものごとく念押ししておくと、私自身は単にこういう見解があるということを紹介しているだけであり、いずれの陣営にも与しない。

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